電動車椅子サッカーとは? わかりやすく解説

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電動車椅子サッカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 09:12 UTC 版)

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電動車椅子サッカーの試合

電動車椅子サッカー(でんどうくるまいすサッカー)は、電動車椅子で行なうサッカー競技であり、障害者スポーツの1つ。電動車椅子に取り付けられたフットガードを用いてボールを蹴る。英語ではパワーチェアーフットボール(Powerchair Football)、北米ではパワーサッカー(Power Soccer)と呼ばれる。サッカーのFIFAに該当する国際統括団体はFIPFA(国際電動車椅子サッカー連盟)である。日本では日本電動車椅子サッカー協会(JPFA)が統括し、日本サッカー協会(JFA)や他の障害者サッカー団体とは日本障がい者サッカー連盟(JIFF)を通じて協力関係にある。

概要

試合時間は前後半でそれぞれ20分ずつである。

ゴールキーパー1名を含む4名(男女の制限はない)からなるチーム同士で対戦し、時間内に得点した数が多いほうが勝利する。

基本的な競技規則はサッカーやフットサルと似ているが、ボールを保持している選手1人に対して、相手チームの選手が2人以上、半径3メートル以内のエリアに入ってプレーに関与すると「2対1(2-on-1)」という反則となる。 ただし、相手チームの2人の内の1人が自陣ゴールエリア内にいるゴールキーパーの場合は「2対1(2-on-1)」の反則とはならない。

自陣ペナルティーエリア内に守備側チームの選手が3人入ると反則となる。

選手は交代して退いても、アウトオブプレー中であれば主審の許可を受けて何度でも交代して再度プレーに参加できる。

用具・設備

ジャージなどを着用し、フットガードのついた電動車椅子で競技する。国際大会では時速10km以下で走行、試合の際には安全のため、腰にシートベルトを着用しなければならない。

屋内でバスケットボールと同じサイズのコート(15m×28m)を用いる。ゴールには2本のポスト(ポールもしくはパイロン)をおく。ゴールエリアは幅8m、奥行きが5mある。ボールは革もしくはビニール製で直径33cm前後と、標準的なサッカーボールよりも大きなものが使われる[1]

歴史

電動車椅子サッカーは、フランスで1978年、アメリカおよびカナダで1980年に誕生したスポーツで[2]、日本では1982年に北米でパワーサッカーと呼ばれていたこの競技をヒントに、大阪市身体障害者スポーツセンターにおいて始められたとされている。日本最初のチームは大阪ローリングタートル[3]

フランスでは身体障害者の競技大会、ジュー・ド・ラヴニール(Jeux de l'Avenir)において1989年に公開競技として実施され、1991年の同競技会に最初の公式競技が行なわれた。1992年からは国内選手権も開催されている[4]

誕生から20年以上の間、電動車椅子サッカーはヨーロッパ、北米、アジアの各国で、それぞれ独自のルール、用具で競技が行なわれてきた。例えば日本の電動車椅子サッカーではタイヤを切って作ったバンパーがフットガードの代わりとして使われ、ボールも直径50cmのものが用いられた。[5]これに対し、競技としての国際化をはかるため、2006年に10か国の競技団体が集まり、競技規則の統一が行なわれた[6]

2007年には初のワールドカップが東京で開催され、アメリカ、ベルギー、フランス、デンマーク、イングランド、ポルトガル、日本の7か国が参加。優勝はアメリカ、準優勝はフランス、3位はベルギー、4位は日本。

2011年10月31日~11月6日の7日間、フランスで日本を含む世界10カ国が集まり「第2回FIPFAワールドカップ2011」が開催され、日本代表チームは5位となったが、日本協会派遣国際審判員の2名が決勝戦主審、副審を担当した[7]

そして2017年には第3回目となる「FIPFAワールドカップ2017」がアメリカのフロリダ州で開催された。この大会の模様は、電動車椅子サッカーの日本代表選手を取材して2018年に完成したドキュメンタリー映画『蹴る』の中でも紹介された。

チーム

日本電動車椅子サッカー協会・所属チーム(2019年度)

北海道ブロック
  • Safilva
関東ブロック
  • BLACK HAMERS
  • FINE
  • YOKOHAMA Bay Dream
  • Yokohama Crackers
  • ウイニングフェニックス
  • レインボー・ソルジャー
北陸ブロック
  • 金沢ベストブラザーズ
  • 流星キッカーズ
中部ブロック
  • DKFBCディスカバリー
  • バレッツ
  • FCクラッシャーズ
  • MAX
  • SFCデルティーズ
  • Wings
関西ブロック
  • F.C. LUTESTAR SHIGA
  • Red Eagles 兵庫
  • SONIC~京都電動蹴球団
  • 大阪ローリングタートル
  • セレッソ阪神
  • 奈良クラブ ビクトリーロード
  • プログレス奈良
  • 兵庫パープルスネークス
  • ファインフレンズ
四国ブロック
  • スクラッチ香川
  • レッドホエールズ
中国ブロック
  • ERST 広島 M.S.C
  • A-pfeile広島PFC
  • 廣島マインツ
  • ハイブロワーズ広島
九州ブロック
  • Nanchester. United 鹿児島
  • Infinity侍

脚注

  1. ^ 国際電動車椅子サッカー連盟(日本電動車椅子サッカー協会訳). “パワーチェアーフットボール競技規則2009和訳 (PDF)”. 2010年8月20日閲覧。
  2. ^ 関東ブロック電動車椅子サッカー協会. “パワーチェアフットボールとは?”. 2007年12月8日閲覧。
  3. ^ 高橋明 (1996年7月). “特集/障害者のスポーツ:電動車いすサッカー”. ノーマライゼーション 障害者の福祉. (財)日本障害者リハビリテーション協会. 2007年12月8日閲覧。
  4. ^ Le foot-fauteuil handisport” (フランス語). Le site officiel du football en fauteuil électrique. 2007年12月8日閲覧。
  5. ^ 高橋、前掲。
  6. ^ Bokobza, Florent (2007年3月6日). “Powerchair Football: A Brief History” (英語). Fédération Internationale de Powerchair Football Association. 2007年12月7日閲覧。
  7. ^ FIPFA World Cup Japan October 2007 (2007年10月14日). “試合結果”. 2007年12月7日閲覧。

外部リンク


電動車椅子サッカー

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奈良クラブ」の記事における「電動車椅子サッカー」の解説

1994年創設ビクトリーロード奈良2009年提携し奈良クラブビクトリーロードに改称2007年ワールドカップ監督重松弘昭、選手重松弘樹田中雅人林隆一が日本代表として参加世界3位の成績収めている。 2010年行われた第16回日本電動車椅子サッカー選手権大会優勝した

※この「電動車椅子サッカー」の解説は、「奈良クラブ」の解説の一部です。
「電動車椅子サッカー」を含む「奈良クラブ」の記事については、「奈良クラブ」の概要を参照ください。

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