ディヴェルティスマン
ディヴェルティメント
(ディヴェルティスマン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/03 00:42 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2018年11月)
|
ディヴェルティメント(伊: divertimento)は、18世紀中頃に現れた器楽組曲である。語源はイタリア語の「divertire(楽しませる、愉快にさせる)」に持ち、明るく軽妙で楽しく、深刻さや暗い雰囲気は避けた曲風である。フランス語ではディヴェルティスマン(divertissement)。日本語では嬉遊曲(喜遊曲、きゆうきょく)とも訳される。
貴族の食卓・娯楽・社交・祝賀などの場で演奏され、楽器編成は特に指定はなく、三重奏、四重奏、弦楽合奏、管楽合奏、小規模のオーケストラなど様々である。また形式・楽章数ともに自由である。演奏の目的を同じとするセレナーデと似ているが、セレナーデが屋外での演奏用であるのに対し、ディヴェルティメントは室内での演奏用だとされる。
18世紀にハイドンやモーツァルトらによって多くの作品が書かれ、19世紀にはいったん廃れたが、20世紀に復活し、バルトークらによって作品が残されている。
ディヴェルティメントの例
KV番号 | 調性 | 楽章数 | 楽器編成 | 作曲年月 | 作曲地 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
K113 | 変ホ長調 | 4楽章 | 2Cl,2Hr,2Vn,Va,BC | 1771.11 | ミラノ | |
K136 | ニ長調 | 3楽章 | 2Vn,Va,BC | 1772.1-3 | ザルツブルク | 実質的にはディヴェルティメントではなく、シンフォニア |
K137 | 変ロ長調 | 3楽章 | 2Vn,Va,BC | 1772.1-3 | ザルツブルク | 同上 |
K138 | ヘ長調 | 3楽章 | 2Vn,Va,BC | 1772.1-3 | ザルツブルク | 同上 |
K131 | ニ長調 | 7楽章 | Fl,Ob,Fg,4Hr,2Vn,2Va,BC | 1772.6 | ザルツブルク | |
K186 | 変ロ長調 | 5楽章 | 2Ob,2Cl,2E-hr,2Hr,2Fg | 1773.3 | ミラノ | |
K166 | 変ホ長調 | 5楽章 | 2Ob,2Cl,2E-hr,2Hr,2Fg | 1773.3.24 | ザルツブルク | |
K205 | ニ長調 | 5楽章 | 2Hr,Fg,Vn,Va,BC | 1773.7 | ザルツブルク | |
K213 | ヘ長調 | 4楽章 | 2Ob,2Hr,2Fg | 1775.7 | ザルツブルク | |
K240 | 変ロ長調 | 4楽章 | 2Ob,2Hr,2Fg | 1776.1 | ザルツブルク | |
K252 | 変ホ長調 | 4楽章 | 2Ob,2Hr,2Fg | 1776.1 | ザルツブルク | |
K188 | ハ長調 | 6楽章 | 2Fl,5Tp,Tim | 1776初 | ザルツブルク | |
K247 | ヘ長調 | 6楽章 | 2Hr,2Vn,Va,BC | 1776.6 | ザルツブルク | |
K251 | ニ長調 | 6楽章 | Ob,2Hr,2Vn,Va,BC | 1776.7 | ザルツブルク | |
K270 | 変ロ長調 | 4楽章 | 2Ob,2Hr,2Fg | 1777.1 | ザルツブルク | |
K289 | 変ホ長調 | 4楽章 | 2Ob,2Hr,2Fg | 1777初夏 | ザルツブルク | 偽作説がある |
K287 | 変ロ長調 | 6楽章 | 2Hr,2Vn,Va,BC | 1777.6 | ザルツブルク | |
K334 | ニ長調 | 6楽章 | 2Hr,2Vn,Va,BC | 1779-80 | ザルツブルク | |
K522 | ヘ長調 | 4楽章 | 2Hr,2Vn,Va,BC | 1787.6.14 | ウィーン | 「音楽の冗談」 |
K563 | 変ホ長調 | 6楽章 | Vn,Va,Vc | 1788.9 | ウィーン |
- シューベルト:ハンガリー風ディヴェルティメント(3楽章、1824年、ピアノ連弾)
- フェルナンド・ソル:6つのディヴェルティメントOp.1、Op.2(ギター)
- ルーセル:ディヴェルティスマン(単一楽章、1906年)
- イベール:室内管弦楽のためのディヴェルティスマン(6楽章、1930年)
- ストラヴィンスキー:『妖精の接吻』からのディヴェルティメント(6楽章、1934年/1949年改訂)
- バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント(3楽章、1936年)
- パーシケッティ:吹奏楽のためのディヴェルティメント(6楽章、1951年)
- バーンスタイン:管弦楽のためのディヴェルティメント(8楽章、1980年)
- ギーゼキング:クラリネットと弦楽四重奏のためのディヴェルティメント(年代不明)
- 鈴木輝昭:ディヴェルティメント(チェロ合奏のための)(2011年)
- ヴェースピ:ディヴェルティメント(2011年)
ディヴェルティスマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 06:34 UTC 版)
「バレエ用語の一覧」の記事における「ディヴェルティスマン」の解説
Divertissement(フランス語発音: [divεrtismɑ̃]、「余興、気晴らし」の意)。ディベルティスマンとも。ストーリーの流れとは直接関係のない、多彩な小品が連続して踊られる場面のこと。しばしば技巧的な振付でダンサーの見せ場となることもある。
※この「ディヴェルティスマン」の解説は、「バレエ用語の一覧」の解説の一部です。
「ディヴェルティスマン」を含む「バレエ用語の一覧」の記事については、「バレエ用語の一覧」の概要を参照ください。
- ディヴェルティスマンのページへのリンク