現代小説などとは? わかりやすく解説

現代小説など

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 08:04 UTC 版)

大佛次郎」の記事における「現代小説など」の解説

1933年の『霧笛以来生まれ故郷横浜幕末開花期舞台にした作品に、『花火の街』『幻燈』『薔薇の騎士』『その人』などがある。『霧笛』については後に「私は横浜生れだし、明治時代の古い横浜郷愁のやうなものを感じて成長して来た。震災の後に戦災で、もとの面影が跡かたなく消えて了つて見ると。『霧笛』を書いて置いてよかつたと思つてゐる」(『大佛次郎作品集1951年 あとがきと書いている。1936年朝日新聞連載した『白い姉』で現代小説書き始め、続く『ふらんす人形』では、ダンスホールで働く当時では珍しいダンサー姉妹描き、『雪崩』では社会不安感じ始めてきた昭和初期若者たち描いたこの頃仕事場にしていたホテルニューグランド憂さ晴らしにしばしば抜け出して横浜中華街酒場中華料理店での付き合い人物観察から、『霧笛』などの作品生まれた。 『白い姉』(1932)に登場するモダンガール佐保子が告白する所有物から感じ息苦しさは、サルトル嘔吐』に描かれる実存の不安と同質なものであり、人間持ち物から影響を受ける点でマルクス初期疎外論に近いものであること、また『黒潮』(1948)ではピエール・ジョゼフ・プルードンの「財産盗みである」という命題元にした台詞があることを、村上光彦指摘している。井上靖は、日本文壇には一つ特別席があり、その席に座っている作家として泉鏡花次いで谷崎潤一郎、そして大佛次郎であると述べている。都筑道夫大佛次郎文体模写励み自身初期の時代小説は「角田喜久雄が書くような伝奇小説大佛次郎文体書いたのだった」と述べている。 戦後すぐに発表した帰郷』について大佛は「戦後に心にきざした或る怒りから生れた」と述べ敗戦直後日本混乱乗じたような人々が、元軍人ニヒリスト対比して描かれている。また続いて書かれた『宗方姉妹』『旅路』『風船』などの作品とともに山本健吉は「氏の時代小説にあったロマネスク要素は、ここでは次第に影をひそめて来て心境小説的な要素いちじるしく加わって来ている」と評している。 『帰郷』は1955年英訳され続いてスペイン語イタリア語ノルウェー語フィンランド語刊行されている。『旅路』も1961年英訳続いてスウェーデン、フィンランド語に訳される。『帰郷』について『ネイション』誌では「戦後の日本の他に類例の無い生活風景描写の中で、この小説人間淋しさ愛情恐怖、および貪欲普遍性扱っている。」と評した

※この「現代小説など」の解説は、「大佛次郎」の解説の一部です。
「現代小説など」を含む「大佛次郎」の記事については、「大佛次郎」の概要を参照ください。

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