旧乾邸とは? わかりやすく解説

旧乾邸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/15 05:02 UTC 版)

旧乾家住宅
情報
旧名称 乾新兵衛
用途 住宅
設計者 渡辺節
施工 竹中工務店
建築主 四代目新兵衛・乾新治
構造形式 鉄筋コンクリート造・一部木造
敷地面積 3,868 m²
建築面積
※本邸:380.00m2 ガレージ:42.00m2 蔵:95.60m2(2棟) 待合所:2.83m2
延床面積 716.29 m²
階数 地上2階建
竣工 1936年
所在地 神戸市東灘区住吉山手5-1-30
座標 北緯34度43分46.89秒 東経135度15分27.69秒 / 北緯34.7296917度 東経135.2576917度 / 34.7296917; 135.2576917
文化財 神戸市指定文化財
指定・登録等日 2009年2月24日2010年3月19日(追加指定)
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旧乾邸シャンデリアとステンドグラス(2005年10月23日撮影)

旧乾邸(きゅういぬいてい)は、兵庫県神戸市東灘区にある歴史的建造物。乾汽船創業者、4代目新兵衛・乾新治の邸宅として、関西を代表する建築家・渡辺節が設計した個人住宅である。

概要

旧乾邸は、1936年に旧住吉村(現神戸市東灘区)に、モダニズム建築で知られる渡辺節の設計によって、和館と洋館が建てられた。

洋館は鉄筋コンクリート造2階建て(一部木造)住宅で、L字形の建物に約20の洋・和室、豪華な暖炉やシャンデリア、吹き抜けのホールなどがある。

1993年、5代目当主の豊彦が死去し、養父・4代目当主新治から受け継いだ邸宅は相続税として国に物納された。 神戸市が約15億円での買い取りと歴史的建造物としての活用を提案していた最中、阪神・淡路大震災で洋館と付随するガレージ、土蔵は損壊を免れたが、和館が全壊。

震災による財政の悪化で購入協議は中断したものの、1996年以降、国と委託管理契約を結び、ドラマのロケや内覧会、コンサートや写真展、シンポジウム会場など市民団体の行事の場所として貸し出してきた。

外装・内装・建具等は当初材のまま残されている部分が多く、渡辺が得意とする内外の装飾も大部分がそのまま残されている。

NPO法人などの協力により保存運動が続けられた結果、2009年2月24日に主屋、 ガレージ、土蔵、塀が神戸市指定文化財に指定され[1]、建造物の解体を行わない条件で財務省により入札が行われたが、不調に終わった。

その後、同年11月5日に神戸市土地開発公社が財務省に対し購入を申し込み、翌日購入が決定した[2]2010年3月19日に待合所が市指定文化財に追加指定され[3]2011年より、2012年末まで保存修復工事が行なわれ[4]、その際に使用人棟や作業場等の文化財に指定されていない建物については解体撤去された[5]

関連項目

周辺情報

脚注

  1. ^ 神戸市指定文化財の指定等の答申について[pdf] 神戸市教育委員会 2009年2月16日
  2. ^ 旧乾邸の取得 神戸市からのお知らせ(記者発表資料) 2009年11月6日
  3. ^ 神戸市指定文化財の指定等の答申[pdf] 神戸市教育委員会 2010年2月18日
  4. ^ 神戸市行財政局財政部経理課/神戸市指定有形文化財旧乾邸保存修復工事 神戸市ホームページ 2011年11月16日
  5. ^ 神戸市:完成施設の紹介 平成24年度 神戸市ホームページ 2013年6月6日

外部リンク


旧乾邸

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乾新兵衛」の記事における「旧乾邸」の解説

旧乾邸は、昭和11年1936年旧住吉村現神市東灘区)に、大正昭和にかけてのモダン建築知られる渡辺節設計によって約3900平方メートル敷地に、和館洋館建てられたが、阪神大震災和館全壊洋館だけが残った洋館鉄筋二階建て住宅延べ770平方メートル)で約20洋室和室豪華な暖炉シャンデリア吹き抜けホールなどがある。平成5年豊彦死去して養父新治から受け継いだ邸宅相続税として国に物納され、神戸市が約15億円での買い取り歴史的建造物として活用提案していた。ところが、阪神大震災財政一気悪化して購入協議中断平成8年1996年以降、国と委託管理契約を結び、ドラマロケ内覧会コンサート写真展シンポジウム会場など市民団体行事の場所としても貸し出してきた。しかしこのままでは、「旧正田邸」(東京都品川区)のように、競売かけられる運命をたどると、「旧乾邸活用応援倶楽部」が設立され芦屋市NPOアメニティ2000協会」などの協力により保存運動続けられている。 関連書籍日本洋館第6巻著者藤森照信講談社

※この「旧乾邸」の解説は、「乾新兵衛」の解説の一部です。
「旧乾邸」を含む「乾新兵衛」の記事については、「乾新兵衛」の概要を参照ください。

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