ほん‐みのし【本▽美▽濃紙】
本美濃紙
本美濃紙
<ほんみのし>
区分
重要無形文化財
保持団体
本美濃紙保存会
<ほんみのしほぞんかい>
(岐阜県)
解説
我が国で最も古い紙は,正倉院に残る大宝2年(702)の美濃,筑前,豊前国の戸籍用紙であり,中でも美濃の用紙は漉きむらがなく,優れた技術を示している。中世には,美濃の紙名が文献にも頻出し,地域によって各種の紙が生産され,技術が発展したことが知られる。高級障子紙(書院紙とも称する)として江戸時代から最上と評価された本美濃紙の製作技術は,蕨生地区で伝承されてきた。 現在,本美濃紙は障子紙を中心として,記録用紙,文化財保存修理用紙などの用途を持つ。障子紙は日光に透かされて鑑賞されるので,繊維がむらなく整然と美しく漉き上げられているのが特色である。良質の茨城県産の那須楮を原料としており,縦ゆりに横ゆりを伴った紙漉き操作により,繊維が美しく広がった紙となる。
本美濃紙
名称: | 本美濃紙 |
ふりがな: | ほんみのし |
芸能工芸区分: | 工芸技術 |
種別: | 手漉和紙(てすきわし) |
認定区分: | 保持団体認定 |
指定年月日: | 1969.04.15(昭和44.04.15) |
解除年月日: | |
指定要件: | 一 原料は、こうぞのみであること。 二 伝統的な製法と製紙用具によること。 1白皮作業を行ない、煮熟には草木灰またはソーダ灰を使用すること。 2薬品漂白を行なわず、填料を紙料に添加しないこと。 3叩解は、手打ちまたはこれに準じた方法で行なうこと。 4抄造は、「ねり」にとろろあおいを用い、「かぎつけ」または「そぎつけ」の竹簀による流漉き であること。 5板干しによる乾燥であること。 三 伝統的な本美濃紙の色沢、地合等の特質を保持すること。 |
備考: | 昭和44年4月15日 指定・認定(保持者(代表者・古田行三)) 昭和51年4月30日 認定解除(保持者(代表者・古田行三)) (※法改正による) 昭和51年4月30日 認定(保持団体・本美濃紙保存会)(※法改正による) |
解説文: | 正倉院の大宝元年(701)の美濃国の戸籍用紙は漉きむらがなく、他の諸国の用紙より優秀な技術を示している。平安時代の延喜式によれば、美濃は製紙原料を群を抜いて多く貢納しており、わが国の代表的な製紙産地であった。江戸時代に美濃の障子紙は最上と賞され、明治時代には美濃紙を代表する紙は書院紙と評価が定まった。本美濃紙【ほんみのし】は高級な障子紙(書院紙)および記録用紙として用いられ、長い伝統の中で洗練された抄紙技術と高級な簀桁【すけた】用具によって楮紙のもつ強靭さと温雅な色と光沢、上品な地合【じあい】が発揮されている。用途上日光に透【す】かされるので繊維がむらなく整然と美しく漉き上げられているのが特色である。 |
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