拍節とは? わかりやすく解説

はく‐せつ【拍節】

読み方:はくせつ

音楽で、いくつかの拍をひとつのまとまりとし、アクセント規則的反復によって一定の周期区切られる時間的単位


拍節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/21 16:34 UTC 版)


音楽における拍節(はくせつ, pulse)は、等しい間隔で打たれる拍の連なりを言う。音楽のテンポを決定づける要素であり、リズムを構成するための足場となる。拍節におけるひとつひとつの時点を(はく, beat)と言い、一般に人間の心拍脈拍、もしくは歩行の一歩一歩に例えられる。

メトリックレベル: 中央に基本的なリズムである「ビートレベル」が表示され、上の段に「ディヴィジョンレベル」下の段に「マルチプルレベル」が表示されます。
  • 拍節は、必ずしもリズムの最速または最遅の周期ではないものの、それらの基本にあるものとして感じ取られる要素である。楽譜上では、4分音符として指定されることが最も多い。
  • 音楽に内在する固定的な周期であり、ひとつひとつの拍が必ずしも常に実際の音によって示されているわけでない。
  • 拍の長さは曲によって様々であり、ひとつの曲の中でも変化することがある。拍の周期の速さのことをテンポという。
  • テンポが速すぎると持続音(ドローン)として感じられ、遅すぎると不連続な音として感じられる。連続した拍の周期が1秒辺り8~10より速い場合、または1.5秒~2秒より遅い場合、それらを拍節として知覚することができない。[1]

リズムとの違い

音楽におけるリズムは、常に音として表現されており拍節から外して演奏される可能性もある。そのため、訓練されていない聴衆がリズムと完全に一致するのは難しく感じられるかもしれない。一方、ほとんどの聴衆は、リズムのバリエーションにおいて拍が音として示されているか否かを問わず、均一にタップするだけで本能的に拍節に合わせることができる。[2]

その他

拍に重軽が生じる時、重である拍を「強拍(独 Niederschlag、英 downbeat)」、軽である拍を「弱拍(独 Auftakt、英 upbeat)」と呼ぶ。強拍は歩行の時の利き足、または踊りの重いステップに擬せられることが多い。ひとつの強拍とひとつまたはいくつかの弱拍との組み合わせが、規則的に繰り返す時、拍子(ひょうし)が生ずる。

拍節が存在しない音楽

一方、拍や拍子のない音楽も世界各地に見られる。雅楽などには、拍の伸縮率が奏者に委ねられているクロノメトリカルな拍子が存在する。モンゴル音楽におけるオルティンドーとボギン・ドーの区別は、拍子の有無を表すわかりやすい用語である。オルティンドー(長い歌の意)は拍子のない歌、ボギン・ドー(短い歌)は拍子に乗った歌である。[3]

脚注

  1. ^ P. Fraisse, Les Structures Rhythmiques, Erasme Paris 1956, H Woodrow Time Perception in "A Handbook of Experimental Psychology", ed. S.S. Stevens, Wiley, NY 1951, both quoted at http://www.zeuxilogy.home.ro/media/manifesto.pdf Archived 2011-07-22 at the Wayback Machine. (zeuxilogy.home.ro Archived 2012-03-06 at the Wayback Machine.)
  2. ^ Fitch, W. Tecumseh and Rosenfeld, Andrew J. (2007).
  3. ^ 清水チャートリー 『現代音楽の中の笙(1):笙と西洋五線譜』 雅楽だより、2020年、7頁。

関連項目



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