現代小説とは? わかりやすく解説

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現代小説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 02:11 UTC 版)

ハードボイルド」の記事における「現代小説」の解説

日本ハードボイルド史の起点定めるのは容易ではない山本周五郎が黒騎士変名で『新青年1948年2月号に発表した失恋第五番」、同3月号に発表した失恋第六番」 はハードボイルドふうの文体書かれており、大藪春彦触発されたとの指摘もある。また島田一男も『宝石臨時増刊号1949年7月)に発表した拳銃香水」を皮切りに行動的な新聞記者探偵役用いたブン屋物を次々発表軽快文章活かしたテンポのいい物語ハードボイルド彷彿とさせる。さらに赤木圭一郎主演の「拳銃無頼帖」シリーズ原作者として知られる城戸禮1950年頃から『青春タイムス』などのカストリ雑誌アクション性の強い作品発表しており、のちに「青樹ハードボイルド」(青樹社発行のハードボイルド・シリーズ)などで活躍する城戸ハードボイルド作家としての起点をこれらの作品求めることができるのは間違いない。これ以外にも江戸川乱歩推輓デビューした本格推理作家鷲尾三郎が『探偵倶楽部1954年4月号に「俺が法律だ」という題名からしてミッキー・スピレイン彷彿とさせる作品発表しており、これらが日本ハードボイルド史の起点ないしは前史位置づけることはできるものの、いずれも先駆的作品とどまった明確にハードボイルド意識して書かれ今日的な眼で見てハードボイルドと言い得る作品書かれるうになるのは昭和30年代入ってからである。その担い手となったのは、当時20歳前後若者たちだった。1955年昭和30年)、当時東北大学文学部学生だった高城高本名乳井洋一)は大学生である「私」役名高城)が米軍占領下仙台殺人事件を追う「X橋附近」(『宝石1月増刊号)でデビュー翌年には私立探偵石原次郎主人公とする「冷たい雨」(『宝石1月増刊号)を発表したデビュー作となったX橋附近」については「国産ハードボイルド嚆矢」(池上冬樹)との見方もある。また1958年には当時早稲田大学教育学部学生だった大藪春彦が「野獣死すべし」でデビュー同人誌青炎』、『宝石7月号に掲載後、大日本雄弁会講談社より単行本化)。以降タフ非情な主人公アクション繰り広げる作品多数発表した。さらに1959年には河野典生が「ゴウイング・マイ・ウェイ」(『宝石12月号)でデビュー1963年には『殺意という名の家畜』で日本推理作家協会賞受賞した。この3人には奇しくも生れ1935年で、かつデビュー作掲載されたのが『宝石』という共通項があり、当時は「ハードボイルド三羽烏」と呼ばれたという。 それより前の世代では、1960年島内透書き下ろし長編小説『悪との契約』でデビュー翌年にも同じく書き下ろし長編『白いめまい』を発表。「洗練されたセンスドライなタッチ軽快スピード」(同書カバー折り返し記されたブラーブの一節)を特徴とする作風は「日本初め正統ハードボイルド定着した感がある」(同カバー裏)と評された。また1959年デビュー以来様々なジャンルミステリ手掛けていた結城昌治が『死者におくる花束はない』(1962年)からハードボイルド分野進出し、『暗い落日』(1965年)など私立探偵小説傑作発表する。さらに早川書房編集者だった生島治郎も『傷痕の街』(1964年)で作家デビュー、『追いつめる』(1967年)で直木賞受賞した。また1960年代前半からスパイ小説新境地を拓いていた三好徹は、1968年から新聞記者主人公にしたハードボイルド・スタイルの「天使シリーズ書き始めた仁木悦子も『冷えきった街』(1971年)などの三影潤シリーズで、優れたハードボイルド私立探偵小説を書く。また当初純文学作家としてデビューした菊村到江戸川乱歩勧めもあって推理小説移行し1959年には失踪した男の行方を追う新聞記者麻薬密売事件巻き込まれてゆく『けものの眠り』を発表社会派ミステリありながらハードボイルド文体犯罪小説ともなっており、翌年には鈴木清順監督により映画化もされた。 こうした社会問題描く手法としてハードボイルド取り入れた作品とは別に純粋にアメリカ流のハードボイルド・タッチを楽しもうとする気風出てきた。その担い手となったのは1958年アメリカ版MANHUNT日本版として創刊され『マンハント』蝟集した作家翻訳家たちで、その成果物として挙げられるのが中田耕治の『危険な女』(1961年)、山下諭一の『危険な標的』(1964年)、都筑道夫贋作カート・キャノン・シリーズ(1960年)などである。また人脈としては異なるものの、小泉喜美子津田玲子名義新聞連載した殺人お好き?』(1962年/連載)もこれに加えて良いかも知れない。さらに時期はずれるものの、『マンハント』プロ文筆家としてデビューしその後翻訳者解説者としてハードボイルド普及貢献した小鷹信光片岡義男も独自のハードボイルド作品創作している。 1970年代になると、ハードボイルドこだわり続け戦後生まれ作家現れる短篇抱きしめたい」(1972年)で小説デビューした矢作俊彦と、短篇感傷の街角」(1979年)で登場した大沢在昌である。この2人都会的な作風で、日本国ハードボイルド時代築いた。また2人とも漫画原作行った1970年代末から1980年代にかけて冒険小説ブームとなり、その担い手となった作家には船戸与一佐々木譲志水辰夫逢坂剛藤田宜永など、ハードボイルドにも意欲見せた者が少なくない中でも北方謙三は、日本的ハードボイルドのひとつのスタイル作り上げた1988年には原尞登場沢崎探偵シリーズ第2作の『私が殺した少女』(1989年)で直木賞受賞する。また1989年には稲見一良が『ダブルオー・バック』でデビュー肝臓癌による余命宣告受けて作家デビューであり、1994年63歳亡くなるまでに7冊のハードボイルド小説世に送り出した1990年代には東直己藤原伊織香納諒一真保裕一ハードボイルド書き手登場したまた、桐野夏生の『顔に降りかかる雨』(1993年)や柴田よしきの『RIKO 女神永遠』(1995年)、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞短編部門)を受賞した若竹七海葉村晶シリーズ誉田哲也の『ストロベリーナイト』(2008年松岡圭祐の『探偵の探偵』(2014年)など女性主役にしたハードボイルド・タッチの作品現れている。

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現代小説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 02:25 UTC 版)

ボーア人」の記事における「現代小説」の解説

南アフリカにおけるケープ植民地ボーア人歴史は、米国人著者ジェームズ・ミッチェナー小説『The Covenant』で詳細に綴られている。

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現代小説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/14 15:20 UTC 版)

鳴海丈」の記事における「現代小説」の解説

刊行順。 『殺されざる者』単行本徳間書店1998年9月初版 トクマ・ノベルズ徳間書店2000年12月初版 徳間文庫徳間書店2005年2月初版悪漢探偵 濡れた標的篇』トクマ・ノベルズ徳間書店1999年11月初版 徳間文庫徳間書店2004年2月5日初版 『淫の収穫悪漢探偵トクマ・ノベルズ徳間書店2000年2月初版悪漢探偵 淫の収穫篇) 徳間文庫徳間書店2004年3月初版 『乱愛の館』ウルフ・ノベルズ、学習研究社2002年7月初版 徳間文庫徳間書店2003年11月15日初版 『乱愛のオフィストクマ・ノベルズ徳間書店2003年11月初版

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