石州半紙とは? わかりやすく解説

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せきしゅう‐ばんし〔セキシウ‐〕【石州半紙】

読み方:せきしゅうばんし

石州石見(いわみ)国の異称島根県西部地方産の、コウゾ材料とした丈夫な和紙石見半紙

[補説] 国指定重要無形文化財また、本美濃紙細川紙とともにユネスコ無形文化遺産登録されている。


石州半紙

読み方:セキシュウハンシ(sekishuuhanshi)

島根県那賀郡三隅町で漉かれている強靱楮紙


石州半紙

名称: 石州半紙
ふりがな せきしゅうばんし
芸能工芸区分 工芸技術
種別 手漉和紙(てすきわし)
認定区分 保持団体認定
指定年月日 1969.04.15(昭和44.04.15)
解除年月日
指定要件 一 原料は、こうぞのみであること。
二 伝統的な製法製紙用具によること。
 1なぜ皮作業行ない煮熟には草木灰またはソーダ灰使用すること。
 2薬品漂白を行なわず、填料紙料添加しないこと。
 3叩解は、手打ちまたはこれに準じた方法行なうこと。
 4抄造は、「ねり」にとろろあおい用い竹簀による流漉きであること。
 5板干しまたは鉄板による乾燥であること。
三 伝統的な石州半紙の色沢地合等の特質保持すること。
備考 昭和44年4月15日 指定・認定保持者(代表者)・久保田保一)
昭和51年4月30日 認定解除保持者(代表者)・久保田保一)
(※法改正による)
昭和51年4月30日 認定保持団体・石州半紙技術者会)(※法改正による)
解説文: 江戸時代津和野浜田両藩が紙専売行なって製紙奨励した結果、両藩内で漉【す】かれる半紙総称の石州半紙【せきしゅうはんし】が広く知られるようになった寛政十年一七九九)、国東治兵衛あらわした紙漉重宝記」は石州半紙の製法農民懇切に解説した名著として内外名高い明治以後島根県が重要物産として奨励し製紙家も石州適した小松原叩解機の発明等の努力重ねて声価高まったが、社会情勢変化によって次第業者減少した。石州半紙は石州特有の色沢有し強靭で紙の風合剛直雅味富み緊締度の大きな、腰の強い紙で、用途記録用紙版画用紙障子紙、下張用紙など石州半紙でなくては果たせ多数のものを持っている
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手漉和紙(てすきわし):  本美濃紙  石州半紙  細川紙
染織:  久留米絣  久米島紬  伊勢型紙  喜如嘉の芭蕉布

石州和紙

(石州半紙 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/09 05:30 UTC 版)

石州和紙(せきしゅうわし)は、島根県の西部、石見地方で製造される和紙である。重要無形文化財[1]伝統的工芸品[2]、ユネスコ無形文化遺産(石州半紙)[1]の指定を受けている。

概要

紙質は強靱でありながら肌触りは柔らかく、その紙質から障子紙として多く用いられていた。しかし近年は家屋建築の構造の変化により障子紙が用いられることが少なくなったため、文化財修理、書道賞状の用紙、石見神楽の面や蛇胴など様々な用途に用いられるようになっている。JR西日本の豪華観光列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」ではランプシェードに採用された[3]

現在は島根県浜田市三隅町を中心に製造されている。工房は4件あり、石州和紙協同組合にて紹介されている[4]

原料

主原料
補助材料

など

歴史

慶雲和銅の頃(704年 - 715年頃)、柿本人麻呂石見国の民に紙漉きの技術を伝えたと言われている[5]。その後、紙漉きの技術は石見国中に伝わり、延長5年(927年)に編纂された『延喜式』にも産紙国42カ国のうちの一つとして石見国が記載されている[5]

鎌倉時代頃より石見国を二分する勢力であった吉見氏益田氏はそれぞれの領地で製紙を活発に行い、その紙が中央に流通していた。江戸時代に入ってからは津和野浜田両藩において徹底した紙専売制を行い、石州和紙の中で特に石州半紙の名は広く知られた。

初期は紙の大きさや材料は様々であった。江戸時代に入って材料、大きさともに統一されるようになり、生産性が飛躍的に向上した。

1894年(明治27年)には6,377戸[5]を数えるほどであった和紙製造も太平洋戦争の戦中戦後にかけて急速に衰えた。先人から代々伝わってきた技術を守るために石州和紙協同組合が設立され、1969年重要無形文化財1989年伝統的工芸品の指定を受けた。2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録された。

ブータン王国との技術交流

1980年代の前半、ブータン王国では上質な紙が不足しており、その多くを海外からの輸入に頼っていた。そこで日本の優秀な手漉き和紙の技術を取り入れ自国で生産する紙の質を向上するべく日本に協力要請がなされた。

1986年にブータン王国より三隅町(現浜田市)に技術研修員を受け入れて以来ブータン王国に手漉き機材を贈るなどの交流が進められた[6]。一時交流は途絶えていたが、ブータン国王来日後、改めて交流が再開している[7]

脚注

  1. ^ a b 和紙、世界の宝に ユネスコ無形遺産に決定”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社 (2024年11月27日). 2025年6月17日閲覧。
  2. ^ 石州和紙(トップ / しごと・産業 / 商工業 / 産業振興 / しまねの伝統工芸 / 工芸品一覧)”. 島根県. 2025年6月18日閲覧。
  3. ^ 特集1:豪華列車「TWILIGHT EXPRESS瑞風」運行・おもてなしで地域の魅力アップ(トップ / 県政・統計 / 政策・財政 / 広聴・広報 / フォトしまね / 207号)”. 島根県. 2018年8月25日閲覧。
  4. ^ -重要無形文化財、伝統的工芸品指定 石州和紙の製造-:工房紹介”. 石州和紙協同組合. 2025年6月18日閲覧。
  5. ^ a b c 島根県・石州和紙”. 全国手すき和紙連合会. 2025年7月9日閲覧。
  6. ^ 国際交流(ブータン王国)趣旨・背景”. 浜田市 (2018年11月19日). 2025年6月17日閲覧。
  7. ^ ブータン王国との交流を再開します”. 浜田市. 2025年6月17日閲覧。

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