子供のためのアルバムとは? わかりやすく解説

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こどものためのアルバム【子供のためのアルバム】

読み方:こどものためのあるばむ

原題、(ドイツ)Album für die Jugend》シューマンピアノ曲集1848年作曲長女の誕生日の贈り物として作曲され、元は「クリスマスアルバム」と題された。のちに曲を加え改題して発表


ギロック:子供のためのアルバム

英語表記/番号出版情報
ギロック:子供のためのアルバムAlbum for chirdren

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 ウィンナー・ワルツ In old ViennaNo Data No Image
2 コラールプレリュード Choral PreludeNo Data No Image
3 舞曲 At the BalletNo Data No Image
4 悲しいワルツ Valse tristeNo Data No Image
5 手品師 The jugglerNo Data No Image
6 古い農民歌 Old plantationNo Data No Image
7 フランス人形 French dollNo Data No Image
8 カプリッチエット CapricciettoNo Data No Image
9 タランテラ TarantellaNo Data No Image
10 森の伝説 A woodland legendNo Data No Image
11 森の妖精 ArielNo Data No Image
12 教会の鐘 Mission bellsNo Data No Image
13 魔法の木 The haunted treeNo Data No Image
14 祭り Festive pieceNo Data No Image
15 サラバンド SarabandeNo Data No Image
16 エチュード EtudeNo Data No Image
17 ワルツ・エチュード Valse EtudeNo Data No Image
18 雨の日ふんすい Fountain in the rainNo Data No Image
19 の日のソリベル Sleighbells in the snowNo Data No Image
20 クラシックカーニバル 1.宮廷コンサート Classic carnival 1.Royal ConcertNo Data No Image
21 クラシックカーニバル 2.聖体行列 Classic carnival 2.Religious ProcessionNo Data No Image
22 クラシックカーニバル 3.カーニバル舞踏会 Classic carnival 3.Carnival BallNo Data No Image
23 金魚 Gold fishNo Data No Image
24 古典形式によるソナチネ Sonatina in classic styleNo Data No Image
25 ソナチネ SonatinaNo Data No Image

シューマン:子供のためのアルバム

英語表記/番号出版情報
シューマン:子供のためのアルバムAlbum für die Jugend  Op.68作曲年1848年  出版年1848年  初版出版地/出版社Schuberth 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 メロディー op.68-1 "Melodie"1分00
2 兵士行進 op.68-2 "Soldatenmarsch"0分50
3 ハミング op.68-3 "Trallerliedchen"1分00
4 コラール op.68-4 "Ein Choral"1分30秒
5 小曲 op.68-5 "Stuckchen"0分50
6 あわれな孤児 op.68-6 "Armes Waisenkind"2分00
7 狩人の歌 op.68-7 "Jagerliedchen"1分10
8 勇敢な旗手 op.68-8 "Wilder Reiter"0分40
9 小さな民謡 op.68-9 "Volksliedchen"1分30秒
10 楽しき農夫 op.68-10 "Frohlicher Landmann"0分40
11 シチリアーナ op.68-11 "Sizilianisch"1分50
12 サンタクロース op.68-12 "Knecht Ruprecht"2分00
13 愛す5月よ… op.68-13 "Mai, lieber Mai"2分40
14 小さな練習曲 op.68-14 "Kleine Studie"1分20
15 春の歌 op.68-15 "Fruhlingsgesang"2分30秒
16 はじめての損失 op.68-16 "Erster Verlust"1分40
17 朝の散歩をする子供 op.68-17 "Kleiner Morgenwanderer"1分30秒
18 刈入れ人の歌 op.68-18 "Schnitterliedchen"1分00
19 小さなロマンス  op.68-19 "Kleine Romanze"1分00
20 田舎風の歌 op.68-20 "Landlisches Lied"1分30秒
21 *** op.68-21 ***2分00
22 輪唱歌 op.68-22 "Rundgesang"1分30秒
23 騎手の曲 op.68-23 "Reiterstuck"1分30秒
24 収穫の歌 op.68-24 "Ernteliedchen"1分30秒
25 お芝居余韻 op.68-25  "Nachklange aus dem Theater"1分30秒
26 ***  op.68-26 ***2分30秒
27 カノン風の歌 op.68-27 "Canonisches Liedchen" 1分30秒
28 思い出 op.68-28 "Erinnerung"2分00
29 異国の人 op.68-29  "Fremder Mann"2分30秒
30 *** op.68-30 ***3分30秒
31 戦いの歌 op.68-31 "Kriegslied"1分30秒
32 シェエラザード op.68-32 "Sheherazade"3分30秒
33 ぶどう狩の時-喜びの時 op.68-33 "Weinlesezeit - Frohliche Zeit" 2分00
34 テーマ op.68-34 "Thema"2分30秒
35 ミニョン op.68-35 "Mignon"4分00
36 イタリア人船乗りの歌 op.68-36 "Lied italienischer Marinari" 1分30秒
37 水夫の歌 op.68-37 "Matrosenlied"2分30秒
38 冬の時 その1 op.68-38 "Winterzeit I"2分30秒
39 冬の時 その2 op.68-39 "Winterzeit II"4分00
40 小さなフーガ op.68-40 "Kleine Fuge"2分30秒
41 北欧の歌「ガーデへの挨拶」 op.68-41  "Nordisches Lied 'Gruss an G'"2分00
42 装飾的コラール op.68-42 "Figurierter Choral"2分00
43 大みそかの歌 op.68-43 "Sylvesterlied"2分00
44 かくれているかっこう op.68-44  "Kuckuck im Versteck"No Data
45 ヴェネツィア入江 op.68-45 "Lagune in Venedig"No Data
46 鬼ごっこ op.68-46 "Haschemann"No Data
47 小さなワルツ op.68-47 "Kleiner Walzer"No Data
48 ごく小さい子供のために op.68-48 "Fur ganz Kleine"No Data
49 お人形の子守歌 op.68-49  "Puppenschlafliedchen"No Data
50 左手見せましょう op.68-50 "Linke Hand soll sich auch zeigen"No Data
51 ゴンドラにて(op.6820主題) op.68-51  "Auf der Gondel"No Data
52 *** op.68-52  ***No Data
53 CM.v.ウェーバー酒飲みの歌 op.68-53 "Ein Trinklied von C.M.von Weber"No Data
54 変ホ長調ピアノ曲 op.68-54 "Klavierstuck in E flat"No Data

作品解説

執筆者: PTNA編集部

シューマンピアノ曲のほとんどはライプツィヒ時代1839年までに書かれているが、この作品集ドレスデン時代1848年ごろに書かれている以前大作芸術作品として構想されているのに対し、この作品最初長女マリー誕生日贈り物として用意した数曲に次々と書き加えクリスマスアルバム」と名づけいたもので、後世までも子供指導用作品として重要な位置をしめている。

第1曲:メロディー / op.68-1 "Melodie"
シンプルなメロディー対位法的な伴奏形の対比のための練習

第2曲:兵士行進 / op.68-2 "Soldatenmarsch"
元気よくはりきって。付点リズム和音練習

第3曲:ハミング / op.68-3 "Trallerliedchen"
速くなく。右手・左手それぞれに片手メロディー伴奏形を弾きわける練習

第4曲:コラール / op.68-4 "Ein Choral"
四声ポリフォニー練習すべての声部を耳でたどれるように。

第5曲小曲 / op.68-5 "Stuckchen"
速くなく。第1・3曲の復習とでもいえるだろうか左手跳躍オクターヴまで広がるので前の二曲より困難になっている。

第6曲あわれな孤児 / op.68-6 "Armes Waisenkind"
ゆっくりとここまで練習ふまえてメロディー伴奏、複旋律と曲としての性格持った曲である。形式的にはABAの三部形式二度繰り返される。Bの繰り返し部分ではこの曲集ではじめて「Langsamer」(よりゆっくりと)の指示があり、曲の途中でテンポが変わる。

第7曲狩人の歌 / op.68-7 "Jagerliedchen"
さわやかに楽しくゲルマン民族一般的に狩の好きで、メンデルスゾーン・シューベルトなどもたくさんの「狩の歌」を書いていて、そのほとんどが6/8拍子である。冒頭ユニゾンで、シューマン好んで用いたこの四度行形ホルン模倣であろう。形や調を変え?♪?♪と八分音符スタッカートモチーフ繰り返される。曲の中ではじめてf、p、ffアクセントなどが指定されている。

第8曲勇敢な旗手 / op.68-8 "Wilder Reiter"
三部形式テンポ指定はないが旗手が馬を走らせている様子だと思われるので、かなり速いだろう。ここでも四度行形ではじまる。旋律には軽いスタッカートの間にsfスラー挿入される中間部では旋律左手移動するが、いずれの部分でも伴奏和音重くならないように弾くと曲の感じがよく出るだろう。

第9曲小さな民謡 / op.68-9 "Volksliedchen"
もの悲しい雰囲気で。三部形式。はじめの部分では美し旋律分散和音伴奏続いてコラールのような旋律つけられる中間部は「Lustig」(楽しげに)の指示があり、長調転調曲想が変わる。休符を含むモチーフ軽くはずむように弾くと感じがよく出るだろう。再現部ではまず左手メロディー右手に複旋律続いて厚い和音によって念をおすように最後嘆きが終わる。

第10曲楽しき農夫 / op.68-10 "Frohlicher Landmann"
さわやかで元気に。この曲集中最も有名なものの一つで、原題では「仕事終えて帰る楽しげ農夫」とつけられていた。ドイツには「Feierabend」という言葉があり、直訳すれば「お祭りの夜」くらいの意味になるのだが、多くドイツ人毎日仕事が終わると「Feierabend!」と言いながらいそいそと家路についた居酒屋に出かけたりする。この雰囲気とらえられたらこの曲は十分ではないだろうか。

11曲:シチリアーナ / op.68-11 "Sizilianisch"
茶目っけ持ってシチリアーナとは17~18世紀ごろのシチリア起源ダンスで、バッハ作品などで遅い舞曲または楽章としても用いられている。形式ダ・カーポ含めてロンド形式いかにもイタリア風の物悲しい旋律だが冒頭指示があるので、少し軽くしゃれた感じだろうか中間部2拍子変わり十六分音符速い動きアクセント加わり速い踊りに変わる。

12曲:サンタクロース / op.68-12 "Knecht Ruprecht"
題名の「Knecht Ruprecht」はサンタクロース訳されているが、正確にドイツサンタクロースである聖ニコラウスのおつきの「従者ルプレヒト」であるらしい12月6日聖ニコラウスの日である。聖ニコラウスはこっそりと暖炉から現われるではなく街に堂々と現れ良い子にはプレゼント与え、悪い子には従者ルプレヒトが手に持った鞭でおしおきをするという。三部形式第1部騒々し聖ニコラウス一行やってくる様子だろうか中間部はへ長調変わりドイツクリスマスの歌「あしたこどもたち何をもらうのでしょう、あしたはクリスマスおじいさんがやってきます」によく似た雰囲気で、細かい十六分音符によって高まるクリスマスへの期待表現しているのだろう。

13曲:愛す5月よ… / op.68-13 "Mai, lieber Mai"
速くなく。副題は「もうすぐおまえは来るのだね!」と付けられている。ドイツの冬は長く4月いっぱいまで寒く暗いのだが、5月になると突然新緑が目をふき始め明る太陽が輝く。そのせいだろうか、5月待ちわびる気持ちが非常に強くシューマンだけでなく多くドイツ人春へ期待喜びをこめて、5月たたえる詩や曲をたくさん残している。ホ長調そもそも喜び調性である。冒頭右手ポルタート6度跳躍雰囲気をよく表わしている。また、左手モチーフ小鳥さえずりだろうか形式的に少々複雑に見えるが二部形式である。技術的にはこのあたりから急に難しくなっている。

14曲:小さな練習曲 / op.68-14 "Kleine Studie"
静かに、そして非常に均等に弾くこと。形的にはバッハ平均律第1巻1番のプレリュード似ている強弱記号がほとんど書かれていないので、和声進行正確にとらえることが重要である。あとは4拍目にあたるアルペジオの最高音隠されメロディーといえるだろう。一小節きれいに和音作れるようによく耳で確かめながら打鍵することが大切である。

15曲:春の歌 / op.68-15 "Fruhlingsgesang"
心をこめて弾くこと。再びホ長調春へ喜びの曲である。第13曲がこれから来る春へ期待だったのに対して、こちらはすでに来た春の暖かさ中にゆったりとひたっている感じだろうか付点リズム鋭くなりすぎず少しテヌート気味にすると、ドイツ特有の温かみが出るだろう。非常に美し旋律歌詞つければそのまま歌曲なりそうで、いかにも春の歌」という題名にふさわしい曲である。

16曲:はじめての損失 / op.68-16 "Erster Verlust"
速くなく(モデラート)。ドイツ特有のアウフタクトによるため息のような下降型の2つモチーフ成り立っている。一番はじめの音にはfp指示があるが、すべての小節線直前にあるフレーズ頭の音を大切に弾くことで、「失う」感じがよく出るだろう。途中で一時的にハ長調への転調がみられ、最後は強い感情露出であろうfとアクセントによる和音があるが、あくまで原型ため息モチーフである。子供がはじめて喪失感覚えるのは何によってだろうか

17曲:朝の散歩をする子供 / op.68-17 "Kleiner Morgenwanderer"
さわやかに力強く朝起きたての新鮮な気持ちで、しかし気まぐれ歩調変える子供描写。符点と三連符十六分音符それぞれのリズム感違い具体的に試してみると良いだろう。「力強く」という指示はあるが、軍隊行進ではないので乱暴にならないように。あくまで「朝の散歩をする子供」である。

18曲:刈入れ人の歌 / op.68-18 "Schnitterliedchen"
速すぎず。構成複雑に見えるがAA'B AA'コーダ考えられるドイツ刈入れというと小麦だと考えられる筆者には八分音符によるレガート旋律表情変えながら風に揺れる小麦畑で、農夫自分育てた作物満足げながめていて、最後のスタッカートモチーフによるコーダ刈り入れて行くように思える小麦畑対旋律によって違う方向からの風を同時にうけたり、ユニゾンいっせいに一方向揺れたり、また調性変えて違うざわめき奏でたりしている。

19曲:小さなロマンス / op.68-19 "Kleine Romanze"
速くなく。ロマンスドイツでは叙情的な歌曲や小規模な器楽曲を指す。二部形式でAは4小節×2、Bは6小節×2自由な抒情詩として細かい楽譜指示からどのような気持ち変化表現できるだろうか

20曲:田舎風の歌 / op.68-20 "Landlisches Lied"
ほどよいテンポで。地方小都市吹奏楽団演奏のような素朴な旋律和声が耳に心地よい冒頭小節テーマ再現するたびに少しずつ左手の形を変えていく。

21曲:*** / op.68-21
ゆっくり気持ちをこめて弾くこと。題名のない三曲のうちの一曲で ***の印がついている曲想形式もとても自由なので、自分なりにどういう情景なのか想像して自由に表現してよい曲だと思う。

22曲:輪唱歌 / op.68-22 "Rundgesang"
程よい速さで。とてもレガートに弾くこと。この曲はシューマン自筆譜では少し違う形で、出版の際に繰り返し部分を「印刷する」と注記したものが「抹消する」と読み違えられたらしい。しかしシューマン自身がこの変更認めている。メロディーの非常に美しい曲なので冒頭指示どおりレガートで、弦楽四重奏においてそれぞれの奏者独立したフレージング形成するように演奏したい

23曲:騎手の曲 / op.68-23 "Reiterstuck"
短くはっきりと。十六分音符動きは馬のひずめの音の模倣だろうか。このモチーフは「クライスレリアーナ 作品16」の第8曲とよく似ている。非常にはぎれよく、スラー記入されているところ以外はノンレガート気味にすると軽さが出るだろう。再現部からは「だんだん弱く」の指示があるが、弱くなるほど緊張感リズム感大切にしたい。その後コーダにはさらに「どんどん弱くと書かれており、決然とした雰囲気のままで最後PPで終わる。

24曲:収穫の歌 / op.68-24 "Ernteliedchen"
楽しい表現で。収穫という言葉から季節はおそらく秋だろう。作物取り入れながら、または取り入れた農夫達が愉快に合唱している情景。同じ6/8拍子イ長調ながら第22番輪唱歌」のレガートによるなめらかなメロディーとは趣を変えスラーはあるがアクセント強調して四分音符にはずむような方向性をあたえると楽しげ雰囲気が出るだろう。中間部スタッカートとここはなめらかなレガート対比おもしろい。

25番:お芝居余韻 / op.68-25 "Nachklange aus dem Theater"
多少興奮して。劇やオペラ見た後、子供がまだその興奮からさめずに熱くお話しているようである。出し物はおそらくドラマティックなものだっただろう。中間部ではf、ffによるファンファーレ見られる。このファンファーレメロディー組み合わせいかにも典型的なオペラ序曲連想させる十六分音符スタッカート軽くしかし凝縮され音色弾ける興奮した雰囲気がよく出るだろう。

26曲:*** / op.68-26

27曲:カノン風の歌 / op.68-27 "Canonisches Liedchen"

28曲:思い出 / op.68-28 "Erinnerung"

29曲:異国の人 / op.68-29 "Fremder Mann"

30曲:*** / op.68-30

31曲:戦いの歌 / op.68-31 "Kriegslied"

32曲:シェエラザード / op.68-32 "Sheherazade"

33曲:ぶどう狩の時-喜びの時 / op.68-33 "Weinlesezeit - Frohliche Zeit"

34曲:テーマ / op.68-34 "Thema"

35曲:ミニョン / op.68-35 "Mignon"

36曲:イタリア人船乗りの歌 / op.68-36 "Lied italienischer Marinari"

37曲:水夫の歌 / op.68-37 "Matrosenlied"

38曲:冬の時 その1 / op.68-38 "Winterzeit I"

39曲:冬の時 その2 / op.68-39 "Winterzeit II"

40曲:小さなフーガ / op.68-40 "Kleine Fuge"

41曲:北欧の歌「ガーデへの挨拶」 / op.68-41 "Nordisches Lied 'Gruss an G'"

42曲:装飾的コラール / op.68-42 "Figurierter Choral"

43曲:大みそかの歌 / op.68-43 "Sylvesterlied"

44曲:かくれているかっこう / op.68-44 "Kuckuck im Versteck"

45曲:ヴェネツィア入江 / op.68-45 "Lagune in Venedig"

46曲:鬼ごっこ / op.68-46 "Haschemann"

47曲:小さなワルツ / op.68-47 "Kleiner Walzer"

48曲:ごく小さい子供のために / op.68-48 "Fur ganz Kleine"

49曲:お人形の子守歌 / op.68-49 "Puppenschlafliedchen"

50曲:左手見せましょう / op.68-50 "Linke Hand soll sich auch zeigen"

51曲:ゴンドラにて(op.6820主題) / op.68-51 "Auf der Gondel"

52曲:*** / op.68-52

53曲:CM.v.ウェーバー酒飲みの歌 / op.68-53 "Ein Trinklied von C.M.von Weber"

54曲:変ホ長調ピアノ曲 / op.68-54 "Klavierstuck in E flat"


子供のためのアルバム

英語表記/番号出版情報
グレチャニノフ:子供のためのアルバムChildren's Album Op.98作曲年1923年 
スヴィリドフ:子供のためのアルバムChildren's Album, seventeen pieces for piano作曲年1948年 

子供のためのアルバム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/27 17:02 UTC 版)

子供のためのアルバム』(こどものためのアルバム、Album für die Jugend作品68は、ロベルト・シューマンが作曲した43曲からなるピアノ小曲集である。『少年のためのアルバム』とされることもある。

概要

このピアノ小曲集は1848年8月30日から9月14日までの2週間を要して作曲されたものである。このうち最初の7曲(第1部の7曲)は長女マリーの7歳の誕生日の贈り物として9月1日に作曲され、この時は『クリスマス・アルバム (Weihnachtsalbum)』と題されていた。この後新たに40曲を加えたのちに、初版の出版の際に、出版社からの助言で「少年のための40のピアノ小品集」と題名を改めている。また第2版では数曲の楽曲に与えられた題名の改題・曲の変更(1曲を追加)が施されており、全43曲からなる小曲集とした上で題名を「少年のためのアルバム、43のピアノ小品集」として出版している。

出版は1848年12月にハンブルクのシューベルト社から。第2版は1851年にされている。シューマンによる自筆のスケッチはツヴィッカウに保管されている。

構成

全2部43曲から構成され、全曲の総演奏時間は約80分。

第1部 小さい子供のために

  • 第1曲 メロディMelodie
    叙情的な小品で、書法は簡単なものである。
  • 第2曲 兵士の行進Soldatenmarsch
    「元気よく張り切って」の指示がされ、快活な行進曲である。主題はベートーヴェンスプリング・ソナタのスケルツォ楽章との関連が指摘される。
  • 第3曲 口ずさむ歌Trallerliedchen
    「速くなく (Nicht schnell)」の指示。タイトルはハミングのことを意味し、書法的には第1曲と似ている。
  • 第4曲 コラールEin Choral
    コラールのタイトルは「喜べ、おおわが心よ (Freue dich, o meine Seele)」。4声部からなる合唱風の小曲。
  • 第5曲 小曲Stückchen
    「速くなく (Nicht schnell)」の指示。書法的には第1曲と第3曲と似たものである。
  • 第6曲 哀れな孤児Armes Waisenkind
    「ゆっくりと (Langsam)」の指示。原題は「あわれな乞食の子」であった。途中でテンポが変わる。
  • 第7曲 狩人の歌Jagerliedchen
    「さわやかに、そして陽気に」の指示。両手のユニゾンで開始し、4度上行の開始音型はシューマンがよく用いていたものである。
  • 第8曲 勇敢な騎手Wilder Reiter
    3つの部分で構成され、同じパターンをそれぞれ繰り返す。
  • 第9曲 民謡Volksliedchen
    「もの悲しい音調で」の指示。
  • 第10曲 楽しき農夫Frohlicher Landmann
    「さわやかに、元気よく (Frisch und munter)」の指示。曲中では最も知られている小曲で、原題は「仕事を終えて帰る楽しげな農夫」。第7曲と同じく、冒頭旋律が4度上行で開始される。
  • 第11曲 シチリアーナSizilianisch
    「ふざけるような」の指示。シチリア風の舞曲で3部形式による(拍子は8分の6拍子)。
  • 第12曲 サンタクロースKnecht Ruprecht
    クネヒト・ループレヒト」とも。3部形式で、両手のユニゾンで開始される。
  • 第13曲 愛する5月よMai, lieber Mai
    「速くなく (Nicht schnell)」の指示。
  • 第14曲 小さな練習曲Kleine Studie
    「ひそやかに、そしてきわめて均等に演奏するように」の指示。アルベッジョの練習曲である。
  • 第15曲 春の歌Fruhlingsgesang
    「心を込めて演奏するように」の指示。
  • 第16曲 最初の喪失Erster Verlust
    「速くなく (Nicht schnell)」の指示。
  • 第17曲 朝の散歩をする子供Kleiner Morgenwanderer
    「さわやかに、力強く」の指示。行進曲で、音型の模倣が巧妙に使われている。原題は「小さい朝の散歩」。
  • 第18曲 刈入れの歌Schnitterliedchen
    「あまり速くなく (Nicht sehr schnell)」の指示。

第2部 大きな子供のために

  • 第19曲 小さなロマンスKleine Romanze
    「速くなく (Nicht schnell)」の指示。第10曲と酷似した旋律がユニゾンによって奏でられる。
  • 第20曲 田舎風の歌Landlisches Lied
    「中くらいの速度で」の指示。
  • 第21曲
    タイトルはなく、「緩やかに表情を持って演奏する」の指示。
  • 第22曲 ロンドRundgesang
    「中くらいの速度で、きわめて滑らかに演奏する」の指示。構成はロンド形式による。
  • 第23曲 騎手の歌Reiterstuck
    「短く、はっきりと」の指示。
  • 第24曲 収穫の歌Ernteliedchen
    「喜ばしげな表情を持って」の指示。
  • 第25曲 劇場からの余韻Nachklange aus dem Theater
    「いくらか激しく」の指示。
  • 第26曲
    タイトルはなく、「速くなく、上品に演奏する」の指示。
  • 第27曲 カノン風の歌Canonisches Liedchen
    「速くなく、親しげな表情を持って」の指示。
  • 第28曲 思い出Erinnerung
    「追憶」とも。「速くなく、十分歌って演奏する」の指示。自筆譜には「1847年11月4日」と日付が記入され、これは友人のメンデルスゾーンの命日である。
  • 第29曲 見知らぬ人Fremder Mann
    「異国の人」とも。「逞しく、力強く演奏する」の指示。主題は行進曲風である。
  • 第30曲
    タイトルはなく、「きわめて緩やかに」の指示。楽曲はショパンを連想させる。
  • 第31曲 戦いの歌Kriegslied
    「きわめて力強く」の指示。
  • 第32曲 シェエラザードSheherazade
    「かなりゆっくりと静かに」の指示。
  • 第33曲 ぶどう狩りの歌 - 喜びの時Weinlesezeit - Frohliche Zeit
    「快活に (Munter)」の指示。リズムは激しく変化するが、収穫の喜びを表現しているといえる。
  • 第34曲 主題Thema
    「緩やかに、親しげな感情を込めて」の指示。
  • 第35曲 ミニョンMignon
    「緩やかに、柔和に」の指示。
  • 第36曲 イタリア人の船乗りの歌Lied italienischer Marinari
    序奏「緩やかに (Langsam)」と「速く (schnell)」の主部で構成される。原題は「船頭の歌」であった。
  • 第37曲 水夫の歌Matrosenlied
    ト短調。中心となる旋律はやや平板なものだが、幾つかの箇所に躍動的な動機が置かれる。
  • 第38曲 冬の時 その1Winterzeit I
    「かなり緩やかに」の指示。ハ短調。39曲と同じタイトルで、こちらは16小節と短い小曲。
  • 第39曲 冬の時 その2Winterzeit II
    「緩やかに」の指示。曲中には自作のピアノ曲『蝶々』の旋律が現れる。
  • 第40曲 小さなフーガKleine Fuge
    「元気よく、しかしあまり速くなく」の指示。3声の前奏曲とフーガで書かれている。
  • 第41曲 北欧の歌「ガーデへの挨拶」Nordisches Lied "Gruss an G"
    「民謡風に (Im Volkston)」の指示。自筆譜には「"G"への挨拶」と添えているが、これは友人のニルス・ガーデのことで、音楽はガーデの綴字「G-A-D-E」の動機を基にしている。
  • 第42曲 装飾的コラールFigurierter Choral
    この4声コラールはジュネーヴの讃美歌から採られたもので、内声には作曲者による和声の音型化で装飾を施したものである。
  • 第43曲 大晦日の歌Silvesterlied
    「中くらいの速さで」の指示。イ長調。直筆には「Zum Beschluß」と書かれている。

追加曲 WoO.16

以下のWoO.16とWoO.30は第2版の出版後に追加曲として作曲されたものである。

  • 第44曲 隠れているかっこうKuckuck im Versteck
  • 第45曲 ヴェネツィアの入り江Lagune in Venedig
  • 第46曲 鬼ごっこHaschemann
  • 第47曲 小さなワルツ ト長調Kleiner Walzer

追加曲 WoO.30

曲中のWoO.30-9〜12はWoO.16と同じ

  • 第48曲 ごく小さい子供のためにFur ganz Kleine
  • 第49曲 お人形の子守歌Puppenschlafliedchen
  • 第50曲 荒々しい騎手Linke Hand soll sich auch zeigen
    原曲はOp.68-8。
  • 第51曲 ウェーバーの酒飲みの歌Ein Trinklied von C.M.von Weber
  • 第52曲 ゴンドラにてAuf der Gondel
  • 第53曲 小品 ハ長調
    原曲はOp.68-21
  • 第54曲 小品 ニ短調
    原曲はOp.68-26
  • 第55曲 断章 変ホ長調
  • 第56曲 前奏曲 イ長調
  • 第57曲 判じ絵
  • 第58曲 熊の踊り
  • 第59曲 L.v.ベートーヴェンの有名なメロディ
  • 第60曲 W.A.モーツァルトの小品

参考資料

  • 『作曲家別名曲解説ライブラリー23 シューマン』 音楽之友社,1995年
  • 『名曲事典 ピアノ・オルガン編』 音楽之友社,千蔵八郎,1977年

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