条坊制とは? わかりやすく解説

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条坊制

読み方:ジョウボウセイ(joubousei)

都城制市街区画


条坊制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/15 15:53 UTC 版)

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大宰府条坊復元図
藤原京条坊復元図
平城京条坊復元図
平安京条坊復元図

条坊制(じょうぼうせい)とは、中国朝鮮半島日本の宮城都市に見られる都市計画で、南北中央に朱雀大路を配し、南北の大路(坊)と東西の大路(条)を碁盤の目状に組み合わせた左右対称で方形の都市プランである。

思想

儒教の教典『周礼』において、王城は「一辺9里の正方形で、側面にはそれぞれ3つずつの門を開く。城内には、南北と東西に9条ずつの街路を交差させ、幅は車のわだち(8尺)の9倍とする。中央に天子の宮、その東に祖先の霊を祀り(宗廟)、西に土地の神を祀る(社稷)。前方、南には朝廷、後方、北には市場を置く。」とある。

この思想を背景として、中国に条坊制の王城が発祥した。東西南北を直線的に街路で結ぶのが最も機能的だという中国の考え方は[1]、その後、朝鮮半島や日本などへ周礼思想とともに条坊制として伝わり、これらの地域でも条坊制の王城が営まれるようになったと考えられている。

各国の例

中国では、風水説(四神相応)と並び首都建設の基本であったが、の時代に入ると条坊制に基づいた都はあまり作られなくなった。

朝鮮半島では、7世紀後半頃新羅王京において採用されたといわれる。

日本における条坊制の都市には、都であった藤原京[1]平城京[1]長岡京平安京[1]、および、広い地方を統括した大宰府多賀城[2]等がある。ただし、異民族の侵攻の恐れのある大陸においては、郭城(塀=羅城をめぐらした城)であるが、島国である日本では城壁は作られず(大宰府には城壁があったとも考えられている)、平城京・平安京では都の入口を示す朱雀大路の門が羅城門(羅生門)と呼ばれるにとどまった。

条坊制の名残として、都市を碁盤目状の道路で区画して建設するという文化は、明治時代以降に開発された北海道などにも伝統として受け継がれ、現在では京都市をはじめ、札幌市旭川市など北海道の大部分の都市で、○条○町(○丁目)のように住所名に活かされている[1]

脚注

  1. ^ a b c d e 浅井建爾『道と路がわかる辞典』日本実業出版社、2001年11月10日、初版、142-143頁。ISBN 4-534-03315-X
  2. ^ 大宰府と多賀城太宰府市広報「だざいふ」2005年9月1日)

関連項目

外部リンク


条坊制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 12:52 UTC 版)

大宰府」の記事における「条坊制」の解説

大宰府に条坊制による街区存在することを想定したのは、のちに九州大学教授となる鏡山猛初めてで、1937年昭和12年)のことである。鏡山は、政庁域を方四町観世音寺域を方三町推定した場合両者の南辺を東西線上に一致させることができること、かつその場合の政庁東辺と観世音寺西辺の間が二町となることをもって一町単位とする造成企画存在想定し、その適用範囲広げる周囲道路畦畔合致するものが多いことを指摘加えて観世音寺に伝わる古文書類記され条坊呼称分析から、東西十二条、南北二十二条の、東西約2.6キロメートル南北約2.4キロメートル亘る条坊域を想定したその実態は1930年代存在していた道路畦道に基づく「机上復元案」といえるのであるが、大宰府条坊存在指摘し学界注意喚起した事は特筆される鏡山案は現在もっとも知られているもので、一般向け図書HPなどで紹介されている復元図はほとんどがこの鏡山案である。 その後福岡県教育委員会九州歴史資料館太宰府市教育委員会筑紫野市教育委員会によって条坊施工想定範囲内での発掘調査断続的に行われており、現時点では下記のような成果得ている。 政庁第1期対応する7世紀段階では、条坊存在結びつくような遺構確認できない政庁第2期対応する8世紀段階において条坊関連する考えられる遺構は、政庁中央から南へ伸びる南北中央大路(地元では朱雀大路呼ばれる周辺中心として存在する。これらの遺構南北方向のものが顕著で、東西方向のものは少ないことから、整然とした条坊域が整備されていたのではない可能性もある。 政庁第3期対応する10世紀段階条坊遺構鏡山案の想定域に近い範囲存在するこの段階での一区画面積8反を基準としているらしい区画溝などの遺構11世紀後半から12世紀前半にかけて埋没し、条坊制による街区この頃廃れた考えられるこうした状況は、政治的中心周囲次第都市形成されていく過程理解できる。 もはや鏡山案はそのままの形では成り立たない状況となっており、上記のような発掘成果受けた新たな条坊復元案が金田章裕井上信正などによって提示されている。 2006年平成18年4月20日筑紫野市教委は、大宰府政庁跡の北端から約1.7キロメートル南で条坊南端推定される幅約8メートル道路側溝遺構見つかった発表した。市教委は、この場所より南側ではほとんど遺構発見されていないことなどを根拠として、この遺構条坊南端推定している。 井上は、第一期大宰府政庁条坊築造時期について7世紀末との説を発表したが、さらに観世音寺よりも条坊先行する可能性示している。観世音寺創建7世紀後半とされることを考え合わせると、大宰府条坊築造時期それ以前ということになり、日本史最古とされる藤原京条坊築造時期同時期あるいはより古い可能性出てくる。

※この「条坊制」の解説は、「大宰府」の解説の一部です。
「条坊制」を含む「大宰府」の記事については、「大宰府」の概要を参照ください。

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