前奏曲とは? わかりやすく解説

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ぜんそう‐きょく【前奏曲】


ぜんそうきょく【前奏曲】

読み方:ぜんそうきょく

原題、(フランス)Les préludes》リスト交響詩ハ長調1848年作曲1852年1853年改訂。フランスロマン派の詩人ラマルティーヌによる「人生は死への前奏曲」であるという大意の詩に着想を得た作品レ‐プレリュード


シュナーベル:前奏曲

英語表記/番号出版情報
シュナーベル:前奏曲Preludes作曲年1899年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
モデラート Moderato, 4/4, B-DurNo Data No Image
非常に静かに、明朗に Sehr ruhig und heiter. Allegretto, 3/4. g-MollNo Data No Image

作品解説

2010年9月 執筆者: 畑野 小百合

 2曲の習作から構成されている。全44小節の第1曲の自筆譜にはこの作品1899年6月23日完成したことが記録され、「和声課題」という表題付けられている。第2曲は37小節から成り翌日6月24日完成したと書かれている


前奏曲

英語表記/番号出版情報
アラン:前奏曲Prélude作曲年1936年 
タネーエフ, セルゲイ・イヴァノヴィチ:前奏曲 ヘ長調Prelude in F major作曲年: 1894-95年  出版年1904年  初版出版地/出版社Moscow 
ベネット前奏曲 変ロ長調Praeludium in B flat major作曲年1863年 
ロジェ=デュカス:前奏曲Prélude作曲年1913年  出版年1913年  初版出版地/出版社: Durand 
ジルソン:前奏曲Prelude作曲年: 1900-17年 
ジルソン:前奏曲Prelude作曲年1924年 
リース:前奏曲Prelude WoO.41出版年1831年 
ウィッフィン:前奏曲Prelude作曲年: 1983-84年 
セーヴェルー:前奏曲Prelude
セーヴェルー前奏曲 ニ短調Prelude in D minor
ケテルビー前奏曲 嬰ハ短調Prelude in C sharp minor
トーニ:前奏曲Prelude Op.20作曲年1944年 
トーニ:前奏曲Prelude Op.21作曲年1944年 
トッホ:前奏曲Praeläden Op.10作曲年1903年 
アンタイル前奏曲 ニ短調Prelude作曲年: c1948年 
ディアベッリディアベリ):前奏曲Prélude Op.103
シャミナード:前奏曲Prélude Op.78
ドビュッシー:前奏曲Prélude作曲年1884年 
タンスマン前奏曲 ロ長調Preludium en si majeur作曲年1918年  初版出版地/出版社Max Eschig 
タンスマン前奏曲 ト短調Preludium en sol mineur作曲年1918年  初版出版地/出版社Max Eschig 
タンスマン:前奏曲Prélude作曲年1915年  初版出版地/出版社Max Eschig 
ベートーヴェン前奏曲 ヘ短調Präludium WoO.55作曲年: -1803年  出版年1805年 
ナンカロウ:前奏曲Prelude作曲年1935年 
ライタ:前奏曲Prelude作曲年1918年 
スクリャービンスクリアビン):前奏曲 嬰ヘ長調Prelude作曲年1896年 
オーリック:前奏曲(6人組のアルバム第1曲)Prelude(Album des Six No.1)作曲年1919年  出版年1920年  初版出版地/出版社: Demets 
バツェヴィチ:前奏曲Preludium作曲年1928年 
髙田 三郎:前奏曲作曲年1943年 
松平 頼則:前奏曲作曲年1975年 
諸井 三郎:前奏曲作曲年1924年 
山田 耕筰前奏曲 ト長調作曲年1928年 
山田 耕筰前奏曲 変ホ長調作曲年1929年 
リムスキー=コルサコフ前奏曲 ト長調Prelude作曲年1896年  出版年1959年  初版出版地/出版社モスクワ 
バッハ前奏曲 ハ短調Praeludium c-Moll BWV 999作曲年: 1720-1721年 

バッハ:前奏曲(幻想曲) イ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ:前奏曲(幻想曲イ短調Praeludium (Fantasie) a-Moll BWV 922作曲年: 1710-14年  出版年: 1866-67年  初版出版地/出版社Peters 

作品解説

2007年9月 執筆者: 朝山 奈津子

 成立時期契機不明2つ筆写譜で伝えられている。そのうち片方作成した弟子のJ.T. クレープスは、この曲に「幻想曲Fantasie」と名づけ、さらに続いて半音階的幻想曲とフーガ》(BWV903)を書き付けている。両者形式の上ではまるで異なっているが、両手時に交差しつつ織り成す分散和音のフィギュレーション、半音階多用した装飾的な旋律によって、冒頭部分似た雰囲気生まれている。
 全体3つの部分から成り、すなわち分散和音の走句による冒頭部クレープスが「フーガと書き込んだ34小節からの中間部、おそらくバッハ自身が「プレスト」とした第92小節後半以降終結部である。このうち冒頭部つむじ風のように鍵盤端から端まで駆け抜けるアルペジオと、三和音オクターヴが続く音型の2セクション分かれる中間部は短い音型が雨だれのように両の手繰り返し現れるだけで、「フーガ」と呼ぶにはあまりに頼りない。しかし、こうした同じ音型の反復冗長に終わらせないのは、転調冒険音楽豊かにしているからだろう。冒頭部終わりあたりには既に変ロ音が現れ色彩感あるナポリ六度形成する中間部では嬰ト短調嬰ハ短調通り後半に再び変ロ音が現れ今度フラット系の調すなわちニ短調ト短調へと転じる。音型の反復は、和声変化聞かせるにはむしろ効果的な手法である。
 この作品がかつて疑作とされたのは、あまりに即興的動機労作乏しい点、トッカータとしても形式整わない、あるいはきわめて古風な構成であることによるかも知れない。しかしそれだけに、後年円熟したバッハ作品にない勢い爽快感溢れているともいえよう


バッハ:前奏曲(幻想曲) ハ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ:前奏曲(幻想曲ハ短調Praeludium (Fantasie) c-Moll BWV 921作曲年: 1707-13年 

作品解説

2008年5月 執筆者: 朝山 奈津子

 「アンドレーアス・バッハ本」、すなわちバッハの兄ヨハン・クリストフの楽譜帖に含まれている。バッハ真作であるかどうか議論の余地があるが、最後の3小節紛れもなくバッハ筆跡である。
 楽曲には、若きバッハ演奏者として情熱が漲っている。現代では超人的な技巧持ち主対し驚嘆場合によっては一抹侮蔑)を込めてヴィルウオーゾと賞賛する。フォルケル伝えるところでは、バッハ自身はこの種の「なにを弾くべきかを指に指示するではなく、指から教わるタイプ」の曲芸人を「クラヴィーア軽騎兵」と呼んだ。「前奏曲」とのタイトルを持つが、バッハの他の前奏曲には類似する書法様式みられない
 全体5つ部分から成りそれぞれ拍子基本となるリズム異なっている。動機リズム自体きわめて単純で、ひたすらに反復される。そのため、細かい動機どれほど変奏どのような和声進行できるのか、その可能性カタログにしたような印象さえ受ける。
 しかしこの曲には、動機労作対位法技法からは得られない聴く者をトランス状態引き込む強い力備わっている現代ピアノにはさらに音色追究余地残されており、バッハ異色作品として取り組む価値充分にあるだろう。


バッハ:前奏曲 ロ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ:前奏曲 ロ短調Praeludium h-Moll BWV 923

作品解説

2007年10月 執筆者: 朝山 奈津子

 アルペジオの走句の連なりのみから構成される小品創作においては初期位置付けられバッハロ短調扱った最初期作品として注目に値する。《アルビノーニ主題によるフーガ》BWV951に添えられ手稿譜が複数ある。この取り合わせバッハ自身よるものではないが、調を同じくし、音楽雰囲気がよく合うことから、効果的納得のいくのである。(現代でもBWV923と951を1曲に組み合わせた出版譜が広く使われている。)
 目を惹くのは、後半二分音符和音連続である。おそらく未完成スケッチだろう。バッハはこうした略記をする場合かならず「解法」を示した。第8-9小節それぞれ後半示され右手のフィギュレーションは、第6-10小節略記の「解法」とみてもよいかも知れない。(「解法」の例は《半音階的幻想曲》BWV903/1にも見られるまた、幻想曲》BWV944/1も二分音符和音のみからなる作品で、おそらく未完思われる。)そもそもこうした部分小節の上半分越え長さを持つのは、あまりにバランスが悪い。加えて和声連結はとくに終結に向かう部分であまりうまくいていないようにみえるいずれにせよこの種の略記には奏者自由な想像力音楽を補うことが求められるだろう。なお、後半部分を補ったBWV923a なる異稿存在するが、これはバッハに近いところにいた誰か改作とみられる
 いっぽう前半仕上がり即興的ありながら緻密に作りこまれており、見事というほかない。上行と下行十六分音符三十二分音符使い分け音域テンポ自在に操る。中間では動機左右の手対等に与えて展開し八分音符刻みに耳が馴れたところで再び鍵盤の幅いっぱいに走句を散りばめ、拍節世界から飛翔する。


前奏曲

作者フランク・ハイラー

収載図書救命センター36時間
出版社集英社
刊行年月2001.6


前奏曲

作者D.H.ロレンス

収載図書D・H・ロレンス短篇全集 第1巻
出版社大阪教育図書
刊行年月2003.1


前奏曲(プレリュード)―飛翔(たびだち)

作者南房秀久

収載図書氷剣悲歌月蝕紀列伝
出版社富士見書房
刊行年月1999.11
シリーズ名富士見ファンタジア文庫


前奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/06 02:06 UTC 版)

前奏曲(ぜんそうきょく)は、他のより規模の大きい楽曲の前に演奏する楽曲を指す。後に独立した即興性の高い曲となった。通常は声楽を伴わない器楽曲である。プレリュード英語: preludeフランス語: prélude)、フォアシュピールドイツ語: Vorspiel、ただし古典派音楽以前に関しては通常Präludium; プレルーディウム)ともいう。類似する形態として序曲(オーヴァーチュア)やシンフォニアがある。




「前奏曲」の続きの解説一覧

前奏曲(ホ短調、4分の3拍子)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 17:40 UTC 版)

前奏曲とフーガ ホ短調 BWV 548」の記事における「前奏曲(ホ短調、4分の3拍子)」の解説

重厚な和音の上長い主題提示され、後から内声絡み合って進行する。副楽節経た後、主楽節と副楽節協奏的に交替して表れ、主楽節後半再現された後に終える。

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前奏曲(Praeludium)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 09:36 UTC 版)

無伴奏チェロ組曲」の記事における「前奏曲(Praeludium)」の解説

4分の4拍子クロイツェル練習曲13番引用されている。

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前奏曲(Prélude)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 02:12 UTC 版)

ペレアスとメリザンド (フォーレ)」の記事における「前奏曲(Prélude)」の解説

ト長調3/4拍子Quasi adagio劇付随音楽の第1曲。弦楽によってメリザンドを表す主題静謐表情歌われる後半ゴローメリザンドの夫)を暗示する角笛響き聴かれる。

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前奏曲(ラテン語: PRAELUSIO)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:50 UTC 版)

カトゥーリ・カルミナ」の記事における「前奏曲(ラテン語: PRAELUSIO)」の解説

前述通り若い男女は「永遠の愛」を賞賛する歌を歌うが、老人達によって疑問投げかけられる老人達はカトゥルス悲劇的な運命連想させる歌を歌い若者達を「愛という怪物」から救出しよう試みる。

※この「前奏曲(ラテン語: PRAELUSIO)」の解説は、「カトゥーリ・カルミナ」の解説の一部です。
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前奏曲(プレリュード)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 00:08 UTC 版)

烈火の炎」の記事における「前奏曲(プレリュード)」の解説

右に弧を描く音の技。

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