阪神間モダニズム
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阪神間モダニズム(はんしんかんモダニズム)とは、日本で1900年代から1930年代(特に大正期から昭和初期[1][2])にかけて「大阪市と神戸市の間」を指す「阪神間」[1]を中心とする地域において育まれた、近代的な芸術・文化・生活様式とその時代状況を指す。神戸市(東灘区、灘区、須磨区)・芦屋市・西宮市・宝塚市・伊丹市・川西市などでおこり、のちにはスプロール(都市拡大)に伴い、阪神間東部の池田市・豊中市・箕面市にも拡大した。
注釈
- ^ 名称はそれぞれの頭文字を取ったもの。
- ^ その用法は、宗教と芸術という二つの領域で分かれる。まず、宗教においては、カトリックなどのキリスト教において、科学・歴史に矛盾しない教義を求めようとする運動をいう場合がある。いわゆる、ヨーロッパにおける「近代」は、キリスト教会が強大な権力をもち、支配していた中世封建社会からの解放から始まる。それゆえ、伝統宗教の世俗化やプロテスタンティズムの台頭を意味する場合に、modernismが用いられる。一方、芸術においては、印象派、象徴主義、アール・ヌーボーの流れにおいて呼ぶ場合、未来派、構成主義、表現主義などから抽象絵画が生み出される過程において呼ぶ場合、第一次世界大戦中のダダから戦後のシュールレアリスムへの流れを呼ぶ場合などがあり、総じて伝統的な価値観や様式を拒絶し、否定するところから始まる運動を、modernismと呼ぶ。
- ^ 現在の神戸市東灘区住吉各町および灘区六甲山町東部。
出典
- ^ a b c 阪神間モダニズム 公益財団法人 西宮市大谷記念美術館
- ^ a b 「阪神K・A・Nモダニズム」~インスタグラム投稿キャンペーンを開催~ 神戸市、2018年11月9日、2021年2月14日閲覧。
- ^ 阪神K・A・Nモダニズム 知る・見る・巡る 阪神KANお散歩マップ 阪神電気鉄道、2021年2月14日閲覧。
- ^ 阪神K・A・Nモダニズム 芦屋市、2021年2月14日閲覧。
- ^ 阪神K・A・Nモダニズム 神戸、芦屋、西宮と阪神電鉄が地域の魅力を共同発信 20日からスイーツスタンプラリー/兵庫 毎日新聞阪神版、2018年2月11日、2021年2月14日閲覧。
- ^ 鈴木貞美「モダニズムと伝統、もしくは『近代の超克』とは何か」、竹村民郎・鈴木貞美編『関西モダニズム再考』思文閣出版 2008年 所収 386-399頁)
- ^ 鈴木貞美「モダニズムと伝統、もしくは『近代の超克』とは何か」 394-395頁
- ^ 鈴木貞美「モダニズムと伝統、もしくは『近代の超克』とは何か」 552頁
- ^ 戸田清子「阪神間モダニズムの形成と地域文化の創造」『奈良県立大学研究季報』第19巻第4号、2009年3月、49-77頁、ISSN 1346-5775、CRID 1050001338809378048、2023年6月6日閲覧。
- ^ [1][リンク切れ] 大阪市経済局
- ^ 山本ゆかり, 萬谷治子, 加藤拓郎「旧住吉村の住宅地開発とその特徴」『住宅総合研究財団研究論文集』第31巻、住総研、2005年、91-102頁、doi:10.20803/jusokenold.31.0_91、ISSN 1880-2702、CRID 1390001205297186560、2023年6月6日閲覧。
- ^ 日本一の富豪村
- ^ 大阪市都市住宅史編集委員会編「まちに住まう大阪都市住宅史」平凡社 pp.328. 1989年.
- ^ 土井勉, 河内厚郎「鉄道沿線における郊外住宅地の開発と地域イメージの形成」『土木史研究』第15巻、土木学会、1995年、1-13頁、doi:10.2208/journalhs1990.15.1、ISSN 0916-7293、CRID 1390282679305557760、2023年6月6日閲覧。
- ^ 坂本勝比古 「郊外住宅地の形成」 『阪神間モダニズム 六甲山麓に花開いた文化、明治末期ー昭和15年の軌跡』1994年、所収、36頁
- ^ 坂本勝比古 「郊外住宅地の形成」30頁
- ^ 阪急阪神の住まいづくりの歴史 阪急阪神不動産、2024年4月1日閲覧
- ^ 坂本勝比古 「郊外住宅地の形成」31頁
- ^ 猿渡彬順「むらからまちへ~阪神間の住宅開発」、阪急沿線都市研究会編『阪神間モダニズムの光と影―ライフスタイルと都市文化』、1994年、所収、131頁
- ^ 『阪神電気鉄道の発達と阪神地域における郊外生活の形成』、甲子園短期大学紀要 No.26、永藤青子、2007年
- ^ 坂本勝比古 「郊外住宅地の形成」30-31頁
- ^ 坂田清三・土井勉「阪神間の都市構造」、阪急沿線都市研究会編『阪神間モダニズムの光と影―ライフスタイルと都市文化』、1994年、所収、145頁
- ^ 長沢伸一 (2019年6月25日). “幻の社交場、藤田ガーデン 神戸・須磨にあったその面影探る”. 神戸新聞NEXT. 神戸新聞. 2021年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月15日閲覧。
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