障害者
別表記:障がい者、障碍者
障害者とは、障害者の意味・定義
障害者とは、心身に障害を抱えており、他者からの支援を受けなければ日常生活に支障をきたすおそれのある18歳以上の人のこと。障害者という呼び方は、他人の障害になるという誤解を招くとして、「障がい者」や「障碍者」という言い方も普及しつつある。心身の障害とは、身体障害のほか、精神障害と知的障害を指す。精神障害は心の制御がうまくできず事理弁識能力を欠くケースを指し、知的障害とは知的能力の発達に問題があって判断能力が劣る場合を意味すると言われている。障害者手帳
障害者として行政機関から認定されれば、障害者手帳が交付され、さまざまな公的支援を受けることができる。障害者手帳には、身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の3種類がある。身体障害者には身体障害者手帳が交付され、精神障害者には精神障害者保健福祉手帳、知的障害者には療育手帳が与えられる。身体障害の等級
身体障害の等級は1級から7級まで分かれており、数字が小さいほど障害が重いことを示す。最も軽い7級の身体障害が1つしかない場合は身体障害者手帳の交付を受けられないが、7級の障害が複数あれば身体障害者手帳を持つことができる。身体障害者福祉法で定められた身体障害とは、肢体不自由のほか、視覚や聴覚などの五感の障害や肝臓や腎臓などの内臓の障害も含む。精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法により定められた制度で1級から3級まであり、統合失調症やうつ病から発達障害やてんかんに至る精神障害により長年生活に支障をきたしている人が受け取れる。療育手帳は、幼少期に生じた知的障害が知的障害者更生相談所などの行政機関に認定された人に交付される手帳である。したがって、18歳以降に事故などで負った知的障害については、療育手帳が交付されることはない。療育手帳に関する法律があるわけではないため、その呼称は様々で、東京都では愛の手帳と呼ばれ、名古屋では愛護手帳などというように呼名が異なる。
障害者手帳の入手方法
障害者手帳を入手するためには、指定医の診断書等を添えて市町村の障害福祉窓口に申し込めばよい。面接などの審査を経て、障害者手帳が交付される。障害者手帳があれば、様々な行政サービスを受けることが可能だ。医療費や補装具の助成が受けられるほか、税金が軽減され公共料金の割引サービスも適用される。また、障害者雇用促進法により、障害者手帳を持つ者を企業が雇用する制度を利用することもできる。障害者雇用調整金
障害者雇用促進法では、一般事業主のうち45.5人以上の従業員を雇用している場合、従業員数の2.2パーセント以上の障害者を雇用しなければならない。この雇用率を守っている企業は、国から障害者雇用調整金を受け取ることができる。逆に、この障害者雇用義務を果たしていなければ、障害者雇用納付金を納付しなければならない。そこで、企業は特例子会社などを設立し、障害者雇用を促進できるよう努めている。障害者年金
障害者年金は、障害者手帳とは全く別の制度である。したがって、障害者手帳の等級と障害者年金の等級は一致するわけではない。障害者手帳が無くても、障害者年金の申請をすることは可能である。年金保険料の支払いは老齢年金の受給だけが目的ではなく、老齢年金受給前であっても年金保険料を納めていれば、障害を負った場合に障害者年金を受け取ることができる。障害者年金を受給できる要件は、障害等級が認定されることのほか、国民年金・厚生年期保険・共済年金等の保険料を納付することや、障害を負った際の初診日が年金の被保険者期間中であることが挙げられる。医師の診断書などを添えて年金事務所に申し込めば、年金制度が定めた障害の等級に応じて障害者年金が支給される。障害者年金は非課税であり、確定申告をする必要がない。しょうがい‐しゃ〔シヤウガイ‐〕【障害者】
障害者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/10 17:44 UTC 版)
障害者(しょうがいしゃ、英:disabled,differently-abled,disordered,challenged)は、心身の障害の発露により生活に制限を受ける者。児童福祉法は18歳未満を障害児とする。
|
注釈
- ^ 認定されないが事故により軽度な後遺症が発生した場合。
- ^ 原文: 'The term "disabled person" means any person unable to ensure by himself or herself, wholly or partly, the necessities of a normal individual and/or social life, as a result of deficiency, either congenital or not, in his or her physical or mental capabilities.' [3]
- ^ もっとも、これは能力より血筋を重視した結果であるが「側用人以外家重が何を言っているかわからない」という人物が将軍になったことは事実である。
- ^ 具体的数値は、政令(障害者の雇用の促進等に関する法律施行令)で定められている。
- ^ 原文は旧字旧仮名遣い。なお、以前当記事で紹介されていた1917年(大正6年)1月20日付の『福岡日日新聞』は障害者ではなく「傷害者」の表記だった[31]。
- ^ 『詳解漢和辞典』第178版にこの意味は記載されていない[35]。
- ^ 「害」という漢字自体は、小学4年生の課程で習う。
出典
- ^ “Disabilities”. World Health Organization. 2012年8月11日閲覧。
- ^ “Cerebral Palsy: a Guide for Care”. The Nemours Foundation. 2007年7月29日閲覧。
- ^ a b “Declaration on the Rights of Disabled Persons”. Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights (1975年12月9日). 2014年8月11日閲覧。
- ^ 「国際連合の障害者の権利に関する決議」『リハビリテーション研究』第22号、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会、1976年7月。
- ^ 職業リハビリテーション及び雇用(障害者)条約(第159号) ILO駐日事務所 2011年8月26日閲覧
- ^ Solomon, Andrew. “The New Wave of Autism Rights Activists”. New York Magazine. 2011年10月30日閲覧。
- ^ Nikora et al. 2004, p. 5.
- ^ a b Donovan 2012, p. 12.
- ^ a b c 小澤温(編)『よくわかる障害学』 第6版 ミネルヴァ書房 <やわらかアカデミズム<わかる>シリーズ> 2017年、ISBN 978-4-623-07644-4 pp.182-183.
- ^ Nikora et al. 2004, p. 6-7.
- ^ “Disease incidence, prevalence and disability”. Global Burden of Disease. World Health Organization (2004年). 2012年8月11日閲覧。
- ^ Yeo, R. & Moore, K. (2003). Including disabled people in poverty reduction work: “Nothing about us, without us”. World Development 31, 571-590.
- ^ “American FactFinder”. Factfinder.census.gov. 2012年8月11日閲覧。
- ^ "The War's Costs". Digital History.
- ^ "VA: Number of Disabled Veterans Rising". FOXNews.com. May 11, 2008.
- ^ "Homes for disabled in Afghanistan". BBC News. May 29, 2009.
- ^ "Afghanistan: People living with disabilities call for integration". IRIN Asia. December 2, 2004.
- ^ Norton-Taylor, Richard (2008年2月13日). “Afghanistan's refugee crisis 'ignored'”. London: The Guardian 2012年8月11日閲覧。
- ^ 平成18年身体障害児・者実態調査結果(厚生労働省) (PDF)
- ^ 『障害児の出生率が増加傾向、年間100万人以上が誕生 - レコードチャイナ』2007年9月21日付配信
- ^ Yeo, R. (2005). Disability, poverty, and the new development agenda. Disability Knowledge and Research Programme. Webaccessed: http://www.dfid.gov.uk/r4d/PDF/Outputs/Disability/RedPov_agenda.pdf
- ^ <北朝鮮>心身障害児を化学兵器の人体実験に-中国報道 サーチナ 2009年7月29日
- ^ 『沖縄県史 各論編 第六巻 沖縄戦』(沖縄県教育庁文化財課史料編集班、2017年)304頁
- ^ 『障害福祉白書―沖縄の障害者福祉対策の現状と課題』(沖縄県生活福祉部、1982年)19頁
- ^ 障害者総合支援法って何?,<http://www.ee-life.net/hatena/s_sou_sien.html>(参照2017-9-1).
- ^ 学校教育法等の一部を改正する法律(平成18年6月21日法律第80号)
- ^ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/06e.html
- ^ 障害者の権利に関する条約・日本語仮約(外務省)
- ^ 樋口長市、欧米の特殊教育(国立国会図書館デジタルコレクション)。
- ^ 労働保険調査会 : 第一回総会 大阪毎日新聞、1921年(大正10年)12月17日付、神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ。
- ^ 工場法施工後の概況 : [工場法実施成績 其九] 福岡日日新聞、神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ。
- ^ 文化審議会国語分科会(第44回)議事録、2010年(平成22年)5月19日。
- ^ a b 要望の多かった「玻・碍・鷹」の扱いについて
- ^ 周藤真也「〈精神障害者〉の誕生 -心身二元論的世界観の終焉-」『早稲田社会科学総合研究』第11巻第3号、早稲田大学社会科学学会、2011年3月25日、 8頁、 ISSN 1345-7640。ただし脚注で述べているに過ぎず、厳密な検証などはない。
- ^ a b 『詳解漢和辞典』第178版 冨山房 (大正11年3月25日 発行)、『三省堂漢和辞典』第12版 三省堂書店 (明治42年7月10日 発行)
- ^ 大森惟中 閲、漢語字類、百五十丁裏側最終行(国立国会図書館デジタルコレクション=以下デジコレ、174コマ右頁)、1876年(明治9年)6月。
- ^ 村上快誠 編、必携熟字集 巻下、四百三丁裏側最終行(デジコレ、172コマ右頁)、1879年(明治12年)5月。
- ^ 鈴木盛公、近時必携熟語便覧、デジコレ、11コマ右頁4行目、1881年(明治14年)5月。
- ^ 日本精神神経学会/精神科病名検討連絡会「DSM‒5 病名・用語翻訳ガイドライン(初版)」『精神神経学雑誌』第116巻第6号、 429-457頁。 過去の当記事にあったdisabilityとdisorderの違いについては『disorder を「障害」とすると,disability の「障害(碍)」と混同され,しかも“不可逆的な状態にある”との誤解を生じることもあるので,DSM‒5 の全病名で,「障害」を「症」に変えた方がよいとする意見も少なくなかった』と記されており、漢字の違いが訳語の違いに直結するような趣旨とは異なる。
- ^ アメーバニュース『表記は「障害者」?それとも「障がい者」?』2007年2月27日
- ^ MSN産経ニュース - 【新国語断想】塩原経央 子ども、障がい者 漢字が悪いわけじゃない 2009年10月13日
- ^ 三重県保健・医療・福祉総合情報-「障がい者」の表記に改めます, , 三重県庁 (三重県) 2016年7月30日閲覧。
- ^ 「障がい」の表記について - 大分県福祉保健部(2006.2)
- ^ 改定常用漢字表(答申) 12ページ。 (PDF)
- ^ 障がい者制度改革推進本部を設置―政府(キャリアブレイン)
- ^ 第5回障がい者制度改革推進会議議事次第
- ^ 障がい者スポーツの歴史と現状
- ^ マイクロソフト アクセシビリティ ホーム
- ^ “公文書に「障碍」使用へ、宝塚市 全国初、4月から運用 | 共同通信”. 共同通信. 共同通信 (2019年2月4日). 2019年2月5日閲覧。
- ^ 「障害」→「障碍」 佐賀県、国に見直し提案へ(佐賀新聞、2010年2月17日)
- ^ HuffPost Newsroom (2015年5月21日). “「障がい者」表記に反対する熊谷俊人・千葉市長、どうして?” (日本語). ハフィントンポスト 2016年7月16日閲覧。
- ^ 障害者の表記について | 株式会社LITALICO
- ^ このサイトについて - ATARIMAEプロジェクト
- ^ 残疾人权利国际公约(国際連合、簡体字中国語正文)
- ^ 中华人民共和国残疾人保障法修改专题(中国残疾人联合会)
- ^ 身心障礙者權益保障法(中華民国法務部)中華民國視覺障礙人福利協會など。
- ^ e.g., Glascow Centre for Inclusive Living: The Social Model of Disability
- ^ 英語勉強サイト「eigo21」 handicap「ハンディキャップ」語源解説
- ^ About the Meaning of "Handicap"
障害者と同じ種類の言葉
- 障害者のページへのリンク