社会派ミステリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/20 15:05 UTC 版)
処女長篇は『瀬戸内殺人海流』であり、作家活動の初期には、公害や医療業界の暗部を抉るような作品により、社会派ミステリの書き手としてのイメージが先行した。『安楽死』『蒼き海の伝説』では、追い詰められた境遇の男を主人公にして、死地をくぐり抜けるなどの展開のある、続く『君よ憤怒の河を渉れ』に連なる冒険小説的な要素を備えるようになる。後にハードロマン的作品に比重が移っていき、ミステリ的作品は主に短編で書かれた。 『屍海峡』に登場する瀬戸内海での鯔漁のシーンは、短編「海の宴」(『咆哮は消えた』)でもテーマとして描かれている。 作品リスト 『瀬戸内殺人海流』サンケイ新聞社出版局 1973年 『安楽死』サンケイ新聞社出版局 1974年 『屍海峡』サンケイ新聞社出版局 1974年 『蒼き海の伝説』徳間書店 1975年 『幻の白い犬をみた』ベストブック 1976年(短編集) 『妄執果つるとき』光文社 1977年(『カッパまがじん』1976年初秋号、「妄執の果つるとき」改題) 『憑神』徳間書店 1984年(中編集) 『衄られた寒月』光文社 1988年(中編集、『小説宝石』1984、85年) 『世にも不幸な男の物語』徳間書店 1995年(短編集) 『幽鬼犬』徳間書店 1996年(『世にも不幸な男の物語』改題)
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