大鏡とは? わかりやすく解説

おおかがみ〔おほかがみ〕【大鏡】

読み方:おおかがみ

平安後期歴史物語3巻本6巻本・8巻本がある。著者未詳白河院院政期前後成立か。大宅世継(おおやけよつぎ)・夏山という二老人昔語り若侍批判加えるという形式で、藤原道長栄華中心に文徳(もんとく)天皇嘉祥3年850)から後一条天皇万寿2年1025)までの歴史紀伝体で記す。鏡物(かがみもの)の最初で、四鏡の一。世継物語


大鏡

読み方:オオカガミ(ookagami)

平安時代歴史物語四鏡最初

別名 世継(よつぎ)、世継物語(よつぎものがたり)


大鏡


大鏡〈中之上/建久三年孟秋書写奥書〉


大鏡〈(道長、雑々物語)/〉

主名称: 大鏡〈(道長、雑々物語)/〉
指定番号 2011
枝番 00
指定年月日 1960.06.09(昭和35.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 1帖
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文: 鎌倉時代作品

大鏡〈巻第二、五、七/〉

主名称: 大鏡〈巻第二、五、七/〉
指定番号 2502
枝番 00
指定年月日 1997.06.30(平成9.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 3帖
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  『大鏡』は『栄華物語』につぐ歴史物語で、藤原道長栄華称え文徳天皇嘉祥三年(八五〇)から後一条天皇万寿二年(一〇二五)に至る歴史問答体紀伝体劇的に構成した作品である。『大鏡』成立万寿二年以降とする説が有力であったが、その多く作者論とかかわっており、近年では十二世紀初期成立とみる説が優勢である。
 現在す『大鏡』諸本は、(一)古本系、(二)流布本系(三)異本系に大別される近時新出になる冷泉家本は、八巻中の巻第二、五、七の三巻分を存するのみだが、異本系の現在最古写本認められるのである体裁綴葉装で、いずれも共紙表紙左肩に「代系『幾』」との別筆外題がある。料紙楮紙打紙して用い本文真名交り文で、四字程度連綿体交えた温和な書風をもって、半葉一一行一行二一前後書写し、所収歌はおよそ一字下げに二行書としている。筆跡は各冊で異なるが、書出ごとに「一、太政大臣為光」のように人名項目を掲げて尻付があり、文中真名には墨傍訓稠密に付されているほか、行間には勘物注記などがみえている。奥書等はないが、体裁筆跡等からみて鎌倉時代中期降らぬ古写本認められる
 各巻の構成は、巻第二左大臣冬嗣条から太政大臣実頼条に至る本文を完存する巻第五太政大臣兼通から内大臣道隆条の途中までを存し、以下、右大臣道兼条末に至るおよそ一括分を欠失している。巻第七は「藤原氏物語」の「一、太政大臣道長のおとゝハ」から「昔物語」の「いますこし事ともはきかせ給てまし」までの一巻分を完存する
 冷泉家本を他本と比較すると、その巻立て構成は、異本萩野文庫本九州大学図書館八巻三冊)、披閣本(旧高松松平家八巻四冊)と完全に一致し、本文おおむねこの系統みなされる。しかし、語句異同等は著しいものがあり、巻第七本文限定すれば本書古本系の池田本重文道長雑々物語」、天理図書館)に最も近いことが知られる。ただし、本書池田本ほど傍注多くないという特徴がある。
 本書は「昔物語中におよそ一丁分の脱文があるが、異本系でありながら萩野本等よりは記事簡明なところが多く、むしろ巻第二中心に本文全体として古本系の東松本重文東松みさ子)と一致する箇所少なくない。これらの事実本書古本系の姿をもとに独自に本文増やしつつあった異本系の早期の姿を示すものとして注目され、巻第七とほぼ本文一致する池田本位置づけ含め異本系大鏡の成立過程考えるうえにも価値が高い新出本である。
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書跡・典籍:  大鏡  大鏡  大鏡  大鏡  大鏡残巻  天台山記  天徳四年三月内裏歌合

大鏡

読み方:オオカガミ(ookagami)

分野 歴史物語

年代 平安後期

作者 作者未詳


大鏡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/28 14:04 UTC 版)

大鏡』(おおかがみ)は、平安時代後期の白河院政[注釈 1]に成立したとみられる紀伝体歴史物語である。


注釈

  1. ^ 白河天皇の譲位から崩御までの43年間(1086 - 1129年)
  2. ^ 極楽往生を願って、『法華(ほけ)経』を講じ説く法会のこと。
  3. ^ 貞観18年1月15日。これはユリウス暦換算で876年2月13日グレゴリオ暦では876年2月17日になる。
  4. ^ 1913‐98年。奈良女子大学助教授、筑波大学教授を歴任。
  5. ^ 1946年生 - 。相模女子大学教授、都留文科大学教授を歴任。
  6. ^ 1943年生 - 。武田祐吉の子。國學院大學文学部日本文学科専任講師、神奈川県立高等学校教諭などを歴任、多くの辞典類の編纂に携わる。

出典

  1. ^ 『広辞苑第6版』岩波書店、2011年。 


「大鏡」の続きの解説一覧

大鏡(おおかがみ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/26 05:28 UTC 版)

鴉 (麻耶雄嵩)」の記事における「大鏡(おおかがみ)」の解説

造った神。現人神として崇められている。山人以外の村人たちの山への出入り禁じている。四方を山に囲まれているため、山へ入らなければ外へは出られないので、実質上の鎖国状態にある。北の山にある宮に住まう滅多なことでは会うことが出来ず村長通して謁見申請し認められた者しか会えない。

※この「大鏡(おおかがみ)」の解説は、「鴉 (麻耶雄嵩)」の解説の一部です。
「大鏡(おおかがみ)」を含む「鴉 (麻耶雄嵩)」の記事については、「鴉 (麻耶雄嵩)」の概要を参照ください。

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