ルナパーク_(大阪)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ルナパーク_(大阪)の意味・解説 

ルナパーク (大阪)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 13:56 UTC 版)

初代通天閣とその手前に写る新世界ルナパーク1912年頃撮影)右手前のアーチが新世界からルナパークへのメインエントランス。背後には通天閣付近の建物が写っている。

新世界ルナパークは、閉鎖した浅草ルナパークを引き継いで日本で二番目にできたルナパークという名前を冠する遊園地である[1]。これら日本のルナパークのコンセプトはニューヨークコニーアイランド1903年に開業したコニーアイランド・ルナパークを参考にしていた。1912年明治45年)7月3日に開園し1923年大正12年)まで営業された。大阪新世界にあり、敷地面積は132,000平方メートルであった[2]。初代通天閣から入り口までロープウェイが伸びているなどユニークな造りであった[3][4]

歴史

ルナパークは河浦謙一[5]によって建設され所有されていた。1911年に自身が所有する浅草ルナパークと大阪の二つの映画館が火災によって閉鎖したことで、1912年に自身の映画会社である吉沢商店梅屋庄吉に売却した[6]。(この合併により日活が誕生する。)河浦はルナパークを株式会社にすることにし[7] 1912年4月に浅草区浅草公園にルナパーク株式会社を設立した。(当初は取締役であったが[8]のちに社長に就任している[9]。)

東京にルナパークを再建するよりも、河浦は二番目のルナパークを開発中の大阪新世界に建設する決断をした。同時期に初代通天閣がルナパーク建設予定地のすぐ北に建てられていた。こうしてルナパークのホワイトタワー(白塔)と高さ86mの通天閣[10][11]がロープウェイ(索道飛行船)によって結ばれ、観客がパークの入り口へ向かう際に空中の景色を楽しめるように設計された[12][13]。これはイタリアのセレッティ・タンファーニ (Ceretti&Tanfani) 社が製造した日本初の旅客用ロープウェイであった。

新世界ルナパークのアトラクションには、絶叫マシーン(サークリングウェーブ:円形のフレームに乗るところが付いていて、これが回転しながら上下する乗り物など)や、メリーゴーランド、ローラースケートホール、演芸場、活動写真館、音楽堂(奏楽堂)、不思議館、展望塔(白塔)、大衆演舞場(清華殿)、動物舎、および瀑布渓流(綾糸瀧、真澄ノ池)、噴泉浴場、円形大浴場、サウナ風呂、温水プールなどが設置されていた[3][14][15][16]

新世界ルナパークは1923年のシーズンをもって閉鎖された。1943年1月には初代通天閣が火災により損傷し、そのまま閉鎖され、材料を軍事利用するために日本政府によって解体された[17][18]。戦後になって二代目の通天閣が建設され、1956年に営業を開始した[17]

アトラクション

門と通り

ギャラリー

新世界ルナパーク1号館(1912年〜1920年)
1910年代の間、ロープウェイによって
ルナパークと初代通天閣はつながっていた。
新世界ルナパークのメインエントランス(1912年頃撮影):入り口のアーチの背後に初代通天閣が見えている。
初代通天閣とその手前に写る新世界ルナパークの夜景(1912年頃)

脚注

  1. ^ Joseph L. Anderson and Donald Richie, The Japanese Film: Art and Industry (Princeton University Press 1982) ISBN 0-691-00792-6
  2. ^ 2010 NOMS page - IEEE
  3. ^ a b History of Shinsekai Archived 2009年8月29日, at the Wayback Machine.
  4. ^ Osaka Journal: Japan’s New World Offers a Slice of the Past - New York Times 15 October 2008
  5. ^ 『人事興信録. 4版』1915年(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ Volker Grassmuck, Geschlossene Gesellschaft: Mediale und diskursive Aspekte der "drei Öffnungen" Japans English translation
  7. ^ 株式応募も好調であった。「ルナパークが会社に」都新聞 明治45年(1912年)3月14日 『新聞集成明治編年史. 第十四卷』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 『日本全国諸会社役員録. 第21回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 『日本全国諸会社役員録. 第24回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 75mだったとも言われている
  11. ^ NOMS 2010 page - IEEE
  12. ^ Sharon Minichiello, Japan's Competing Modernities: Issues in Culture and Democracy, 1900-1930 (University of Hawaii Press 1998) ISBN 0-8248-2080-0
  13. ^ Isolde Standish, A New History of Japanese Cinema: A Century of Narrative Film (Continuum International Publishing Group 2006) ISBN 0-8264-1790-6
  14. ^ なにわのシンボル通天閣
  15. ^ モダン大阪の娯楽場
  16. ^ 大阪天王寺に「新世界ルナパーク」開業
  17. ^ a b Kippo News, 5 November 1996 Archived 2007年12月3日, at the Wayback Machine.
  18. ^ History of Shinsekai
  19. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq 大阪新名所 新世界・通天閣写真帖 復刻版

参考文献


「ルナパーク (大阪)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ルナパーク_(大阪)」の関連用語

ルナパーク_(大阪)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ルナパーク_(大阪)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのルナパーク (大阪) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS