ガーデとは? わかりやすく解説

ガーデ

名前 Gade; Garde

ニルス・ゲーゼ

(ガーデ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/09 14:02 UTC 版)

ニルス・ゲーゼ
Niels Gade
基本情報
出生名 Niels Wilhelm Gade
生誕 1817年2月22日
 デンマーク コペンハーゲン
死没 (1890-12-21) 1890年12月21日(73歳没)
 デンマーク コペンハーゲン
職業 作曲家、指揮者

ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼ(またはガーゼガーデ、Niels Wilhelm Gade, 1817年2月22日 - 1890年12月21日)は、デンマーク作曲家指揮者・音楽教師。北欧諸国の音楽界の近代化に貢献した。作曲家アクセル・ゲーゼは2番目の妻の間にできた息子である。

生涯

コペンハーゲンの楽器職人の家庭に生まれ育つ[1]。17歳でコペンハーゲンの王室オーケストラでヴァイオリン奏者として活動を開始し、1842年、自作の《交響曲第1番》を提出するが、コペンハーゲンでは演奏が拒否された。しかし、これをフェリックス・メンデルスゾーンに送付したところ、積極的に受け入れられ、1843年、メンデルスゾーンの指揮でライプツィヒで初演してもらうことができた。そこでゲーゼも同地に転出、ライプツィヒ音楽院で教鞭をとるかたわら、ゲヴァントハウス管弦楽団の副指揮者を務めた。メンデルスゾーンと親交を結んで、創作活動において重要な影響を受けたほか、ロベルト・シューマンとも親しくなった。

1847年に恩人メンデルスゾーンが没すると、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスの首席指揮者の地位を引き継いだが、翌1848年にデンマークとプロイセンの紛争(第一次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争)が勃発するとデンマークに戻った。その後はコペンハーゲン音楽協会の終身総裁に就任し、新たにオーケストラや合唱団を設立した。また、オルガン奏者としての活動も始め、ヨハン・ペーター・エミリウス・ハートマンからコペンハーゲン音楽院院長職を引き継ぐ。1852年にはハートマンの娘と結婚した。晩年は北欧の音楽界に権威ある教育者として名をなし、後にエドヴァルド・グリーグカール・ニールセンらに影響を与えた。コペンハーゲンにて没。

北欧の作曲家としては、「ソナチネアルバム」にも名を残したフリードリヒ・クーラウや、デンマーク国外の進歩的な作曲家と親交を結んでいたハートマン親子も諸国で名声を博したが、特にソナタ形式に関係する器楽ジャンル、交響曲や室内楽を重視したという点において、ゲーゼが北欧音楽史上に果たした功績は大きい。

作品

8つの交響曲ヴァイオリン協奏曲室内楽、いくつかのピアノ曲、カンタータの大作《コモラ》(Comala, 1846年)や《妖精の娘》(Elverskud, 1853年)、演奏会用序曲《オシアンの余韻》作品1などがある。作品の多くはメンデルスゾーンやシューマンの影響が濃厚だが、中にはデンマーク民謡に基づく作品もある。

グリーグのピアノ作品集『抒情小曲集』の中に「ゲーゼ」(Gade) という題の小品がある。これは1893年に発表された第6巻(作品57)の第2曲で、作曲の3年前に没したゲーゼへの回想のために書かれた曲である。

歌劇
  • マリオッタ
バレエ
  • ナポリ(ゲーゼは第2幕のみを手がけた)
交響曲
  • 交響曲第1番ハ短調 Op. 5
  • 交響曲第2番ホ長調 Op. 10
  • 交響曲第3番イ短調 Op. 15
  • 交響曲第4番変ロ長調 Op. 20
  • 交響曲第5番ニ短調 Op. 25(ピアノ独奏も付いてるためピアノ協奏曲の性格が強い。)
  • 交響曲第6番ト短調 Op. 32
  • 交響曲第7番ヘ長調 Op. 45
  • 交響曲第8番ロ短調 Op. 47
管弦楽曲
  • オシアンの余韻 Op. 1(1840年、この曲でコペンハーゲン音楽協会の作曲コンクールの1位を獲得した)
  • スコットランド序曲「高地にて」Op. 7
  • ノヴェレッテ
  • 田舎の夏の日
  • ハムレット
  • ホルベルギアーナ
協奏曲
  • ヴァイオリン協奏曲ニ短調
  • ヴァイオリンと管弦楽のためのカプリッチョ
室内楽曲
  • 弦楽四重奏曲ニ長調 Op. 63
  • 弦楽四重奏曲ホ短調
  • 弦楽四重奏曲ヘ短調
  • 弦楽四重奏曲ヘ長調「出会いと別れ」
  • 弦楽五重奏曲ホ短調 Op. 8
  • 弦楽八重奏曲ヘ長調 Op. 17

脚注

  1. ^ LP『C. Nielsen String Quartet in G Minor, Op. 13 / N. Gade String Quartet in D Major, Op. 63』ライナーノーツ(1967年、ワーナー・パイオニア、コペンハーゲン四重奏団)

外部リンク


「ガーデ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ガーデ」の関連用語

ガーデのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ガーデのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのニルス・ゲーゼ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS