現代建築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 00:57 UTC 版)
現代建築(げんだいけんちく、contemporary architecture)とは、
- 現代(その論者にとって、自分の生きている時代)の建築、と考えられるものを、前時代のそれと比較しつつ指すための一般的な用語。前時代の建築と比較して、現代的な意匠にて建てられたと考えられる建築物を指す一般的な用語。「現代」という言葉が具体的に指す年代は動的で、世代の入れ替わりとともに変化してゆく[1]。
- (第二次世界大戦後しばらく日本建築史で用いられた用法)戦前を「近代建築」[2]とし、それと対比させる形で、戦後に建てられた建築物を「現代建築」と呼んで区別する。しかし時間の経過とともに「現代=戦後」という区切りも自明のものでなくなり[3]、かつて「現代建築」の代表であったル・コルビュジエも21世紀においては「近代建築」となっている[4]。
出典・脚注
- ^ 古い文献では、「現代」という言葉が全く異なった時代を指している。明治時代の論者にとっては、明治時代が「現代」であり、第一次世界大戦時代の論者にとってはその大戦時が「現代」である。21世紀初頭の我々が「現代」と呼んでいる時代も、100年後には「現代」と呼ばれなくなる。
- ^ 幕末・明治初期から戦前に建てられた建築物のうち、煉瓦から出発し、鉄とコンクリートの普及する過程で西洋の建築様式や技術を用いた建築物や、西洋風の意匠を取り入れた建築物。
- ^ 「日本近代建築」の生成──「現代建築」から『日本の近代建築』まで | 倉方俊輔 The Formation of Modern Japanese Architecture: From "Contemporary Architecture" to the "Modern Architecture of Japan" | Kurakata Shunsuke
- ^ 西沢大良 - 現代の建築「現代建築について2 - モノの種類が増えている」:東西アスファルト事業協同組合
関連人物
- 前川國男(1905 - 1986)
- 丹下健三(1913 - 2005)
- 木村俊彦(1926 -2009)
- 磯崎新(1931 - )
- 黒川紀章(1934 - 2007)
- 原広司(1936 - )
- 安藤忠雄(1941 - )
関連項目
現代建築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 18:17 UTC 版)
詳細は「モダニズム建築」および「ポストモダン建築」を参照 オーギュスト・ペレによる鉄筋コンクリートを用いた建築技法の導入は、構造体としての抵抗力の強さを獲得するとともに自由な造形性を得ることに成功し、20世紀の建築美術は新たな局面を迎えることとなった。新しい建材の特性理解が浸透していくとともに、コンクリートの持つ可能性を引き出した自由な造形性を持った建築物が誕生した。ゆるやかな局面と巨大な屋根を持ったル・コルビュジエのロンシャンの礼拝堂、何の支えも無い部屋が空中に突出しているかのようなフランク・ロイド・ライトの落水荘などは、その代表的な作例として取り上げられる。 建築家の社会的役割が変化したのも20世紀の特色のひとつで、建物の完成のみならず、都市社会における機能性や存在意義についてこれまで以上に配慮が必要となった。ヴァルター・グロピウスが幅広いデザイン教育の機関としてバウハウスを設立したのも、こうした社会的要請を背景にしたものであった。ル・コルビュジエはそうした機能主義を追究した建築家の一人でもあり、こうした流れがミース・ファン・デル・ローエやヴァルター・グロピウスといった機能主義を標榜する建築家の誕生を促した。機能主義建築は合理的形態、規格化、プレファブリケーションを推進し、大量生産と結びつくことで現代的な性格を持つに至った。一方でこうした機能主義建築に機械的な冷徹さを感じ取った建築家は有機的建築を推進した。先に挙げたサリヴァンやライトの他、世紀末建築の巨匠アントニ・ガウディなどもこの流れに含むことができる。 第二次世界大戦によって芸術活動は空白の時間を迎えるが、多くの芸術家がアメリカに亡命したこともあり、戦後はアメリカを中心とした建築活動が展開された。グロピウスやローエをはじめとするバウハウス系の建築家がアメリカで建築教育や設計活動に従事し、現代建築の実験場と揶揄されるほど様々な建築物がアメリカに誕生した。1950年代までは、画一的な建築の普及を目指すバウハウス系建築家がアメリカで大きく活動することによって、彼らの国際様式(モダニズム建築)が世界的なスタンダードとされていたが、次第にこれに反発する動向が見られるようになり、CIAM(近代建築国際会議)の解散も相俟って地域や用途、建築家の感性によってふさわしい造形を決定する個性化の流れが生まれ、大胆な形態の組み合わせを見せるポストモダン建築が登場した。
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