クロッケー【(フランス)croquet】
クロッケー
歴史と沿革
羊飼いの杖でボールを打ち、柳で作った門(ゲート)を通過させるという、13~14世紀ごろに南フランスの農民たちが楽しんでいた「ペル・メル」というゲームがルーツだと言われています。17世紀にはフランスとイタリアの宮廷貴族の間で人気になり、ルイ14世も好んで宮廷の内部で楽しんでいたようです。
19世紀後半になってイギリスで盛んになり、急速に組織化・競技化されて今日の形となりました。日本の明治維新前の1867年には第1回の全英選手権が開催され、1869年には現在はテニスで有名なウィンブルドンに『オール・イングランド・クロッケークラブ』が創設されています。また、1902年の第2回近代オリンピック・フランス大会でも公開競技として取り上げられるほどになりました。
以降長らく、イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどの英連邦諸国で行われてきましたが、1986年には世界クロッケー連盟が組織され、参加国も増加し、現在では4大陸26カ国・地域で楽しまれています。
なお、日本で盛んなゲートボールは、明治期に紹介された初期のクロッケーをベースにわが国で独自にルール化されたものです。
競技方法
クロッケーは、芝の上でプレイすることが大前提になっています。そして、ドレスコードは白と決められているので、緑の芝生の上で白いユニフォームに身を包んだプレイヤーがゆったりとゲームに興じる様は、なかなか優雅な印象を与えます。また、何よりも体力的なハンディキャップがほとんどない珍しい球技なので、高齢者や女性が若い男性と一緒にプレイしてもまったく問題ありません。
ゲームとしての特徴は、なんといってもクロッケー・ショットにあります。これは、接触させた2個(場合によっては3個)のボールのうち自分のボールを打ち、それぞれのボールを戦局に応じてコート上の任意の位置に転がすショットのことです。つまり、ビリヤードと同様に、自分のボールと他のボールの転がる距離の割合と、それぞれが転がる方向の違いを、たった1本のマレットによるさまざまな打ち方を駆使し実現するショットになります。
このように、クロッケー・ショットを自在に操りながら、他の3つのボールを戦略的に利用して、途切れることなく次々にフープを通過させていき、相手より早くペグに辿り着くことを競い合います。技術と知力を総動員するところに、クロッケーの奥深い楽しみと魅力があるのです。
ルール
- クロッケーでは青・赤・黒・黄の4個のボールを使用し、一方のプレイヤーが赤と黄を、もう一方が青と黒のボールを使います。
- 対戦は1対1のシングルスか2対2のダブルスで行われます。
- ゲームでは、どちらかの2つのボールがすべてのフープを通過し、そして最後にコート中央にあるペグに早く当てたほうが勝ちとなります。コート上にフープは6つあり、各ボールは各フープを決められた順序で2回ずつ通過しなければならないので、ボール1つにつき合計12回のフープ通過が必要になります。
- 各打順においてショットは必ずしも1回とは限りません。例えば、プレイヤーがフープを(正しい順序と方向で)通過させた場合、引き続きもう1回ショットをする事が出来ます。
- また、自分のボールを他のボールに当てた場合(「ロッケー」と言う)も、追加ショットをすることができます。この場合、プレイヤーは自分のボールを取り上げて、当てたボールのどこでも好きな位置に接触させ、自分のボールを打ち、自分のボールと当てたボールの両方を動かします。このショットを「クロッケー・ショット」と呼びます。
- プレイヤーはクロッケー・ショットの後に、もう1打のショットが与えられます。このショットを「コンティニュエーション・ショット(継続ショット)」と呼びます。さらに、この継続ショットで、まだ当てていない別のボールに当てたり、フープを通過させたりすれば、また追加ショットが手に入るわけです。
道具・コース
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クロッケー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 10:04 UTC 版)
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クロッケー(英: croquet [英:ˈkroʊkeɪ, 米:kroʊˈkeɪ])とは、芝生のコートで行われるイギリス発祥の球技[1]。アソシエーション・クロッケーとゴルフ・クロッケーと二種類のゲームが行われ、アソシエーション・クロッケーは日本におけるゲートボールの原型である[2]。クロッケーとはフランス語である[3]。
マレット(木槌)により、木製またはプラスチック製の球を打ち、6個のフープ(門)を通していき、最後に中央に立っているペグ(杭)に当てる早さを競う[4]。 競技の際 上下ともに白い服装でする伝統がある。
オリンピックでは1900年パリ大会で実施された。また、アメリカにおける変種であるロック(en)が1904年セントルイス大会で実施されている。1983年に日本クロッケー協会、1986年に世界クロッケー連盟が設立され、1989年からは世界選手権が開催されるようになった。
関連項目
- ゲートボール
- ペルメル (球技) - 原型となった球技
- ジャック・オブ・ロンドン - 用具を販売し、初期のルールセットを確立した企業
脚注
- ^ 日本体育会 1903, p. 263.
- ^ 江橋慎四郎 & 池田勝 1990, p. 79.
- ^ 東京運動協会 1931, p. 38.
- ^ 野田雄二 1995, p. 143.
外部リンク
- 世界クロケット連盟
- 日本クロッケー協会
- 日本体育会 (1903). 日本之体育. 育英会. p. 263-269. doi:10.11501/860434. OCLC 47305661
- 東京運動協会 (1931). 運動競技三十種 : 最近スポーツの解説. 正和堂書房. p. 38-42. doi:10.11501/860434
- 江橋慎四郎; 池田勝 (1990). レクリエ-ションハンドブック. 国土社. p. 77-78. ISBN 9784337484047
- 野田雄二 (1995). 健康教育序説. 玉川大学出版部. p. 143. ISBN 9784472105210
クロッケー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:22 UTC 版)
「アイルランドのスポーツ」の記事における「クロッケー」の解説
クロッケーは1830年代にアイルランドで初めてプレーされた。統括団体はアイルランドクロッケー協会である。ほとんどの国際試合と大規模な大会はダブリン近郊のCarrickmines Lawn Tennis and Croquet Clubでプレーされる。
※この「クロッケー」の解説は、「アイルランドのスポーツ」の解説の一部です。
「クロッケー」を含む「アイルランドのスポーツ」の記事については、「アイルランドのスポーツ」の概要を参照ください。
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