富士見書房とは? わかりやすく解説

富士見書房

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/22 08:19 UTC 版)

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富士見書房
前身 株式会社富士見書房
現況 KADOKAWAブランド
設立日 2013年(平成25年)10月1日
主要出版物 富士見ファンタジア文庫
富士見L文庫
ドラゴンノベルス
定期刊行物 月刊ドラゴンエイジ
ドラゴンマガジン
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富士見書房 ふじみしょぼうは、日本出版社KADOKAWAブランドの一つ。

1972年株式会社富士見書房(初代)として設立され、4度にわたる組織再編を経て現在に至っているが、本項では通年解説する。

なお、辰巳出版傘下の「富士美出版」とは何の関係もない。

歴史

関連会社の統廃合図

株式会社富士見書房(初代法人)

1972年に株式会社富士見書房が設立。当初は角川書店(現・KADOKAWA)の教科書による自習テキストの編集・出版であった。社名は、角川グループの拠点である東京都千代田区富士見に由来する。

1986年俳句雑誌『俳句研究』を買収し2007年まで刊行していた経緯から、俳句関係の書籍も発行していた[注 1]。『芭蕉全集』など古典注解も刊行した。

1976年にWILD COMICSというレーベルからつのだじろうによるコミカライズ版『八つ墓村』『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』を刊行。1977年官能小説訳書の『富士見ロマン文庫』を創刊。1980年に『ポップティーン』を創刊。1981年に『時代小説文庫』を創刊。1988年に『ドラゴンマガジン』を創刊。

昭和末期から平成初頭にかけてアダルトアニメくりいむレモン』シリーズのノベライズを数多く手がけた『富士見文庫』(富士見美少女文庫)を刊行し、平成期以降に発展したジュブナイルポルノというジャンル自体の端緒を開いたといわれている[1]が、現在このジャンルには展開していない。

角川書店 富士見事業部(通称:富士見書房)

1991年に角川書店へ吸収合併され、同社富士見事業部となる。「富士見書房」はその通称となる(社内カンパニー)。以降は、富士見ファンタジア文庫を中心とするライトノベル関係の書籍とそのメディアミックス展開が売上の中心となっている。1997年より『モンスター・コレクション』等のトレーディングカードゲーム事業に着手し、市場にコンテンツを提供している。

株式会社富士見書房(2代目法人)

2005年10月1日、合併前と同じく株式会社富士見書房FUJIMI SHOBO CO., LTD.)として独立会社となる。ただし販売機能は変わらず角川書店にあり、後述の漫画雑誌から出される単行本は富士見書房発行、発売は2006年までは角川書店、2007年以降は角川グループパブリッシング(KGP)名義となっている。営業部門も独自には持たずKGPに委託しているが、広告上では富士見のみでKGPの名前は表記していない。しかし、2008年から『角川コミックスドラゴンJr.(ジュニア)[注 2](現 ドラゴンコミックエイジ)のカバー裏では、「発行 富士見書房[注 3] 販売元 角川グループパブリッシング[注 4]と表記されるようになった。

2012年に創立40周年を迎えた。

株式会社KADOKAWA 富士見書房

2013年10月1日、KADOKAWAに吸収合併され、ブランドカンパニーとなった[2]。この時点で各種カバー裏にあった「富士見書房」の表記が消滅し、単に「KADOKAWA」のみとなる。

その後2015年4月1日にブランドカンパニーが廃止され、富士見書房はKADOKAWAのブランドとなった[3]。自前の電子配信サイトの終了が相次ぐ。

2019年8月7日、ドラゴンエイジのサイトが開設し、富士見書房が持つレーベルは全て独自のドメインが入ったサイトに移行(リニューアル)した。これに伴い、富士見書房のサイトは各レーベルのリンクが記載されているだけの状態となり事実上閉鎖した[注 5]

2021年8月17日、KADOKAWAオフィシャルサイト内の富士見書房のブランドページが閉鎖[4]

主な雑誌

月刊コミックドラゴン月刊ドラゴンジュニアを統合して2003年4月に創刊。
月刊ドラゴンエイジの増刊として2017年9月創刊。2019年12月に現在の誌名に改称・リニューアルしている。
当初は3月・6月・9月・12月発売で、2022年8月より隔月刊化。

かつて発行していた雑誌

主なサイト

  • 富士見書房公式TRPG ONLINE
TRPGのオンラインセッション支援用SNS。2012年11月6日開設[注 6]。なお、富士見やKADOKAWAが関与していない「TRPG Online」という名前のサイトが既に存在しており、混同を避けるためこちらでは富士見書房の冠が付く。
2014年8月31日にプレミアム会員とセッション機能が終了したものの、新たにリプレイとシナリオ投稿機能が追加された。2017年8月31日にSNSは終了し、以降は富士見ドラゴンブックを中心とした、富士見書房ブランド刊行のTRPGの紹介サイトとなる。
  • ファンタジアBeyond
オンライン小説サイト。2014年3月7日開設。2016年6月30日最終更新。以降はカクヨムの富士見ファンタジア文庫ページにて引き継がれる。

主な書籍

レーベル

絶版

小説
漫画

主なゲーム

以下のゲームは展開を終了している。

ラジオ番組

脚注

注釈

  1. ^ 後年『俳句研究』は一度休刊した後、角川・エス・エス・コミュニケーションズを経て角川マガジンズより刊行されているが、再度休刊となる。
  2. ^ 月刊ドラゴンエイジ等に連載されている作品の単行本にあたる。
  3. ^ 実質的な発行元は角川書店。
  4. ^ 2013年6月にKADOKAWAに社名変更されてからは表記なし。
  5. ^ 「富士見書房公式TRPG ONLINE」へのリンクはこの跡地にないが、富士見書房の名のついたままその後も独自に更新が続いている。
  6. ^ 当初はFan+をプラットフォームとしていたが、2013年6月28日より独立した。

出典

外部リンク


富士見書房

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 05:05 UTC 版)

KADOKAWAの文庫レーベル」の記事における「富士見書房」の解説

以下は富士見書房のレーベルである。1991年から2005年は「角川書店富士見事業部」が正式名称で「富士見書房」は現在と同様にブランドとして存在であった。富士見書房の文庫レーベルは、2013年9月までは独自のISBN(978-4-8291)を使用していた。2013年10月にブランドカンパニー化して以降KADOKAWAISBN(978-4-04)に統合されている。 富士見ファンタジア文庫 - ライトノベルファンタジー等) 富士見ドラゴンブック - テーブルトークRPGのリプレイ・サプリメント等 富士見L文庫 - ライト文芸

※この「富士見書房」の解説は、「KADOKAWAの文庫レーベル」の解説の一部です。
「富士見書房」を含む「KADOKAWAの文庫レーベル」の記事については、「KADOKAWAの文庫レーベル」の概要を参照ください。

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