杉玉とは? わかりやすく解説

すぎ‐だま【杉玉】

読み方:すぎだま

《「すぎたま」とも》「酒林1」に同じ。


杉玉

読み方:スギタマ(sugitama)

球状たばねて軒先からつるしたもの。


杉玉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 13:59 UTC 版)

杉玉発祥の地、奈良酒蔵に吊るされる杉玉(油長酒造

杉玉(すぎたま、すぎだま)とは、スギの葉(穂先)を集めてボール状にした造形物。酒林(さかばやし)とも呼ばれる[1]日本酒造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる[1]。「搾りを始めました」という意味である。

概要

発祥

杉玉(酒造仙醸)

奈良県にあるおの神様を祭る大神神社の文化だったといわれる。大神神社では、毎年11月14日に「おいしいお酒ができるように」という願いを込めて杉玉を飾ってきたが、その習慣が江戸時代初頭から全国の酒蔵へ広まったともいわれる。大神神社には酒栄講(さかえこう)と呼ばれる酒造関係者の信仰組織があり、11月の醸造安全祈願祭前後から講員に向けて杉玉を授与している。酒栄講は大正時代に造られた組織のため、その時にはすでに杉玉があったとみられる[2]。大神神社がある三輪山周辺にはスギが多く自生し、三輪山のスギは聖なるものとされているため、スギを使った杉玉ができたとされている。本来は三輪山のスギで作られた杉玉を飾ることが習わしだったが、現在では各地の酒蔵が独自に製造したり、業者に依頼して作っていることが多い[1][3]

意味

杉玉はおおむね2月から3月に飾られるが、この時期は新酒の季節であり、「今年も新酒ができましたよ」という目印になる[3]。吊るされたばかりの杉玉はまだ蒼々としているが、やがて枯れて茶色がかってくる。緑色(2月から6月頃)は新酒の季節、薄い緑(初夏から夏頃)は夏酒、枯れた茶色(秋頃)はひやおろしの季節というように、日本酒造りの時期と杉玉の色は同調しており、杉玉の色の変化がまた人々に、新酒の熟成の具合を伝える[3]

今日では、酒屋の看板のように受け取られがちであるが、元々は酒の神様に感謝を捧げるものであったとされる。

俗に一休宗純の作とされるうた「極楽は何処の里と思ひしに杉葉立てたる又六が門」は、杉玉をうたったものである[4]

スギの葉は酒の腐敗をなおすからスギの葉をつるすという説もある。

作り方

針金で芯となるボール(できあがりの半分ぐらいの大きさ)を造り、杉の葉を下方から順に差し込んで固定していく。上まで刺したら、球状になるようにきれいに刈り揃えて完成である。

出典

  1. ^ a b c みうらじゅん監修『アレの名前大百科』2016年、PHP文庫、69頁。
  2. ^ 知っているようで知らない“杉玉”の噺 - 酒噺”. もっとお酒が楽しくなる情報サイト. 宝酒造株式会社. 2024年5月28日閲覧。
  3. ^ a b c 酒蔵にある杉玉、どんな意味?杉玉の意味や由来について”. 沢の鶴株式会社. 日本酒を知ろう (2019年10月28日). 2020年12月10日閲覧。
  4. ^ 日本の食文化大系/第二十一巻 酒博物誌 第四部 177page 酒林 著者・芝田喜三代  昭和六十一年

関連項目


杉玉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 14:03 UTC 版)

大神神社」の記事における「杉玉」の解説

例年11月14日行われる醸造安全祈願祭酒まつり)で拝殿に杉玉が吊るされる。これが各地の造り酒屋へと伝わった

※この「杉玉」の解説は、「大神神社」の解説の一部です。
「杉玉」を含む「大神神社」の記事については、「大神神社」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「杉玉」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「杉玉」の関連用語

杉玉のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



杉玉のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの杉玉 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの大神神社 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS