首都機能移転(しゅときのういてん)
首都機能移転とは、行政や司法の機関を東京から地方に移転させることを指す。移転対象は、国会、最高裁判所、首相官邸、中央省庁などだ。1992年「国会移転等に関する法律」が成立し、これにより移転候補地の選定が進められている。首都機能移転の選定にかかわっているのは「国会等移転審議会」という首相の諮問機関だ。
1999年12月、同審議会は、全国から2ヶ所を候補として首相に答申した。栃木・福島県の「那須・阿武隈地方」と、岐阜・愛知県の「東濃・西三河北部地方」だ。また、準候補地として、三重・畿央(滋賀、京都、奈良)地域」が上がった。この中から1ヶ所を選び、2004年には移転先の建設をはじめる。2014年には国会も新首都で開かれるようになる。
現在は、国家の中枢となる機能が、すべて東京に集中している。このため、東京は、非常に過密化している。また、東京に災害が起これば、日本の国家機能がマヒする恐れもある。首都機能移転には、このようなリスクを軽減させるメリットがある。
そのほか、東京圏に異常集中している人口や企業中枢などを、地域に移動させることで、地域経済の活性化が期待されている。また、建設業界などにとっては、首都機能移転による建設需要の高まりが期待できる。
首都移転の問題点としては、12兆円をこえるという莫大な建設費が、議論の対象となっている。また、首相官邸や議員会館では、老朽化のための立て替え作業が進んでいるが、首都機能移転が実施された場合、この費用が無駄になる、という指摘がある。
首都移転は、実際のところ、決定事項ではない。これからの国会で、答申された候補地域を東京と比較し、移転の是非を決める。東京のほうがやはり良いということになれば、首都機能の移転は実施されない可能性がある。
(2000.09.27更新)
首都機能移転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 07:57 UTC 版)
首都機能移転(しゅときのういてん)とは、政府の立法機関・行政機関・司法機関(および庁舎)を他の都市に移転すること。全面的な首都の移転(遷都)とは異なり、首都機能の一部を移転する場合(日本での国会等の移転の議論など)[1]も含む。
- ^ 国会等の移転ホームページ
- ^ a b ドイツの首都機能移転 国土交通省、2017年2月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “海外行政調査報告(首都機能移転)”. 福島県. 2017年1月21日閲覧。
- ^ マレーシア首都事情 クアラルンプールの現状、機能移転や昔の首都について
- ^ インドネシア、首都移転へ ジャワ島外が候補
- ^ 【特派員発】政治生命かけた首都機能移転 エジプト・シーシー大統領
- ^ エジプト首都機能移転 カイロ過密で工事着手
- ^ 新首都建設が進むエジプトの今
- ^ 【電子版】インドネシア、カリマンタン島に首都移転 ジョコ大統領が表明
- ^ インドネシア新首都、東カリマンタン州に建設へ-大統領
- ^ “Indonesia minister announces name of new national capital in eastern Kalimantan” (英語). CNA. 2024年1月16日閲覧。
- ^ 官報号外第12号(大正12年9月12日)(NDLJP:2955461)
- ^ 3710 (2019年2月14日). “日本は400年に一度、首都機能が移転している”. みんなの党. 2020年8月16日閲覧。
- ^ 慎太郎と純一郎 週刊金曜日『風速計』第369号。佐高信による。『泣くより怒れ―佐高信の政経外科IV』に収録
- ^ “輪廻する都市と地価 その1 / 都市再生をめぐる諸問題”. nsk-network.co.jp. 2021年10月23日閲覧。
- ^ a b “「副首都大阪」で合意 石原、橋下両知事が会談”. 神戸新聞 (神戸新聞社). (2011年7月2日) 2011年12月15日閲覧。
- ^ a b “首都機能移転論、再燃も 震災受け、揺らぐ東京集中”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2011年5月8日) 2011年12月15日閲覧。
- ^ “首都機能移転担当課を廃止 国交省が決定”. 東京新聞夕刊 (中日新聞東京本社): p. 2. (2011年6月28日)
- ^ “文化庁の機能強化・京都移転”. 文化庁. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “新未来創造戦略本部”. 消費者庁. 2022年5月28日閲覧。
- ^ “文化庁の京都移転について”. 政府関係機関移転に関する有識者懇談会(第5回). 2022年5月28日閲覧。
- ^ “「京都ビジョン2040」(京都の未来を考える懇話会最終提言)について”. 京都府. 2022年5月28日閲覧。“双京構想”. 京都市. 2022年5月28日閲覧。
- ^ 緊急性と重要性を兼ね備えた首都機能移転と新しい都市デザイン
- ^ 石原都知事が首都機能分散に言及「証券市場の中心は大阪」
- 1 首都機能移転とは
- 2 首都機能移転の概要
- 3 エジプト
- 4 文献情報
- 5 関連項目
首都機能移転
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1999年(平成11年)9月27日に衆参両院で開かれた国会等の移転に関する特別委員会には、浅野、石原が共に参考人として出席、意見陳述を行った。石原は、首都機能移転を「歴史への冒涜」と発言。これに対し浅野は、石原発言を「未来に対する冒涜」と批判した。この委員会では、同じく2007年(平成19年)の都知事選に立候補した建築家黒川紀章も参考人として意見陳述していた。
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首都機能移転
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上野市を中心とした伊賀地方・滋賀県南部、すなわちかつての伊賀と甲賀を合わせた「畿央地域」が首都機能移転の候補地の一つとして選定されている。選定の理由は、日本のほぼ中央であること、名古屋圏(中京圏)と大阪圏(関西圏,京阪神)の両方に近いこと、などである。
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