しょうりしゃ【勝利者】
しょうり‐しゃ【勝利者】
勝利者
原題: | Der Sieger |
製作国: | ドイツ |
製作年: | 1932 |
配給: | 東和商事 |
ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
ふとした事の間違いから、素寒貧の電信技手ハンス・キュウネルトに大金が転がり込んだのが、きっかけである。心気一転した彼は、新しい人生の第一歩を踏出すのだ。大金の大半は、素晴らしい服装に費やされる。それから競馬で一攫千金という魂胆だが、それは見事に的が外れて、ハンスは再びもとの一文無し。だが、その代りに、競馬場で、ヘレンという美しい令嬢と近づきになる。相手は紐育の銀行家の一人娘だ。うっかり、貧乏技手ハンスの素性は打明けられない。誘われるままに、ハンスは令嬢と贅沢な晩餐を共に、その場はどうやら胡麻化してしまうが、明日までに食事代の二百マークを作らなくてはならない。そこで、彼はホテルで女中をしている母に、せびってみたが、母親は、ハンスをホテルに就職させてくれただけだった。ハンスは、その夜からホテルのダンスパートナーだ。肥ったお婆さん達を相手に踊るのも商売なら仕方がないのだが、その様子をヘレンに見られて、素性はすっかりばれる。二人の仲は、それっきりおしまいになりそうだ。だが、一旦は怒ってみたものの、ヘレンにとって、やはりハンスは忘れられない。ハンスも、それからホテルの電話交換手になっていた。二人は仲直りをした。身分は違っても、二人は愛し合っている。ところが、ここにまた一つの偶然が持上がった。それはハンスの為にヘレンの父親ポンタ氏が破産を救われた上に、数百万の金儲けをした事だ。もとはといえば、ホテルの電話交換手のハンスがポンタ氏に頼まれた電報を電信局に申込む事を失念したからなのだったが、瓢箪から駒が出た形でそれが却って幸せになったのである。かくてハンスはポンタ氏の信頼を一挙に捷ち得たので、全ては円満に解決してハンスはヘレンと莫大な財産を両手にしっかと握ったのである。 |
勝利者
原題: | |
製作国: | 日本 |
製作年: | 1957 |
配給: |
スタッフ | |
監督: | 井上梅次 イノウエウメツグ |
製作: | 坂上静翁 |
原作: | キノトール |
小野田勇 オノダイサム | |
脚色: | 井上梅次 イノウエウメツグ |
舛田利雄 マスダトシオ | |
撮影: | 岩佐一泉 イワサイッセン |
音楽: | 小林太一郎 コバヤシタイチロウ |
美術: | 松山崇 マツヤマタカシ |
録音: | 神谷正和 カミヤマサカズ |
照明: | 藤林甲 フジバヤシコウ |
キャスト(役名) |
三橋達也 ミハシタツヤ (山城英吉) |
南田洋子 ミナミダヨウコ (宮川夏子) |
北原三枝 キタハラミエ (白木マリ) |
石原裕次郎 イシハラユウジロウ (夫馬俊太郎) |
殿山泰司 トノヤマタイジ (ポテちゃん) |
清水将夫 シミズマサオ (宮川圭介) |
安部徹 アベトオル (高岡信三) |
横山護 ヨコヤママモル (チャンピオン手島) |
宍戸錠 シシドジョウ (ボクサー石山) |
榎木兵衛 エノキヒョウエイ (ボクサー赤木) |
山田禅二 ヤマダゼンジ (トレーナー山本) |
衣笠一夫 キヌガサカズオ (トレーナー吉田) |
小林重四郎 コバヤシジュウシロウ (前田専三) |
荻野弘志 オギノヒロシ (ジョニー南) |
浦島久恵 ウラシマヒサエ (ローズ南) |
桂典子 カツラノリコ (ヨッタン) |
多摩桂子 タマケイコ (オプちゃん) |
高野誠二郎 タカノセイジロウ (クラブのマネージャー) |
解説 |
三十一年度芸術祭奨励賞を受けたKRテレビの番組(原作キノトール、小野田勇)の映画化。「月蝕」の舛田利雄と「危険な関係(1957)」の井上梅次が脚色、井上梅次が監督した。撮影は同じく岩佐一泉。主演は「「廓」より 無法一代」の三橋達也、「青春の抗議」の南田洋子、「危険な関係(1957)」の北原三枝、「ジャズ娘誕生」の石原裕次郎。ほかに安部徹、桂典子など。日活初のイーストマンカラー。 |
ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
五年前、宮川興行会社社長の令嬢夏子との恋愛による動揺でチャンピオンを賭けた試合に敗れたボクサー、山城英吉は、クラブ「チャンピオン」の支配人に落着きながらも、かつての自分の夢を有望な新人によって果そうと必死になっていた。夏子との結婚もそっちのけで英吉はやがて無名だが期待のもてるボクサー夫馬俊太郎を発見した。彼は俊太郎に女との交際も禁じ火の出るようなトレーニングを始めた。英吉は、一方夏子に内証でクラブの踊り子白木マリの面倒をみ、彼女が世界的バレリーナになるまで生活を保障すると約束していたが、マリにも男との交際を禁じ練習に精進させていた。ところが俊太郎とマリは、英吉を介して交際するうち互いに愛し合うようになった。裏切られた思いで英吉は、俊太郎にはタイトル・マッチに勝つまで、またマリにはバレーで名を上げるまで道草をしないように約束させた。英吉にとって二人は、自分の夢を実現するための媒体であったのだ。俊太郎は急速に腕をあげ、遂に挑戦者になるまでに漕ぎつけ、一方のマリも東京バレー団公演の主役に抜てきされた。こうして二人とも一人前になると、今更ながら英吉の束縛を冷く感ずるようになり俊太郎は飛出し、マリはマリで俊太郎との仲を宣言してしまった。恩を仇で返された英吉の心は復讐に傾いた。彼は俊太郎の試合の相手、チャンピオン手島に、俊太郎の試合を撮つた8ミリ・フィルムを渡した。タイトル・マッチの日が来た。俊太郎は弱点を狙われ全くの苦戦。観戦する英吉は憎しみと愛情の交錯の中に悩み続けた。が、彼の心の中の愛情は、手島の弱点を記したメモを俊太郎に渡すという結果になった。形勢逆転、俊太郎はタイトルを握った。しかし、その勝利者は自分の許を離れた。寂しく帰る英吉。だが夏子だけは彼の後を追って行く。やがて二人の影は腕を組んで二つになった。一方、勝利に陶酔する俊太郎の前に、彼から贈られた指輪をはめたマリが立っていた。 |
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