召喚儀礼の用語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 14:50 UTC 版)
「未踏召喚://ブラッドサイン」の記事における「召喚儀礼の用語」の解説
召喚師 職業的召喚師を指して言われる。『被召物』の「名前を刻み(=『花弁』をスポットに打ち込む)」、依代に憑依させる事で召喚儀礼を執り行う者。 一般に、獲得アワードが多い召喚師ほど腕が高いと評価される。召喚師には特別な才能は不要で、誰でもなることが出来る。特に強力な召喚師には通り名がつく。これは第三者の間で勝手に流通するものだが、ルーキーが名を売るために自ら流布する場合もある。 獲得アワードが100を超えた辺りから、扱う「大きすぎる存在(被召物)」とその痕跡から目を背けようとする精神的な働きによって、召喚儀礼の業界に関わらない人間からは意識を避けられるようになり、最終的に相手の視界から離れる度に忘れられてしまうようになる(もう1度会えば思い出すものの、当人に忘れているという認識はない)。 召喚師が召喚儀礼の敗北のペナルティを負うのは、防護円が展開され依代と意志が接続された場合のみである。 依代 『被召物』を憑依させる対象となる者を指す。召喚儀礼は召喚師のみでは成り立たず、契約した依代と一組となって初めて可能となる。 召喚師と異なり特殊な才能(霊媒体質)が必要。『人間』という定義を示すに値する人物ほど被召物から契約対象として認識されやすく、人間側からも憑依中に同調しやすいため依代として優秀であるとされる。「戒めの象徴」を身に着け自身の心理状態を外部から制御する事で、怨霊や邪悪な精霊などの『呼び出してもいないもの』に憑依されないようにする必要がある。霊媒体質の保有者は戦闘中に被召物からの干渉が強すぎるため、召喚師としては成立しない。 獲得アワード数は契約した召喚師に依存し、100を超えた辺りから召喚師と同様に一般人からは視界から離れる度に忘れられるようになる。 本質的に依代側が『被召物』の肉体を完全に操る事はできず、『被召物』の行動の源泉たる「肉を喰いたい」「血を吸いたい」などの欲望の対象(照準)を別のものへ向ける間に合わせの照準制御しかできない。依代側が強く意識を保たなければ、『被召物』は無秩序な破壊を撒き散らす。『被召物』を憑依させている間は召喚師とテレパシーのように思考を通じ合わせることができる。 召喚師の世界へ飛び込んで依代となる人間には碌な出自の者がいないとされる。憑空暴走(イマジナリーフラッシュバック) 依代が陥る軽度の召喚エラーの一つ。被召物に変じる前に抱えていた不満や欲求が、元の体に戻った途端に倍加して噴き上がる特有の現象。 契約 召喚師と依代は2人一組のペアを作り、契約が結ばれる。契約の更新がある場合などは、新しくペアを組む双方の完全な合意の上にのみ成り立ち(脅迫・気絶中・催眠・暗示下では適用されない)、契約関係が上書きされるため、旧ペアの都合は考慮されない。この契約の仕組みは未だ謎が多く、思わぬ副作用が生じる懸念もあるとされている。肉眼で依代を捉えられる範囲に限り、召喚師側からのみ契約を解除できる。依代に被召物が憑依している状態では、契約を解除する事はできない。契約を解除した依代はアワードが0に戻る(浄化される)。 アワード 自身の所属する勢力が契約した未踏級の『大三角』から、その召喚師の言動の結果によって魂に直接刻まれる形無き報酬。 獲得アワードが100を超えた辺りから召喚師や依代は一般人に認識されなくなる。正しくは「全力で意識を逸らされる」といった状況に陥り、目で見ることはできても、視界から外れた途端に存在を忘れ去られる。召喚儀礼が世に広まらないのは単純にこういった理由が原因で、「大きすぎる存在(被召物)」やその痕跡を真正面から受け止められるほど一般人の精神は強くないからである。 召喚師の間では「各々の組織で定めたアワードの獲得数が1000に達すると棲む世界が逆転する」という伝説が信じられ、アワード1000(サウザンドイーター)になると現世と異界がひっくり返り「向こう」の存在として、新たなる神話の主役として既知の神々と立ち並ぶ、とされている。アワードは獲得数が上がれば上がる程に新アワードの獲得難度が恐ろしく高くなり、作為的な到達不能点を設定しているのでは、とも囁かれている。 香煙(インセンス) 西洋魔術の儀式場に焚きしめる事で俗世から隔離し、術者達の精神的トランスを促す香料。励起手榴弾(インセンスグレネード) ヘアスプレーくらいの大きさの300g程度の金属缶で、ピンを抜いてから約3〜5秒で起爆する。衝撃波や破片ではなく『香』を辺りに噴出し、同時に起爆地点に光を使った複雑な紋様が描かれ、その起爆地点の面に接着するように『人工霊場』を展開する。 人工霊場の展開には条件があり、起爆時に標的を目視することが必要となっている。この『標的の定義』は使用者のイメージに依存し、例え敵が着ぐるみ姿であっても、その中にいる相手を明確にイメージする事ができれば『標的』として人工霊場の構築に成功する。故に、正確な形をイメージできない「強烈な逆光」「分厚い雲」などには認識を阻まれやすい。仮に視認できない場合は起爆しても何も起こらず、依代と契約していない場合も効果は見られない。 効力は10分程度で、時間が過ぎると人工霊場は消失する。また、使用者の召喚師と依代は起爆時にその地点へ重力や慣性などの物理的な制約を無視して引き寄せられる副次的効果がある。 励起手榴弾は個々の召喚師ごとに繊細な調合を行う必要があるため、敵から鹵獲しても使用できず量産化もできない。そのため、物資を補給するには自作するか専門の業者に頼るしかない。 霊場 深山幽谷や熱帯雨林といった前人未到の秘境や、神宮、聖堂、神殿などの「わざわざ覗こうとは思わない」「深入りするくらいなら関わらない方が良い」といった自然な忌避感情を呼ぶ場所。昔は「どこでも神様は現れる」と信じられてきたが、改めて宗教関係者が計算したところ、実際に降りて来られる場所や条件は極端に少ないことが判明した。中途半端な聖域であれば相当数あるが、そういった場所は『出口』が詰まって心霊スポットに化けるケースが多い。人工霊場 励起手榴弾によって展開される青く輝く霊場。最小で一辺20mの立方体をとり、内部で召喚された被召物の大きさによってその都度拡縮する。励起手榴弾使用者の召喚師・依代、そして彼らから標的として目視された者や『白棘』『花弁』にのみ物理的な壁のように機能し脱出を物理的に阻む。 励起手榴弾の炸裂時に最も距離が近い面が人工霊場の基準面(地面)と認識され、その面から疑似重力が働く。そのため壁や天井で起爆した場合は、霊場内部の人間は本来の重力を無視して壁や天井に立って行動する事となる。基準面が移動するもの(乗り物の上など)だった場合、戦っている当人達を基準に『薔薇』『花弁』『スポット』も自動的に相対速度が合わされる。 人工霊場の基準面(地面との接着面)が破壊された場合、励起手榴弾の使用者が次に足で触れた地点が基準面となって人工霊場が再構築され、『花弁』は古い人工霊場から新しい人工霊場へと移動する。この時、疑似重力とスポットも上書きされる。足場が崩壊し人工霊場が浮いている状態ではスポットは消失する。 人工霊場内の召喚師や依代は肉眼以外のセンサーやカメラには映らない。融合した人工霊場の主格は、最初に展開した使用者に依存する。 契約に用いる血の筆跡(ブラッドサイン) 『白棘』に干渉できる唯一の祭具であり、召喚師はこれを用いて召喚儀礼を執り行う。 種々様々な宗教によって名称は異なるが、職業的召喚師においてはこう呼称される。召喚師によって形やサイズは様々だが、多くは180cm以上もの長大な棒状。 白棘 人工霊場の展開時に召喚師の手前に3個現れる白珠の光。10秒で1つが手元に補充され、手元に浮遊させてストックしておける数は最大で7つ(ブラッドサインに弾かれ人工霊場内を動いている『白棘』はストック数にカウントされない)。 召喚師や『被召物』や『防護円』は素通りする。一方で、召喚師が(ブラッドサインを通じて)干渉できる唯一の存在。召喚師はこの『白棘』をブラッドサインで弾き『花弁』へ衝突させることで間接的に『花弁』を操作する。地面・壁などの物体や人工霊場の端にぶつかって反射を繰り返し、3秒間動きを止めると自然消滅する。よって静止から3秒以内にブラッドサインで動かすことが出来れば再利用可能。 既に展開され固定された人工霊場へ外から第三者の召喚師が踏み込む場合、『白棘』を3個消費する必要がある。 花弁 ある『音域』とアルファベット1文字をそれぞれ刻まれた林檎大の真紅の球形の光。 召喚師・『被召物』・『防護円』は素通りし、ブラッドサインを以てしても直接的な干渉はできない。『白棘』とは異なり、動きを止めても消滅せず浮遊する。 人工霊場の発生時、及び4種類ある各『音域』の内1種類の『花弁』全てが消費された時、『花弁』216個が凝縮された『薔薇』として補充される。『薔薇』がどのような配列パターンの構成になるかは地形に依存する。 スポット 人工霊場の展開時に霊場内部に36か所発生する、握り拳大の「どの方向から接触しても落ちる穴」。発生位置は地形に依存する。召喚師が『白棘』を介して『花弁』を『スポット』に落とす事で、花弁に刻まれたアルファベットを召喚に使用できるようになる。自然に落ちた花弁はどちらの召喚師のものにもならず消費される。 音域 『花弁』並びに『被召物』が持つ音の因子。高音・中音・低音・極低音の4つが存在する。 『被召物』においてはこれが属性として機能し、高音が中音に強く、中音が低音に強く、低音が高音に強いという三竦みの関係になっている。 『花弁』に於いてはアルファベットに応じてそれぞれbcdfghjが低音、klmnpqrが中音、stvwxyzが高音、aiueoが極低音である。 被召物(マテリアル) 異世界の住人、この世ならざる存在と呼ばれる。意味は「意思を求めぬ道具としての脅威」。 各々の召喚師が『スポット』へ落としストックした『花弁』を取捨選択して適宜並べ替え、その『花弁』に刻まれたアルファベットで『被召物』の名を刻み、その名と一致する被召物を召喚する。スポットに入れた『花弁』は消費せずに放棄することも可能で、『被召物』の召喚が行われる度にスポットに入れていた未使用の『花弁』は全て自動的に放棄される。また、同コスト同アルファベットの『被召物』でも様々な種類の『被召物』が存在する。 この際使用される『花弁』は特にコストと呼ばれ、基本的にはコストが多ければ多いほど強力な『被召物(マテリアル)』とされ、コストとして使用された中で高音・中音・低音のいずれか一番多いものがその『被召物』の音域となる。この音域は被召物同士の戦いにおいて影響力が強く、コスト差が10以上開かない限りはどう足掻いても音域の力関係は覆せない。 召喚儀礼開始時はコスト1の被召物しか召喚出来ず、コストの多い『被召物』を召喚したければ、コスト1つずつ上げて順番に上書きしていかなければならない。上記の音域の関係性から、召喚師は基本的に相手の『被召物』より優位になるように音域を調整しながらよりコストの高いものの召喚を狙って戦うこととなる。 『被召物』には規格級・神格級・未踏級の3つのランクが存在し、それぞれ絶対的な力の差がある。 ブラッドサイン式では『音域』と『コスト』によって召喚物の強さが決まる。規定級 人が神へ手を伸ばす足掛かりとして、人為的に組み立て異世界へ埋め込まれた存在。規定級のみ、同時に同じ被召物をその場に別々に召喚する事が可能。 『規定級』一覧 始祖の黄《s》 高音のコスト1。召喚儀礼で最初に呼び出される『始祖』シリーズの内の一体。不自然に黄色く色付けされた、全長3mの巨大な半透明の粘液の塊。総体積は700ℓ。 食する花《lvz・j》 高音のコスト4。赤い粘液状の肉体からタコのように根を蠢かせて這いずり回る食人花。 装甲獣《dr・zx》 高音のコスト4。黄金の西洋甲冑を組み合わせて作り上げた、凶暴なライオンの姿をしている。 舞う槌《kk・hdi》 高音のコスト5。 捕食火《lvz・wzb》 高音のコスト6。巨大な炎の中に怒れる頭蓋骨のようなものを内包した、飛び跳ねる化け物。 天空の刃《tix・a・wuh》 高音のコスト7。 呪いに燃える亡者《ov・ou・q・ye》 高音のコスト7。人の形を保てずに自家生産の呪いを燃やす、絶えず七色に色彩を変化させていく炎の塊。取り込んだ者を内側から膨張破裂させる、負の感情の量産装置。 DECテンタクル《nu・o・re・a・btv・ag-y》 高音のコスト12。黄金色の瞳を輝かせ、触手状の腕の代わりに10本の太い鎖を生やした巨大な烏賊の化け物。鎖の足を振り回して攻撃する。 悪食喰らう貪欲なる蜘蛛《nu・wm・ei・ivz・fc・o・zi》 高音のコスト14。全長3m前後の、赤と黒に染め上げられた凶悪な大蜘蛛。巣は張らず、標的にのしかかり牙から注入した消化液によって敵を内側からドロドロに溶かす。 風を喰らい障壁踏み抜く馬《va・ei・lvz・km・ei・ox・cec・uy》 高音のコスト18。列車の車両に匹敵する巨体を誇る暴れ馬。突撃して目の前に存在する突起を片っ端から真っ平らに地均しして攻撃する。 螺旋に捻じれ表裏余さず貪る蛇《gv・ou・jz・eu・ao・iu・ei・bf・lvz・yx》 高音のコスト21。長大極まる蛇がバネやコイルのように自らの体を巻き、さらに太い強靭な大蛇へと姿を変えたもの、あるいは鱗の光沢は一つ一つが蛇の集合のようにも見える。マクロに見ればどこまでも肥大化、ミクロに見ればどこまでも極小化し、見る者の精神を丸呑みして棒立ちさせ、次の一撃を確実にする不可避の脅威。 妖花に囚われ甘き腐臭を振り撒く魔女《su・j・ou・ve・bo・xm・wg・ei・ig・ta・ux》 高音のコスト21。無数の太い蔦をのたくらせる巨大な花の中央から妖艶な毒婦が上半身だけを飛び出しているような姿。その身をくねらせる度に強烈な引力じみた甘い匂いで敵を誘い出し、致死圏内に入れば途端に蔦の槍で全身を貫き養分を吸い取るカウンター専門の戦い方をする。 無数の獣の頭束ねし紅蓮の災厄《nic・a・zx・a・c・ei・tf・b・qux・wzb・a・hatl》 高音のコスト24。一つ一つが1m以上ある竜や猛獣の頭を数十束ねた、醜悪のボールのような被召物。無数の紅い瞳を持つ。全ての口から衝撃波じみた咆哮を放って攻撃する。 紫電渦巻く灼熱に爛れた殺意の笑顔《kub・miq・a・sx・wzb・mu・ou・vew・l・a・zfc》 高音のコスト24。空間に浮かび上がる、ネオンのような青紫の閃光が作り出す10m以上の巨大な笑顔。触れた者や不用意に近づいた者を焼き焦がす。 始祖の緑《k》 中音のコスト1。召喚儀礼で最初に呼び出される『始祖』シリーズの内の一体。不自然に緑に色付けされた、全長3mの巨大な半透明の粘液の塊。総体積は700ℓ。 貪る翼《lvz・fd》 中音のコスト5。鳥というよりも巨大なエイと生々しい人間の歯並びを組み合わせたような怪物。 束縛される鎧《re・ia・dr》 中音のコスト6。 鋭利な人魚《nal・cb・a・pl》 中音のコスト8。 呑み込み消化する革袋《jkv・jkv・kmol・m》 中音のコスト11。 樹木手《tzf・qux・o・alc・a・ge》 中音のコスト13。地面から直接大木のように生えた巨大な腕。 黒き欲を引きずり出す宝石蠅《iu・fc・ei・upm・np・sq》 中音のコスト13。一匹一匹が色とりどりの美しい宝石でできた、数千数万ものハエの嵐。その光で獲物の魂を掴んで引き寄せ、両手でかき集めれば無数の病原菌を浴びせて犠牲者を極彩色のカビで彩る極彩色の魔物。 怨讐滴り落ちる長い髪の赤き日記帳《ov・an・le・rx・n・a・b・er・ju》 中音のコスト15。浮遊する巨大な本にして、そのページの隙間からドロドロに崩れた長い髪を吐き出し続ける奇怪な日記帳。本質的には捕食者であり、犠牲者をプレスする事で足りないページの充填にかかる。 虚空を蝕む悲劇に膨れた醜く哀れな虫《lu・ei・map・ab・ou・od・nu・mel・o・yi》 中音のコスト21。乗用車を超えるほどの巨大な芋虫。蠢き、貪欲に口を動かす度に、葉を抉るように景色を蝕む食欲の権化。 鋼色に輝くマンティスリーパー05《vi・ou・quc・sn・a・rol・ei・yw・fv・li》 中音のコスト21。鋼色の鎧を組み合わせて作り上げたような5mを超える巨大なカマキリ。レーザーブレードのように輝く大鎌でもって全てを引き裂き、喰い込ませ、口元に運んで咀嚼する、究極の捕食者。 全身憎悪の杭で埋め尽くされし哀れなる人形《jok・bf・ei・md・a・xov・wuz・r・mel・oq》 中音のコスト22。全身を鎖で戒められた等身大の人形に、無数の鉄の杭を突き刺されてある怪物。自身に貫通している杭を血の力で高速射出することで攻撃し、自分と同じ道連れを作り出す。 老化に沈め寿命刈り取る泡立つ歯車《nj・ou・ha・jv・a・lm・ei・tz・kr・no・xi・g》 中音のコスト22。大小無数の歯車の集合体。噛み合う歯車の音を標的の耳に滑り込ませ、呪詛か何かのように対象の体構造を急激に老化させていく奇怪な攻撃を好む嗜虐者。 紫電渦巻く虚空の海を渡る泳ぐ鮫の王《kub・miq・sx・lu・a・hf・ei・tok・enl・a・vjz》 中音のコスト25。トレーラーサイズの、空中を自在に泳ぐ膨張しきった人喰い鮫。鋭い歯を噛み鳴らす度に青白い火花が炸裂し、アーク溶断を遥かに超える超高音にて徹底的に噛み砕く。 始祖の赤《b》 低音のコスト1。召喚儀礼で最初に呼び出される『始祖』シリーズの内の一体。不自然に赤く色付けされた、全長3mの巨大な半透明の粘液の塊。総体積は700ℓ。 鬼躯《w・m》 低音のコスト2。 突撃魚《nh・cb》 低音のコスト4。闇夜を自在に泳ぎ回る、剣のような一本角を備えた巨大魚。 鮮血追う槍《bih・ei・dp・tq》 低音のコスト9。5m以上の空飛ぶ巨大な槍。 砂塵舞う蠍の尾《hu・ce・kk・di・a・x》 低音のコスト10。 牙を隠し持つ眼球《t・ei・d・ko・fb・ji》 低音のコスト10。 敵視する巨眼《cuw・nu・o・qux・o・ag・du》 低音のコスト14。人間の腕ほどの太さの有刺鉄線を丸めた、直径5mもの球体。球体の中心に紅い瞳がある。膨張して有刺鉄線の直径を広げる事で攻撃する。 浮遊する血を求めし大槌《zn・bih・ei・xa・qux・hdi》 低音のコスト15。血塗れの巨大なハンマー。先端のヘッドは黒く磨かれた石。 無邪気なる漆黒に膨張する人喰いのぬいぐるみ《mul・o・iu・ou・dhc・weq・ei・lvz・a・icg》 低音のコスト23。ズタズタに引き裂かれた巨大なぬいぐるみであり、切り裂かれた布の隙間からは真綿の代わりに赤黒い闇が噴き出している。噛み付いたり切り裂いたりするような攻撃はせず、その代わりに腹の中に標的を呑み込み汚染する。 眼前の敵対する全てを吹き飛ばす鋭利な衝撃波の翼《du・vo・a・cuw・bf・ei・zix・nal・me・a・qi・a・fd》 低音のコスト26。プロペラのように八枚の翼を円形に配置した奇怪極まる巨大な鳥。その翼を羽ばたかせれば周辺一帯へ隈なく衝撃波を撒き散らす。また、凹型の鏡で光を集めるように、衝撃波を一点に集中させて敵対者を圧搾できる。 SSCforパペット#2000《yi・a・ns・ou・wh・ia・iu・seb・e・hig・o・sd-c・li・dr・oq》 低音のコスト30。ほとんど透明な糸で操られる、まるで瞳のような紅い光を兜の隙間から洩らすだけの中身のない巨大な鎧。20m大の無機物でありながら獣のような臭気を発し、爪や牙に似た鋭い突起で攻撃する。 あまねく災禍を前に脱皮を繰り返し不滅の肉体を保つ蛇達の王《bf・hatl・ei・vo・ou・dv・ei・bc・iu・jkv・a・jok・lv・nic・a・yx・vjz》 低音のコスト38。とぐろを巻いている状態でなお見上げるほどに巨大な赤き蛇。 他にも、「血塗れの斧を持つぬいぐるみ」、「子供の悪戯で脚や鋏をもぎ取られその代わりに車輪やカミソリの刃を取り付けられた巨大なクワガタ」、「自由に動き回る超重量の歯車」、「金属製の顎を持った巨大な狼」、「全身が炎に包まれた大蛇」、「大空を切り裂く巨大魚」、「人の顔を持つ蜂の女王」、「縁にびっしりと牙のついた巨大な傘」、「殺人ギミック満載の女神像」、「複数の鎖を束ねた大蛇」、「人の皮を縫い合わせたからくり人形」、「無数の目玉が張り付いた古書」、「側面に巨大な笑顔の張り付いた歯車」、「図鑑には決して載っていない恐竜」、「燃え盛る鉄球」「化ける箱《rum・te》」「巨大な腐った猛犬」「花びら代わりに無数の刃を咲かせた食人植物」「ひび割れた全身の隙間から丸々太ったウジを湧き出させる美しい西洋人形」などが作中で登場した。 神格級 世界各地の神話の神格や怪物などが各々個別に発生した異世界の住人。規格級では音域の関係で有利であってもなお太刀打ちできない程の力を有する。規格級100体を召喚しなければ召喚できない。 同一神話内もしくは別の神話での関係性に応じて恐慌状態や混乱に陥るなど、コストや音域によらない相性の問題も存在する。 『神格級』一覧 セト《Set》 高音のコスト3。エジプト神話で大きく語られる、屹立した黒い人影。乾燥と暗黒を司る不義の象徴にして、冥界の王たる善神オシリスを殺害し、一時はその王位を簒奪した悪神。 ゼウス《zeus》 高音のコスト4。ギリシア神話において、父神の腹を切り開いて多くの兄弟を救い出した奔放な主神。 ファフニール《Fafnir》 高音のコスト6。黄金色の巨竜。 ネフティス《Nephthys》 高音のコスト8。エジプトの女神。被害者オシリスの妹にして加害者セトの妻、神殺しの罪を涙でもって洗い流す浄化と贖罪の女性神格。 カラドリオス《Caladrius》 高音のコスト9。人の体内を冒す病魔を吸い取り肩代わりする白き聖鳥。悪性を飲み干す力においては他の追随を一切許さない浄化の王。 ヴァルトラウテ《Waltraute》 高音のコスト9。北欧神話におけるヴァルキリー九人姉妹の四女。その意味は『戦場の勇気』。長い十字槍と菱型の盾を構えている。世界の危機を長女ブリュンヒルデへ伝えるためにあらゆる神々の目を盗んで一人で姉の元へ訪れた逸話がある。見た目はヴァルトラウテさんの婚活事情の彼女である。 ヘルメス=トート《Hermes-Thot》 高音のコスト10。古代エジプトの裁きの王にして、ギリシャのヘルメスと混同される事で新たな名と力を手に入れた犬頭人身の神。 トラソルテオトル《Tlazolteotl》 高音のコスト11。無数の羽飾りに彩られた、褐色の肌を大きく見せる半裸の美女。アステカにおける美と愛欲と不浄の淫魔とも、人の魂から悪意や憎悪を吸い取り肩代わりする女神とも記される存在。月の満ち欠けに応じて少女から老婆まで年齢を変え、人の罪を貪り食い、戦神として最前線に立つ女性形。 ロキ《Loki》 中音のコスト4。北欧神話におけるアース神族内部からの内通者。神々の敵対者を多数生み出し、その話術で敵味方を共に混乱させ、最終戦争ラグナロクでは悪の軍勢を率いてアースガルドへ進撃した虚言の神格。 リリス《Lilith》 中音のコスト6。アダムの最初の妻。体にリボンを巻いた金髪の美女と、その足元で大波を描く何千何万もの黒い蛇の集合体。 レモラ《Remora》 中音のコスト6。一度船底に張り付けばどのような船であっても動きを食い止める怪魚にして、さらに乗員を幻惑して海に突き落とす海の死神。 フェニックス《Phenex》 中音のコスト6。およそ500年ごとに炎の中から生まれ変わり、再生を繰り返す事で無限の生を手に入れた霊鳥。エジプトに伝わると言われながらも実際にそのような伝説はなく、出自も含めて謎の多い命の超越者。 メンルヴァ《Minerva》 中音のコスト7。ユピテルの額より完全武装した乙女の姿で現れ、古代都市ローマを守護した処女神。手にした盾は、石化した女怪の首をつけた、独立した伝説を持つ一品。 ボナコン《Bonnacon または Bonaconn》 中音のコスト8。自ら広範囲に撒き散らす汚物によって化学性の火傷を見舞う四足の獣。一度の攻撃で劇場1つを丸ごと呑み込む程の被害をもたらす。 ケルベロス《Kerberos》 中音のコスト8。三つ首を持つ巨大な黒い犬。ギリシャ神話において冥界を守る忠実な番犬。凶暴な乱杭歯の隙間から地の底の熱気を連想させる火の粉をこぼす。 カブラカン《Cabracan》 中音のコスト8。マヤ神話において地震の名を冠する巨人。 ケルヌンノス《Cernunnos または Kernunnos》 中音のコスト9。ケルトにおいて狩猟を司る冥府の王。生命の象徴として一対の動物の角を生やした獰猛な男性神格。 アンフィスバエナ《Amphisbaena》 中音のコスト11。体内で醸成する猛毒をより効果的に撒き散らすための、前後に二つの頭を備えた毒蛇。その効力は酒の神の対極に位置するほどの、悪性の酩酊の使い手。 プロメテウス《Prometheus》 中音のコスト10。ギリシア神話における文化英雄。神々の秘義であった火を盗み出して地上の人々に与えた事で、のちにパンドラの箱の不幸を全人類へ振り撒く結果をもたらした博識にして浅薄な神格。太い鎖に繋がれた大男であり、大罪人の象徴である炎を全身から発する。 信楽 真沙美 中音のコスト12。アワード3000に達した召喚師『世界の果て』が神格級へと転じた姿。色彩は濃紺、数は3、方位は北東、神職は守護神及び医術神、そして請け負う祈願は無病息災。完全な復活や転生とまでは及ばないが、死を排除した世界を30分ほど現世に浸透させる事が可能。これにより防護円の特性を拡張させる事ができる。 ヤマタノオロチ《Yamatanoorochi》 中音のコスト14。碧の光を放ち50m以上のサイズを誇る、八つの首を持ち神剣を内包する蛇。川と鋼と炎の蛇とも称される倭国の竜。 メフィストフェレス《Mephistopheles》 中音のコスト14。名前を後から付けられた出典不明の悪魔。 ルンペルシュテイツヒェン《Rumpelstilzchen》 中音のコスト15。親指ほどのサイズの小人。童話の中の妖精。 アスプ《Asp》 低音のコスト3。その視線で標的を眠りに陥らせ、回避不能の毒牙でもって確実に仕留める極限の毒蛇。呪によって操られ人の望む標的へ向かう精密誘導暗殺者でもある存在。 オーディン《odin》 低音のコスト4。北欧神話において、片目を抉り出して首をくくった槍持ちの主神。魔術の王。 ガルダ《Garuda》 低音のコスト6。インド神話におけるヴィシュヌ神の運び手であり、同時にあらゆる蛇の天敵たる巨大な鳥。 ヘカテー《Hecate》 低音のコスト6。ギリシア神話における三つの顔を持つ女神にして、あらゆる魔女達の始祖。月、夜、冥界の支配者にして、何より女性に力を与えて身を守る力を授ける女神。 アクリス《Achlis》 低音のコスト6。北方、極寒の地において一度でも倒れたら二度と起き上がれぬ代わりに誰にも追い着けない神速を手に入れた四足の聖獣。 ルシファー《Lucifer》 低音のコスト7。傲慢を司る悪魔の王。金星を象徴とする反逆者の長であり、天界の3分の1を悪の道へと染め上げた邪悪なるインフルエンサー。 ピュラリス《Pyrallis》 低音のコスト8。極小の蟲でありながら竜の頭を持ち、四本の脚と美しい羽でもって灼熱に煮えたぎった銅の沸き立つ火口を支配する者。 ニーズヘッグ《Nidhoggr》 低音のコスト8。北欧の悪竜。 リヴァイアサン(Leviathan) 低音のコスト9。50m以上の鉛色に輝く不気味な鱗で覆われた巨大魚。 ベルゼブブ《Beelzebub》 低音のコスト9。暴食を司る、丸々太った蝿の王。カナンの神話より切り分けられ独自の発展を遂げた、ありとあらゆる魔女に信仰されし夜の祝福を与えるサバトの管理者。 ケツァルコアトル《Quetzalcoatl》 低音のコスト12。アステカ神話において、巨悪と絡み合う事で絶えず新たな世界を作っては滅ぼしていく、羽毛に包まれし白い大蛇。 ポセイドン《Poseidon》 ギリシャ神話に伝わる、海を統べる三叉槍の王。 ルー《Lugh》 ケルト神話に伝わる、飛び道具を極めた光の王。 チェルノボグ《Chernobog》 スラブ神話に伝わる、死と冥府を束ねる黒の王。 他にも、「紅い瞳を持つ15mもの漆黒の竜」、「燃える魔剣を手にした10m近い紅い瞳を持つ巨人」、「金剛杵でもって雷撃を落とす黄金色の瞳の巨漢」、「復讐の女神として知られる紅い瞳の三姉妹」、「煙る鏡と呼ばれた黄金色の瞳の死神」、「世界中に風を起こす巨大な鳥」、「南洋の島を釣り上げた英雄」などが作中で登場した。 未踏級 全て人間の女性形の姿をしている、それぞれが色をベースに異界の理を一つ一つ管理する存在。その理を集約する事で『白き女王』から一つ一つ力や強さを奪い、異界の中で封殺する役割があるのだが、その法則や公式は破壊され完全に失われている。神格級を50体召喚するか、召喚する『被召物』の名を順番通り正確に刻むことで召喚出来る。人型の姿を取るためか、人郭は心臓部に格納される。 『フリーダム』、『ガバメント』、『イリーガル』にそれぞれ肩入れし召喚儀礼を取り仕切っている『大三角』と呼ばれる存在もここに属する。『大三角』の『被召物』は人類への面倒見がとりわけ良い。 『未踏級』一覧 穢れなき真実の剣持つ「白き」女王《iu・nu・fb・a・wuh・ei・kx・eu・pl・vjz》 音域の存在しないコスト21。未踏級の中でも頂点に位置する究極の『被召物』。「善性の塊」、「聖なる象徴」、「光輝の擬人化」、「たった一滴の汚濁も許さぬ白色」などと形容される。三大勢力に依存しない独自のアワードを持つ。詳細は「#メリー=アン / 穢れなき真実の剣持つ「白き」女王《iu・nu・fb・a・wuh・ei・kx・eu・pl・vjz》」を参照 殺しの箱を侍らせる「黄金」の遊女《hs a te ei yw az a hq》 高音のコスト14。華美を極めて逆に安っぽささえ見える宝石だらけの肉抜きドレスを纏う黄金の美女と、その足元でガタガタとひとりでに揺れ動く無数の宝箱や金貨袋の山。いずれも内部にびっしりと歯を並べ消化器官を備え邪な飢餓感に震える大規模なトラップ。 「黄」の鰓はためきし天空を総べる精霊《s・a・so・voz・tix・ei・yw・za》 高音のコスト16。召喚儀礼を束ね導く『大三角』の一つ。フリーダムに肩入れしている。自由の支配者を名乗り、「できない」や「不可能」といった単語を嫌う。 外見はオリエンタルな道服を纏い、額に符を貼ったキョンシーのような恰好の黄髪の女性。体を預けている三日月型ベッドは異形の塊であり、巨大な鳥の翼に獣の脚、蠍の尾ようにどこまでも伸びる魚の体に巨大な鰓、無数の血管と目玉が同居している。敵対者を己の夢の中に引き摺り込んで一方的に嬲り殺しにするため、現実世界でのスペックや戦闘準備を完全に無視した別次元の戦力を持つ存在。 『秘匿大戦』以前は召喚される事を煙たがり、『フリーダム』アワード500『完全平衡』として召喚師の振りをしながら現世に顕現し続けていた。 「七色」で埋め尽くす液化の捕食者《hb・e・wuz・vc・a・weq・ei・lvz》 高音のコスト17。CDの表面のように輝く半透明の液体でもって、ギリシア彫刻のような完全なバランスを保った美女。長いポニーテールを左右に振っているように見えて、実際には頭の先から足の指までその全てが消化液でできた捕食者。 虚ろなる財宝にて世界を満たす「緑」の悪女《lu・o・np・e・qo・ei・r・k・a・rum・pl》 中音のコスト18。召喚儀礼を束ね導く『大三角』の一つ。イリーガルに肩入れしている。好戦的かつ嗜虐的で、相手を傷つける事で理解を深める精神性を持つ。人間にアワードを与えるのは、彼らを遊び道具にして人間同士で争奪戦を起こさせる釣り餌にするため。 12歳程度の緑色に染めたショートヘアの少女の上半身に大蛇のような下半身の緑色の胴が伸びており、それで四つん這いになった15m以上の巨人の全身を戒めておる。首回りでハの字に交差するビキニのような蛇革の装束を上半身に纏う。巨人は数千万ものメッキの剥がれたブリキの杖を束ねてできた大男であり、『朽ちた父性権威の集合』を示している。巨人の表面から剥がれた杖が無数に突き出て、少女の蛇の胴体に突き刺さる度に『悪意』をメートル越えの巨大なシャボン玉として虚空に誕生させる。 恭介のことを「恭介ちゃん」と呼び、未踏級に関することを教えた。 猛火を倍加して送り出す「枯草色」の踊り子《zb・ei・sd・wp・e・be・xu・a・kk・pl》 中音のコスト18。カフェラテのような色の髪に華奢なシルエットの少女。枯草でできたおざなりや腰ミノや胸当て、胸元を彩るドライフラワーの首飾りをした格好。踊れば踊るほど引火の材料となる枯れ草を散らすが自分からは炎を放たないカウンター狙いの戦術を取る。 善悪分かつ「紫電」の淑女《iu・ao・eu・ei・kub・miq・a・ci・pl》 中音のコスト19。ボロボロに錆びた車椅子の上に腰掛ける、ショートヘアの小柄な少女。全身の要所を紫色の布で最低限覆った、踊り子のような衣装を纏っている。露出した肌は病的な印象を与え、斜めに傾いだ首や半端に前髪のかかる碧色の瞳からは意思が感じられない。レーザービーム状の閃光を放つ、遠距離からの光線狙撃に特化した戦法を扱う。 慈悲と尊厳ある死を招く「灰燼」の巫女《em・ao・lev・ck・rol・ei・vb・yu・a・ps》 中音のコスト22。女性らしい柔らかい曲線とギリシアの遺跡にある彫刻のような硬質さを相反する矛盾した存在。外見は巫女装束を纏う長髪の美女。色彩と温もりを失った『灰色』の本分は徹底した石化であり、どんな距離でも立て続けに猛毒や呪いを叩き込み、痛みなく体を傷つけずに魂だけを奪い去る、死神を超えた究極の生命の支配者。安楽死や遺体の永久保存など、心温まる冒涜の体現者。 星の海を泳ぐ奇怪なる「鈍色」の軟体《en・a・hf・ei・ja・o・cd・a・to・jok》 低音のコスト18。見た目こそ裸身の少女だが、腰から下はくすんだ鉛のような輝きを持つ巨大なタコの脚で埋め尽くされている。吸盤のついた無数の脚の全てが獲物の自由を奪い、少女の中心で咀嚼される。打撃、絞め技、寝技と近接スキルの全てを網羅するエキスパート。 罪過凶事を射抜き見通す「赤眼」の麗人《fa・ao・ab・ei・fj・cib・b・du・a・eif》 低音のコスト20。召喚儀礼を束ね導く『大三角』の一つ。ガバメントに肩入れしている。白き女王に屈服しながらも人間に共感し城山恭介に期待を寄せる。 本体は18歳程度の色白の少女の形をしている。足回りは漆塗りの下駄で、どこまでも伸びる赤い髪に、肢体をさらけ出すように前を全開にした楓柄の着物、その奥に覗くのは同色のワンピースの水着のようなもの。額を割り裂くように2本の角を持つ。本体の後方一帯には恐るべき質量の巨大な木製の歯車が噛み合わさっており、その歯車の連なりへと赤い髪が張り巡らされている。全体では20mほどの大きさ。 瞳は赤く、普段は瞼で閉じられているそれを見開けば、あらゆる凶事を的中させ、決定づけるとまで畏怖される。 特殊な被召物 清濁万象を呑み干す「漆黒」の顎《nu・lp・eu・bf・zuh・ei・jkv・iu・a・xw》 特定の禁忌(後述)を犯すと犯した召喚師の被召物がこれに変化し召喚師を食らってしまう。召喚師達からは忌み嫌われる存在。その正体は白き女王の悪性とも呼べる存在。文字列を並べ変え、高音、中音、低音と揃えると白き女王と同じだけの文字を使用している。漆黒の顎として現れるが、本来の姿は白き女王が真っ黒になった状態で同一。またペナルティが執行される前に条件を崩せば顎は消える。 ただ一つの目的を貫徹する色彩なき童女《aie・a・oio・ei・ueo・ioa・e・uai・ee》 極低音の母音のみで構成された音域の存在しないコスト21の人造被召物。城山恭介の第四の召喚儀礼により白き女王を打倒するためだけに生み出され、特別な依代でなければ召喚する事ができない。あらゆる色彩が定着を拒んだような透明の肢体を持ち、胸の中央に脈動する光を備えている。ウェーブがかかったロングの髪を腰まで伸ばし、頭の後ろの髪を猫のように尖らせている。長い前髪で瞳を覆う、完全に骨格が仕上がる前にも見える小柄な少女。機械でできたスカートのように膨れ上がった重装の下半身と、可憐な乙女のように繊細な上半身が組み合わさった造形。光輪のように背負う12の巨大な書物へ、災害、猛獣、疫病、処刑、戦争などあらゆる死を詰め込んだ破壊の権化。 扇のように広げた薄い栞を背負う12の終末の図鑑へ放り投げ、革張りの本が大顎のように開いて貪り、世界を破滅させる終末の現象を攻撃として放つ。対女王専用に調整されたピーキーな性能であり、白き女王が獲得した第三の召喚儀礼の設計仕様Factsを分析し、あらゆる対抗策をデジタルに処理し相殺・無効化が可能。逆に、他の未踏級被召物との通常戦闘では敗北してしまう。規定級・神格級・未踏級を経ずに自身を直接召喚に導くように、スポットの出現位置や花弁の軌道などを強引に歪める事が可能。 城山恭介の妹「畏愛」の霊魂が取り込まれていて、城山恭介を「にーさま」と呼び慕い彼を守るように寄り添う。城山恭介からは「RQ=キャット」と呼称される。白き女王の殺害に成功したものの内部構造が破損し、恭介を守るという意識を持ちながらも照準を見失う自失状態に陥ってしまった。人工霊場を直接破壊する等、現存のブラッドサイン式では対抗不可能な新たな脅威を迎えることとなった。8巻において存在が出来たのは女王が依代となって彼女を存在させていたため。 『叡智』 言語では表現不能であり、ゆえに名前を持たず音域もコストを存在しないためブラッドサイン式では召喚不可能な未踏級被召物。白き女王に合わせて白色であり、長い銀の髪を頭の下で二つに縛っている。衣服の代わりに幾重にも体に巻いた幅広のベルトに、テンキー、カードリーダー、ダイヤル、磁力錠の鍵穴、掌紋読み取り用ガラス板、虹彩認証スコープを接続している。白き女王に対して「妹」のような関係を意識し、過保護に世話をしようとする。 自身は戦闘能力を持たず規定級被召物よりも弱いため、言葉を以て影響力を果たす。全能の白き女王に対し全知の立場にあり、異界の情報を白き女王へと伝達するガイド役として存在していた。白き女王が城山恭介に出会い『叡智』を介さずに現世とコンタクトを取った結果、不遇の末路を辿ったと解釈し、彼女を守るために城山恭介の排除を画策する。 防護円 旧来の西洋魔術における召喚術と同様に、現代の召喚儀礼においても『召喚円』とは別に召喚師に防護円が展開される。これは、依代に憑依した『被召物』の力の一端を借り受ける事で発動され、自分で呼び出した怪物に儀式を邪魔されない事が目的とされる。効果は大きく分けて後述の2つであり、本来の『防護円』の用途とは異なるものの、その効果が戦闘行動において大きな副次的な恩恵を与えている。1つ目は「あらゆる外的要因を食い止める」効果であり、召喚師のあらゆる物理的接触(『被召物』の攻撃も含む)を阻む。これにより、召喚儀礼の最中は召喚師へ一切干渉をする事ができなくなる。2つ目は「内的要因によって儀式の途中で召喚師が倒れる事を防ぐ」効果であり、召喚儀礼の最中に召喚師が病気になろうが寿命を超えようが、儀式を稼働させるためのシステムの歯車として召喚師は『被召物』の力により強引に生かされる(『防護円』が解除されれば死ぬ)。 人郭 依代は被召物の憑依中『人郭』という1m程度の影のような状態となっており、これを破壊することで破壊された側の被召物が消滅し、召喚師同士の戦いに決着がつく。 チェイン 敵方を撃破し、その時の人工霊場の制限時間がまだ残っている場合、その「余熱」によって移行できる待機状態。おおよそ90秒程度。人工霊場の固定が解除され勝ち残った召喚師と共に移動できるようになり、新たな標的を人工霊場に取り込む事でさらに10分間の延長が可能。人工霊場は継続しているため被召物は解除されず、次に人工霊場に取り込んだ相手と戦う際に最小のコストの被召物から始めなくて済むため、非常に有利な状態で戦闘を始めることが出来る。ただし裏技的な用法であるため依代にかかる負担は倍化していく。また、励起手榴弾の炸裂時に、標的を20m立方の人工霊場の檻の中へ捕捉できなかった場合、基準面に固定されたまま『チェイン』待機状態となる。 待機状態の人工霊場が衝突した場合、人工霊場は融合される。また、人工霊場をタイムリミット以外で自ら解除できるのはこのチェイン待機状態時のみ。 禁忌 召喚儀礼の中である条件を満たした場合、自身の被召物が『清濁万象を呑み干す「漆黒」の顎《nu・lp・eu・bf・zuh・ei・jkv・iu・a・xw》』という特殊な被召物へ自動的に変化し、条件を満たした召喚師自身へと防護円を無視して襲いかかり殺害する。禁忌の一 高音・中音・低音の『花弁』をそれぞれ同数『スポット』に落とす。 禁忌の三 『白棘』のストックがない場合に自身の放った『白棘』を『スポット』に落とす。
※この「召喚儀礼の用語」の解説は、「未踏召喚://ブラッドサイン」の解説の一部です。
「召喚儀礼の用語」を含む「未踏召喚://ブラッドサイン」の記事については、「未踏召喚://ブラッドサイン」の概要を参照ください。
- 召喚儀礼の用語のページへのリンク