勘物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/19 10:19 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動勘物(かんもつ)とは、典籍などの文章の内容について書き加えられた注記のことを指す。
裏書(うらがき)とも。
解説
勘物の形式については特に定められた形式は無く、文章の頭注や傍注、本文中、奥書や紙背など、勘物を記した者によって様々である。
また、内容についても同様で、文字や語句の異同、人名や地名についての解説、語釈、異説や参考例、出典など当該典籍の解釈に関わる記述であれば、幅広く記されていた。
有名な勘物としては儀式書である『西宮記』に書かれたもので、各種の先例・慣習などが詳しく記されており、当時の有職故実の集大成と呼びうるものになっている。
勘物のまとめ
また、時代が下るにつれて大量にある勘物自体を取りまとめることも行われた。
例えば、『大鏡』の勘物が抜き出された『大鏡裏書』や藤原定家が『源氏物語』の書写等を行った際に加えた勘物だけを集成した『源氏物語奥入』などが知られている。
参考文献
- 土田直鎮「勘物」(『国史大辞典 3』(吉川弘文館、1983年) ISBN 978-4-642-00503-6)
- 南波浩「勘物」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-04-031700-7)
関連項目
勘物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/26 03:59 UTC 版)
本「大島本」は大部分の帖末に第一次奥入を有する。奥入を有しない巻は桐壺、花散里、澪標、関屋、絵合、初音、蛍、常夏、篝火、野分、幻、東屋、蜻蛉、夢浮橋である。 池田亀鑑は奥入を有するかどうかを青表紙本であるかどうかの基準としていたため、このことが大島本が「校異源氏物語」及び「源氏物語大成校異編」において底本として採用された大きな理由となったと見られる。 大島本より書写時期が古く、池田が利用可能な形でまとまって伝来している青表紙本の写本として池田本や横山本、言経本があげられるが、池田本は奧入を有するものの第一次奧入と第二次奧入が混在し、奥入りを有しない巻もあるため「大島本に次ぐ」という評価を与えられて桐壺、夢浮橋、初音、浮舟といった大島本に問題があるとされる巻において底本に採用されてその他の巻で校合本文の一つに採用されるにとどまり、横山本や言経本は奧入を有しないため校合本文のひとつとして採用されるにとどまった。
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