広海二三郎とは? わかりやすく解説

広海二三郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/17 02:24 UTC 版)

広海二三郎

広海 二三郎(廣海、ひろうみ にさぶろう[注釈 1]1854年12月22日安政元年11月3日[1][2])- 1929年昭和4年)1月29日[3])は、明治時代の政治家実業家銀行家貴族院多額納税者議員。5代二三郎[4]北前船主。

経歴

広海常信(4代二三郎[4])の長男として[1][5]加賀国江沼郡瀬越村石川県江沼郡大聖寺町瀬越を経て、加賀市大聖寺瀬越町)に生まれる[2]。生家は加賀大聖寺藩の海運界の旧家[2]。家訓により16歳から5年間手船に乗って船乗りと商売の基礎を学んだ[4]1887年(明治20年)1月、常信の死亡により家督を相続する[2]

1884年(明治17年)大阪に進出し、広海商店と屋号を掲げ[1][注釈 2]、船舶業および海産物業を経営し[2]、1889年(明治22年)には北海道小樽に「広海倉庫」を設立した[6]。 1896年(明治29年)には日本海上保険を設立し社長を務める一方[7]鉱業にも参入した[8]大分県大野郡長谷川村の九折鉱業所[注釈 3]玖珠郡飯田村の九重山鉱業所、鹿児島県大島郡硫黄島鉱業所ほかを経営し、天然硫黄王と称された[9][2]。ほか、三十四銀行大日本紡績監査役、共同火災保険各取締役など重役を歴任した[1]

1904年(明治37年)石川県多額納税者として貴族院議員に互選され、同年9月29日[10] から1911年(明治44年)9月28日まで在任した[3]。その後、北海道拓殖銀行創立委員および農工商高等会議員[3][11]、1919年認可の大日本火災海上再保険の取締役を務めた[5][12][13]

所有船

船舶業は大阪の江之子島を本社としていた[14]。1880~90年代に所有していた汽船15隻は全てイギリス製で代表的なものは次のとおり[15][注釈 4]

  • 汽船 - 京都丸、江戸丸、千代丸、千島丸
  • 帆船 - 千歳丸、広福丸、広徳丸、九十九丸、八重丸

栄典

親族

  • 弟:大家七平(貴族院多額納税者議員)[5][18]
  • 長男:広海四郎(広海商事副社長)[19]
  • 長女:ツユ(滋賀県多額納税者・小泉新兵衛に嫁ぐ)[1][20]
  • 甥:広海幾太郎(豊田商事取締役)[19]

脚注

注釈
  1. ^ 『北陸人物名鑑 大正11年版』では仁三郎
  2. ^ のち広海商事と改称した。
  3. ^ のちの三菱豊栄鉱山。
  4. ^ このうち千島丸はイギリスのウィリアム・アンド・グレイ社英語版の造船で1892年に進水し、イギリスのスミス・アイモシ社、ノルウェイA. F. クラヴネス社英語版が運用したのち1903年に広海に売却された[16][17]。1938年にフジマヨシオに売却され、1945年8月18日に米軍機の空爆により沈没した。
出典

参考文献

関連項目


広海二三郎

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瀬越村」の記事における「広海二三郎」の解説

北前船巨頭大部分瀬越村橋立村にあり、両とも日本有数富裕なだった。瀬越船主には、広海(ひろみ)、大家(おおいえ)、角谷浜中等があった。広海家は1820年頃、2代当主・広海二三郎が北前船による廻漕問屋始め大聖寺藩御用を承る代々船主となった明治維新後の近代化により多く船主廃れていくなか、5代広海二三郎と大家七平二三郎の弟)は産業革命波に乗って大成した5代広海二三郎(1854-1929)は1869年から北前船乗り込んで5年修業し航海術や船の管理機構のほか、商売について習得した当時広海家では7隻の千石船所有しており、1874年二三郎を主任小樽支店開設折から起こった西南戦争特需巨利得た1879年には北前船主として初め西洋帆船複数購入して成功し1886年大阪移り1888年北前船主として初め汽船購入大きな賭けであったがこれも成功させた。広海汽船設立して社長となり、1904年には貴族院多額納税者議員となった九州硫黄石炭鉱山経営行い1908年広海商事設立し家業大きく発展させた。また北前船主を集めて日本海上保険を創立したほか、大阪商業会議所議員なども務めた

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「広海二三郎」を含む「瀬越村」の記事については、「瀬越村」の概要を参照ください。

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