スポーツ‐ちゃんばら【スポーツチャンバラ】
スポーツチャンバラ
歴史と沿革
「スポチャン」の愛称で親しまれているスポーツチャンバラは、現会長である田邊哲人が1971年に「使術はすべからく護身から発達する」というテーマで、小冊子を刊行したときに発祥した。
それから門人を育成し、2年後の1973年に「全日本護身道連盟」が発足。その後、発展的に「国際スポーツチャンバラ協会」と改称された。競技会や大会、講習会等、啓蒙活動を展開し、現在では日本国内で愛好者が30万人を超え、海外では34ヶ国、約2万人、指導資格者(インストラクター)は国内外合わせ 4,500名が活動をしている(平成17年11月現在)。
ちなみにここ数年、インストラクターの合格者数はアメリカがトップである。日本には、北海道から沖縄まで協会があり、各地区大会や指導者講習会、審判講習会等の開催ができる程の力もついてきた。
2005年11月13日に行われた第31回世界大会では、海外選手の台頭が目立った。特にヨーロッパの勢いは素晴らしく、なかでもロシアやウクライナ、ラトビア等、旧ソ連の国から32名が参加し、日本の隣国である韓国18名、台湾17名を上回った。試合はフランスのボルドーチームとノルマンディチームが選手数で勝る日本勢を破って、多くの入賞者を出した。
彼らはヨーロッパ大会でも優勝している強豪チームで、やはり他国を圧倒していた。うかうかしていると、やがては「サムライ日本」の名も返上しなければならないことになりそうだ
スポチャンの用具
このスポーツチャンバラとは、子供の頃、自由奔放に神社の境内や野山を駆け回って遊んだチャンバラごっこを、「エアーソフト剣」という当たっても痛くない剣に替えて、「安全」と「公平」、そして「自由」に学校やスポーツクラブ等で老若男女が楽しく遊べるように工夫したもので、幼児(3歳位)から高齢者が力一杯振り回しても、ケガをしないようになっている。
この「エアーソフト剣」によって、世界中の剣士と仲良く安全に競技ができるのである。というのは、中味は世界中どこにでもある空気であるからだ。
この用具の開発によって、世界中の人々が共通のスタンスで競技ができるようになった。例えば、「スポンジ製」とはいっても、国や地方によっては硬さや材質が異なり、みんなが「公平」に「安全」に競技を楽しむことができなかったからである。
主なルール

スポチャンのこれから
いま、スポーツチャンバラ協会は、愛好者32万人を数え、順調に発展を遂げている。構成の割合は小・中学生が8割を占め、なかでも小学校3~6年生が多く、大人に負けず強い。また、大会は障害者にも門戸を開き、世界大会にも多数参加している。
日本発、グローバルスポーツと自負しているこのスポチャンは、やがて日本を代表する世界のスポーツになることを確信し、今後の活動の源泉にしている。この機会に、皆様の参加をお待ち申し上げます。
スポーツチャンバラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/14 04:32 UTC 版)

スポーツチャンバラは、1971年に田邊哲人によって始められた[1]競技。日本において遊戯として存在したチャンバラごっこと小太刀護身道を基にし、スポチャン面とエアーソフト剣(短刀・小太刀・長剣・杖・棒・槍の各種)、楯や籠手を用いる[2]競技(異種試合)である。略称はスポチャン。日本スポーツチャンバラ協会は、日本スポーツ協会や[3]日本レクリエーション協会に所属[4]している。
概要
遊び道具として現代のようなテレビゲームが存在しなかった頃、子供の遊びとしてチャンバラごっこがあった。神社や野山に出かけて棒切れを振り回していたが、今は走り回る空き地さえ見当たらないため、遊び場だった境内や野山を学校の体育館やスポーツセンターに移し、スポーツとしてチャンバラを蘇らせたのが「スポーツチャンバラ(スポチャン)」である[5]。1973年(昭和48年)、田邊哲人が全日本護身道連盟(のちの国際スポーツチャンバラ協会)を設立し、現在に至っている。
剣道は「くさい」「痛い」「防具をつけるのが面倒くさい」といった否定的イメージが強く、これらのイメージが剣道の技や用具に関わるものであることから、固定的なイメージとして定着してしまいがちである[6]のに対して、スポーツチャンバラは剣道よりも打ち合いの楽しさを重視したスポーツである点[6]や基本指導の時間短縮や早期に互角稽古が導入できる利点[7]があり、武道必修化に伴う学校教育への導入が模索されている。また、リハビリテーションとしての効果が期待されたり[8]、障害者でも工夫次第で十分な運動能力を発揮できるスポーツとして高く評価されている[9]。
ルール
1試合は3分間、3本勝負(延長あり)[10]。ルールは簡単で、十分な威力で相手の身体のどこでも良いので剣で叩く(斬る)と1本となる。つまり、「足から面まで全身が有効打突」であり[11]、どこを打っても得点、どこを打たれても失点。コートは7×7メートル程度で、場外は一度は許されるが、二度目は反則負けを取られる[11]。
競技者が用いるエアーソフト剣の種類別に種目が分かれ、小太刀の部・長剣フリーの部・長剣両手の部・二刀の部・楯小太刀の部・楯長剣の部・杖の部・棒の部・短槍の部・長槍の部・長巻の部・短刀の部・楯短刀の部があり、合戦の部(20人対20人か、50人対50人)・乱戦の部(1人と2〜3人、2人と3〜5人)という種目もある[12]。
用具(得物)
- 小太刀
- 全長60cm以下[12]。「スポチャンは小太刀にはじまって小太刀に終わる」と言われるほど人気が高く、基本的な得物であると同時に、護身道として最適とされる[12]。変形として短刀[12](全長45cm以下)がある。こちらは競技上、蹴り技を認められている[12]。
- 長剣
- 全長100cm[12]。両手で用いる競技は「長剣両手」、片手で用いる競技は「長剣フリー」と呼ばれる。競技会を重ねるごとに片手操法が多数を占めるようになった[12]が、本来長剣フリーでは両手・片手どちらの持ち方でも認められる。
- 杖
- 全長140cm以下[12]。杖は棒の短いものと長剣の柄の長いものがあり、その他に三節棍やチギリ木、ヌンチャク、鎖鎌、トンファーなどが含まれる[12]。
- 棒
- 全長200cm以下[12]。棒先や棒尻を交互に使う左右打ちや、一回転して反動を利用して打つ回転、横面打ちや足打ちなど、相手の意表をつく攻撃が可能である[12]。
- 長巻
- 全長200cm以下[12]。長刀・長巻・大身槍などがあるが、突くか薙ぐかのどちらを主にしているかで名称を分けているだけである[12]。
主な大会
本部主要大会として、以下の大会が挙げられている[13]。
- 世界選手権大会
- 全日本選手権大会
- 田邊杯争奪戦大会
- 全国レクリエーション大会
- 各都道府県大会
- 各市区町村大会
- 全国少年少女大会(高校生以下の選手が対象)
- 全日本学生大会(大学生・短大生が対象。一般社団法人日本スポーツチャンバラ学生連盟によって主催されている。)
- 各地方(北海道東北合同・関東・関西北陸中国四国合同)学生大会(大学生・短大生が対象)
文化作品への登場
- 電波女と青春男(著・入間人間5巻において海辺でイベントを開催するスポチャン爺さんという人物が登場している。)
- 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(著・入間人間)において「僕」の夢の中でチャンバラを行っているイメージが出てくる。)
- 召喚教師リアルバウトハイスクール(原作・雑賀礼史 著・いのうえ空)においても御剣涼子がチャンバラをやるシーンが描かれている。)
- スポチャン対決! 〜妖怪大決戦〜(2014年公開の劇場アニメ。日本スポーツチャンバラ協会の協力を得ている。)
- 3年B組金八先生- 第4シリーズでスポーツチャンバラがテーマの一つになり、第5シリーズ以降もファイナルまで教室にはスポチャンの備品は設置されていて、時折、スポチャンの話題も出ている。
- スポ×ちゃん!(作・竹下けんじろう 主人公リリィのスポーツチャンバラ部での活躍を描いたスポーツ漫画)
脚注
- ^ 国際スポーツチャンバラ協会. “スポチャンとは”. 2011年1月24日閲覧。
- ^ “スポーツチャンバラ 用具・書籍”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
- ^ “加盟団体(リンク集) - JSPO”. www.japan-sports.or.jp. 2020年4月26日閲覧。
- ^ “種目団体データ | 公益財団法人 日本レクリエーション協会”. www.recreation.or.jp. 2020年4月26日閲覧。
- ^ “スポーツチャンバラ とは”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
- ^ a b 岡澤祥訓,辰巳喜之,竹住和宏,河野成伸「体育授業におけるスポーツチャンバラの有効性の検討」『教育実践研究指導センター研究紀要』第8巻、奈良教育大学教育学部附属教育実践研究指導センター、1999年3月、81-88頁。
- ^ 木原資裕,本村賢治,江口大祐 (2004), 剣道初心渚指導における使用道具の検討, doi:10.11214/budo1968.37.supplement_29 2020年4月26日閲覧。
- ^ 池田耕二,岩本雅浩,武部恭一,金子翼,武政誠一,長尾徹 (1997), 557. 車椅子スポーツチャンバラの紹介 : リハビリテーションの一環として, 公益社団法人 日本理学療法士協会, doi:10.14900/cjpt.1997.24.2.557 2020年4月26日閲覧。
- ^ 白崎研司,安井友康,増田貴人「障害者のスポーツチャンバラ : 北海道における取り組みから」『年報いわみざわ : 初等教育・教師教育研究』第22巻、北海道教育大学岩見沢分校、2001年3月、135-142頁。
- ^ “スポーツチャンバラ ルール”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
- ^ a b “剣隼会 早稲田スポーツチャンバラ|スポチャン ルール”. wasedaspochan.accela.jp. 2020年4月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m “スポーツチャンバラ 得物と種目”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
- ^ “公益社団法人 日本スポーツチャンバラ協会 大会”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
関連項目
外部リンク
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徒手・組み手術 | ||
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日本以外 | ||
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スポーツチャンバラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:25 UTC 版)
スポーツチャンバラでは、二刀の部では二刀流が義務づけられ、異種の部では二刀流が認められている。
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