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日本酒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/16 05:06 UTC 版)

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一杯の日本酒
樽酒

ラベル表示用語

任意記載事項

国税庁清酒の製法品質表示基準による任意記載事項は、以下の通り。

原料米の品種名
酒造好適米など、特定の品種を原料米の50%以上使用した場合、品種名とその使用割合を表示できる。
清酒の産地名
単一の産地で製造された場合、産地名を表示できる。
貯蔵年数
一年以上貯蔵・熟成された清酒には、貯蔵年数を表示できる。酒造メーカーによっては、1年以上経た酒に古酒、古々酒、大古酒、熟成酒、熟成古酒、秘蔵酒などの名称を冠して販売することがある。年数と用語に関する統一された基準はないが、酒蔵や酒販店で組織する長期熟成酒研究会によれば3年以上寝かせた酒を指すことが多い[13]
原酒
上漕後、割水もしくは加水調整(アルコール分1%未満の範囲内の加水調整を除く)をしない清酒。
生酒
製成後、加熱処理(火入れ)を一度もしない清酒。酵母などの微生物や酵素が残っており品質が変化しやすいので、鮮度には注意が必要であり、冷蔵保存する必要がある。
生貯蔵酒
製成後、火入れをしないで貯蔵し、製造場から移出する際に火入れした清酒。貯蔵期間については規定されていない。
生一本
清酒の製法品質表示基準「単一の製造場のみで醸造した純米酒である場合」と定められている。表示基準などが制限される以前は、「灘酒」が生一本の代名詞として呼ばれていた。[14]
樽酒
木製ので貯蔵し、木香のついた清酒(瓶その他の容器に詰め替えたものを含む)。

その他の表示

濁り酒
生詰酒
生貯蔵酒とは逆に、製成後、火入れをしてから貯蔵し、製造場から移出する際には火入れを行わない清酒。
ひやおろし
冬季に醸造した後に春・夏の間涼しい酒蔵で貯蔵・熟成させ、気温の下がる秋に瓶詰めして出荷された清酒。本ページ「ひやおろし」参照。

以下3項目は、上槽時に搾りが施されている間の時期(前期・中期・後期など)で分類されるが、明確な基準はない。

荒走り(あらばしり)
上槽時、すなわちという搾り器を使って(もろみ)を搾るときに、最初にほとばしるように出てくる部分の酒のこと。圧力を加えないで、最初に積まれた酒袋の重みだけで自然に出てくるもの。一般に固形分である(おり)が多く、アルコール度は比較的に低めで、香りも高く切れ味が良い。
中取り(なかどり)、中汲み(なかぐみ)、中垂れ(なかだれ)
上槽時、荒走りの次に、中間層として出てくる部分。アルコール度や味は、ほどほどの中間点。味と香りのバランスが最も良い、あるいは荒走りより練られた味だ、とも評される。厳密には、この中取り、もしくは中汲み、中垂れという一つの段階の中にも、酒袋が槽一杯になるまで積まれたときに酒袋の山の自重で出てきたものと、自重に加えてさらに圧力を掛けたときに出てきたものの二段階がある。
責め(せめ)・押し切り(おしきり)
上槽時、最後に出てくる部分。特に槽搾りにおいて、圧搾して出てきた部分。アルコール度は高く、かなり練られた濃い味。
袋吊り、袋しぼり、雫しぼり、首吊り
上槽時、もろみを袋に詰め、袋を吊り下げてそこから垂れてくる酒をとる方法。出品酒などの高級酒に多く用いられる。こうして採られた酒は雫酒(しずくざけ)と呼ばれることもある。
斗瓶取り、斗瓶囲い
上槽時、出てきた酒を瓶(18リットル瓶)単位に分け、そこから良いものを選ぶ方法。出品酒等の高級酒に多く用いられる。
無濾過
「無濾過」については酒税法上の明確な定義はなく、製造者によって使われ方が異なる。「一切濾過行為をしない」「不要な固形物を取り除くための粗い目のフィルター以外には濾過をしない」「活性炭濾過による香味調整をしない」などの意味合いとして表示される[15]
濁り酒、おりがらみ
濁り酒は、上槽の際に粗い目の布などで濾して、意図的に滓を残したもの。火入れをしない場合は瓶内部で発酵が持続し、発泡性のものになる。おりがらみは、滓下げをしないままのもの。どちらも、滓に含まれているや旨み、醪独特の濃厚な香りや味わいを楽しむために造られる。「にごり酒」と表示されていても、清酒に微かな滓が漂っているものから、瓶の向こう側が見えないどぶろく状の商品まで、濁りの度合いは幅広い。
発泡日本酒
発酵や封入による炭酸ガスの泡立ちを楽しめる発泡日本酒もあり、製造元の酒蔵が集まって2016年に「awa酒協会」を設立した[16]
地理的表示
国税庁の酒類の地理的表示に関する表示基準を定める件(平成27年国税庁告示第19号)により、国税庁長官の指定を受けた地域においてはその表示できるとともに、産地の特長を生かすよう原料や製法等が制限される。また、「清酒の産地のうち国税庁長官が指定するものを表示する地理的表示は、当該産地以外の地域を産地とする清酒について使用してはならない」ため、他地域で製造された清酒には類似表示(「○○風仕込み」「○○式清酒」)が禁止され、地域ブランドを保護できる。2020年現在、清酒では以下の5地域。

が指定を受けているほか、日本国内全体を産地として保護する「日本酒」も指定されている[17]

外国産清酒の表示

上述の通り「日本酒」または「Japanese Sake」の表示は、地理的表示保護制度によって日本国内において製造された清酒にのみ認められている。日本国外で製造された清酒は「日本酒」と呼称することができないほか、「日本風」「日本式の製法」などとラベルや広告、店頭ポップ等に表示することもできない。

また、外国産の日本酒については、「酒」「清酒」「〇〇産清酒」としてのみ販売できる。日本以外で作られた「外国産清酒」を日本国内で販売する場合には、原産国名および外国産清酒を使用したことの表示が必要となる[18]。アメリカなどでは「SAKE(サーキー)」が一般的であり、こちらで呼ばれることが多い。


注釈

  1. ^ 日本をニッポンと読んで、ニッポン酒の略。
  2. ^ 酒税法2条1項は「酒類」について、「アルコール分1度以上の飲料…をいう。」と定義している。
  3. ^ 酒税法施行令2条は「清酒の原料として定める物品」として、アルコール、焼酎ぶどう糖その他財務省で定める糖類、有機酸、アミノ酸塩、清酒を定める。
  4. ^ この政令で定める物品の重量の合計は、米と米こうじの重量の50%を超えないものに限られる(酒税法3条7号ロ)。
  5. ^ 酒税法上は「その他の醸造酒」(3条19号)、構造改革特別区域法では「酒税法第3条第19号に規定するその他の醸造酒(米…、米こうじ及び水又は米、水及び麦その他の財務省令で定める物品を原料として発酵させたもので、こさないものに限る。)」(28条1項2号)、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則では「濁酒」(11条の5、「米、米こうじ及び水を原料として発酵させたもので、こさないもの」)と定義される。
  6. ^ 削られた部分は米粉、あるいは飼料用に転用されて再利用されている。
  7. ^ しかし、これらの雑味の中には調理に有効な旨味成分も多く含まれていることから、料理酒用として醸造される日本酒の中にはあえて雑味を残す醸造方法をとっているものもある。どちらを使えばいい?「料理酒」と「清酒」の【5つの違い】家のコトで役立つ 東京ガスくらし情報サイト ウチコト 2019年7月31日閲覧
  8. ^ 中国ではパスツールより700年以上前の代の1117年政和7年)に序文が書かれた醸造技術書『北山酒経』の中に、「」という表現が見られ、加熱殺菌を意味する「煮酒」の技法が記載されている。しかし同書が室町時代頃までに日本にもたらされたか否かについては定かでないので、日本の火入れの技法が中国大陸から伝来したものか、日本が独自で辿り着いたのかについては、現在まだ分かっていない。

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