現代居合道化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 23:06 UTC 版)
下村派、谷村派の両方を修行し、その差異を知った大江は、英信流を広めるにあたり、場合によっては師伝によってバラつきのあった英信流の業の統一化を図った。初心者であっても覚えやすいよう業の一本化が進み、それまで存在していた替え業や裏の形はここからほとんど指導されることはなくなっていき、これに伴って業の名称なども行ったという。種目名も正座が中心の大森流居合を正座之部、英信流居合を立膝之部、太刀打之位を居合道之形といった具合に改称し、太刀打之位にいたっては本来10本あったところ、7本にし古伝の形とも変えられた。業の改称はともかく、太刀打之位を大幅に変えた理由は現在にしても謎とされるが、これは英信流居合道においても、先の剣道形7本に対応させたのではないかという説がある。 こうした大江の所業は現代に古流を学ぼうとする者にとっては功罪ともいえるものでもあるが、当時、幕末から明治の世に至り、英信流に限らず当時の武術界において、それぞれの流派が流派存続そのものが危ぶまれていた時期であった。英信流も同様の状況であり、こうした改称や改業は剣道(剣術)や柔道(柔術)のように、現代武道化させることで広く多くの人々に英信流を学んでもらいたいという大江なりの苦心の策であったともいわれる。
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