無形文化遺産
英語:Intangible Cultural Heritage
各地域で長い時間をかけて受け継がれてきた伝統や慣習などの文化を、保護すべき遺産として認定する制度。および、その制度に基づき認定された文化のこと。
無形文化遺産は、世界遺産と同様にUNESCOによって認定されている。社会的慣習や行事、芸能、口承で伝えられてきた表現などが主な対象とされる。
無形文化遺産は2006年に、無形文化遺産条約に基づき発効した。2008年に90種、2009年に76種、2010年に47種の伝統文化や行事などが無形文化遺産に登録されている。
日本からは、2008年~2010年の間に、能楽、歌舞伎、雅楽、祇園祭の山鉾、早池峰神楽、チャッキラコ、秋保の田植踊などが無形文化遺産に登録されている。
関連サイト:
無形文化遺産について - 社団法人日本ユネスコ協会連盟
Nôgaku Theatre - UNESCO/Intangible Heritage Lists(英語)
Kabuki Theatre - UNESCO/Intangible Heritage Lists(英語)
Gagaku - UNESCO/Intangible Heritage Lists(英語)
むけい‐ぶんかいさん〔‐ブンクワヰサン〕【無形文化遺産】
読み方:むけいぶんかいさん
無形文化遺産保護条約に基づいて登録された、世界各地の芸能、口承文学、社会的な習慣や儀式・祭事、自然に関する知識や慣習、伝統工芸技術などのさまざまな無形の伝統文化遺産。日本の文化では能楽や結城紬などが取り上げられている。その他に、馬頭琴の伝統音楽(モンゴル)、バヌアツの砂絵、カラワヤ族のアンデス的宇宙観(ボリビア)など。
[補説] 日本の無形文化遺産(かっこ内は記載年)
能楽(平成20年)
人形浄瑠璃文楽(平成20年)
歌舞伎(平成20年)
雅楽(平成21年)
小千谷縮・越後上布(平成21年)
石州半紙(平成21年)※「和紙」に統合
日立風流物(平成21年)※「山・鉾・屋台行事」に統合
京都祇園祭の山鉾行事(平成21年)※「山・鉾・屋台行事」に統合
甑島(こしきしま)のトシドン(平成21年)※「来訪神」に統合
奥能登のあえのこと(平成21年)
早池峰神楽(平成21年)
秋保(あきう)の田植踊(平成21年)
チャッキラコ(平成21年)
大日堂舞楽(平成21年)
題目立(だいもくたて)(平成21年)
アイヌの古式舞踊(平成21年)
組踊(平成22年)
結城紬(平成22年)
壬生(みぶ)の花田植(平成23年)
佐陀(さだ)神能(平成23年)
那智(なち)の田楽(平成24年)
和食 日本人の伝統的な食文化(平成25年)
和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術(平成26年)
山・鉾・屋台行事(平成28年)
来訪神 仮面・仮装の神々(平成30年)
伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術(令和2年)
無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/27 05:43 UTC 版)
無形文化遺産(むけいぶんかいさん、Intangible Cultural Heritage)は、民俗文化財、フォークロア、口承伝統などの無形文化財を保護対象とした、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の事業の一つ。2006年に発効した無形文化遺産の保護に関する条約に基づく。無形文化遺産に対して、ユネスコの世界遺産は建築物など有形文化財を対象とする。関係して2001年から3回行われた傑作宣言による90件を引き継いて含まれる。
出典
- ^ 外務省-無形文化遺産の保護に関する条約
- ^ CONVENTION FOR THE SAFEGUARDING OF THE INTANGIBLE CULTURAL HERITAGE、条約、(英語)ユネスコ, 2003
- ^ ユネスコ無形文化遺産、09年に初登録 能や歌舞伎も [リンク切れ]/ asahi.com / 2007年9月7日
- ^ ユネスコ、人種差別と登録抹消 文化遺産のベルギーのカーニバル 共同通信(Yahoo!ニュース) 2019年12月14日
- ^ [1]、ユネスコ無形文化遺産リスト
- ^ 山・鉾・屋台行事、無形文化遺産に登録決定 ユネスコ 朝日新聞2016年12月1日
- ^ ユネスコの無形文化遺産 日本の「伝統建築工匠の技」登録決定 NHK 2020年12月18日
- ^ 文化審議会世界文化遺産部会(第5回)議事次第 文化庁文化審議会世界文化遺産部会
- ^ 無形遺産、国内候補選定へ 22年登録の議論スタート 日本経済新聞2019年6月11日
「阿万の風流大踊小踊」がユネスコ無形文化遺産の国内候補に 南あわじの伝統芸能/兵庫県 サンテレビ2020年2月19日 - ^ ユネスコ無形遺産候補に「風流踊」を選定 共同通信2020年2月19日
令和元年度におけるユネスコ無形文化遺産への提案候補の選定について 文化庁 - ^ 読売新聞2021年1月16日
- ^ 読売新聞2020年1月25日夕刊
- ^ 日本酒・焼酎 無形文化遺産めざす 輸出や消費拡大期待 施政方針で首相 日本農業新聞2021年1月19日(Yahoo!ニュース配信)
- ^ 令和3年度におけるユネスコ無形文化遺産への提案候補の選定について 文化庁
- ^ ユネスコ無形遺産、茶道・盆栽も申請検討 候補対象を拡大 日本経済新聞2017年2月22日
- ^ 改正文化財保護法が成立 地域の祭りや郷土料理など幅広く保護 NHK2021年4月16日
- ^ Living heritage experiences and the COVID-19 pandemic - intangible heritage - ユネスコ
- ^ Recognizing importance of living heritage during pandemic Mirage News2020年12月4日
- ^ ボルシチを消滅危機の無形文化遺産に指定 ユネスコ AFP=時事通信 2022年7月1日
注釈
- 1 無形文化遺産とは
- 2 無形文化遺産の概要
- 3 分野
- 4 日本国内の動向
- 5 積極的活用
無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/23 06:54 UTC 版)
パンテッレリーアにおける、伝統的なブドウ栽培の方法とそれをめぐる農業・文化・地域社会のあり方は、2014年に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている(it:Vite ad alberello di Pantelleria)。登録名義は Traditional agricultural practice of cultivating the ‘vite ad alberello’ (head-trained bush vines) of the community of Pantelleria。 アルベレッロ(イタリア語版)は、ブドウの木の枝の仕立て方(Vine training)の一つで、南イタリアを中心に行われている。ブドウの枝は6つの放射状の形になるよう仕立てられて適切に管理され、ブドウは手作業で収穫される。ユネスコによれば、パンテッレリーアではおよそ5000人ほどの住人が自己の所有地でこうしたブドウの栽培を行っており、技術と習慣を何世代も受け継いできた。これは「持続可能な農業」のあり方であるとともに、収穫期・収穫後の儀礼や祝祭を通じて地域社会が習慣を共有しており、アルベレッロでブドウを育てることを受け継ぐことが村の人々のアイデンティティとなっている、とされる。
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無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:54 UTC 版)
伝統芸能、祭礼、伝統工芸などの無形の文化遺産については、有形の文化遺産を対象としている世界遺産の枠組みでは保護することが難しいため、新たな枠組みとして無形文化遺産保護条約に基づく無形文化遺産の制度が設けられている。無形文化遺産保護条約は2003年にユネスコで採択され2006年に発効した。条約は、政府間委員会による一覧表作成、専門家の派遣、国際的援助のための無形文化遺産基金の設立などを規定している。既に2001年から優品主義に基づいて「人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言」(傑作宣言)の選定が始まり、その後、2003年、2005年に選定が行われ90件に達していたが、無形文化遺産条約の発効で、2008年に「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」(代表リスト)に統合された。無形文化遺産の代表リストへの記載は、各国からの推薦に基づいて選定され、2009年9月から正式に開始された。世界遺産のような優品主義とは異なり、文化の多様性を認め、「生きている遺産」を対象とし、変化を許容しつつ伝承の存続を重視する。
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無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 04:37 UTC 版)
ボリビア国内の無形文化遺産。 オルロのカーニバル(2001年) カリャワヤのアンデスに関する宇宙観(2003年)
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無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:41 UTC 版)
無形文化遺産はユネスコが推進する世界遺産の無形文化財版。 地中海沿岸の灌漑法廷(バレンシア平野の水法廷) アル・アフラジ:アラブ首長国連邦の伝統的な灌漑システムおよびその建設・メンテナンスと公平な配水に関する口承・知識と技術
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無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/30 00:55 UTC 版)
2010年、イタリア料理、ギリシア料理、スペイン料理と共にモロッコ料理が「地中海食」として国際連合教育科学文化機関の無形文化遺産に登録された。2014年、「アルガンノキに関する慣習とノウハウ」が登録された。
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無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/04 15:09 UTC 版)
ブータンのダミツェ・ンガ・チャムは2005年に人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言に、2008年にユネスコの無形文化遺産に登録された。
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無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 08:30 UTC 版)
マラケシュはユネスコの世界遺産に登録(ID331)されるとともに、ジャマエルフナ広場の文化空間について、無形文化遺産保護条約の発効以前の2001年に「傑作の宣言」(第1回)がなされ「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に掲載され、ユネスコの無形文化遺産に登録されることが事実上確定していたが、2009年9月の初の登録で正式に登録された。 ジャマエルフナ広場の文化空間 城壁に囲まれた旧市街の中心にある約400m四方のジャマエルフナ広場は、文化と交易の中心として栄えてきた。現在では、屋台や大道芸でにぎわう。ジャマエルフナ (Djemaa el Fna) とは、アラビア語で死人の集会場を意味する。
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無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 03:21 UTC 版)
2010年、メキシコの伝統料理はユネスコの無形文化遺産に登録された。
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無形文化遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 06:33 UTC 版)
オルネクは、2018年2月にはウクライナの無形文化遺産(ウクライナ語版)の全国リストに、2021年にはユネスコの無形文化遺産のリストに登録される。
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「無形文化遺産」の例文・使い方・用例・文例
- 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は先日,世界の無形文化遺産の新リストを公表した。
- 歌舞伎は,能楽や日本の伝統的なあやつり人形劇である人形浄(じょう)瑠(ゆ)璃(り)文(ぶん)楽(らく)に続いて,日本からの3件目の無形文化遺産となった。
- 現在,ユネスコのリストには,全体で90件の無形文化遺産がある。
- 文化的伝統がユネスコによって無形文化遺産として選ばれるためには,それが人類の創造性の傑作であり,共同体の伝統や歴史にしっかりと根ざしていなければならない。
- メキシコ料理はユネスコによって無形文化遺産に認定されています。
- 日本人の伝統的な食文化「和食」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されそうである。
- 2006年からユネスコは舞台芸能や儀礼,伝統工芸などを無形文化遺産リストに登録してきた。
- 伝統的な日本の手すき紙である和紙が先日,国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産リストの最終選考に残った。
- 屋台行事がユネスコの無形文化遺産リストに登録される
- 「日本の山・鉾(ほこ)・屋台行事」が先日,ユネスコの無形文化遺産リストに登録された。
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