みっつのジムノペディ【三つのジムノペディ】
サティ:3つのジムノペディ
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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サティ:3つのジムノペディ | 3 Gymnopedies | 作曲年: 1888年 出版年: 1888年 |
作品解説
サティの初期の代表的な作品。3曲にはそれぞれ主題がある。
第1番 ゆっくりと痛ましげに
第2番 ゆっくりと悲しげに
第3番 ゆっくりと厳かに
3曲とも4分音符以上の長い音符のみで作曲されており、テンポの遅い3拍子ということでとても簡素な印象を受ける。機能和声や対位法を用いた論理的な構成を持った曲とは異なる。後に発展するミニマル・ミュージックに見られる終始一貫した同型反復と、それに重なる長調とも短調ともつかない独特な旋律が特徴的である。1番と3番は当時、ドビュッシーによって管弦楽曲に編曲され、また現在に至ってもポップスやジャズなどの世界で様々なアーティストがアレンジしている。
曲名の「ジムノペディ」は古代ギリシャの神々をたたえる祭典(ジムノペディア=裸の踊り)からとられている。この祭典は、人々が酒によって大騒ぎをし興奮して死人も随分出る程激しいものだった。しかしサティはジムノペディアの様子を描いた静かなたたずまいの古代の壺を見て曲想を得たため、曲は終始ゆっくりと静かである。ユーモアとも皮肉とも感じられる、当時の音楽界の保守的な雰囲気を嫌っていた、若かりし頃のサティらしい発想だったのかもしれない。
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