母体保護法とは? わかりやすく解説

ぼたいほご‐ほう〔‐ハフ〕【母体保護法】

読み方:ぼたいほごほう

母体の健康と生命保護することを目的とし、不妊手術人工妊娠中絶などについて規定する法律平成8年1996優生保護法改正改題して成立改正時、旧法条文から優生思想に基づく部分削除優生手術から不妊手術への言い換えなどがなされた


母体保護法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/04 17:57 UTC 版)

母体保護法(ぼたいほごほう、法令番号は昭和23年法律第156号)は、不妊手術及び人工妊娠中絶に関する堕胎罪の例外事項を定めること等により、母性の生命健康を保護することを目的とする法律である(同法1条)。1948年昭和23年)7月13日に「優生保護法」として公布され、1996年の法改正で名が改められた。


注釈

  1. ^ 手術は保護者が希望または許諾した場合のみに行われたもので、一律すべての障害者に行われたわけではない。
  2. ^ 配偶者の同意がなくても人工妊娠中絶できる例外は、配偶者が(1)死亡、(2)だれかわからない、(3)意思を表示できない、の3つ。2013年厚生労働省は、配偶者のいない未婚の場合、同意は不要との見解を示した。一方で医師が同意書を求める場合は多く、それは支払いの保証、事後に訴えられるのを回避する、女性の状況が法の例外に当たるかどうか確認のしようがない、などの理由によるという。[45]

出典

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  2. ^ 人工妊娠中絶に関する基礎知識”. 秋田市の産婦人科 あきたレディースクリニック安田. 2022年2月19日閲覧。
  3. ^ a b c 母体保護法とわたしたち、齋藤有紀子、2002年、p55-56
  4. ^ a b 「旧優生保護法は違憲」仙台地裁 賠償は認めず”. 河北新報オンラインニュース. 株式会社 河北新報社 (2019年05月28日火曜日). 2019年6月4日閲覧。 “旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強制された宮城県の60代と70代の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は28日、旧法の違憲性を認めた上で「救済の在り方は立法府の裁量に一義的に委ねられる」として原告女性側の請求を棄却した。判決は全国7地裁で提起された一連の訴訟で初めて。”
  5. ^ 「男性の同意」ないと中絶できない…相手からの連絡途絶えた未婚女性、公園のトイレで出産し遺棄”. 読売新聞 (2021年9月21日). 2022年3月25日閲覧。
  6. ^ 兵庫・赤穂市に55万円賠償命令、中絶手術で夫の同意得ず 岡山地裁”. 産経新聞 (2017年4月26日). 2022年3月25日閲覧。
  7. ^ 性暴力被害による妊娠における人工妊娠中絶の同意書のあり方について”. 日医オンライン (2021年1月5日). 2022年3月25日閲覧。
  8. ^ 中絶に「配偶者の同意」求めず 婚姻関係破綻なら 厚労省方針”. 毎日新聞 (2021年3月14日). 2022年3月25日閲覧。
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  10. ^ 母体保護法とわたしたち、齋藤有紀子、2002年、p23
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  16. ^ 永畑道子 『花を投げた女たち : その五人の愛と生涯』文藝春秋、124頁。 
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  24. ^ 羊水検査 Q&A (一般の方向け) | ラボコープ・ジャパン
  25. ^ 世界大百科事典内言及. “中ピ連とは”. コトバンク. 2022年2月22日閲覧。 “1970年には〈ぐるうぷ闘う女〉主催でウーマン・リブの集会が開かれ,各地に拠点がつくられ,優生保護法(現,母体保護法)改悪阻止を主張し”
  26. ^ 朝日新聞朝刊2019年10月20日、出生前診断 絡み合った歴史 柘植あづみ(明治学院大教授)寄稿
  27. ^ 「男性の同意」ないと中絶できない…相手からの連絡途絶えた未婚女性、公園のトイレで出産し遺棄”. 読売新聞 (2021年9月21日). 2022年3月25日閲覧。
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  29. ^ 性暴力被害による妊娠における人工妊娠中絶の同意書のあり方について”. 日医オンライン (2021年1月5日). 2022年3月25日閲覧。
  30. ^ 中絶に「配偶者の同意」求めず 婚姻関係破綻なら 厚労省方針”. 毎日新聞 (2021年3月14日). 2022年3月25日閲覧。
  31. ^ 中絶に“配偶者同意”は必要か? 臨床心理士「女性の自己決定権を尊重して」”. abema times (2021年9月28日). 2022年3月25日閲覧。
  32. ^ 母体保護法における配偶者の同意と、リプロダクティブヘルス/ライツ”. 富山県医師会. 2022年3月25日閲覧。
  33. ^ 中絶「配偶者の同意」要件、産婦人科医7割「撤廃すべき」…DVや強制性交被害の例も”. 読売新聞 (2022年2月20日). 2022年3月25日閲覧。
  34. ^ <社説>DVと中絶同意 自己決定権も考えたい”. 東京新聞 (2021年4月2日). 2022年3月25日閲覧。
  35. ^ Nodoka Konishi (2022年11月16日). “中絶、配偶者の同意はなぜ必要?「立法趣旨は不明」な70年以上前の法律に、女性は今も縛られている”. HUFFPOST. 2023年2月2日閲覧。
  36. ^ 岩崎眞美子 (2022年12月17日). “「配偶者同意」なき中絶手術 元夫が医師訴えた控訴審判決は一審と同じく棄却”. 週間金曜オンライン. 2023年2月2日閲覧。
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  42. ^ 強制不妊救済法 都道府県 受付・相談窓口一覧”. 厚生労働省. 2019年4月25日閲覧。
  43. ^ 旧優生保護法訴訟の原告がBPO申し立て STVの取材巡り北海道新聞 2019年6月19日
  44. ^ “強制不妊、国会が調査へ”. 共同通信社. (2020年6月10日). https://jp.reuters.com/article/idJP2020060901002730 2020年6月10日閲覧。 
  45. ^ “(フカボリ)中絶、相手の同意不要だったが 「病院は必要と」、手術できず遺棄:朝日新聞デジタル”. (2021年7月2日). https://www.asahi.com/articles/DA3S14959663.html 
  46. ^ 受胎調節実地指導員の指定等について 栃木県


「母体保護法」の続きの解説一覧

母体保護法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 05:18 UTC 版)

断種」の記事における「母体保護法」の解説

優生保護法1996年平成8年)の改正で母体保護法に法律名変更され障害者およびハンセン病患者への強制的な優生手術に関する条文削除されたため、現在では本人および配偶者同意のない断種禁止されている。

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母体保護法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 01:32 UTC 版)

胎児」の記事における「母体保護法」の解説

刑法214条では、医師助産師薬剤師又は医薬品販売業者女子嘱託を受け、又はその承諾得て堕胎させたときは、3月以上5年以下の懲役処せられるが、母体保護法14条に規定されている事由があるときは、人工妊娠中絶としての堕胎許可される。 母体保護法141項 都道府県区域単位として設立され社団法人たる医師会指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号一に該当するに対して本人及び配偶者同意得て人工妊娠中絶を行うことができる。1号 妊娠継続又は分娩身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれがあるもの。 2号 暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの。 2項 前項同意は、配偶者知れないとき、若しくはその意思表示することができないとき又は妊娠後に配偶者亡くなったときには本人同意だけでも良い

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