雨戸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/22 22:10 UTC 版)
雨戸(あまど)は、防風・防犯・遮光・目隠しといった目的のために建物の開口部に設置する建具[1]。日本の住宅において用いられるもので、建築史上は16世紀後半からみられるようになったとされる[2]。なお、欧米の住宅では同様の機能でスチールシャッターを用いるもの[2]や二重や三重のガラス戸とするものがある[3]。
歴史
日本の住宅でも古くから風雨から守るための建具は存在し、古代の蔀(しとみ)や中世の舞良戸(まいらど)などがあった[2]。「雨戸」という名称の建具が建築指図等で見られるようになるのは16世紀後半であり、1587年(天正15年)竣工の聚楽第の大広間が最初とされる[2]。
現代の都市住宅でも、開口部が道路に面していたり開口部に容易に近づける場合などには雨戸が設置される[2]。
構造

雨戸は開口部の最も外側に設けられ、敷居と鴨居で移動できるようになっており、必要なときに戸袋から引き出して用いる[2]。戸袋の形式には鏡板で覆われている戸箱形と収納時でも雨戸の本体は露出している戸皿形がある[4]。通常、敷居と鴨居は一筋の溝で(引通し雨戸)[2]、戸袋から一枚ずつ繰り出して用いる[4]。ただし、歴史的には2筋以上の溝を使って引違いにしたもの、戸の一部をガラスにしたもの、上部に障子紙を張ったものなどもある[2]。
戸締まりには猿(サル)と呼ばれる部品を用い、雨戸の最後の1枚に取り付けられた落し錠(落し猿)や上錠(上げ猿)によって固定する形式などがある[4]。
脚注
- 注釈
- 出典
関連項目
雨戸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 00:57 UTC 版)
現在のショウジはガラス戸や雨戸で保護されている。例えば和室のショウジの外側は縁側であり、その縁側の外側はガラス戸と雨戸である。ガラス戸が出来る前は木製の雨戸だけだった。その雨戸が登場したのは桃山時代で、記録に登場するのは豊臣秀吉の聚楽第の平面図からである。なお、現存遺構としては二条城黒書院や大広間である。そこでは戸袋が大きく、雨戸だけでなく、昼間用の明障子も一緒に収めていたという。
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「雨戸」の例文・使い方・用例・文例
- 雨のしずくが雨戸に落ちた
- その蜂の巣は窓と雨戸の間にありました。
- 嵐が雨戸をがたがたとならした。
- 雨戸[よろい戸]を閉める[開ける].
- あらしが来る前に窓の雨戸は全部閉められた.
- 雨戸が開かない.
- 雨戸を開けるとあたりは一面の雪景色だった.
- 雨戸を繰る
- もう雨戸を引け
- 目をさますと雨戸を開ける音がした
- 縁側や雨戸の上の欄間にある障子
- 戸締りのために板戸や雨戸に付けた木の栓
- 人や物をのせて運ぶために用いるときの雨戸の板
- 雨戸という建具と障子という建具
- 雨戸を収める為に縁側の端に設けた所
- 雨戸の外側に設けられた縁側
雨戸と同じ種類の言葉
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