バラエティ_(日本の雑誌)とは? わかりやすく解説

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バラエティ (日本の雑誌)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/03 17:32 UTC 版)

バラエティ
ジャンル 映画・サブカルチャー
刊行頻度 月刊(毎月21日)
発売国 日本
言語 日本語
定価 190円(創刊号)
390円(休刊号)
出版社 角川書店
刊行期間 1977年10月号 - 1986年6月号
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バラエティ』は、角川書店1977年から1986年まで刊行していた月刊雑誌。角川書店のカルチャー情報誌で、角川映画をはじめとする角川書店の自社PR[1][2]の色彩が強い一方、その他の映画小説漫画音楽などに関する記事も多く、1970年代から1980年代サブカルチャー雑誌という面もあった。

誌面構成

創刊されたのは、角川書店が映画製作に乗り出して間もない頃であり、実際に角川映画に関する記事が誌面を占める割合は高かったが、角川以外の邦画や洋画に関する記事も充実していた[3]。角川映画の宣伝雑誌の側面もあったが、角川映画に対する批判も隠すことなく掲載されていた[4]

角川春樹事務所に所属する、薬師丸ひろ子原田知世渡辺典子のファンマガジンとしての役割も果たしていた[5]。薬師丸ひろ子は事務所の方針でファンクラブを持たないといった事情もあり[6]マスメディアへの露出を抑えていた3人の近況を伝える唯一の雑誌でもあった[7]。同年齢の3人・薬師丸ひろ子、杉田かおる荻野目慶子鼎談が掲載された号も存在した[7]

角川の女優以外にも、個性派俳優である佐藤慶成田三樹夫らのインタビュー記事なども掲載されていた[8]

杉作J太郎は『バラエティ』誌について、「頭を下げて雑誌や新聞に書いてもらうより、自分ちで雑誌を作ればいいだろと作った、ほとんど全ページ自社の映画の宣伝、解説という雑誌だった。当時のほかの雑誌の半分程度の値段だったと記憶する安い本で、『なんでェ、宣伝ばっかじゃねえの!』とそう思いながらも映画のことが頭に刷り込まれていった。唸りたくなるなるほど大胆かつ冴えた商売である。薬師丸ひろ子のかわいいポートレートなんかも載ってまして、ずいぶん世話になった奴もいた模様です」[2]と感想を述べている。

また漫画に関する記事も充実しており、漫画出版社「綺譚社」社長も務めたフリー編集者の秋山協一郎(高野文子の夫でもある)が『バラエティ』の編集を担当していた時期もあった。 いしいひさいちいしかわじゅん永井豪などの漫画作品が掲載されていたばかりでなく、大友克洋などによるユニークな連載(漫画作品ではない)もあり、吾妻ひでおイラスト新井素子エッセイによるコラボ連載「ひでおと素子の愛の交換日記」は後に書籍化された(#主な連載も参照)。

映画監督樋口真嗣は、宮崎駿大友克洋の名前を知ったのは、映画雑誌『キネマ旬報』やアニメ雑誌アニメージュ』ではなく、『バラエティ』のインタビュー記事や連載だった[8]、と述べている。

そのほか、ポピュラー音楽(主にJ-POP)に関する記事もあり、ムーンライダーズのリーダー鈴木慶一が「K1の "胸キュン"」と題する連載を持ったり[9][注釈 1]THE ALFEEなど当時の人気ミュージシャンが取り上げられていた[10]

主な連載

脚注

注釈

  1. ^ a b 連載開始・終了時期は不明だが、1983年8月号が「No.3」とされているため、同年連載開始と思われる[9]
  2. ^ 連載開始・終了時期は不明だが、1983年8月号にはすでに掲載がある[12]

出典

  1. ^ 小山道郎「ルンルン雑誌論」『噂の眞相』1983年3月号、噂の眞相、59頁。 
  2. ^ a b 映画秘宝「BOMB! 『新幹線大爆破』『柳生一族の陰謀』 超大作は遠き日の花火大会(タンパ玉必須) 文・杉作J太郎」『底抜け超大作 映画秘宝vol.6』洋泉社、2012年、241-242頁。ISBN 9784896915532 
  3. ^ 中川 & 2014honto, 26%.
  4. ^ 40周年記念映画祭開催!角川映画はいかにして昭和後期の日本映画界を改革していったか?(後編)”. シネマズ. 松竹 (2016年7月30日). 2016年8月28日閲覧。 “当時発行されていた角川映画の宣伝雑誌「バラエティ」では、角川映画批判を口にする映画人の発言を隠すこともしませんでした”
  5. ^ 【ああ懐かしの雑誌黄金時代】「バラエティ」 時間と予算ふんだんで記憶にのみ残る番組生まれる - 芸能 - ZAKZAK”. 夕刊フジ (2016年2月24日). 2016年2月24日閲覧。 “薬師丸ひろ子や原田知世ら角川映画でスターになっていった女優たちのファンマガジンの役割も果たしていた。”
  6. ^ 「1978 - 1981 HIROKO DOCUMENT」『バラエティ』1981年昭和56年)8月臨時増刊号、角川書店、1981年、81頁。 
  7. ^ a b 時代を彩った「角川映画」とは何だったのか?”. 東洋経済オンライン (2016年7月30日). 2016年8月28日閲覧。 “この雑誌は「キネマ旬報」にいた方が編集長に就任していて、映画の匂いをちりばめながら、本人たちの近況をそこで伝えていく形でした。ちょうど、杉田かおるさんと荻野目慶子さん、そして薬師丸さんが同い年なので、3人の対談とかよくやってましたね。”
  8. ^ a b 樋口真嗣 (2023年8月12日). ロードショー編集部: “『幻の湖』への失望の後、大作を経て、樋口真嗣の心に映画作りへの自我が生まれる。「俺のほうがうまく作れるのでは?」という、修羅の道への志が!【『海峡』】”. 集英社オンライン. 集英社. 2023年8月12日閲覧。 “宮崎駿大友克洋も、その名を知ったのは『キネマ旬報』や『アニメージュ』ではなく、『バラエティ』のインタビュー記事や連載でした。佐藤慶成田三樹夫といった個性派俳優のインタビューが読めるのも……。”
  9. ^ a b 『バラエティ』1983年8月号、pp.70-72「K1の "胸キュン" No.3 シューベルトがいつも流れてる "リラのホテル"」ゲスト:矢野顕子かしぶち哲郎
  10. ^ 『バラエティ』1983年8月号、pp.66-69「アルフィー ニューミュージックのツケを払った男たち」。
  11. ^ 雑誌 - 中三時代 国立国会図書館サーチ、2025年4月22日閲覧。
  12. ^ 『バラエティ』1983年8月号。

参考文献

関連項目


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