ごせんわかしゅう〔ゴセンワカシフ〕【後撰和歌集】
後撰和歌集〈藤原定家筆/〉
主名称: | 後撰和歌集〈藤原定家筆/〉 |
指定番号: | 271 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1983.06.06(昭和58.06.06) |
国宝重文区分: | 国宝 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | 天福二年三月二日書写奥書 |
員数: | 1帖 |
時代区分: | 鎌倉 |
年代: | 1234 |
検索年代: | |
解説文: | 藤原定家が天福二年(一二三四)に書写した『後撰和歌集』(二十巻)である。後世、『後撰集』研究上に重要な証本とされたいわゆる「天福本後撰集」の原本で、帖末に天福二年三月の定家七十三歳の時の書写奥書、および同年四月に藤原行成の筆写本によって校合した旨の校合奥書があり、また為家が子の為相にこの本を譲与した旨の譲与奥書があって、本帖が『古今集』とともに為相に相伝されたことを明らかにしている。本文中には定家自筆で和歌追記、作者・詞書等の勘物、異本校合などが書き込まれており、定家の『後撰集』研究の跡を伝えている。 |
後撰和歌集
主名称: | 後撰和歌集 |
指定番号: | 1505 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1952.03.29(昭和27.03.29) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | 天海寄進奥書 |
員数: | 1帖 |
時代区分: | 平安 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 平安時代の作品。 |
後撰和歌集〈上下/(天福本)〉
主名称: | 後撰和歌集〈上下/(天福本)〉 |
指定番号: | 2091 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1963.02.14(昭和38.02.14) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | 冷泉為相書写校合奥書 |
員数: | 1帖 |
時代区分: | 鎌倉 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 鎌倉時代の作品。 |
書跡・典籍: | 後拾遺和歌抄 後拾遺抄 後撰和歌集 後撰和歌集 後撰和歌集上 後撰和歌集上巻 後柏原天皇宸翰後土御門後柏原両天皇御詠草 |
後撰和歌集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/03 15:15 UTC 版)

『後撰和歌集』(ごせんわかしゅう)は、村上天皇の下命によって編纂された二番目の勅撰和歌集。950年代成立。体裁は『古今和歌集』に倣い、春(上・中・下)、夏、秋(上・中・下)、冬、恋(六巻)、雑(四巻)、離別(附 羇旅)、賀歌(附 哀傷)の20巻からなり、総歌数は1425首。離別歌と羇旅歌とを、賀歌と哀傷歌とを併せて収めた所が独特である。
成立
後撰和歌集には、古今和歌集のような序文が付されていないため、その成立年時は不明である。だが、天暦5年(951年)10月、宮中の昭陽舎(梨壺)に撰和歌所が置かれ、その寄人に任命された源順・大中臣能宣・清原元輔・坂上望城・紀時文(以上、梨壺の五人)が中心となって『万葉集』の訓詁と新たな勅撰集の編纂に当たり、藤原伊尹が別当となってそれを統括した旨、史書[1][2]に見えるので、遅くとも天暦末年には奏覧されたと見られる。奥村恒哉[3]は、作者名の表記の仕方から、天暦9年から天徳2年(958年)の間に成立したとする。また山口博[4]は、天暦7年(953年)10月28日に太皇太后藤原穏子により昭陽舎で菊合が開かれており、穏子は翌年昭陽舎で没していることから、その頃には完成していたとしている。しかしいずれの説も定説とはなっていない。
また、序文がないことや詞書が物語的であること、部立てと配列の乱れ、歌の重出などから、後撰和歌集が「未定稿」であったとする説が古来からあり、藤原清輔や北村季吟、中山美石などが主張している。村瀬敏夫[5]は、天徳4年(960年)9月23日に内裏の火災があり、その際に奏覧本(正式な本)が炎上したために、草稿本が流布し後世に伝来したのではないかとしている。
特色
前代の古今集と違うのは、撰者の歌がない点である。『古今集』撰進から40余年しか経っていないこともあり、紀貫之(81首)・伊勢(72首)・藤原兼輔(24首)ら、古今時代の歌人が再び主役を演じた。入集を果たした当代歌人の中で、上位は藤原師輔・同実頼・同敦忠などで、権門の作が多く採られているが、中務・右近ら当代の女流歌人の活躍も見られる。また、歌物語の影響を受けてか、詞書が長文化した。これについては上記のように「未定稿」であるため、物語的な詞書が残ったとする見解がある[6]。宇多法皇や藤原時平、仲平と伊勢との間の贈答をはじめとする贈答歌など、貴人の日常生活に基づいた「褻(け)の歌」が多いのもこの集の特色である。
脚注
参考文献
- 『後撰和歌集』 片桐洋一校注・解説、pp.471-500、岩波書店〈新日本古典文学大系6〉、1990年。ISBN 4002400069
- 『本朝文粋』 大曽根章介ほか校注、岩波書店〈新日本古典文学大系27〉、1992年。ISBN 4002400271
- 『八代集1 古今集 後撰和歌集』 奥村恒哉校注、平凡社東洋文庫、1986年、ワイド版2008年
- 関連文献
- 『後撰和歌集 和歌文学大系31』 徳原茂実 校注・著、明治書院、2022年。ISBN 9784625424403
関連項目
後撰和歌集と同じ種類の言葉
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