コーラングレとは? わかりやすく解説

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コーラングレ【(フランス)cor anglais】

読み方:こーらんぐれ

⇒イングリッシュホルン


イングリッシュ・ホルン(コーラングレ)[En-glish horn / corno Inglese(仏) / E.Hrn]

イングリッシュ・ホルンは、コーラングレ(Cor Anglais)とも呼ばれ、オーボエよりも5度低い移調楽器。つまり、楽譜上のCの音は、5度低いFの音となって発音される。オーボエの同族楽器だが、音域が低い分、管が長く、また、ベル(あさがお)が、球状にふくらんでいる点が異なっている。17世紀頃、ショームから生まれたといわれ、オーボエ・ダ・カッチャ(狩りのオーボエ)と呼ばれたこともあった。18世紀には、一般に曲がった管で、中にはオーボエのようなベルをもつものもあったが、19世紀に、直管と球状ベルに定着した。19世紀中頃から、大編成の管弦楽にはしばしば用いられるようになった。ベルリオーズの「幻想交響曲」の第3楽章では、イングリッシュ・ホルンとオーボエによる羊飼いの笛の対話に始まる。また、フランクの「交響曲ニ短調」の第2楽章のゆるやかな旋律を、この楽器が柔らかく歌い上げている。そのほか、ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」序曲、ロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲、ドボルザークの交響曲「新世界より」でも、イングリッシュ・ホルンの独奏が聴かれ、親しまれている。

コーラングレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/18 10:42 UTC 版)

コーラングレ コーラングレ
別称:イングリッシュホルン
コルノ・イングレーゼ
各言語での名称
英 cor anglais,
english horn
独 Englisches Horn,
Englischhorn
仏 cor anglais
伊 corno inglese
中 英国管、英國管
分類

木管楽器 - ダブルリード族

音域
実音記譜
コーラングレの音域(実音)
関連楽器

コーラングレ(コール・アングレ、仏: Cor anglais)またはイングリッシュホルン(英: English horn)、コルノ・イングレーゼ(伊: Corno inglese)は、ダブルリードの木管楽器の一種である。名称は全て「イングランドのホルン」の意味。オーボエ(C管)と同族のF管楽器で、オーボエよりも低い音を出す。まれにアルトオーボエ(alto oboe)と呼ばれることもある。

概要

コーラングレは、楽器の先端部(ベル)が、しばしば「洋梨」と形容されるように、丸く膨らんでいるのが外観的な特徴である。オーボエと同じ指使いでオーボエより完全5度低い音が出る(つまり、楽譜上の記音「ド」(ハ、C)の音を出すと、実際にはその下の「ファ」(ヘ、F)音が出る)。このため、オーボエ奏者が演奏しやすいよう、オーボエと同じ指使いの音を同じ音符で書く。従って、記譜された音から完全5度低く鳴るヘ調の移調楽器である(ごく稀に、アルト譜表に実音で記譜されることがある)。オーケストラではオーボエ奏者が持ち替えて演奏することが多い。

音域は2オクターブ半ほどである。ただし、オーボエの最低音変ロ(B♭)音に相当する音[実音で中央ハの下の変ホ(E♭)]を持たない楽器も珍しくない。

古典派の交響曲で使われることは少なかったが、ベルリオーズやフランクなどのロマン派時代から多用されるようになった。その独特の牧歌的でエキゾチックな響きから、オーケストラにおいては独奏楽器的な扱い方をされる場面も少なくない。基本的にはオーボエ奏者(性質上、2番奏者)が持ち換えるが、3管以上の編成では単独のパートとして書かれた楽曲も多い。

歴史と語源

コーラングレの原型となったオーボエ・ダ・カッチャ

「コーラングレ」はフランス語で「イングランドのホルン」という意味だが、この楽器はイングランドとも(フレンチ)ホルンとも関係がない。コーラングレは1720年ごろにおそらくブレスラウのヴァイゲル家により、オーボエ・ダ・カッチャ(英語版)(イタリア語で「狩りのオーボエ」の意味)式の曲がった管体にあわせて球根形のベルをつけたことに始まる。2つのキーを持ち、ベルが開いていて、まっすぐなテノール・オーボエ(フランス語で「taille de hautbois」)、および朝顔形のベルをもつオーボエ・ダ・カッチャは、中世の宗教画に出てくる天使が吹くラッパを連想させたため、ドイツ語で「engellisches Horn」すなわち「天使の角笛」とよばれるようになった。engellisch という語は「天使の」のほかに「イングランドの」という意味もあったため、「天使の角笛」から「イングランドのホルン」に変化した。ほかによい別な名がなかったため、オーボエ・ダ・カッチャが1760年ごろ使用されなくなった後になっても、この曲がった球根形ベルをもつテノール・オーボエは同じ名前で呼ばれつづけた[1]。

コーラングレ専用のパートを持つ最古の管弦楽譜は、1749年のニコロ・ヨンメッリのオペラ『エツィオ』のウィーン版で[2]、ここではイタリア語で「corno inglese」と呼ばれている[3]。それにつづく1750年代のグルックとハイドンの作品でも同様である[4]。ほかにジュゼッペ・ボンノ、ヨハン・アドルフ・ハッセ、ヨーゼフ・シュタルツァーらのウィーンの作曲家や、ザルツブルクのミヒャエル・ハイドンが初期のコーラングレの使用者だった[1]。またグルックに影響された人々、特にエクトル・ベルリオーズもコーラングレを使用した[1]。コーラングレはまた18世紀末のイタリアオペラで使用された[1]。最初のコーラングレ協奏曲は 1770年代に書かれた。「コーラングレ」という名前からは皮肉なことに、フランスでは1800年ごろ、英国では1830年代になるまでコーラングレは使用されなかった[4]。「イングランドのホルン」に相当する名前は、イタリア語・フランス語・スペイン語などヨーロッパの諸言語でも使われている。

コーラングレの「アングレ」が中世フランス語の「anglé」(角ばった、角で曲がった。現代フランス語のangulaire)がくずれたものだという説が提唱されたこともあるが[5]、この説は19世紀に cor anglais という語が出現する以前に cor anglé という語が使われたという証拠がないことから否定されている[6]。この楽器の名が普通に現れるようになるのは、1741年以降のイタリア・ドイツ・オーストリアのスコアで、通常はイタリア語で「corno inglese」と記されている[7]。

フランスでは19世紀のヴォーグト (Gustave Vogt) という名オーボエ奏者がコーラングレを得意とし、ロッシーニの『ウィリアム・テル』(1829年)序曲の有名なコーラングレのソロは彼による独奏を想定して書かれた[1]。ベルリオーズもヴォーグトを尊敬し、『ファウストからの8つの情景』作品1(1828-1829年)や『幻想交響曲』(1830年)でコーラングレを使用している[1]。ヴォーグトはギヨーム・トリエベール (de:Guillaume Triébert) と共同して楽器を改良し、その子のフレデリック・トリエベールが1860年代に開発した楽器では管体がまっすぐになった[1]。1881年にトリエベールから独立したフランソワ・ロレ (F. Lorée) によって現代の形のコーラングレが作られた[1]。

19世紀の最後の四半世紀を通じて、英語では、フランス語名「cor anglais」とイタリア語名「corno inglese」だけが使われた[8]。いまでも英語圏でフランス語名が使われているのは注目に値する。英語の口語では常に「cor」と呼ばれる[9]。

主な製造会社

  • フランス
    • ロレー F.Lorée
    • リグータ Rigoutat
    • マリゴ Marigaux
  • アメリカ合衆国
    • ラウビン A. Laubin
    • フォックス Fox  管体にメープルを用いており重量が軽いといった特徴がある [10]
  • ドイツ
    • メーニッヒ

コーラングレが活躍する楽曲

協奏曲

室内楽曲・独奏曲

管弦楽曲等

吹奏楽曲

その他

脚注

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 Michael Finkelman (2001), “Oboe: III. Larger and Smaller European Oboes, 4. Tenor oboes, (iv) English horn"”, in Stanley Sadie, John Tyrrell, The New Grove Dictionary of Music and Musicians, 18 (2nd ed.), London: Macmillan Publishers, pp. 282-283, ISBN 0333608003
  2. ↑ History of the English horn/cor anglais at the Vienna Symphonic Library
  3. ↑ Adam Carse, Musical Wind Instruments: A History of the Wind Instruments Used in European Orchestras and Wind-Bands from the Later Middle Ages Up to the Present Time (London: Macmillan and Co., 1939): 144.
  4. 1 2 Michael Finkelman, "Die Oboeinstrumente in tieferer Stimmlage – Teil 5: Das Englischhorn in der Klassik", in Tibia 99 (1999): 618–24. (ドイツ語)
  5. ↑ Michael Kennedy, "Cor anglais", The Oxford Dictionary of Music, second edition, revised, Joyce Bourne, associate editor (Oxford and New York: Oxford University Press, 2006); A. J. Greimas, Dictionnaire de l'ancien français jusqu'au milieu du XIV siècle, second edition (Paris: Librarie Larousse, 1968): 31. ISBN 2033402061.
  6. ↑ Adam Carse, Musical Wind Instruments: A History of the Wind Instruments Used in European Orchestras and Wind-Bands from the Later Middle Ages Up to the Present Time (London: Macmillan and Co., 1939): 143; Sybil Marcuse, "Cor anglais", in Musical Instruments: A Comprehensive Dictionary, revised edition, The Norton Library (New York: W. W. Norton, 1975). ISBN 0-393-00758-8.
  7. ↑ Willi Apel, "English Horn", The Harvard Dictionary of Music, second edition (Cambridge: Harvard University Press, 1969). ISBN 0674375017.
  8. ↑ William Alexander Barrett, 1879. An Introduction to Form and Instrumentation for the Use of Beginners in Composition (London, Oxford, and Cambridge: Rivingtons, 1879): 55.
  9. ↑ Norman Del Mar, Anatomy of the Orchestra (Berkeley: University of California Press, 1981): 143. ISBN 0520045009 (cloth); ISBN 0520050622
  10. ↑ FOX Winds - ENGLISH HORN

関連項目


コーラングレ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/05 11:44 UTC 版)

語源

フランス語 cor anglais(イギリスの角笛)の音写。

名詞

コーラングレ

  1. (楽器) ダブルリードの木管楽器の一種。イングリッシュホルンとも。

翻訳

異表記・別形




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