アドベンチャー_(ダンジョンズ&ドラゴンズ)とは? わかりやすく解説

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アドベンチャー (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 09:52 UTC 版)

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アドベンチャー(adventure)あるいはモジュール(module)は、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』・ロールプレイングゲームにおいて、ダンジョンマスターがゲームの構想や物語を進行させるのに役立つ、あらかじめ準備された冊子あるいはボックス・セットである。「アドベンチャー」という用語は、現在、このゲームの出版元であるウィザーズ・オブ・ザ・コーストによって使用されている。

初期におけるダンジョンズ&ドラゴンズの諸版ではこれらの出版物は一般的に「モジュール」―「ダンジョン・モジュール」という用語に由来する―と呼ばれた。これはTSRによって出版された最初期のアドベンチャーに対して使用され、他の用語もその後に現れ、後にはアドベンチャーと呼ばれるようになった。

「モジュール」 の用語は、新たな出版物が「アドベンチャー」と表記されるようになった後も、オリジナル・ダンジョンズ&ドラゴンズアドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズのプレイヤー達の間で好んで使用された。より大きなアクセサリーの一部としてアドベンチャーが存在する場合は、しばしばシナリオと呼ばれた。

それら全てが場合によって違う基準で使用されたため、ダンジョンズ&ドラゴンズの用語においてアドベンチャー、モジュール、シナリオ、アクセサリーの正確な相違を定義することは難しい。

公式モジュールとアドベンチャーの歴史

初めて出版された『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のシナリオは、サプリメント2:『ブラックムーア』(1975年)に掲載された「ザ・テンプル・オブ・ザ・フロッグ」であった[1]。このシナリオは、後に『D&Dエキスパート・セット』用の独立したモジュールであるDA2 『テンプル・オブ・ザ・フロッグ』として出版された[2]

ダンジョンズ&ドラゴンズの最初の独立したアドベンチャー・モジュールは『パレス・オヴ・ザ・ヴァンパイア・クイーン』であり、ウィー・ウォリアー社が1976年に出版した。TSRはこのモジュールを自ら出版はしなかったが、ウィー・ウォリアー社の代理店として最初の3つのモジュールの流通を請け負った。このアドベンチャーは「モジュール」あるいは「アドベンチャー」ではなく「ダンジョン・マスターズ・キット」と称された。

同じく1976年に、ゲーム・コンベンションであるウィンターコンVのためのトーナメント・モジュールとして、アドベンチャー「ロスト・カバーンズ・オヴ・ソーコンス」 がメトロ・デトロイト・ゲーマーズによって頒布されたが、その時点では一般への販売のための出版は行われなかった。このアドベンチャーは後にアドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ第1版ルール用に改稿され、S4モジュール―ザ・ロスト・カバーンズ・オヴ・ソーカンス として出版された[3]

この時期のゲーム・コンベンションでは更なる未刊行のアドベンチャー―オリジンズ '78でトーナメント・モジュールとして使用された『ステーディング・オヴ・ザ・ヒルジャイアント・チーフ』など―が頒布された。1978年遅くに、『ステーディング・オヴ・ザ・ヒルジャイアント・チーフ』はTSRによって実際に制作、出版された最初のダンジョンズ&ドラゴンズ用の独立したモジュールとなった。TSRホビーは6点の一連のアドベンチャーを1978年に出版したが、それらは以前にトーナメントで使用されたものであった[4]。TSRはその時から出版されたモジュール各々にコードを割り当てる慣行を開始し、『ステーディング・オヴ・ザ・ヒルジャイアント・チーフ』には「G1」が割り当てられた。TSRによる様々なシリーズのモジュールに対するコードの割り当ては、1990年代まで継続された。

アドベンチャーの内容

標準的なアドベンチャーは基本的に「冒険一式」であり、背景情報、地図、モンスターやNPC、1つ以上のプレイヤー達が遂行すべき目的に関する記述が含まれる。また、イラストが描かれているアドベンチャーもある。ダンジョンマスターはこれら既成のアドベンチャーを購入し、ゲーム・セッションでそれの一部(または全部)を使用することもできた。初期の体裁は、ボール紙製の二つ折りカバーに1冊の冊子が固定されずに挟み込まれたものであった。時が経つにつれて、体裁とモジュールに含まれる情報は多種多様に増大した。例えばen:ダークサンのモジュールには、上辺がらせん綴じの冊子が付属した。最終的に、系列商品におけるアクセサリー、サプリメント、モジュール間の相違は不明確になっていった。

モジュールには推奨されるキャラクター・レベルがあり、しばしばカバーに目立つように表示され、1980年代末期からはそのモジュールが配置されているキャンペーン設定ロゴも表示されるようになった。いくつかのモジュールは、出版される前にゲーム・コンベンションで使用されたモジュールの再版あるいは改訂版であった。一部は改訂版として再版されはしたが、全ての初期のモジュール群は絶版となっている。多くの初期のモジュール群―特に版の古いもの―は今やコレクターアイテムとして大きな需要がある。

モジュール・コード

初期のわずかな限定版モジュールを除き、ダンジョンズ&ドラゴンズの全てのモジュールには、1994年末まで英字と数字から成る英数字コードが定められていた。文字コードはその製品の何らかの観点に基づいており、それに続く数字はそのシリーズで何番目の製品であるかを明示していた[5]。同じ英字コードのモジュール群は通常は、主題に関して、あるいは一連の連結したアドベンチャーとして、何らかの形で関連していた。例えば、Z1はZ2の序章であるかもしれない。あるいはZ1、Z2、Z3では冒険者達が同じような敵―例えばビホルダーなど―と戦うのかもしれない。関連してはいても、多くのモジュールは独立したアドベンチャーであり、他のいずれの関連モジュールをプレイしない場合でも単独でプレイすることが可能であった。

TSRはこのモジュール・コード方式をいくつかのダンジョンズ&ドラゴンズ以外のロールプレイングゲーム―『マーベル・スーパーヒーローズ』、『コナン・ロールプレイングゲーム』など―で使用した。モジュール・コードは、キャンペーン設定のロゴが表紙カバーの最も重要な特徴となった1980年代末期には重視されなくなっていった。コードは1993年末までに完全に省略されるようになった。アドベンチャー・コードは、2008年のダンジョンズ&ドラゴンズ第4版用のアドベンチャーであるH1 『キープ・オン・ザ・シャドウフェル』 の発売と共に再導入された[6]

シリーズの例

Dシリーズ

プレイヤーキャラクターは地下の大洞窟網に侵入し、ドロウの根拠地を探る[7]

  • D1 『ディセント・イントゥ・ザ・デプスス・オブ・ジ・アース』
  • D2 『シュライン・オブ・ザ・クオ=トア』
  • D3 『ボールト・オブ・ザ・ドロウ』

関連項目

脚注

  1. ^ Dave Arneson (1975年). Dungeons & Dragons Supplement II: Blackmoor. TSR Games 
  2. ^ デイヴ・アーンソン、デイヴィッド・J・リッチー (1987年). Temple of the Frog. TSR Inc.. ISBN 0-88038-317-8 
  3. ^ Gary Gygax (1982年). The Lost Caverns of Tsojcanth. TSR Hobbies, Inc.. ISBN 0-935696-72-5 
  4. ^ The History of TSR”. Wizards of the Coast. 2008年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2005年8月20日閲覧。
  5. ^ ジャイアント・シリーズは「G」、ドロウ・シリーズは「D」など Dungeons & Dragons FAQ”. Wizards of the Coast. 2008年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年10月3日閲覧。
  6. ^ H1 Keep on the Shadowfell”. Wizards of the Coast. 2009年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月13日閲覧。
  7. ^ Lawrence Schick (1991年). HEROIC WORLD. Amherst, NY: Prometheus Books. p. 89. ISBN 978-0-87975-653-6 

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