3つのサラバンドとは? わかりやすく解説

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サティ:3つのサラバンド

英語表記/番号出版情報
サティ:3つのサラバンド3 Sarabandes作曲年1887年  出版年1911年  初版出版地/出版社: Rouart-Lerolle 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1番 No. 16分30秒 No Image
2 第2番 No. 25分30秒 No Image
3 第3番 No. 35分00 No Image

作品解説

2007年6月 執筆者: 石川 伸幸

 そもそもサラバンド’とは、17~18世紀にかけてヨーロッパで発展した3拍子系の舞曲緩やかな厳かなテンポと2拍目のアクセント(2拍目と3拍目が結合される)が特徴である。
 サティの『3つのサラバンド』は、1887年初演されシャブリエオペラいやいやながらの王様』に影響受けたといわれている。しかし、少なくとも音楽内容的には7、9の和音未解決やそれらの並行連結など、その先印象主義音楽)を垣間見せているだろう。また、ドビュッシーの『ピアノのために』(1896年1901年)の「サラバンド」に影響与えた考えられている。各曲の特徴以下の通り

サラバンド第1番
変イ長調書かれてはいるものの臨時記号多用調性曖昧。3曲中、最もシンプルで緩やかであるが、時々割り込むアクセント印象的

サラバンド第2番
嬰ニ短調リズム第1番似ているものの8分音符増加によりやや音楽動き出ている。重厚な和音印象的ラヴェル献呈

サラバンド第3番
変ニ長調。3連符多用により3曲中でもっとも活発な曲。

3曲まとめて演奏する聴く)と、第1番から第3番にかけて徐々にサラバンドイメージ発展させられていくのが分かるだろう。
 内務省務めていたシャブリエは、1880年ミュンヘンワーグナー楽劇トリスタンとイゾルデ』(調性崩壊象徴としてトリスタン和音)を見たことで音楽専念し始めたその時代的な流れ意識しながら作られオペラいやいやながらの王様』(1887)。それに影響受けたサティ。そして、そのイメージ印象主義音楽代表的作曲家ドビュッシー’に受け継がれていく。『3つのサラバンド』が作曲され翌年、後に発展するミニマル・ミュージック予見垣間見ることが出来る『3つのジムノペディ』が作曲されるサティ自身確信犯的に時代先取るつもりがあったのかどうか定かではない。しかし、こうして歴史顧みる時、サティの曲には後世発展する様々な音楽の‘種’がまかれていたことに感嘆する




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