木杭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 06:42 UTC 版)
木杭とは木製の杭のことである。ここでは主題にそって建築の基礎としての木杭について扱う。 歴史的には古く、紀元前5000年とされる杭上住居が確認されており、世界遺産として登録されているものもある(例.アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群)。また、ヴェネツィアも木杭を使用した歴史ある街として有名である。 一般に木材は金属や石材に比べて腐食に弱いイメージがあるが、地下水の水面より下層に埋まっている遺跡から、古代の木製品が比較的良い状態で発掘される例は珍しくない。これは、木材腐朽菌は好気性であり、生存や活動に酸素を必要とするためである[要出典]。基礎としての木杭も、適切に使用することにより下記の例に示すように十分な耐久性を発揮する。 お台場の松杭江戸時代末期に建造された品川台場だが、現在でもその基礎が現役である(2基現存。史跡)。 丸ビルの松杭「理想的な温湿度が確保されたために、驚くほどの鮮度で回収された」とされる。 吉野川水系の飯尾川第一樋門の松杭80年を経ても劣化がほとんど見られなかったとされる。 木杭を使用する場合には、地下水面以下の位置に打ち込み、杭が地下水の中に水没している常時湿潤状態を維持することが肝要である。常時湿潤状態が期待できない場合には、クレオソートの含浸など、防腐処理をすることが望ましい[要出典]。なお、上記であげたのは松杭のみであるが、必ずしも松杭が唯一の選択肢というわけではない。腐りにくさという点で言えば、松以外の材のほうが優れている場合もあるが、木杭は地盤中に打撃によって貫入設置されるものであり、松は他の針葉樹と比較して密度が大きく硬いという施工上の利点があることから、多用されたものと考えられる[要出典]。
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