秋の例祭「赤ちゃん初土俵入」
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「山王宮日吉神社」の記事における「秋の例祭「赤ちゃん初土俵入」」の解説
赤ちゃん初土俵入は、境内にある式内社・杉末神社の例祭で行われる神事で、幼児が化粧廻しを付けて見えない神を相手に相撲を取り、神聖な土俵の砂に尻を付くことで健康を授かるとされている。 社蔵の文献によれば、江戸時代の前期の1681年(延宝9年)に花相撲の奉納が行われた記録が残る。地元力士による奉納花相撲が執り行われていた影響で、江戸中期に氏子のなかの有力な家々が屋号などをもとにした化粧廻しを作り、息子たちを土俵に上げたのが起源と思われ、寛政年間にかけて徐々に現在の形になったものと考えられている。宮津の旧家には、かつて昔使われた化粧廻しが残る家もあり、一部は山王宮日吉神社に寄贈され保管されている。 現在の化粧廻しは宮津の風景や花々などをあしらって、神社で多数制作されたものを使用して行われている。境内の着付け所で化粧廻しと半纏を着た幼児は母親に抱かれて先ず杉末神社で祓いと祈願が行われ、その後神社正面にある土俵に進む。幼児を受け取った行司は、土俵中央で杉末神社に対面して「ヨイショ ヨイショ」と言いながら幼児に四股を踏ます。次に「シィー」という声と共に赤ちゃんを抱えて土俵際まで神様を押し出す仕草を行う。再び「シィー」という声を出しながら土俵中央まで押し戻されて、赤ちゃんの尻を土俵に付ける。つまり杉末神社の神と相撲を取り、神様を寄り切ろうとするが押し戻されて倒され負けてしまうのだが、神と相撲を取ることで健康を祈願するという神事である。 毎年秋の「体育の日」に執り行われ、京阪神など遠方からの参加も含めて300名前後の参加がある。かつては男児のみであったが、近年は女児も参加できる。
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