けしょう‐まわし〔ケシヤウまはし〕【化粧回し】
化粧廻し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 06:03 UTC 版)
化粧廻し(けしょうまわし)は、大相撲における儀式用の廻しであり、土俵入りを行う関取と、弓取式を行う力士が締める。現在のものは、博多織もしくは綴れ織(つづれおり)による、長さ約7メートル、幅約67センチメートルの1枚の帯状の布で、その先端1メートルほどを前に垂らす部分とし、残りは四重に折って腰に三重に巻く。前垂/前垂れ(まえだれ)の部分には金糸・銀糸・色糸で華やかな図案を刺繍し、下部に金色・朱色・緋色・紫色などの総(ふさ)を垂らす。 横綱の場合は、本人の分のほかに太刀持ち役と露払い役の力士の分も含めた三つ揃い(いわゆる三点セット)である。協賛企業や出身校などのスポンサー(後援会、タニマチ)から贈呈されることが多い。 新弟子が前相撲を終え、新序披露される際にも化粧廻しを着けて土俵に上るが、その際には部屋の兄弟子や親方から借りて着用している。 なお、前垂のみで構成され、エプロン状に仕立てられたものが祭用や子供用に作られる。歌舞伎や一部の歌舞伎舞踊でも使われ、これを伊達下がりという。 現在では関取になればすぐに新品の化粧廻しが後援者から贈られるが、1960年代の頃は関取に定着するまで兄弟子のおさがりを使用することがあった。北の富士の場合は兄弟子の佐田の山の化粧廻しをしばらく流用し、元の名前の書いてあるところの刺繍を剥がして自分の名前にして使用していた。 化粧廻しの馬簾の色に紫を使えるのは、横綱、大関・元大関、および、横綱土俵入りの太刀持ち・露払いを務める者に限られる。紫以外の馬簾の色については特に制限はない。
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