大宮御所とは? わかりやすく解説

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おおみや‐ごしょ〔おほみや‐〕【大宮御所】

読み方:おおみやごしょ

太皇太后または皇太后御所


大宮御所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/15 07:46 UTC 版)

大宮御所(おおみやごしょ)とは、皇太后太皇太后崩御した天皇皇后)の御所(女院御所)を指す。なお上皇退位した天皇)が存命中の場合は、その御所を仙洞御所と言う。

概要(主に現代)

京都大宮御所

東京に造営された大宮御所に対し、京都大宮御所と呼ばれることもある。

現在の大宮御所の原型は、後水尾天皇中宮東福門院のために造営した女院御所を始まりとし、1854年嘉永7年/安政元年)の焼失後、孝明天皇英照皇太后のために再建するが、1872年明治5年)に皇太后の東京への遷御に伴い廃された。

1867年慶応3年)以降は仙洞御所との塀を取り払い、敷地と庭園を大宮御所に組み入れた。その後、京都御所の一部として御常御殿のみを残す形で整備され、大正時代にはガラス窓の使用や洋室への改装など、現代の生活様式に合致するように改築がなされた。現在は天皇皇后皇太子、および皇太子妃行幸啓の際の宿泊に使用されている。かつては京都を訪問する国賓の宿泊施設としても使用されたが、2005年平成17年)4月の京都迎賓館の完成にともない、国賓の京都での宿泊施設としての役割は終えた。

大宮御所と仙洞御所には、小堀遠州の作庭による池泉回遊式庭園がある。それぞれの池がいまは北池、南池として連結されるなど一体として改修されている。仙洞御所のあった敷地は、庭園の中に醒花亭、又新亭といった茶室や社や氷室がある。

2013年平成25年)、宿泊に用いる御殿棟について震度6強の地震での倒壊可能性が判明したため、耐震工事が行われた[1]。同年6月の天皇皇后京都訪問に際しては、行在所は京都迎賓館で代替された。

吹上大宮御所 

吹上大宮御所
情報
構造設計者 宮内庁管理部
延床面積 1,504 m²
階数 地上2階
着工 1960年昭和35年)7月
竣工 1961年(昭和36年)11月27日
所在地 東京都千代田区千代田
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昭和期

1930年(昭和5年)、昭和天皇皇太后節子(貞明皇后)のために赤坂御用地に造営した御所が「大宮御所」と称された。 1945年(昭和20年)2月25日の空襲により大宮御所で4人が戦死[2]。また、同年3月10日の東京大空襲によって焼失し、1946年(昭和21年)に再建されたが、1951年(昭和26年)5月17日の皇太后節子(貞明皇后)崩御[3]により廃された。

平成期

1989年(昭和64年)1月7日昭和天皇崩御後、引き続き良子皇太后が居住した吹上御所を、「吹上大宮御所」と改めた[4]。後に天皇明仁の御所が皇居内に造営、1993年平成5年)12月8日に登録されて以降[5]、天皇の御所を「新吹上御所」と称し、皇太后の大宮御所と区別したこともある。

2000年(平成12年)6月16日に皇太后が崩御した[6]ことで吹上大宮御所は居住者が不在となり、公式に存在していない状況である(建物自体は残っており、宮内庁が維持管理している)。

脚注

  1. ^ “祇園祭の技で全国初の耐震補強 京都大宮御所の工事終了”. 京都新聞. (2015年3月16日). http://www.kyoto-np.jp/sightseeing/article/20150316000121 
  2. ^ 宮内庁『昭和天皇実録第九』東京書籍、2016年9月29日、583頁。ISBN 978-4-487-74409-1 
  3. ^ 1951年(昭和26年)5月17日宮内庁告示第2号「 皇太后陛下崩御
  4. ^ 1993年(平成5年)12月9日『官報』第1297号皇室事項「皇太后陛下の御在所の名称変更」
  5. ^ 1993年(平成5年)12月9日内閣告示第6号「天皇皇后両陛下の皇居へ御移転が定められた件」
  6. ^ 2000年(平成12年)6月16日宮内庁告示第4号「皇太后陛下崩御に関する件」

参考文献

関連項目

外部リンク



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