ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 430 | 作曲年: 1717-1720?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | プレリュード Präludium | No Data | |
2 | アルマンド Allemande | No Data | |
3 | クーランド Couraute | No Data | |
4 | エアと変奏曲(調子のよい鍛冶屋) Air mit Variationen(Harmonious Blacksmith) | No Data |
作品解説
第5番 ホ長調 HWV430
第3番と対を成し、クーラントに変奏曲形式楽章が続く。変奏曲は《調子の良い鍛冶屋》として親しまれているが、この名前は19世紀に由来し、ヘンデルが蹄鉄工から変奏曲の着想を得たという逸話は事実無根である。また変奏曲形式楽章はハンブルク時代成立とされる独立したシャコンヌを、元のト長調から移調、改訂したもの。
プレリュードは出版用の新作である。動機の紡ぎ出しで書かれており、4声間での動機の応答と主旋律以外の声部の和音、楽章末のアルペッジョによるカデンツから成る構成は第6番と同じタイプ。
アルマンドではゼクエンツでの声部間の模倣など4声がポリフォニックに絡み合う。楽章前半部の一部の楽節は、後半部に回帰する(ex. 第27小節~、楽章末)。
クーラントは最上声の優位性や装飾の少なさ、一様なリズムがイタリア的特徴を与えるが、弱起や声部交換など、辞書的なイタリア風コッレンテの典型に当てはまらない点もある。前半、後半ともに上下声部の模倣で始まるのは第7番と共通。
エールは2部分リート形式。変奏技法は第3番とよく似ており、ドゥーブル1~4は声部交換、ドゥーブル5では上下声部が32分音符による1オクターヴの音階を交替し、最上声が2オクターヴ以上に拡大した音階を駆け下りて華やかに楽章を閉じる。
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 427 | 作曲年: 1717-1720?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アダージョ Adagio | No Data | |
2 | アレグロ Allegro | No Data | |
3 | アダージョ Adagio | No Data | |
4 | アレグロ Allegro | No Data |
作品解説
第2番 ヘ長調 HWV427
8曲中、唯一プレリュードを持たない。HWV431と並んで楽章構成は組曲ではなくクラヴィーア・ソナタのそれであり、イタリア、イギリスにおけるヘンデル初の3-4楽章構成のクラヴィーア・ソナタ集に先行する出版ソナタ作品ということになる。使用音域から、成立はハンブルクまたはイタリア時代とされるが、終楽章は1717-18年のキャノン城滞在時に書かれたもので、冒頭のアダージョも出版用の改訂稿である。また元々の第5楽章は出版時に削除された。
冒頭楽章はひたすら音階下行する低音の上で、上声が装飾豊かに旋律を紡いでいく。2回目の主調のカデンツ以降、ヘ短調を初めとして転調が続く。最後はE音上の7の和音に停止してから一呼吸おいて、イ短調のカデンツで楽章が閉じられる。
第2楽章は、上声部が分散和音で和音を補いながら16分音符で軽快に駆けるアレグロ楽章。後半部は冒頭主題の繰返しから始まる。下属調へ至ったところで主題から離れると、上声部は楽章の終わりまで休みない動きとなる。4小節の楽節の不完全な繰返しの中で更に転調が続き、明確な区切りなく、第27小節の後半から楽章前半部の第7小節後半以降が主調で回帰する。
第3楽章も装飾豊かな点では冒頭楽章と同じだが、後者は上声部が支配的に主旋律を担うのに対し、このアダージョでは4度跳躍に特徴づけられる動機が各声部に交替で現れる。
終楽章はフーガ。実質的にソナタ・ダ・キエザの構成をとる本作品で終楽章にフーガが来るのは伝統的な楽章配列に則っている。これは4声フーガで、主題の転調は三度関係の調にまで及ぶ(第20小節~、29小節~)。終盤では、バッハと比べヘンデルには少ないとされるストレッタも見られる。
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 433 | 作曲年: 1717-1720?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 前奏曲 Prelude | No Data | |
2 | フーガ Fugue | No Data | |
3 | アルマンド Allemande | No Data | |
4 | クーラント Courante | No Data | |
5 | ジグ Jig | No Data |
作品解説
第8番 ヘ短調 HWV433
本作品では、元々独立作品だったフーガがプレリュードに続き、第3番と同じくプレリュード―フーガという対ができている。
ヘンデルが出版用に新しく書いたプレリュードでは、冒頭から4声が互いに様々な動機を短い間隔で交替していく。11小節目からは既出の動機のうちの1つの連続となり、低音の半音進行にのって転調する。フェルマータを経て、半終止から直接にフーガが準備される。フーガの主題は3声目まで主題が連続で呈示された後、低音域の和音で重々しく現れる。この和音での主題提示は楽章内で、後にも何度か現れる。ストレッタや楽章中に繰返し現れる主題冒頭3小節の特徴的なリズムにも注目したい。
第8番は同じくプレリュードと3つの組曲楽章から成る第1番と対を成すが、各楽章の性質は対照的である。フランス的要素の強い第1番に対して、第8番のアルマンドは一様なリズムの簡素な2声体書法が支配的で、イタリア様式の特徴を呈している。同じくクーラントも、華美な装飾と様々なリズムの変化を含む第1番とは対照的な簡潔なものである。各部冒頭の上下声部の模倣はこの組曲集でも何度も使われた方法である。
ロジェ版の改訂稿であるジグは第1番と同じく模倣で始まり、概ね2声体で書かれている。前半部を閉じる属調のピカルディー終止を属和音として、後半部は主調のDT進行から始まる。転調はシンプルで、下属調、平行調を通って主調へ戻る。その後、平行長調を挟みながら、前半部の楽節が繰返されていく。
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 431 | 作曲年: 1717-1720?年 |
作品解説
第6番 嬰ヘ短調 HWV 431
第2番と共にクラヴィーア・ソナタの体裁をとる。プレリュードを含むトリオ・ソナタ、また2つの緩徐な楽章にフーガとジグの急速な楽章が続くという構成はコレッリのソナタ作品に先例がある。本作品は1717~1718年までには完成し、元々のプレリュードHWV 570は1720年に新しいものと交換された。
プレリュードは、4声部の間の短い動機の掛け合いによって音楽が進んでいき、最後にアルペッジョによる明確なカデンツで楽章が閉じられる。基本的に動機を鳴らす以外の3声は和声変化に合わせて進行するのみで、同一音を長く引き延ばすことが多い。
ラルゴでは、最上声と他声部との応答と、一様な付点リズムの伴奏の上で、最上声が支配的に主旋律を紡ぐか、または最上声が他声部と共に付点リズムで和音進行する部分が交替する。楽章最後のカデンツは主調嬰ヘ短調の主和音ではなく属和音で、最上声は第3楽章のフーガの開始音となる。
アレグロのフーガの主題と対旋律は、楽章の最初から同時的に呈示され、複雑な対位法へと発展する。3、4声目の入りでは主題冒頭の動機が連続し、ストレッタになるかと思わせるが、ここでは厳密な模倣は続かない。より本格的なストレッタは楽章後半(第57小節~)に現れる。
2拍目のトリルを特徴とするジグの主題は1718年作曲の仮面劇《エイシスとガラテア》の合唱《Happy We》に由来する。主旋律は最上声が支配的だが、後半部では最低声との声部交換も頻繁になる。また両声部の平行3度の響きも、全体が2声体となるためにむき出しとなり、本楽章を特徴付けている。なお前半部の最後では嬰ト音まで上行した旋律が一様に下行してカデンツに至るのに対し、後半部では下行の後で再びイ音まで上がり、楽章末の音楽の収束を効果的にする音楽の高揚を生んでいる。
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から) | Suite HWV 441 | 作曲年: 1710-1726?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アルマンド Allemande | No Data | |
2 | アレグロ Allegro | No Data | |
3 | クーラント Courante | No Data | |
4 | エア Air | No Data | |
5 | メヌエット Minuet | No Data | |
6 | ガヴォット Gavotte | No Data | |
7 | ジグ Jig | No Data |
作品解説
HWV441 G-dur
様式面の未熟さから、研究史上、本作品はヘンデルの初期作品と位置付けられることが多かった。しかし本作品の様式は、ヘンデル初期のそれではない。更に本作品はドイツにおけるヘンデルの鍵盤作品の史料のいずれにも含まれておらず、現存史料の状況からもヘンデルの真正性は疑問視されている。
アルマンドの冒頭は1711年に出版されたクラークJeremiah Clarkeの練習曲選集所収のG-durのアルマンドの冒頭と似ており、また様式的な稚拙さからもヘンデルの真正性は疑われている。全体は簡素な2声体で書かれ、左手は和声進行の呈示、右手は旋律声部に徹し、声部交換は見られない。ほぼ全てのフレーズは2小節単位で、動機操作や風変りな転調もない。形式、和声、旋律構造のいずれも極めて単純である。
アレグロ、アリア、メヌエット、ジグはヘンデルの様式的特徴が見られず、真の作者はウィリアム・バベルWilliam Babellと推測されている。アリアは、現存写譜集の中でバベル作と明記されている写譜がある。メヌエットとジグは、写譜がバベル作と明記されたアリアの写譜と同じ写譜集に含まれるのに加え、これとは別にバベルによる写譜集にも存在することから、バベル作である可能性が提起されている。
アレグロは弱拍の音階と、和声を明示する低声の分散和音を主要動機とし、動機の変形や形式構成において特に風変りな点は見られない。終止カデンツは楽章通して例外なく、両手の平行3度の下行となる。同様の音形はアリアのカデンツにも見られるが、これはヘンデルの作品には非特徴的である。
メヌエットは右手の単旋律と左手のオクターヴ和音の模倣で始まる。この楽章冒頭の楽節は、後にD-dur、e-moll、h-moll、そして最後に再び主調G-durで現れる。これらの冒頭楽節の間は、音階を中心とした16分音符の走句で埋められる。
ロンド形式と変奏というガヴォッタの構成は、1717年出版の、バベルの練習曲集所収のエアと変奏に類似する。他にも第56-64小節の音形がバベルの作品との共通点として指摘されている。ドゥーブルにおける旋律の装飾変奏は、分散和音や音階による単純なもので、この変奏技法の稚拙さも真正性を否定する根拠となっている。
ジグの前後各半部分は、は軽快な跳躍とトリルの動機で始まる。旋律声部は音階ないし分散和音の反復を主とし、終止カデンツまで一様なリズムを刻み続ける。休みなく続く八分音符と動機の反復、そこまで厳格な規則性を持たない旋律線の上行、下行の変化が、音楽の流動性を支えている。
本作品で唯一、真正性が高いのはクーラントである。形式構造は解りやすく、楽節は押し並べて2小節か4小節から成る。旋律声部は音階と分散和音の対照的な動機の交替で書かれている。音響に関して言えば、スカルラッティを思わせる密集した両手の平行3度が、前後の部分と対照的な音域の変化をもたらしている。
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 432 | 作曲年: 1717-1720?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 序曲 Overture | No Data | |
2 | アンダンテ Andante | No Data | |
3 | アレグロ Allegro | No Data | |
4 | サラバンド Saraband | No Data | |
5 | ジグ Jig | No Data | |
6 | パッサカーリャ(シャコンヌ) Passacaille | No Data |
作品解説
第7番 HWV432
HWV439の改訂稿である3/2拍子のサラバンドに、フローベルガーの影響が認められ、様式的には遅くとも1711年まで遡れること、ロジェ版の改訂稿であるオーヴァーチュアが、1707年初演のカンタータ《忠実な心》序曲の編曲であることなどから、本作品の作曲も初のローマ滞在時の可能性がある。
アンダンテは様式化されたアルマンドで、アレグロ、サラバンドと共に出版用の改訂稿である。2声体のアルマンドは、付点を含まぬリズム、大部分上声に与えられた主旋律声部、模倣や動機操作の少なさなどから、イタリア様式への傾倒が強いと言える。事実上舞曲楽章であり、2声の模倣が各部の冒頭にしかないアレグロも同様に、イタリアのコッレンテの特徴が色濃い。
サラバンドは4小節の長さの楽節から成り、形式は簡潔である。最後の8小節は、直前の8小節の前半4小節を若干変更した反復である。
ジグは全体で19小節と短く、大方は最低声が和声低音、最上声が主旋律となる明瞭な書法。声部の密な絡み合いは見られず、和声進行にも複雑さはない。
パッサカリアは出版以前に流布していた写譜ではシャコンヌとされていたが、舞曲が3/4拍子を基本拍子とすることが多いのに対して本楽章は4/4をとる。小節後半の和声と5度の関係を取りながら、小節冒頭の低音が一小節ずつ2度下行し、パッサカリアのバス典型である4度の下行音階を形作る。15回の変奏のうち、第2、3変奏、第5、6変奏、第8、9変奏、第13、14変奏はそれぞれ対となり、上声と低声の間で声部が交替する。
ロドリーゴ:組曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ロドリーゴ:組曲 | Suite | 作曲年: 1923年 出版年: 1928年 初版出版地/出版社: Rouart-Lerolle 献呈先: ミゲル・ケロル Miguel Querol, オスカル・エスプラ Oscar Esplá, エルネスト・アルフテル Ernesto Halffter, アドルフォ・サラサール Adolfo Salazar, アンパロ・イトゥルビ Amparo Iturbi |
バッケル=グレンダール:組曲
ヒアネオ:組曲
コルンゴルト:組曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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コルンゴルト:組曲 | Suite für zwei Violinen, Cello und Klavier für die linke Hand Op.23 | 作曲年: 1930年 献呈先: Paul Wittgenstein |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Präludium und Fuge: Kräftig und bestimmt, Ruhig, ohne zu schleppen | No Data | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Walzer: Nicht schnell, anmurtig | No Data | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Groteske: Möglichst rasch | No Data | No Image |
4 | 第4楽章 Mov.4 Lied: Schlicht und innig. Nicht zu langsam | No Data | No Image |
5 | 第5楽章 Mov.5 Rondo - Finale / Variationen: Schnell, heftig. Allegretto amabile e comodo. | No Data | No Image |
ヴァイネル:組曲
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 426 | 作曲年: 1717-1720?年 |
作品解説
第1番 HWV426 イ長調
本曲集は1720年のクルアー版の序文にあるように、アムステルダムのロジェ社と連携してロンドンの出版社ウォルシュが作曲家の許可なしに刊行した組曲の海賊版や、流布していた手稿譜に対抗するため、ヘンデルが旧作を編纂して出版した曲集である。1720年6月に王室から得た英国における出版特権も本曲集の出版のための、ロジェ版への対抗措置と考えられている。
作曲家は出版にあたり、既存の楽章の改訂、新たに書き下ろした楽章の付加ないし元の楽章との差し替えを行い、最終的に4つのタイプの組曲それぞれに互いに対照的な作品を2曲ずつ、計8曲をまとめた。8曲でクラヴサン組曲集を編んだのはパーセルに先例がある。
曲集の両端にはプレリュードと舞曲楽章3つから成る組曲が置かれる。第1番HWV426は全体を通してフランス様式に傾倒している。舞曲楽章の成立年は不詳だが、プレリュードのみ1720年に新たに加筆されたという。本作品のプレリュードは単純な和音のアルペッジョから成り、実質的には拍子に拘束されない、17世紀後半に「プレリュード・ノン・ムジュレ」と呼ばれるようになったタイプをとる。前半は主音A音上で和音が展開され、後半では低音の半音階的な動きを含み調が揺れる。最後は長い属音が終止を強調する。
アルマンドは、和声や旋律を断続的にし、その間の繋がりを奏者や聴く者の想像に任せる、フランスのリュートや鍵盤作品に特徴的な「スティル・ブリゼ」が用いられている。ポリフォニックに進行すると思わせる短い動機の模倣もフランス様式の一特徴である。
クーラントでは、頻繁なリズムの交替や、豊かな装飾音から、フランス様式を意識的にとりいれたことが伺える。ジグでは、特徴的な冒頭の動機が、時にそのリズムを2声部に分けた形で(ex. 10小節)、全体に配されている。後半部では冒頭の動機のゼクエンツに従い、5度圏に沿った転調がおこる。
ライネッケ:組曲
ルビンシテイン, アントン:組曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ルビンシテイン, アントン:組曲 | Suite Op.38 | 作曲年: 1855年 出版年: 1856年 初版出版地/出版社: Bessel |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 前奏曲 Prélude | No Data | No Image |
2 | メヌエット Menuet | No Data | No Image |
3 | ジーグ Gigue | No Data | No Image |
4 | サラバンド Sarabande | No Data | No Image |
5 | ガヴォット Gavotte | No Data | No Image |
6 | パッサカリア Passacaille | No Data | No Image |
7 | アルマンド Allemandee | No Data | No Image |
8 | クーラント Courante | No Data | No Image |
9 | パスピエ Passepied | No Data | No Image |
10 | ブレー Bourrée | No Data | No Image |
ヒラー:組曲
シェーンベルク:組曲
バルトーク:組曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バルトーク:組曲 | Suite Op.14b | 作曲年: 1916年 出版年: 1918年 初版出版地/出版社: Universal |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アレグレット Allegretto | 2分00秒 | No Image |
2 | スケルツォ Scherzo | 2分00秒 | No Image |
3 | アレグロ・モルト Allegro molto | 2分00秒 | No Image |
4 | ソステヌート Sostenuto | 3分00秒 | No Image |
作品解説
バルトークは唯一のオペラ作品《青ひげ公の城》を1911年に作曲し、コンクールに応募するが、演奏不可能として却下される。ブタペスト音楽界への不信をつのらせて、郊外へひきこもるようになったバルトークは、民俗音楽の収集に没頭し、新曲の作曲はほとんど行わなくなった。その後、多くのルーマニア民俗音楽の編曲を数多く手がけるようになったバルトークだが、そこで特に異色な作品となっているのがこの《組曲》(1916年)である。
バルトークが自らのコンサートレパートリーとして久々に手がけた本格的な作品である。ここでは生の民族的素材を用いてはおらず、民族的な語法、リズム、音色などの諸要素を独自の書法によって磨き上げようという新しい試みがみられる。バルトークの後の回想によれば、「それまでの書法を完全に一新し、より見通しの良いスタイルへ、もっと骨と肉によるスタイルへ変化させようと考え」てかかれた作品である。
第1楽章:アレグレット 3部形式の舞曲調の曲。変ロ音が主音となっており、全音音階の使用が目立つ。
第2楽章:スケルツォ 12音列を用いた下降形の冒頭、鋭いリズムと冷たい音色感が印象的である。全体はABACABACAというロンド風の形式によっている。
第3楽章:アレグロ・モルト この楽章の素材は、バルトークが1913年にきいたアルジェリア(当時フランス領)の民俗音楽が影響している。strepitoso、連続するアクセント、素早い跳躍など、高度な技巧を要する。第3拍目を意識し、リズムをくずさないように奏する。
第4楽章:ソステヌート 終曲がテンポの遅い楽章にした点は、《第二弦楽四重奏曲》と似ている点である。8分音符、4分音符、4分音符、8分音符というリズム型は、ハンガリー民謡に由来している。非常に繊細な詩情をたたえた終曲。8分の6拍子の、第4拍目を意識して奏する。
シラス:組曲
サン=サーンス:組曲
バルトーク:組曲
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から) | Suite HWV 439 | 作曲年: 1710-1726?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アルマンド Allemande | No Data | No Image |
2 | クーランド Courante | No Data | No Image |
3 | サラバンド Saraband | No Data | No Image |
4 | ジグ Jig | No Data | No Image |
作品解説
組曲
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から) | Suite HWV 440 | 作曲年: 1710-1726?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 前奏曲 Prelude | No Data | No Image |
2 | アルマンド Allemande | No Data | No Image |
3 | クーラント Courante | No Data | No Image |
4 | サラバンド Saraband | No Data | No Image |
5 | ジグ Jig | No Data | No Image |
作品解説
HWV440 B-dur
アルマンドの第11、13小節に、オペラ《アルミーラ》に特徴的な終止形が見られること、サラバンドの初期稿が作曲家の初期のサラバンドに特徴的な3/2拍子であることから、初期稿の成立はハンブルク時代とされる。諸史料の中にはアルマンドとサラバンドの改訂稿をHWV434の一部とするものがある。サラバンドが改訂稿の3/4拍子で書かれた史料は1717年以降のものであるため、批判校訂版では両楽章が1717年頃に改訂され、写譜師がそれらを同時期に作曲されたHWV434の一部としたと推察されている。
アルマンドは2声体を基本とする2部形式である。前半のバスのリズムは、改訂稿でより統一的になっている。後半は、規則的なゼクエンツなどに依らない自由な声部進行によって、属調から近親調を経て主調が回帰する。第11-12小節のフレーズが再現したのち、3声による音階下行とゼクエンツの反復で楽章が閉じられる。
クーラントは第1小節の右手の8分音符3音の動機、音階下行、分散和音による音階上行を主要素材とする。音楽の切れ目が概ね2小節単位で明確に区切れる解りやすい構造をとる。素材の活用法では同一素材の転義を指摘できる。前後半の冒頭楽節は付点2分音符と8分音符3音の動機で始まるが、以後、同じ1小節のリズム動機が現れる中で、強拍の付点2分音符は前の楽節を閉じる解決音にもなる(例えば第22、28小節)。
サラバンドの拍子の改訂は、作曲家が自らの初期の様式的特徴を捨て去ったためと考えられている。本楽章に記譜された多くの技巧的な装飾音は、その他の類似の組曲楽章のための装飾見本と解釈されている。反復記号後はト短調に転調し、前半と長短の対比を成す。第12小節以降は、属七和音の連続と導音の安定した解決が先延ばしされることで、特に和声的緊張が高まる。
ジグは軽快な付点のリズムが特徴的である。前半では5小節の楽節が、挿入を挟みながら3声に模倣されていく。後半も1小節間隔の3声の模倣で始まるが、厳格な模倣は前半ほど長くはない。第44小節からは、第19小節からの旋律声部が回帰する。
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から)
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から) | Suite HWV 437 | 作曲年: 1710-1726?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 前奏曲 Prelude | No Data | |
2 | アルマンド Allemande | No Data | |
3 | クーラント Courante | No Data | |
4 | サラバンド(2つの変奏付き) Saraband | No Data | |
5 | ジグ Jig | No Data |
作品解説
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 428 | 作曲年: 1717-1720?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 前奏曲 Prelude | No Data | |
2 | アレグロ Allegro | No Data | |
3 | アルマンド Allemande | No Data | |
4 | クーラント Courante | No Data | |
5 | エア(5つの変奏付き) Air | No Data | |
6 | プレスト Presto | No Data |
作品解説
第3番 ニ短調 HWV428
プレリュードとフーガという対を成す楽章で始まり、舞曲楽章が続く。プレリュードと初めの2つの舞曲楽章は出版用の新作である。
プレリュードは装飾的な音形が和音変化に従って展開される、第1番と同じタイプだが、第3番では拍子感が保たれている。装飾音形のパターン化した上下動はリズムの違いによって変化が付けられている。
第2楽章のフーガは、自筆譜より1718年完成とされる。主題の記譜上の付点リズムはイネガル奏法が求められていると解釈できる。主題は後々転回形となるが、特に間奏部で早くも下行形となる7度の音階は楽章全体で活用される。
4声体のアルマンドはイタリア様式から影響されたもの。前半部では属調に転調し長3和音上に終止する。後半部では属調、主調平行長調、下属調を経て主調が回帰する。後半では、同一音上の停滞を含む2度進行から成る動機が、一方で装飾を伴い(第15小節)、他方では内声に(第16小節)、そして再び上声にと多様に活用される。
クーラントの3/4拍子と複数声部により補填される8分音符の一定のリズムは、イタリア様式の特徴を反映する。動機の転回や声部間での交替などポリフォニックな声部の処理も注目される。
サラバンドの位置には2部形式のエールとその変奏である5つのドゥーブルが置かれる。ドゥーブル1から3ではエールの旋律線が16分音符で装飾され、また各声部は変奏ごとに声部進行を交替する。ドゥーブル4は8/12拍子での変奏、ドゥーブル5は旋律のリズム変奏である。なお本楽章は別の組曲HWV449の変奏曲形式楽章の改訂稿である。
終楽章のジグは1712年初演のオペラ《忠実な羊飼い》の序曲の鍵盤楽器用編曲の改訂稿である。本楽章のようにジグはプレストと記される場合もあった。所々に付点のリズムや声部の交替があるが、ほぼ全面にわたる8分音符の規則的なリズムや模倣の少なさから、全体的にイタリア様式への傾倒が強いといえる。
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から)
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第2集から) | Suite HWV 438 | 作曲年: 1710-1726?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アルマンド Allemande | No Data | No Image |
2 | サラバンド Saraband | No Data | No Image |
3 | ジグ Jig | No Data | No Image |
作品解説
ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 429 | 作曲年: 1717-1720?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アレグロ Allegro | No Data | |
2 | アルマンド Allemande | No Data | |
3 | クーラント Courante | No Data | |
4 | サラバンド Saraband | No Data | |
5 | ジグ Jig | No Data |
作品解説
第4番 ホ短調 HWV429
1718年に完成した冒頭フーガ以外の正確な成立期は不明だが、様式的にはハンブルク時代以前とされる。アルマンドとサラバンドは出版時に改訂された。
組曲冒頭をフーガとしたのは、多分1714年にロンドンで出版されたヨハン・マッテゾンの《Harmonisches Denckmahl aus zwölf auserwählten Claviersuiten》を手本としている。特徴的な3音の同音反復による主題の入りの先取や見せかけの模倣(第32~、第73小節~)、ストレッタ(第36小節~)など、主題操作に工夫が見られる。
舞曲楽章の中でもクーラント、サラバンド、ジグには、フランスとイタリアの両様式の特徴を混合し、3声体を好んだフローベルガーの後期様式との類似点がある。
アルマンドの冒頭は2声体を主とする簡素な書法をとる。対照的に後半部はやや声部の絡み合いが密になり、さほど難しいものではないが、短い動機の模倣も間隔が狭まり、前半と比べて複雑になる。
クーラントは旋律のリズム、音形共に第3番と類似点を持つ。リズム面では、8分音符の補填リズムがイタリア的な規則性を生む一方、2分音符による2拍目の重みが楽章全体を特徴づけている。
サラバンドとは、フランスを通して全ヨーロッパに広まったスペイン起源の舞曲。本作品に使われた、アクセントの位置が1小節目と2小節目で1拍目から2拍目、またはその逆に変わるのは最も繁用されたリズムパターンである。第33小節から楽章内で唯一、同じフレーズが3回のゼクエンツで上行し、楽章内で最も音楽が高揚する。
3声体のジグに見られる模倣書法はフランス様式の特徴とされるが、比較的明瞭な区切りを持つ形式構造はどちらかといえばイタリア様式に典型的である。急速なリズムの中で各声部の動きを見失わないように。
クープラン, ルイ:組曲 イ短調
バッハ:組曲 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バッハ:組曲 イ短調 | Suite a-Moll BWV 818 | 作曲年: about 1720年 出版年: 1866年 初版出版地/出版社: Peters |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アルマンド Allemande | 3分10秒 | No Image |
2 | クーラント Courante | 1分40秒 | No Image |
3 | サラバンド・サンプル - サラバンド・ドゥーブル Sarabande simple - Sarabande double | 1分40秒 | No Image |
4 | サラバンド・ドゥーブル - Sarabande double - | 2分20秒 | No Image |
5 | ジーグ Gigue | 2分40秒 | No Image |
作品解説
成立年や経緯は不明で、イギリス組曲よりは後でフランス組曲よりもわずかに先行するような様式で書かれている。が、イギリス組曲より早くに成立した可能性も否めない。弟子たちがこの曲を筆写した楽譜帖の内容から、バッハがこれを《フランス組曲》に拾遺する計画を持っていたとも考えられている。しかし、いったんは楽章の追加や削除などしたが(BWV818a)、改訂稿が曲集に加えられることはなかった。
アルマンドの冒頭は、F.クープランの『クラヴサン曲集第4巻』(1730)第21組曲第3番の《ラ・クープラン》とひじょうによく似ている。これが引用であるとすれば、この曲集の刊行のかなり前にバッハがなんらかの機会や手稿譜を通じてこの曲を知っていたことになる。バッハはF.クープランをその著書『クラヴサン奏法』(1716)含めよく研究しており、また『クラヴサン曲集第2巻』(1717)の《牧歌(ロンドー)》の異稿も筆写しているので、このアルマンドに関しても出版以前の作品を入手したという可能性が大いにある。楽曲は平易な順次進行を基調として坦々と進むが、調推移、とりわけ前半のカデンツにおける和音進行は少し変わっている。通常の舞曲は前半の最後で属調ないし平行調へ転調して終止し、後半はそれらの新しい調から主調へと戻るのが一般的だが、このアルマンドでは、第7-8小節でこそ属調e-Mollの属和音が維持されるが、第9小節前半でなぜかa-Mollへと押し戻されてしまう。さらに第10小節の第1拍でもa-Mollの完全終止が起こるため、前半はa-Mollの属和音、すなわち半終止で閉じられる。後半はa-Moll、d-Moll、G-Dur、C-Durを経て、主調へと戻っていく。したがって、楽曲全体を通じて属調e-Mollが確立されることがない。このアルマンドにすっきりとした明るさがなく、どこか憂鬱な雰囲気が漂うのは、そのためかもしれない。
クーラントは2声で、前半後半それぞれ8小節からなる。精緻な和音進行構造をもっており、前半は下属調F-Durを通って平行調C-Durへ、後半はC-Durからその属調G-Dur、さらにその平行調e-Mollからいったん主調a-Mollに戻り、d-Mollへ進む。終結に向けて再び主調に戻らねばならないが、この第14-15小節の解決は見事である。小規模ながらも色彩感に富んだ和声に満ちている。
サラバンドは、下方分散和音による装飾を主要なモティフとするが、簡明で比較的かろやかなタイプのもの。一方、ドゥブルは2声の対位法による。構成は独特で、反復を含めると A(a+b)-A(a+b)-B-A(a+b+b)となる。なお、このような最後に反復されるbを「プティット・ルプリーズ」と呼ぶ。
ジーグは簡潔な主題による3声フーガになっている。前半の主題は下行形、後半は上行形で、後半の終結部ちかくでこの2つの形が組み合わされる。また、前半と後半は中間の完全終止によってそれぞれ更に2つに分かれる。先行するセクションの方が劇的展開を含んでおり、前半は回音音型、後半は3オクターヴ半に渡るドラマティックな下行スケールで彩られる。後続のセクションでは提示された素材だけを用いて、落ち着いた流れを作り出している。
後期稿BWV818aにおいては、前奏曲、メヌエットが追加され、サラバンドを改訂、さらにサラバンドのドゥーブルが削除された。
前奏曲についてバッハはタイトルを指示していないが、様式の上から「プレリュード」と呼ぶことができる。非常に珍しいことに、開始部に「快活に(フォール・ゲー) Fort gai」という速度標語が書き込まれている。書法はやや荒削りで、即興風の常套句が散見されるため、バッハが古い作品を組曲の前奏として組み合わせたか、あるいは構想だけをスケッチした後年の作品という可能性がある。
一方、メヌエットはいかにもバッハらしい、充分に熟した様式を備えている。冒頭は2分割の16分音符だが、すぐに三連符の動機に取って代わられるのは、ギャラント様式の典型的な手法である。
サラバンドは完全に新しいものを作ったわけではなく、初期稿の素材を基本とする。が、対位法的な要素は完全に失われ、後半も右手が主動機を担う。
シューレンバーグは、初期稿と後期稿のサラバンドが変奏関係にあることから、ドゥーブルを含めた3つのサラバンドを並べて演奏することを提案している。確かに、挿入舞曲が極端に少ないこの組曲では、そうした試みも説得力のある演奏になるかもしれない。
ブクステフーデ:組曲 イ長調
バッハ:組曲 イ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バッハ:組曲 イ長調 | Suite A-Dur BWV 824 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アルマンド Allemande | 3分20秒 | No Image |
2 | クーラント Courante | 2分20秒 | No Image |
3 | ジーグ Gigue | 2分50秒 | No Image |
作品解説
《ウィルヘルム・フリーデマン・バッハのための音楽帖》に記されている組曲の断片であるが、G. Ph. テレマンの作であることが判っている。様式の違いからJ. S. バッハの作と見間違うことはないが、明澄で愛らしく、収まりの良い小品である。
アルマンドは階段状に下行する動機の連なりによって構成される。こうした音型はオルガン、とくにペダル声部に特有の語法だが、現代のピアノにおいても一定の効果を上げる。保続される音と変化していく音によって、擬似的な多声が生まれ、片手の単旋律だけでも遠近感が演出されるからである。ただし、和声感や動機の展開の点ではJ. S. バッハ風の音楽に聞こえなくもないが、バッハは組曲においてこうした単純な書法を「アルマンド」に用いることはほとんどない。
続くクーラントも同様の動機が用いられている。一貫して2声が保たれるが、右手と左手の役割分担、すなわち旋律と伴奏が明確に分かれ、左の手に動機展開がほとんど委ねられない点で、やはりJ. S. バッハの作品の典型とは異なっている。
アルマンドとクーラントは動機の上で明らかに関連がある。後続の楽章でこの組曲がどのような経過を辿るのかは知る由もないが、少なくともジーグはまったく違う内容を持っている。そしてこの楽章だけは、あらゆる点でバッハのジーグとは異なる。まず、対位法的な展開がきわめて不十分である。冒頭こそ模倣的に始まるが、すぐに和音と旋律によるホモフォニーとなり、声部書法が維持されない。また、三和音の連打が連続するような楽句は、バッハがどんな曲でもほとんど用いることがなかったような音型である。加えて、各部の和声進行がひじょうに単純で、和声リズムが遅い。とはいえ、8分の6の明確なジーグのリズムと、鍵盤の幅いっぱいにダイナミックに上行・下行する旋律は予測も理解も容易であり、親しみやすさに溢れている。
なお、テレマンは、作曲が職人仕事と見なされていたバロック時代においてさえ超人的な多作家だった。そのため、現代でもまだ、その創作の全容が完全に明らかになったとはいえない。
テレマンは当時、バッハよりも優れた音楽家だと評価されていた。ライプツィヒのトマスカントル選任は、1位のテレマン(および2位のグラウプナー)が辞退したために、3位のJ. S. バッハに繰り下げられたのだった。その作風は、この組曲にも表れているように、J. S. バッハとは明らかに異なっている。
ドヴォルザーク(ドボルザーク):組曲 イ長調
サマズイユ:組曲 ト短調
ブクステフーデ:組曲 ト短調
ブクステフーデ:組曲 ト短調
クープラン, ルイ:組曲 ト短調
ヘンデル:組曲 ト短調
ヘンデル:組曲 ト短調
モシュコフスキ:組曲 ト長調
フィビヒ(フィビフ):組曲 ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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フィビヒ(フィビフ):組曲 ト長調 | Suite in G Minor | 作曲年: 1877年 |
クープラン, ルイ:組曲 ト長調
ブクステフーデ:組曲 ニ短調
クープラン, ルイ:組曲 ニ短調
ヘンデル:組曲 ニ短調
ラフ:組曲 ニ短調
クープラン, ルイ:組曲 ニ長調
ヘンデル:組曲 ハ短調
ブクステフーデ:組曲 ハ長調
ヘンデル:組曲 ハ長調
プーランク:組曲 ハ長調
バッハ:組曲 ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バッハ:組曲 ヘ短調 | Suite f-Moll BWV 823 | 作曲年: 1708-14年 出版年: 1843年 初版出版地/出版社: Peters |
作品解説
この作品はバッハの信奉者であった同時代のオルガニスト、J. P. ケルナーの音楽帖のみを唯一の資料とするため、真作であるか疑われている。しかし、現在のところ他の作曲者の作品であるとは証明されていない。また、音楽の内容から見てバッハの真作である可能性が充分に考えられる。バッハの作としてはそれほど初期というわけではなく、ヴァイマル時代の中頃で1714年(楽師長就任の年)以前とするのが定説となっている。
しかしいずれにせよ、この3つの楽章が組曲の断片であることには違いない。前奏曲-サラバンド-ジーグという組み合わせは当時の、またバッハのどんな組曲定型にも当てはまらないからである。
前奏曲は最初の8小節を主題(リフレイン)とするロンドである。3つの挿入部(クプレ)は同じバス進行(F-E-D-C)を持っている。これらは毎回細かな音型が徐々に増えてテンポアップし、3つめは遂に32分音符のみの無窮動風のものになる。
サラバンドは上声と下声の対話によって進む。それは模倣や動機の労作ではなく、右手の上行形の問いかけに対して左がいつも同じ調子で下行形に呟くような、きわめて表出的な対話である。なお、この曲のようにダ・カーポ形式のサラバンドはバッハには他に例がない。
ジーグは、舞曲リズムと旋律を一手に担う右手に、左が和声的土台を単音で添えるというきわめて簡素なもの。この組曲がバッハの作でないとする根拠は、対位法とまったく無縁な、あまりに質素なジーグにある。実際、この楽章に限ってはバッハらしい響きであると自信を持って断言することはできない。
ブクステフーデ:組曲 ヘ長調
バッハ:組曲 ヘ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バッハ:組曲 ヘ長調 | Ouverture F-Dur BWV 820 | 出版年: 1876年 初版出版地/出版社: Peters |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | プレリュード Overture | 2分30秒 | No Image |
2 | アントレ Entree | 2分00秒 | No Image |
3 | メヌエット Menuet | 1分00秒 | No Image |
4 | トリオ Trio | 1分03秒 | No Image |
5 | ブレ Bourree | 0分04秒 | No Image |
6 | ジーグ Gigue | 0分05秒 | No Image |
作品解説
5楽章:プレリュード、アントレ、メヌエット、ブレ、ジーグ
《アンドレーアス・バッハ本》所収(資料については《幻想曲とフーガ イ短調 BWV944》参照)。バッハの創作史においてきわめて初期に生まれた。具体的な時期は不明だが、おそらくヴァイマール着任以前の作品であり、その後レッスンや演奏にもほとんど用いられることがなかったと見られる。
この組曲に含まれる音楽はどれも、バッハの後年の鍵盤組曲の様式とはまったくかけ離れているようにみえる。模倣はきわめて単純で長いまとまりを作ることがない。和声進行は単純で図式的ですらある。また、全体の響きはフランスの管弦楽組曲を模したように聞こえ、管弦楽作品の鍵盤編曲ではないかと疑う説もある。しかし、メヌエットのトリオを除いて概ね簡潔な2声部のテクスチュアを維持しており、初めから鍵盤用に書かれたとみてほぼ間違いない。フランス風の軽いギャラントな旋律であるのはそのとおりだが、ドイツに典型の手法がとりわけ速い曲の中間終止や最終小節付近に見られる。プレリュード、ブレ、ジーグでは、終止が唐突なまでに簡潔で、和音を断定的に打ち鳴らして終わる。これはドイツのオルガン音楽の伝統に即したもので、リタルダンドはせずに、楽器の残響をうまく利用することで効果が出るだろう。
なお、この曲を伝える唯一の資料、《アンドレーアス・バッハ本》には装飾音が施されている。新旧の全集版に反映されているが、必ずしもバッハが直接指示したものとは限らない。とはいえ、この種の楽曲に装飾音は不可欠であるから、奏者はいずれにせよ大いに研究すべきだろう。
クープラン, ルイ:組曲 ヘ長調
ブクステフーデ:組曲 ホ短調
クープラン, ルイ:組曲 ロ短調
バッハ:組曲 変ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バッハ:組曲 変ホ長調 | Suite B-Dur BWV 819 | 作曲年: about1725-29年 出版年: 1866年 初版出版地/出版社: Peters |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | アルマンド Allemande | 7分00秒 | No Image |
2 | クーラント Courante | 2分00秒 | No Image |
3 | サラバンド Sarabande | 3分30秒 | No Image |
4 | ブレ Bourrée | 1分40秒 | No Image |
5 | メヌエット I & II Menuet I & II | 2分30秒 | No Image |
作品解説
5楽章:アルマンド/クーラント/サラバンド/ブレ/メヌエットI・II(トリオ)
この作品は《組曲イ短調 BWV818》と同じく、組曲集に採用されなかった組曲ではないかと考えられる。確証は得られないが、おそらく《イギリス組曲》を終えたのち、《フランス組曲》をまとめるまでに書かれたようだ。しかし音楽内容は、BWV818が古い方を向いているのに対し、BWV819は《フランス組曲》後半、特に第6番あたりと似通っている。これが《フランス組曲》すなわち「前奏曲を持たない組曲集」の候補作であったという根拠は、バッハの時代に作られた2種類の手稿資料において、6曲セットの組曲集のひとつとして、またゲルバーの手稿譜では組曲集の第8番として(BWV818とともに)置かれていることにある。また、バッハはBWV819にも改訂を加え、アルマンドを新たに作曲しなおしている。結局これが組曲集に入らなかったのは、調ツィクルスとして同じくEs-Durの第4番と競合したこと、あるいはまた、BWV819が全体に第6番と似ていたためかも知れない。
現在BWV819aという作品番号で通用しているものは改訂稿のセットのことである。旧来は新しいアルマンドのみを指していたが、今では改訂された全体を表す。
アルマンドは改訂によって大きく変わったが、とりわけ半音階趣味が目立つようになった。前半第7-11小節などは、いささかわざとらしさすら感じさせる。しかしよく見れば、この4小節は7度の転回対位法になっている。また、第3小節と第5小節は鏡像関係にある。後半は第20-21小節にやはり7度の転回が起こる。こうした模倣は、ごく短い和声定型の中で行われる技法の実験のようなものである。息の長い独立したパッセージを形成しないので、意識していなければ聴き手にはもちろん弾き手にも見過ごされてしまうだろう。
これに対し初期稿は平易で簡明だが、摸続進行にやや退屈さがある。これを解決するため、八分音符の動機の随所に付けられた装飾音を工夫せねばならない。
クーラントは2分の3という異例の拍子で書かれている。八分音符の連桁の付け方は4×3であるが、実際のリズムは6×2のところが多い。すなわち、この曲全体は2拍子系の複合拍子である。第3小節、第9小節など右手が八分音符の4×3、左手が四分音符の3×2となっているようなところも、別段ヘミオラというわけではない。変則的なリズムを意識して仕掛けた作曲者の遊びということができる。
サラバンドはトリオ・ソナタ風、すなわち左手が弦楽器によるバス、右が2つの旋律パートとなっている。前打音はあまり鋭くならないように、書かれた音符と同じだけの重みを感じて奏さねばならないだろう。
ブレには明らかに、《イギリス組曲》と《フランス組曲》の中間の様式が顕れている。すなわち、四分音符の刻みが支配的な古いタイプのものと、無窮動の八分音符が特徴的なタイプの過渡期である。《フランス組曲》第5番、第6番などのブレでは、♩ ♫のブレ特有のリズムと八分音符の走り回るような動機が同一声部に短い周期で交互に現れ、さらに両手とも八分音符のパッセージに加わるところがかなりあるが、《イギリス組曲》では、四分音符の刻みをどちらかの声部が必ず保持する上、交代の周期が長い。BWV819aのブレは見事にこの中間のスタイルを取っており、すなわち八分音符にブレのリズムが応じたり、両手でブレのリズムを奏したりしつつも、四分音符の刻みがまだかなり残っている。
この組曲は2つのメヌエットで締めくくられる。Es-DurのメヌエットIに対し、トリオにあたるメヌエットIIはなんとフラット6つのes-Mollである。《平均律クラヴィーア曲集》を別とすれば、この調で書かれた鍵盤曲はバッハには他にない。あるいは他の調で書かれた曲を移調したのかも知れない。
バッハは改訂に際してもこの組曲にジーグを加えていない。メヌエットで鍵盤組曲を閉じることは当時はそれほど異様なことではなかった。とはいえ、《フランス組曲》にはアルマンド‐クーラント‐サラバンド-(挿入舞曲)-ジーグの定型を破ったものがひとつも無いことを考えると、BWV819が加えられなかった理由はここにもあるのかも知れない。
ラフ:組曲 変ホ長調
バッハ:組曲 変ロ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バッハ:組曲 変ロ長調 | Suite B-Dur BWV 821 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 前奏曲 Prelude | 1分00秒 | No Image |
2 | アルマンド Allemande | 3分00秒 | No Image |
3 | クーラント Courante | 1分00秒 | No Image |
4 | サラバンド Sarabande | 2分00秒 | No Image |
5 | エコー Echo | 2分30秒 | No Image |
作品解説
この作品がバッハの真作としての地位を危ぶまれているとすれば、その理由は、単に不運な伝承経緯によるものだろう。残念ながら自筆譜は現存せず、唯一の資料はバッハと同時代を生きたオルガニスト、J. P. ケルナーの音楽帖のみである。ケルナーはバッハの信奉者だったが、彼がここに書きつけた作品がすべてバッハのものであったという確証はない。
しかし、少なくともこの作品は、音楽内容からバッハの真作である可能性がきわめて高い。そしてバッハの作品であるとすれば、おそらくかなり初期の作であると思われる。組曲はアルマンド-クーラント-サラバンドという基本の舞曲を順番通り含むが、最後にエコーの楽章を持つ点が特徴的である。エコーは17世紀末の組曲には珍しくないが、バッハは後年の組曲集で通常ジーグを終楽章に置いたからである。
組曲は前奏曲で始まる。3声部が簡明なテクスチュアのまま、中音域で緩やかに対話する。この前奏曲で終始きこえてくる16分音符の動機は、次のアルマンドにも引き継がれる。
アルマンドは前奏曲の変奏と思わせるような親密な前半部と、最大で3オクターヴに広がる幅を持った響きの後半部からなる。この曲の最初の魅力は第8小節第3拍のナポリ6度(as音)だろう。こうした和声の逸脱はいかにもゼバスティアン・バッハらしい。さらにここから一旦 g-Moll に終止するが、次にはすぐにg上の長三和音にふわりと静止して冒頭に折り返す、ないし後半へと移行する。後半が始まると、これがハ短調へ移る準備であったことが判る。後半は用いられる音域が広がって響きの豊かさが増す。最後2小節のコーダで右手だけの上行する音型は、次のクーラント冒頭で、右手のみの下行によって応えられている。
クーラントは8分音符の動機がほぼ絶え間なく続くが、この舞曲の基本リズムである2分音符+4分音符の形も厳密に守られる。全体は派手なところのない抑制のきいた曲であるので、淡々としたテンポを遵守しつつ、煌びやかな装飾音を随所に散りばめるのもよいだろう。
サラバンドは3声部が模倣風に始まるたいへん珍しいタイプである。ただし模倣は維持されず、舞曲のリズムがすぐに明確になる。8小節の楽節が3回繰り返されるうち、最初が前奏、後の2回はさらに4小節+4小節の小楽節に分かれ、動機を変奏してゆく。和声の微妙な色合いや音域の広がり、また装飾音などそれぞれの要素が多彩に変化する。
エコーはその名の通り1小節ごとこだまのように反復しながら進む曲である。fとpの指示は単純に音量を表すものではない。複数の鍵盤を持つチェンバロであれば、鍵盤を替えて弾く。現代のピアノであれば、una cordaで音色そのものを変化させるのも良い方法かも知れない。始まりの音型はサラバンドの冒頭と関連がある。第19小節で冒頭の動機が回帰する。原資料ではここにダル・セーニョのための記号があり、以降を反復するよう指示されているので、これを守るなら全体はロンドの形式ということもできる。が、エコーの規則的な交代がやや冗長となるため、反復は必ずしも必要ではないかもしれない。最後には4小節のコーダがつき、組曲全体を壮麗な終止へと導いている。
なお、エコー楽章には、バッハの初期作の複数のコラール(米イェール大学所蔵《ノイマイスター・コラール集》収載)と共通点が多く、この組曲が真作であるとの見方は近年ますます強まっている。
ルセル(ルーセル):組曲 嬰ヘ短調
組曲
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組曲(くみきょく、英語: suite)は、いくつかの楽曲を連続して演奏するように組み合わせ並べたもの。
ルネサンス時代
ルネサンス期には、ゆっくりした舞曲と活発な舞曲の組み合わせ、すなわちパヴァーヌとガイヤルドなどを組み合わせることが行われていた。その際、様式を統一するために旋律素材を共有することもあった。
バロック時代
17世紀のフランスでは、リュートやクラヴサンなどで、同じ調のいくつかの舞曲を組にして演奏することが行われていた。アルマンド、クーラント、サラバンドを、この順で演奏するのが基本であり、後にジーグが加わった。
これを組曲として定式化したのは、ドイツの作曲家ヨハン・ヤーコプ・フローベルガーであると見なされている。ただしフローベルガーの自筆譜では一般にジーグが第2曲に置かれていた。後の作曲家の組曲では、ジーグは終曲におくことが普通である。
ロマン派以降
ロマン派以降の音楽では、「組曲」とは主に舞台音楽(劇付随音楽、オペラ、バレエ音楽など)[注釈 1]の中から、主要曲を抜き出して配列して演奏会で演奏できるようにした管弦楽曲を組曲と呼ぶようになった。なお、オペラからの組曲では、声楽パートは器楽に置き換えることが多い。また、舞曲に限らず様々な楽曲の組み合わせで、はじめから組曲として作曲することも、管弦楽に限らず行われている。
19世紀後半以後、バロック時代の組曲の復興運動が行われた。普仏戦争以後ドイツと対立したフランスではドイツの交響楽に反発し、それにかわってフランスの栄光の輝いたルイ14世時代を模範としてフランスの器楽組曲を復興させた。ヨーロッパの他の国にもこの運動は伝わった[1]。
ロマン派以降の代表的な作品
演奏形態が管弦楽以外の作品、および作曲者以外による抜粋や編曲はその旨記載した。
舞台音楽などからの抜粋による組曲
- ビゼー:『カルメン』組曲 - 原曲はオペラ。ギローとホフマンによる編曲(第1番、第2番)、シチェドリンによる編曲(バレエ音楽として使用)などがある。
- ビゼー:『アルルの女』組曲第1番、第2番 - 原曲は劇付随音楽。第2番はギローによる編曲
- グリーグ:『ペール・ギュント』組曲第1番、第2番 - 原曲は劇付随音楽。
- チャイコフスキー:『白鳥の湖』組曲 - 原曲はバレエ音楽。
- チャイコフスキー:『くるみ割り人形』組曲 - 原曲はバレエ音楽。
- ラヴェル:『ダフニスとクロエ』組曲第1番、第2番 - 原曲はバレエ音楽。
- ストラヴィンスキー:『火の鳥』組曲 - 原曲はバレエ音楽。作曲家自身による3つの版が存在する。
- プロコフィエフ:『キージェ中尉』 - 原曲は映画音楽。
- プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第1番、第2番、第3番 - 原曲はバレエ音楽。バレエ初演より前に組曲第1・2番が初演された。
オリジナルの組曲
- リムスキー=コルサコフ:『シェヘラザード』
- サン=サーンス:『動物の謝肉祭』
- ドビュッシー:『小組曲』(ピアノ連弾→ビュッセルにより管弦楽に編曲)
- ドビュッシー:『子供の領分』(ピアノ独奏)
- ラヴェル:『マ・メール・ロワ』(ピアノ連弾→管弦楽、追加で作曲してバレエ音楽に)
- ホルスト:『惑星』
- ベルク:『抒情組曲』(弦楽四重奏→半分を抜粋して弦楽合奏に編曲)
バロック時代の組曲を意識したもの
- シャブリエ:『田園組曲』 (fr:Suite pastorale) (ピアノ独奏曲集『絵画的小曲集』から抜粋して管弦楽に編曲)
- グリーグ:『ホルベアの時代から』(ピアノ独奏→弦楽合奏)
- ドビュッシー:『ベルガマスク組曲』(ピアノ独奏)
- ラヴェル:『クープランの墓』(ピアノ独奏→曲数・曲順を変更し管弦楽に編曲)
- シェーンベルク:『ピアノ組曲』作品25(ピアノ独奏) - 十二音技法を使用した作品であるが、その最後の4音がBACH主題の逆行形であり、構成をバロック時代の組曲にならっている。
- レスピーギ:『リュートのための古風な舞曲とアリア』組曲第1番、第2番、第3番 - 16世紀から17世紀のリュートのための楽曲を集めて管弦楽に編曲した作品。
脚注
注釈
出典
- ^ クレール・パオラッチ 著、西久美子 訳『ダンスと音楽:躍動のヨーロッパ音楽文化誌』アルテスパブリッシング、109-111頁。ISBN 9784865591613。
組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/17 05:21 UTC 版)
「恋人 (シベリウス)」の記事における「組曲」の解説
Rakastava, Andante con moto 4/4拍子 ヘ長調 Rakastetun tie (恋人の道), Allegretto 3/4拍子 変ロ長調 Hyvää iltaa ... Jää hyvästi (こんばんは、さようなら), Andantino 4/4拍子 ヘ長調 第1曲では弦楽器が明るく美しく響く。第2曲の合唱部分は「弦楽器の囁きと素晴らしく柔軟な旋律展開」に変更されている。第3曲は原曲と同様に感情に深く訴えかける。
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/11 02:47 UTC 版)
「プルチネルラ (バレエ)」の記事における「組曲」の解説
編曲:1924年(1947年に改訂) 独唱は除かれている。その他の楽器編成は同じ。 演奏時間:約23分
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/03 16:55 UTC 版)
「見えざる街キーテジと聖女フェヴローニヤの物語」の記事における「組曲」の解説
マクシミリアン・シテインベルクによって編曲された演奏会用の管弦楽組曲がある。前奏曲、第2幕の花嫁の行列、第3幕のケルジェネツの戦い、第4幕のフェヴローニヤの死と見えざる街への巡礼の4曲から構成される。
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組曲
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「パラード (バレエ)」の記事における「組曲」の解説
以下の6曲から構成される。演奏時間は約13分。 コラール 赤いカーテンの前奏曲 中国の手品師 アメリカの少女 軽業師 終曲
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 15:56 UTC 版)
「シルヴィア (バレエ)」の記事における「組曲」の解説
4曲からなる管弦楽組曲が1880年に出版された。演奏時間は約15分。 前奏曲・狩りの女神 Prélude - Les Chasseresses 間奏曲とゆるやかなワルツ Intermezzo et Valse lente ピッツィカート Pizzicati バッカスの行列 Cortège de Bacchus これに「エチオピア人の踊り」などが加えられることもある。
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 03:53 UTC 版)
3曲からなる。演奏時間は約23分。 導入部とロンド(Einleitung und Rondo) 行進曲とパストラール(Marsch und Pastorale) パッサカリア(Passacaglia) この項目は、クラシック音楽に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(ポータル クラシック音楽/ウィキプロジェクト クラシック音楽)。
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 05:32 UTC 版)
一般に知られているのは、演奏会用に劇付随音楽から数曲を選んだ組曲である。
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 00:38 UTC 版)
ハチャトゥリアンは1952年に、指揮者ゲンナジー・カーツの勧めにより、『バレンシアの寡婦』に使用された音楽から6曲を抜粋して管弦楽組曲に編曲した。演奏時間は約25分。
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 17:30 UTC 版)
ラロは舞台初演後、全23曲のうちから3つの管弦楽組曲を編曲している。このバレエからの組曲(もしくは、それらからの指揮者の抜粋)はしばしば演奏され、第1組曲全曲はエルネスト・アンセルメ、ジャン・マルティノン(共に組曲に含まれていない、「煙草のワルツ」も録音)、ポール・パレーなどによって録音も行われている。 第1、第2組曲はそれぞれ5曲ずつ、第3組曲は3曲で編成されている。 ポータル クラシック音楽
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 18:47 UTC 版)
編曲:1924年(1947年に改訂) 独唱は除かれている。その他の楽器編成は同じ。 演奏時間:約23分
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 14:23 UTC 版)
「コラ・ブルニョン (オペラ)」の記事における「組曲」の解説
その後、オペラから抜粋してオーケストラのための組曲に編曲された。中でも序曲は吹奏楽などでしばしば演奏される。
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 08:51 UTC 版)
5曲からなる。演奏時間はスコアの記載で18分45秒(以下の各曲の演奏時間も同様)。楽譜には各曲にタイトルの他に台本から台詞が引用され、具体的な場面や情景が示されている。 前奏曲(ヴェニス) - Prelude (Venice)3分 朝の音楽(キプロス) - Aubade (Cyprus)1分40秒 オセロとデズデモナ - Othello and Desdemona5分40秒 廷臣たちの入場 - Entrance of the Court3分25秒 デズデモナの死、終曲 - The Death of Desdemona, Epilogue5分
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組曲(1911年版)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 09:03 UTC 版)
「火の鳥 (ストラヴィンスキー)」の記事における「組曲(1911年版)」の解説
ポータル クラシック音楽 最初の管弦楽組曲は1911年に作曲され、1912年にユルゲンソンから出版された。もとのバレエ曲との違いは少ない。この版は最も演奏の機会が少ない。他の組曲と異なり「カスチェイ一党の凶悪な踊り」で組曲が閉じられる(そのため、演奏者独自の判断により、他の版と合成して「子守歌」「終曲」を付け加えて演奏する指揮者もある。ストラヴィンスキー本人による1928年の録音でもこの両曲がつけ加えられている)。 編成は1910年版と基本的には同じだが、バンダが省かれている。かつてはユルゲンソンからのリプリントを無断で行うKalmus社が長年販売を行っていたが、Kalmusが解散しユルゲンソンが権利を手放してアメリカ合衆国でパブリックドメイン判定されたため、現在の出版社は不明。
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組曲(1919年版)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 09:03 UTC 版)
「火の鳥 (ストラヴィンスキー)」の記事における「組曲(1919年版)」の解説
手ごろな管弦楽の編成と規模から、実演では最も演奏機会の多い版である。「魔王カスチェイの凶悪な踊り」での有名なトロンボーンのグリッサンドは、練習番号38では削除されて、練習番号39では導入されていることが特徴。比較的容易に入手できるのはチェスター社版だが、アメリカ合衆国でパブリックドメイン判定されたため他の出版社による版もある。
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組曲(1945年版)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 09:03 UTC 版)
「火の鳥 (ストラヴィンスキー)」の記事における「組曲(1945年版)」の解説
指揮者によってはこの版を非常に好むが、全曲版や1919年版組曲に比べると、演奏機会が多いとは言えない。その原因の一つは、ストラヴィンスキーが後年大きく変えた作風が如実に反映されている版となっていることにある。顕著な特徴の一つが、「終曲の賛歌」の最後 Maestoso の部分に見られる。全管弦楽が終曲の主題を繰り返す箇所で、全曲版・1919年版組曲では4分音符の動きで朗々と旋律を奏でるが、この1945年版では「8分音符(または16分音符2つ)+8分休符」という、とぎれとぎれのドライな響きで旋律が奏でられる。組曲全体の後味を大きく変える相違点であり、この版の評価を分ける一つの要因になっていると思われる。1945年版を用いながらも、「終曲の賛歌」のみ1919年版の「終曲」に差し替えて演奏する指揮者もいる。現在の版権はショット社である。
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 15:09 UTC 版)
組曲は、このオペラの中から第1・2・4幕の序奏をまとめたもので、以下のようになっている。 第1曲 王の戦場への旅立ちと別れ(行進曲) 第2曲 海原を漂う妃と王子 第3曲 3つの奇蹟
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/25 09:53 UTC 版)
1950年にプロコフィエフは、本作の音楽を再構成した全5曲からなる組曲「夏の夜」(露: Летняя ночь) Op. 123を作成している。 導入 セレナーデ メヌエット 夢(夜想曲) 踊り
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 09:35 UTC 版)
「クリスマス・イヴ (オペラ)」の記事における「組曲」の解説
1903年に管弦楽用の組曲(合唱は任意)が編曲された。長さは30分ほどで、連続して演奏される。第3幕の音楽を主にしている。 導入「聖夜」(Вступление „Святый вечер“) 星たちの遊戯と踊り (Игры и пляски звезд)(第6場)マズルカ (Мазурка) 彗星の行列 (Шествие кометы) 輪舞 (Хоровод) チャルダーシュと流れ星の雨 (Чардаш и дождь падающих звезд) 悪魔のキャロル (Бесовская колядка) 合唱つきポロネーズ (Польский с хором)(第7場) 第8場
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組曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/22 08:00 UTC 版)
「マスクとベルガマスク」の記事における「組曲」の解説
フォーレは上記の楽曲の中から、作品番号を持つ旧作を除いた「序曲」「メヌエット」「ガヴォット」「パストラール」の4曲を抜き出して、管弦楽組曲に編曲している。パストラールは全曲版と順番が異なり最後に配置されている。初演は1919年11月16日に行われた。
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