ロンド
モーツァルト:ロンド イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
モーツァルト:ロンド イ短調 | Rondo a-Moll K.511 | 作曲年: 1787年 出版年: 1789年 初版出版地/出版社: Hoffmeister |
作品解説
1787年、31歳の時の作品。前年にはオペラ「フィガロの結婚」、同じ年には「ドン・ジョヴァンニ」という大作を生み出したモーツァルトの、この年数少ないピアノ曲の一つ。6/8のシンプルな伴奏に乗せて哀愁を感じさせる美しいメロディーが奏でられる。8小節の主題にはさまれて様々な調で自由な曲想が展開される。特にたくさんの半音階的パッセージを含む流れるようなへ長調部分からは、モーツァルトの尋常でない才能がうかがわれる。
モーツァルト:ロンド ニ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
モーツァルト:ロンド ニ長調 | Rondo D-Dur K.485 | 作曲年: 1786年 出版年: 1786年 初版出版地/出版社: Hoffmeister |
作品解説
1786年に、シャルロッテ・フォン・ヴュルベン嬢のために作曲された。アレグロの4分の4拍子、ニ長調で書かれている。主要なテーマは、主和音と属和音の構成音をなぞる簡素なものを主体としている。しかし、そこに前打音を付加したり、弾むようなリズムで仕立てたりすることにより、明快でかわいらしいメロディーを生み出している。左手は分散和音を主体としているが、この左手が低音域でメロディーを歌う場面もある。尚、このロンドは、主要テーマが主調以外でも提示され、音楽の形式論で一般的なロンド形式よりはソナタ形式に近い構成となっている。
ショパン:ロンド ハ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ショパン:ロンド ハ短調 | Rondo c-Moll Op.1 CT192 | 作曲年: 1825年 出版年: 1825年 初版出版地/出版社: Brzezina 献呈先: Louise de Linde |
作品解説
ショパンが、初めて出版を想定して書いた作品。
CとGのたった2音からなる4小節の序奏に続き、活発で軽々としたロンド主題がハ短調で現れる。ハ短調の中でいくつかの展開の後、ロンド主題と対照的で、甘美かつ穏やかなホ長調の主題にたどり着く。その主題は嬰ニ短調に転調して、徐々にドラマ性を高めていき、情熱的な嬰ト短調の主題、そしてエンハーモニックを用いた変イ長調の流れるような主題を介して、最初のロンド主題に戻る。
その後、先程のホ長調の主題は変ニ長調に転調し、広い音域にわたって長いスケールが現れるなど、さらに発展が拡大した後、再び最後のロンド主題に戻り、序奏と同じく4小節の短いコーダで締めくくられる。
それぞれの主題の推移部が、単に音階で繋がれているだけであったり、発展のさせ方や繰り返しにも工夫が見られない等の欠点があるものの、ピアノ音楽特有の要素も多く取り入れられ、随所に美しい旋律が盛り込まれるなど、ショパンが早熟であったことが見受けられる。
また、後年の作品に見られる一種の暗さがこの作品中ではほとんどなく、むしろ羽ばたいて飛んでいくような明るさと軽さがあり、作曲当時15歳であったショパンの若々しさが存分に伝わってくる作品である。
ショパン:ロンド ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ショパン:ロンド ハ長調 | Rondo Op.73 | 作曲年: 1828年 出版年: ca.1865年 |
作品解説
アレグロ・マエストーソのハ長調で書かれているこの作品は、左右の手によるユニゾンとコラール風のパッセージが交互に奏される24小節の序奏の後、溌剌としたロンド主題が奏される。序奏が4分の4拍子であるのに対し、このロンド主題は、4分の2拍子で書かれており、全部で3回奏される。そして、左右の手の双方が多声的に書かれている。また、このロンド主部においても、時折、序奏におけるように、左右の手によるユニゾンやホモ・テクスチュアの部分が見られる。このロンド主部に挿入される副次的な主題は、8分音符のみで印象深いメロディーを創り出しており、この音形が多様に装飾される。そして、3連音符が特徴的で、左右の手のユニゾンによるコーダを奏して曲を閉じる。この作品は、同年、ショパン自身により、2台ピアノのための作品に編曲されている。
ショパン:ロンド ハ長調(2台のピアノのための)(遺作)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ショパン:ロンド ハ長調(2台のピアノのための)(遺作) | Rondo Op.73 CT196 | 作曲年: 1828年 出版年: 1855年 初版出版地/出版社: Berlin |
作品解説
1828年に作曲され、ショパンの死後、1855年に出版された。ピアノ・ソロ用のロンドを作曲した年に、ショパン自身により、2台ピアノ用に編曲されたもの。しかし、出版自体は、こちらの方がソロ版に約一世紀先立っている。
基本的には、ピアノ・ソロ版と大差はないが、音域が広げられているため、和声の響きが大幅に豊かなっている。また、曲全体を通して、トリルなどの装飾が施されており、2台ピアノ故に可能となる左右の手のユニゾンによる補強もなされている。
モーツァルト:ロンド ヘ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
モーツァルト:ロンド ヘ長調 | Rondo F-Dur K.494 | 作曲年: 1786年 |
作品解説
ニ長調のK. 485のロンドと共に1786年に作曲された。アンダンテの4分の2拍子、ヘ長調で書かれている。並進行をする重音や、左右の手が生み出す並進行が特徴的である。曲全体を通して、気品のある優雅さが漂っており、一時的に激しい響きの和音が用いられる際にも、どこか落ち着いた雰囲気が備わっている。また、細やかな音の動きが多用されており、装飾的な音に富んでいる。
シューベルト:ロンド ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
シューベルト:ロンド ホ長調 | Rondo D 506 (Op.145) | 作曲年: 1817?年 出版年: 1848年 初版出版地/出版社: Diabelli |
作品解説
1817年のホ短調ピアノ・ソナタD566のフィナーレと考えられる。アダージョD505と共に、作品145として1897年に出版された。
ショパン:ロンド 変ホ長調 (序奏とロンド)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ショパン:ロンド 変ホ長調 (序奏とロンド) | Rondo Es-Dur Op.16 CT195 | 作曲年: 1829?年 出版年: 1834年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel 献呈先: Caroline Hartmann |
作品解説
弟子のカロリーヌ・ハルトマン嬢に捧げられている。ショパンの20代の前半、パリに着いて間もない頃に着手された作品であると同時に、ショパンが手がけた最後のロンドとなっている。
この頃の作品としては比較的規模が大きく、51小節に及ぶ序奏を持つ。この序奏は、アンダンテの4分の4拍子で開始する。また、この冒頭の部分は、この作品の主調、変ホ長調からみると平行調にあたるハ短調で書かれている。そして、その後、アジタート→ピウ・モッソと、この序奏の内部で既に、テンポと共に曲想が変化する。そのため、この作品は「序奏とロンド」の名で呼ばれることがある。ロンド主題は前部で4回奏され、その後、コーダが続く。このロンド主題は、アレグロ・ヴィヴァーチェの4分の2拍子で、クラコヴィアクの性格をもつ。クラコヴィアクとは、ポーランドのクラクフ地方の2拍子の民族舞踊で、横に軽くジャンプしながら進む円舞の1種である。
この作品では、曲全体を通して、この頃にショパンが知り合ったリストの作風に通じるものが見られる。
ロンド
ロンド形式
(ロンド から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/12 17:10 UTC 版)
楽式(楽曲の形式) |
---|
二部形式 - 三部形式 |
複合三部形式 - ロンド形式 |
ソナタ形式 - ロンドソナタ形式 |
変奏曲形式 |
リトルネロ形式 - フーガの形式 |
有節歌曲形式 - 通作歌曲形式 |
リフレイン形式 |
ロンド形式(ロンドけいしき、伊:rondo)は、楽曲の形式の一つ。異なる旋律を挟みながら、同じ旋律(ロンド主題)を何度も繰り返す形式。
日本語(漢字)では、ロンドを「輪舞曲」(大辞泉)もしくは「回旋曲」(大辞林)と表記する。
一般的なスタイル
古典派以降では、複合三部形式の一種とみなすことのできる、次の2つの形式が一般的になった。
- それぞれ大ロンド形式(だい――)、小ロンド形式(しょう――)と呼ばれる。
複合三部形式
主部 | 中間部 | 主部 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
A | B | A | C D ... | A | B | A |
大ロンド形式
A | B | A | C | A | B | A |
小ロンド形式
A | B | A | C | A |
なお、古くは以下のような形をとっていた。
A | B | A | C | A | D | A |
ロンド形式による著名な作品
大ロンド形式
- モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第4楽章
- メンデルスゾーン:劇付随音楽「夏の夜の夢」より「結婚行進曲」
- シューマン:「幻想小曲集」より「飛翔」
- チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」より「行進曲」
- マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調 第5楽章
小ロンド形式
- ベートーヴェン:エリーゼのために、ピアノ・ソナタ第8番ハ短調「悲愴」第2楽章
- ショパン:マズルカ第5番変ロ長調
- チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」より「葦笛の踊り」
- マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調 第1楽章
- ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ロンドを題名にもつ楽曲
![]() |
この節の加筆が望まれています。
|
- ショパン:ロンド ハ短調・変ホ長調・ハ長調、マズルカ風ロンド、ロンド・クラコヴィアク
- サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
- ストラヴィンスキー:王女たちのロンド(『火の鳥』の一部)
- ロベルト・シューマン:子供のためのアルバム第22曲「ロンド」
ロンド形式を楽曲の一部で利用した作品
日本の楽曲
- 松任谷由実: 輪舞曲(ロンド)
- 奥井雅美:輪舞-revolution(ロンド・レボリューション)
関連項目
ロンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 01:31 UTC 版)
大蔵大臣を務める伯爵。学院都市の視察中に立ち寄った喫茶店でアルバイトをしていたフィアナを見かけて嘲笑するが、クレアに撃退され逃げ帰った。
※この「ロンド」の解説は、「精霊使いの剣舞」の解説の一部です。
「ロンド」を含む「精霊使いの剣舞」の記事については、「精霊使いの剣舞」の概要を参照ください。
「ロンド」の例文・使い方・用例・文例
- 彼は8月16日にロンドンに向けて出発した
- 彼女は背の高いブロンドの女性です
- 彼は商用でロンドンへ行った
- ロンドンの中心部
- ロンドン市民
- この列車はここでロンドン行きの列車と接続している
- ロンドン市自治体
- 彼女は髪をブロンドに染めた
- 東京の人口はロンドンより多いですか
- まもなくロンドンに向けて出発します
- 彼はしばしばロンドンに行きます
- ロンドン行き大人1枚と子ども2枚ください
- 本社はロンドンにある
- 王子はお忍びでロンドンへ旅行した
- ロンドン行きの列車について伺いたいのですが
- 結局ロンドンへ行くことになる
- 彼はロンドンの日本大使館の公使だ
- きっすいのロンドンっ子
- 私たちはロンドンに一泊した
- このはがきは1週間前ロンドンで投函されたものだ
- ロンドのページへのリンク