主要な写本及び伝本系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/10 14:29 UTC 版)
本書には数多くの伝本が存在するが、書名や奥書・勘物の有無や跋文の位置のほか項目の異同など伝本間の違いは少なくない。本書の写本及び版本は、さまざまな観点から3つないし4つの伝本系統に分けられるが、その基準は学者によっていくつかの異なった観点からのものが存在する。 待井新一は奥書・勘物の有無や跋文の位置によって以下の3つの系統に分類している。 跋文が巻末にあり、奥書・勘物が無いもの - 天理図書館蔵本、桃園文庫本、東北大学本、宮内庁書陵部蔵本(内) 跋文が巻頭にあり、奥書・勘物が無いもの - 東京大学本、静嘉堂文庫本、松平文庫本、続群書類従本 跋文が巻末にあり、その後に奥書・勘物があるもの - 加持井宮家旧蔵本、宮内庁書陵部蔵本(宮)、倉野憲司旧蔵本 大津有一は奥書の有無と内容によって以下の4つの系統に分類している。 兼純奥書本系統 - 桂宮本『千鳥』 藤斎・龍翔院奥書本系統 - 桂宮本『源氏談義』、書陵部本『源注』、倉野本 宗祇奥書本系統 - 続群書類従本 無奥書本系統 - 天理図書館蔵本 片桐洋一は、項目の脱落や後世の補記と見られる記述の有無などといった内容そのものから以下のように分類している。 項目の脱落は見られないものの、後世の花鳥余情などからの補記が認められる藤斎・龍翔院奥書本系統 後世の補記は認められないものの、記述に脱落が認められる系統。これはさらに宗祇奥書本系統及び無奥書本系統と兼純奥書本系統とに分けられる
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