クロック自体の向上からクロックあたりの性能向上へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 03:34 UTC 版)
「Athlon 64」の記事における「クロック自体の向上からクロックあたりの性能向上へ」の解説
Athlon 64を含めたK8シリーズの「実働クロック抑制、低発熱・省電力化」は、技術的な壁に突き当たり始めていた「クロック周波数による性能向上」というPC用プロセッサの流れに一石を投じ、「PC用プロセッサの性能イコールクロック周波数」という認識に変化をもたらした(ギガヘルツ神話の終焉)。リーク電流の抑制に失敗し高発熱化してしまったPentium 4から自作機ユーザの眼を惹き付けることにも成功した。 しかしそれは結果的にインテルの失敗を自社に有利に利用する為のもので、明確な意図があったものではないと言える。2000年3月6日、インテルが1GHzで動作するPentium IIIを3月8日に発表する情報を事前に察知したAMDは予定を前倒しして、x86系初の1GHzを超えるCPUとしてAthlon 1GHzを発表した。インテルがNetBurstマイクロアーキテクチャで最終的に10GHzにまで到達すると予告した直後に、AMDもK8アーキテクチャで10GHzを予定していると発表している。しかしAMD自身K7後半(Pentium4普及直前頃)に既にAthlonXPでギガヘルツ路線を若干修正しており、さらにK8では「5年の歳月を経て求められるのはクロック周波数ではなく総合的な性能だ」として、クロックあたりの命令実行数 (IPC) に重点を置いた宣伝をするようになった。 なお、「ギガヘルツ神話」という言葉は、K7時代のクロック向上競争の時期に、高IPC低クロックCPUであるPowerPCを採用していた「アップルコンピュータ」の広告に登場したものである。
※この「クロック自体の向上からクロックあたりの性能向上へ」の解説は、「Athlon 64」の解説の一部です。
「クロック自体の向上からクロックあたりの性能向上へ」を含む「Athlon 64」の記事については、「Athlon 64」の概要を参照ください。
- クロック自体の向上からクロックあたりの性能向上へのページへのリンク