clog
「clog」とは、「おもりを付けて動きを鈍らせる」「パイプなどを詰まらせる」といった何か邪魔なものがあって正常な働きが妨害されている状態のことを意味する英語表現である。
「clog」とは・「clog」の意味
「clog」とは「人や動物の動きをおもり木で鈍らせる」「ごみなどが詰まって機具の動きを妨害する」といった意味の表現である。邪魔なものがあって動作が悪くなることの他に、不安などで気がふさぐことや悩むことなどを指しても用いられる。物理的にも精神的にも、妨害する何かのせいで動きが鈍っている状態を示す言葉である。「clog」は動詞と名詞の役割があり、動詞では「妨害する」「詰まる」といった意味となるが、名詞としては主に「clogs」と複数形にして「木靴」の意味で用いられる。これは「clog」がもともと「木の塊」を示す言葉であり、そこから重いぬかるみを歩くための木底の靴を「clog」と言うようになったためである。「clog dance」は「木靴ダンス」という意味だが「clog」一語でも「木靴ダンスを踊ること」を示す。名詞「clog」には他にも「動物の足につけるおもり木」「障害物」「邪魔なもの」「故障」という意味がある。
なお、形容詞形は「cloggy」で「ごつごつした」「詰まりやすい」「ねばねばした」などの意味となる。
「clog」の活用変化一覧
動詞「clog」の三人称単数形は「clogs」で、現在進行形は「clogging」である。過去形は「clogged」、過去分詞形は「clogged」となる。「clog」の語源・由来
「clog」の語源はインド・ヨーロッパ祖語で「塊」を表す「gleh」だとする説が有力である。「gleh」は後にゲルマン祖語で「塊、岩」を意味する「kultaz」へと変化し、中期英語の「clog」となって木の塊や、動物の動きを妨げるために足に付ける木のおもりを指して使われるようになり、そこから派生して「詰まる、妨害する」「木靴」を表す言葉となった。「clog」の覚え方
「clog」は「クロッグシューズ」と関連させて意味を覚えるとよい。クロッグシューズは底面に木やコルクを使った靴で、つま先が広く丸みがあり、かかと部分が露出しているサンダルのような形状のものである。日本でも「クロッグ」と呼ばれて屋内外で愛用されている。ここから「木靴」という名詞の意味を連想し「木の靴は重い、だから動きを妨げる」と考えることで、「動きを鈍らせる」「正常な働きを妨げる」といった動詞の意味も記憶がしやすくなる。「clog」を含む英熟語・英語表現
「clog」を含む英語表現には次のようなものがある。「clever clogs」とは
「clever clog」とはイギリス英語のスラングで「利口さをひけらかすこと」を意味する表現である。「clever」は賢いことを表す言葉だが、物分かりがよくて抜け目がないという意味もあり、聡明さを表す「wise」よりも若干皮肉の込められた言葉となる。「clever clog」は「賢いが、ぬかるみを歩く木靴のように重くて邪魔なもの」というニュアンスがあり、利口ぶっている人や自信家を指して用いられる。「You are a such clever clogs.」は「あなたは利口だ」という意味だが、軽蔑や皮肉が込められた言葉となる。
「pop one's clogs」とは
「pop one's clogs」とは「死ぬこと」を意味するイギリス英語のスラングである。「pop」は「ポンと音が鳴ること、はじけること」を表す言葉だが、古くは「質に入れること」を指しても用いられていた。「pop one's clogs」は「靴を質に入れる」という意味となる。昔のイギリスでは、貧しい市民は身内が死ぬと靴や衣類を質に入れて金銭に換えることが多く、その名残で「pop one's clogs」は死を表す言葉として今も使われている。
「clog up」とは
「clog up」とは「詰まる、ふさぐ」という意味の表現である。「clog up a pipe(パイプが詰まる)」や「clog up networks(ネットワークが渋滞する)」のように用いられる。「clog up one's mind(悩みなどで心がふさぐ)」のように精神的な状態にも使用可能で、本来スムーズに通じているものに何かがつかえてふさがっている状態について幅広く表現できる言葉である。
「clog」の使い方・例文
「clog」を用いた例文には以下のようなものが挙げられる。・The leaves clog our drains in the fall.
秋には葉が配水管を詰まらせる。
・The streets were clogged with traffic.
道路は渋滞で混み合っていた。
・Don't clog up your mind with trifling matters.
つまらないことを考えてふさぎ込まないでください。
・My throat feels clogged up.
のどが詰まった感じがする。
・I heard that Kenny popped his clogs last month.
ケニーが先月亡くなったと聞いた。
クロッグ
木靴
(クロッグ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/31 12:57 UTC 版)

木靴(きぐつ)[注 1]とは、木製の履物。全てもしくは底部など主要な部分が木材で作られているものをいう。
名称
日本語で厳密には、足の甲まで履う「被甲履き物類」を「木沓(きぐつ)」[4][5]、鼻緒へ足の指を差し込んで履く「鼻緒履き物類」を「木履(きぐつ)」[4][5]というが、現在では混用されている[4][5]。
- ただ、本項では原義に準じて書き分ける。右上段の画像を見てのとおり、クロッグのようなタイプは「木沓」、草履のようなタイプは「木履」である。
現代中国語では「木鞋(拼音:mùxié〈日本語音写例:ムゥーシィエ〉)」[6]が日本語の「木靴」に相当する。市販品を見る限り「木履」の名も用いられているが、「木鞋」と「木履」は語意によって使い分けされているわけではない(あるいは、混用されている)。
『オックスフォード英語辞典』によれば、英語では "clog(クロッグ[1])" を「木の厚切り」と定義し、そこから「木製の厚い靴底の靴」「全木製の靴」としている[7]。この語は、中英語として14世紀初期から見られる "clogge(=a lump of wood、木の塊)" を語源として派生した[8]。また、現代日本語では、英語 "clog" が外来語「クロッグ」として通用しているが、木靴ではなく、欧米から伝わった被甲履き物類の、素材を問わない一類型といった感じの用法になっている。
特徴
木材を利用した履物の文化は世界中に存在し、その形状は文化によって異なるが、多くの場合その文化において長い歴史をもっている。
伝統的な木靴は、鉱業・農業・工業などの重労働で使用される防具、安全靴として使うことも考慮された。木靴は下級労働者、農民などが履く安価な靴とみられることがあるが、スウェーデンのラスコゥレ、日本の下駄のようにファッション性の高い履物になった木靴もある。
木靴が床と接触する音を音楽の一部として利用し、ダンスの一部に取り入れたアイルランドの踊り「ジグ」やイギリス(イギリス全般)の踊り「クロッグダンス(英: clog dance. cf. en:Clog dancing, en:Clog dance)」が、アメリカ合衆国で誕生したタップダンスの祖型の一つと考えられている[9][10]。
種類
アジアの木靴
- 浅沓 - 古来日本に伝統的な沓(くつ)で、基本的には木製である。現在でも古来の儀式などで用いられる。形はヨーロッパでいうところの「クロップ」型に近い。
- 下駄 - 古来日本の木履。
- ナマクシン(木鞋、나막신:namaksin)[11][12] - 朝鮮の木沓で、雨の時に履く。
- 木鞋 - 中華圏において「木靴」の意。
- バキャ (bakya) - フィリピンの木履。
- terompah - マレーシアの木履。
- bakiak - インドネシアの木履。
- パドゥカ (খড়ম、paduka) - インドの木履。インドで最も古く、最も典型的な履物。
- takunya - トルコの木履。
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ナマクシン(朝鮮)
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バキャ(フィリピン)
-
terompah(マレーシア)
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bakiak(インドネシア)
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takunya(トルコ)
ヨーロッパの木靴
- ゾッコロ (zoccolo) - イタリア語で、履物 (calzatura) としては「木靴」の意。木履タイプ。
- カンタブリアのアルバルカ (Cantabrian albarcas) - スペインはカンタブリア地方の木靴。
- タマンコ (tamanco) - ポルトガル語で「木靴」の意。木沓タイプ。
- サボ (sabot) - フランスの木沓。[13]
- ベルギーのサボ (belgian sabot) - ベルギーの木沓。
- クロンプ (klomp) - オランダの木沓。cf. 右上の画像。
- ホルツシュー (Holzschuh) - ドイツ語で「木靴」の意[ de: Holz〈=wood、木〉+ Schuh〈=shoe、靴〉 ]。
- Zoggeli - スイスの木履。
- イングリッシュクロッグ (English clog) - イギリスの木沓。
- トラスコ (træsko) - デンマーク語で「木靴」の意。木沓タイプ。
- träskor - スウェーデン語で「木靴」の意。木沓タイプ。
- klumpė - リトアニア語で「木靴」の意。木沓タイプ。
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ゾッコロ(イタリア)
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カンタブリアのアルバルカ(スペイン、カンタブリア地方)
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タマンコ(ポルトガル)
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サボ(フランス)
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ベルギーのサボ(ベルギー)
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クロンプ(オランダ)。画像のものは土産物。
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ホルツシュー(ドイツ)。画像のものは木沓タイプ。
-
Zoggeli(スイス)
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イングリッシュクロッグ(イギリス)
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トラスコ(デンマーク)
-
träskor(スウェーデン)
-
klumpė(リトアニア)
脚注
注釈
出典
- ^ a b 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “クロッグ”. コトバンク. 2019年10月25日閲覧。
- ^ 平凡社『世界大百科事典』第2版. “木靴”. コトバンク. 2019年10月25日閲覧。
- ^ 小学館『プログレッシブ英和中辞典』第4版. “clog”. コトバンク. 2019年10月25日閲覧。
- ^ a b c 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』、ほか. “木沓/木履”. コトバンク. 2019年10月25日閲覧。
- ^ a b c 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』、ほか. “木履”. コトバンク. 2019年10月25日閲覧。
- ^ 木鞋博物館
- ^ "clog". Oxford English Dictionary (第3版). Oxford University Press. September 2005.
- ^ “clog (n.)”. Online Etymology Dictionary. 2019年10月25日閲覧。
- ^ 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』、小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “タップ・ダンス”. コトバンク. 2019年10月25日閲覧。
- ^ The Origin Of Tap Dance, Beholders.org, 12 Sept 2011
- ^ 平凡社『世界大百科事典』. “ナマクシン”. コトバンク. 2019年10月25日閲覧。
- ^ “나막신”. Kpedia(ケイペディア). 2019年10月25日閲覧。
- ^ 平凡社『世界大百科事典』第2版、ほか. “サボ”. コトバンク. 2019年10月25日閲覧。
関連項目
- ジグ (音楽)、クロッグダンス(英語: Clog dancing)
- サボる
- 革靴
- 靱皮靴 - 樹皮から作った靴
外部リンク
- “木鞋博物館 - Kooijman Wooden Shoe Workshop” (中国語). 公式ウェブサイト. 木鞋製作坊. 2019年10月25日閲覧。
「クロッグ」の例文・使い方・用例・文例
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