倉野憲司とは? わかりやすく解説

倉野憲司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/23 14:50 UTC 版)

倉野 憲司
人物情報
生誕 (1902-03-09) 1902年3月9日
日本福岡県遠賀郡芦屋町
死没 (1991-02-28) 1991年2月28日(88歳没)
日本
国籍 日本
出身校 東京帝國大学
学問
時代 昭和
研究分野 上代文学
研究機関 東京女子大学
広島文理科大学
皇學館大学
福岡女子大学
福岡県社会保育短期大学
成城大学
学位 文学博士
主な業績 古事記』の研究
主要な作品 #著書
主な受賞歴 勲二等瑞宝章
西日本文化賞
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倉野 憲司(くらの けんじ、1902年3月9日 - 1991年2月28日)は、日本国文学者福岡女子大学名誉教授。学位文学博士東京大学論文博士・1951年)。

略歴

福岡県遠賀郡芦屋町に生まれる。1926年東京帝國大学文学部国文学科を卒業後、ただちに成城高等学校教授となり、以後、東京女子大学教授、広島文理科大学助教授文部省図書監修官、神宮皇學館大學教授を歴任[1]

戦後鈴鹿高等学校教諭等を経て、1950年に福岡女子大学教授に就任。同大学において1952年に学生部長、1956年に文学部長、1962年図書館長など要職を歴任し、1964年には学長となり、1972年まで3期8年間つとめた。同年退職して同大学名誉教授、また勲二等瑞宝章を受章。同大学勤務中の1951年には東京大学より文学博士の学位を授与されている。また、福岡女子大学校歌を作詞福岡県社会保育短期大学の学長も歴任した。1981年『古事記全註釈』完成の功績により、第40回西日本文化賞(学術文化部門)受賞。

業績

古事記』の研究に大きな成果をあげ、特に『古事記全註釈』は優れた業績として評価されている[1]。「本居宣長の訓には不必要な敬語が多過ぎるけれど、決してその学恩を忘れてはならない」として宣長に敬意を払い、注釈においては『古事記伝』の説の是非を批判してから自説を述べるという態度を取った[1]。神宮皇學館大學に着任した時には、教室に掲げられていた宣長の肖像に敬礼して、「山田孝雄学長は平田篤胤に傾倒しておられるようだが、自分は宣長の学問的態度を祖述していく」と宣言したという[1]。また、学会活動としては古事記学会会長、全国大学国語国文学会理事などを務めた。

著書

  • 『古事記の新研究』至文堂、1927年
  • 『古代文学研究』岡村書店、1929年
  • 『上代文学新選』広文堂書店、1929年
  • 『新訂要註方丈記三省堂、1933年
  • 徒然草新講』三省堂、1933年
  • 『上中古文学論攷』叢文閣、1934年
  • 『新訂要註伊勢物語』三省堂、1934年
  • 『新訂古事記』広文堂書店、1935-36年
  • 『古典と上代精神』至文堂、1942年
  • 『日本文学史3 大和時代(下)』三省堂、1943年
  • 『古事記論攷』立命館出版部、1944年
  • 『国語問題解決の基礎』立命館出版部、1944年
  • 『古典の精神』全国書房、1944年
  • 『古事記序文註釈』私家版、1951年
  • 『古典探求』積慶園、1952年
  • 『古事記』アテネ文庫、弘文堂、1955年
  • 『古事記評解』有精堂、1960年
  • 『上代日本古典文学の研究』桜楓社、1968年
  • 『古事記全註釈 全7巻』三省堂、1973-1980年
  • 『稽古照今』桜楓社、1974年
  • 『論集・古事記の成立』大和書房、1977年

校訂など

脚注

  1. ^ a b c d 齋藤平「〈皇學館人物列伝19〉倉野憲司」『皇學館学園報』第42号2013年2月20日、2面。




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