accessibility
「accessibility」とは
「accessibility」とは、物事が利用しやすい状態や、その可能性を指す英単語である。特にウェブサイトや建築物、サービスなどの設計において、全ての人々が利用できるようにすることを指すことが多い。例えば、ウェブサイトでは視覚障害者にも情報が伝わるような設計、建築物では車椅子ユーザーでも利用可能な設計などが考えられる。「accessibility」の発音・読み方
「accessibility」の発音は、IPA表記では /ˌæk.ses.əˈbɪl.ɪ.ti/ となる。これをカタカナ表記にすると「アクセサビリティ」である。日本人が発音する際のカタカナ英語では「アクセシビリティ」となる。「accessibility」の定義を英語で解説
「accessibility」は、"the quality of being able to be reached or entered" or "the quality of being easy to obtain or use"と定義される。つまり、物事が利用しやすい状態、あるいはその可能性を指す。特に、全ての人々が利用できるように配慮された設計やサービスを指すことが多い。「accessibility」の類語
「accessibility」の類語としては、「availability」や「usability」がある。「availability」は物事が利用可能な状態を、「usability」は物事が使いやすい状態をそれぞれ指す。「accessibility」に関連する用語・表現
「accessibility」に関連する用語としては、「accessible」や「accessibility guidelines」がある。「accessible」は「利用可能な」を意味し、「accessibility guidelines」は「利用可能性のガイドライン」を意味する。これらは、特にウェブサイトや建築物の設計において、全ての人々が利用できるようにするための指針となる。「accessibility」の例文
1. "The museum has been praised for its accessibility."(その博物館は利用しやすさで称賛されている。)2. "The website has improved its accessibility for visually impaired users."(そのウェブサイトは視覚障害者の利用しやすさを向上させた。)
3. "Accessibility is a key factor in the design of this building."(この建物の設計において、利用しやすさは重要な要素である。)
4. "The company is committed to improving the accessibility of its services."(その会社はサービスの利用しやすさを改善することに取り組んでいる。)
5. "The park has good accessibility with ramps for wheelchair users."(その公園は車椅子ユーザーのためのスロープがあるため、利用しやすい。)
6. "The accessibility of information is crucial in the digital age."(情報の利用しやすさはデジタル時代において重要である。)
7. "The new app has enhanced accessibility features for people with disabilities."(新しいアプリは障害者のための利用しやすさを強化した機能を持っている。)
8. "The government is working on the accessibility of public transportation."(政府は公共交通の利用しやすさに取り組んでいる。)
9. "The accessibility of education is a fundamental right."(教育の利用しやすさは基本的な権利である。)
10. "The conference focused on the accessibility of healthcare services."(その会議は医療サービスの利用しやすさに焦点を当てていた。)
アクセシビリティ
【英】accessibility, web content accessibility, web accessibility
アクセシビリティとは、特にWebサイト上における、情報やサービスへのアクセスのしやすさのことである。
アクセシビリティは、高齢者や障害者なども含めたあらゆる人が、どのような環境(うるさい場所や、暗い場所、逆に明るい場所など)においても柔軟にWebサイトを利用できるように構築することを考慮する場合に使われる。
W3CからWeb Content Accessibility Guidelines 1.0というアクセシビリティに関する指針が発表されており、Webサイト構築においてチェックすべきポイントや優先度などを解説している。例えば、視覚障害を持つ人には音声によるガイドを付けるようにすることや、画像やアニメーションにはそれと同等の内容のテキストをalt属性で表現することなどが細かく指定されている。
現在では、Webサイトのみならず、企業で使われるシステムやサービスにおいてもアクセシビリティが留意される場合もあり、障害を持つ人も働きやすい環境が提供されるようになってきている。
参照リンク
Web Content Accessibility Guidelines 1.0 - (英文)
アクセシビリティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 20:07 UTC 版)
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アクセシビリティ(英: accessibility、略称: A11Y)とは、障害者が他の人と同じように物理的環境、輸送機関、情報通信及びその他の施設・サービスを利用できることをいう。
上記の定義は障害者権利条約に基づく。その第9条は、英文では"Accessibility"であり、外務省が提供する日本語訳では「施設及びサービス等の利用の容易さ」となっている。欧州アクセシビリティ法の定義もほぼ等しい。
建造物におけるアクセシビリティ
建物と、建物に至る経路において、高齢者や障害者を含む誰もが、支障なく利用できることあるいはその度合いをいう。建物は、建物に至る移動経路などの都市設計上の配慮がなされて初めて利用可能となることから、建物のみでなく建物利用に至る経路を含めてアクセシビリティに配慮することが望まれる。ただし、その過程で、セキュリティの低下を伴うことがあるため、状況によっては新たにバリアが設けられ、結局施設管理者による介助がなければ施設が利用できないような場合もでてくる(例えば、施設内に進入されることが望ましくない自転車などの軽車両やキックボードなどの遊具の通行を阻止するために車椅子用スロープに通行禁止用の柵が設けられ施錠されるなど)。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)も参照のこと。
歴史的建造物におけるアクセシビリティ
文化財や世界遺産などは公共性が高く、観光資源としても広く門戸が開かれているべきであるが、実際には保護の観点から木造建築の廊下や畳部屋では車椅子での進入が制限され、バリアフリーが実現できない場合も多い。国宝で世界遺産でもある姫路城では天守台へ至る道程は険しく、天守閣に登るためにリフトを設置することは文化財としては不可能である[1]。紀伊山地の霊場と参詣道の熊野古道のような山道をバリアフリー化することも現実的ではない[2]。
特に世界遺産に関しては、改修などを制限する真正性の取り決めがあり[3]、ヨーロッパの世界遺産において、国際連合教育科学文化機関がアクセシビリティに関するあり方の協議を始めている[4]。また、イギリス・カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビーは「信徒が礼拝に訪れる教会を含めた歴史的建造物において、その文化遺産としての保護よりもアクセシビリティの整備を優先すべき」とし、「障害者を含む全て人々の心が満たされることで保護の意識も高まる」と述べている[5]。
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サービスにおけるアクセシビリティ
助成制度や補助制度などのサービスを、高齢者・障害者を含む誰もが、支障なく利用できることあるいはその度合いをいう。サービスは、利用による便益が、これを享受するための手間を凌駕してこそ利用価値があることから、サービス利用による便益享受に至るまでがアクセシビリティの評価対象となる。
ウェブページにおけるアクセシビリティ
ウェブページにおけるアクセシビリティとは、障害をもつ人が利用できるようにウェブページが設計・開発されていることを意味する。
またウェブではコンピュータが情報を判別できることも重要である。検索サイトを作るためのクローラによって効率的に解読されたり、ソフトウェアが情報を判別するのに役に立つ。
ウェブページには、閲覧するためのウェブブラウザを指定したり、解像度を指定したデザイン、Macromedia Flashのような技術を使用したものがあるが、代替の情報を加えることによって異なる環境でも情報を取得することができる。障害者用のソフトウェアは、ウェブページの情報を音声や点字によって出力するが、代替情報がない場合に情報が取得できない場合がある。
総務省によれば、障害者のインターネット利用状況は、「利用している」53.0%、「利用していない」46.9%である。障害種別にみると、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由では「利用している」がそれぞれ91.7%、93.4%、82.7%、知的障害では、「利用していない」53.0%である[6]。
アクセシビリティに配慮するためのリニューアルの費用を抑えるため、不自由のある人の使用性を高めるプラグインやASPサービスも普及している。HTMLレベルでのアクセシビリティの実装に膨大な費用が掛かる場合、暫定的な方法となりえる。
ウェブに関する主要な国際機関であるWorld Wide Web Consortium (W3C) により、ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン (WCAG) が策定されている。2023年にバージョン2.2(WCAG 2.2)が、2018年にバージョン2.1(WCAG 2.1)が、1999年にバージョン1.0 (WCAG 1.0) が、2008年にバージョン2.0 (WCAG 2.0) が策定されている。WCAG 2.0は、2012年10月に国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) の技術標準の「ISO/IEC 40500:2012」となっている。
日本工業規格のウェブアクセシビリティ

日本では日本工業規格 (JIS) により規格化されている。2004年6月20日にJIS X 8341-3が公表された。
- X 8341-3:高齢者・障害者等配慮設計指針—情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス—第3部:ウェブコンテンツ
これは一般的にWebコンテンツJISと呼ばれる。JIS X 8341-3:2004は国内外の既存ガイドラインなどを参考に、日本語特有と思われる事項も網羅した独自の指針で制定された。
ここでいうウェブコンテンツとは、ウェブブラウザ、支援技術などのユーザエージェントによって利用者に伝達されるあらゆる情報及び感覚的な体験を指す。日本工業規格の情報処理部門が、主に高齢者、障害のある人および一時的な障害のある人に対して、ウェブコンテンツを知覚し、理解し、操作できるようにするためにウェブコンテンツを、制作し検証するために配慮すべき事項を指針として明示したものである。
2008年にWCAG 2.0が勧告されたことを受け、WCAG 2.0を包含する形で2010年8月20日にJIS X 8341-3:2010として改正された。改正前と同様に、知覚可能性、操作可能性、理解可能性、堅牢性の4つの原則に整理され、61個の基準が示されている。またプロセス(企画、設計〜運用まで)および試験方法を独自に追加している。
2012年10月にWCAG 2.0が国際規格「ISO/IEC 40500:2012」として制定されたことを受け、国際規格の一致規格とする形で2016年3月22日にJIS X 8341-3:2016として改正された。独自の表現としていた訳語を2016年の改正ではWCAG 2.0に忠実に合わせる(あえて原文の分かりにくさも尊重する)ことや、2010年版で独自に追加した要求事項を附属書として追加することが行われた。
2023年以降、WCAG 2.2が勧告されることに併せて国際規格および日本工業規格が改正される予定となっている。
JISへの準拠は基本的に任意であるが、工業標準化法の第67条では「国及び地方公共団体は、鉱工業に関する技術上の基準を定めるとき、その買い入れる鉱工業品に関する仕様を定めるとき(中略)日本工業規格を尊重してこれをしなければならない」とあり、尊重義務が発生する。
ウェブアクセシビリティが実現してゆくこと
言語障害など、視力、聴力、発声といったコミュニケーション上の障害や、運動障害による情報格差を軽減する。これまでになかった多様なコミュニケーションが可能となりえる。
アクセシビリティを向上させることで機能が低下することにも注意が必要である。システムの即応性や、多機能化が必要な場合に、同等の代替手段としてアクセシビリティにも考慮される。特に、人命に関わる情報提供などで議論されてきている。
ウェブサイトから公的な情報を的確に取得できるようになる。これにより技術の発展によって他者の介助に依存することなく、情報の取得と発信の可能性を拡げることが期待される。
- 視覚障害:失視
- スクリーンリーダーあるいは音声ブラウザと呼ばれるソフトウェアを用いる。音声認識や合成音声による音訳への対応が課題となる。なお、印刷物に対して光学文字認識(OCR)を行い音声化する方法では、枠線などで読めない場合が多い。
- 視力障害:重度弱視
- 重度弱視(ロービジョン)では、文字拡大の手段と、場合により音声の手段とを使い分けることが多い。コンピュータ上では画面をルーペで拡大する場合と、ソフトウェアで拡大する場合がある。文字の大きさが小さいと特に読みづらさが増すので、大きめに設計してほしいという当事者もいる。なお、印刷物では拡大読書器などモニターに拡大表示を行う装置が存在する。
- 音声による手段については、失視と同様である。
- 聴覚障害
- 電話の使用が不自由なため、文字が扱えればハンディは軽減される。問い合わせ先には、キー入力が未学習の人を対象としてファクシミリ番号の掲載があると望ましい。
- 上肢運動障害
- ウェブページ上で操作上の工夫があれば、スイッチやリンクからの閲覧や移動が可能である。
- 盲聾
- 全盲聾(ぜんもうろう)では、点字ディスプレーは優れているが高価すぎ、また文字数などレスポンスは良いとはいえない。
望まれる方法

- 画像への代替テキスト。(
<img alt="画像が見えない場合の説明" />
) - 重複する表記の省略:重複する表記の記述を可能な限り減らすように配慮する。またタイトルやメニューの一覧などは、スクリーンリーダーや音声認識などを用いてジャンプする(
<a href="#mainText">本文へジャンプ</a>
・・タイトル・メニュー・・・<a id="mainText">本文</a>)
)。 - リンクの範囲を大きく(
tabindex
や、アクセスキーの使用) - 文字サイズの可変性:文字の大きさを特殊なソフトを使用しなくても拡大できる。文字の大きさを絶対サイズではなく、相対サイズで定義すれば、汎用ブラウザで拡大ができる。
- スタイルシートの解除や、ユーザスタイルシートに対応した属性の定義。
- 色覚異常(第一、第二、第三、全色盲)への配慮を可能な限りする。赤・緑・黄・水色などにウェブデザイナーが注意する。
課題
アクセシビリティというカタカナの訳語自体が理解されにくいのではないかという指摘もある。「アクセシビリティ対応」などと書いていても、万人が理解しやすいとはいえない点も考慮する必要がある。
明確な基準がない中で、十分なアクセシビリティを確保していなくても「アクセシビリティに配慮した」という表現を行うケースもある。実情に即した対応を行うには、知識だけのアクセシビリティではなく、障害当事者を交えて改善(フィードバック)を行っていく必要がある。
HTML、CSSなどのコーディング規格は、英語圏を中心に標準化されており、日本語の表現をそのままコーディングできない現状もある。
オフィス文書のアクセシビリティ
ウェブページ以外にも、Microsoft Officeなどによって作成されたOOXML文書、LibreOfficeなどによって作成されたODF文書、それらを変換して作成されたPDF文書が大量に存在する。これらがアクセシブルであることは重要である。
OOXMLについては、ISO/IEC 29500-1のAnnex Jに、アクセシビリティのためのベストプラクティスが示されている。そこでは、実装も、文書作成者も、アクセシビリティを達成するための努力が求められている。
ODFについては、ODF 1.3 Part 3のAppendix Dに、アクセシビリティガイドラインが示されている。
PDFについては、JIS X 8341-3:2016に、アクセシビリティのための要件が示されている。ナビゲーションができることは要件の一つであるが、そうしたPDFを作ることは困難なことがある。
脚注
出典
- ^ 文化庁 名古屋城天守閣 エレベーター非設置に可否答えず 毎日新聞2018年6月4日
- ^ 歴史的観光地におけるバリアフリー化の動向と課題に関する考察 (PDF)
文化財・世界遺産のアクセシビリティに関する特別研究委員会 (PDF)
世界遺産、歴史的建造物のバリアフリー研究 (PDF)
文化遺産におけるバリアフリーの基礎的研究 (PDF) - ^ 完全性及び/又は真正性 文化庁(文化遺産オンライン)
- ^ European Symposium: Heritage and Accessibility UNESCO
- ^ Disability and accessibility over heritage, says Archbishop of Canterbury Sports Management 2018.7.18
- ^ 総務省「障がいのある方々の インターネット等の利用に 関する調査研究 [結果概要]平成24年6月」総務省情報通信政策研究所調査研究部、2012年。
参考文献
![]() | 出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 |
- kosuke_nakai「アクセシビリティに関する例」2019年5月1日
- 田中正躬編『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3 部:ウェブコンテンツ JIS X 8341-3:2010』日本規格協会、2010年
関連項目
- ユーザビリティ
- バリアフリー
- 合理的配慮
- 障害のある人の権利条約
- ユニバーサルデザイン
- マルチモーダル・インタフェース
- マルチモーダル・アクセシビリティ
- リハビリテーション法第508条
- 情報保障
- コンピュータアクセシビリティ
- ユビキタス社会
- マイクロソフト支援技術ベンダプログラム
- クワイエット・アワー
- ゲームのアクセシビリティ
外部リンク
- Web Accessibility Initiative (WAI)(英語) - Web Accessibility Initiative
- 情報アクセシビリティの規格 - 情報通信研究機構
- ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)
- ICTアクセシビリティの推進 - 総務省
- サービスデザイン - デジタル庁
- 公益財団法人日本適合性認定協会に認定された検査機関 - キーワード"アクセシビリティ"で検索
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