一騎と同級生達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 06:15 UTC 版)
「蒼穹のファフナーシリーズの登場人物」の記事における「一騎と同級生達」の解説
主人公真壁一騎とその同期生。全員が学校で同じクラスで、総士と果林以外は島の実態を知ることなく過ごしていた。人類軍としてフェストゥムと戦っていたカノンも含め、本格的なファフナーパイロットとしてフェストゥムとの戦闘を始めた世代。全員がノートゥング・モデルの搭乗者であり、北極ミールとの決戦から5年後に当たる『EXODUS』では真矢以外が引退していたが、全員復帰した。10年後に当たる『THE BEYOND』の時点ではフェストゥムに近い存在となった一騎と甲洋以外は死亡あるいは引退しており、実質的な現役パイロットは真矢だけである。 真壁 一騎(まかべ かずき) 声 - 石井真、豊口めぐみ(幼少時代)誕生日:2131年9月21日 / 星座:乙女座 / 血液型:O型 / 身長・体重:169cm・56kg/ 好きな物:静かな場所、美味い食事 / 家族構成:父・真壁史彦 【1期】 本作の主人公。陶芸家の父と2人暮らし。男所帯ゆえに家事が得意。 人工子宮で誕生したアルヴィスのファフナー搭乗者の中でも最高ランクの適性を持つが、認識制限コードレベルの解除がその段階にまで成されていないことと皆城総士との関係を考慮され、あえてファフナーの搭乗を当初は避けられていた。天才症候群の影響としては、驚異的な運動能力、反射神経、肉体の耐久力を持つ。 小説版では、総士に「競い合うライバルさえ居れば何所までも成長し、オリンピックの全種目で金メダルを取れる」とまで言われたこともある。咲良が唯一柔道で勝てなかった人物でもあり、対戦した際には彼女を失神寸前にまで追い込み、「いつか殺す」とまで言い残された。その後、一騎は咲良目当ての学校中の男子から挑戦状を受け続ける羽目になる。 幼い頃に親友・総士の左目を傷つけて失明させた事件をきっかけに、無気力で自己否定が強い性格となる。それゆえにファフナーに搭乗していても性格の変化がほとんど見受けられない。しかし実際は、敵を倒すたびに密かに暗い悦びを覚えており、降りた後で自己嫌悪を繰り返している。そんな醜い心もジークフリードシステムを介して総士に筒抜けになっているが、周囲には秘密にしていることも負い目となっている。 フェストゥム襲撃に際して搭乗前の事故で死亡した果林に代わり、急遽マークエルフに搭乗して実戦に臨み迎撃に成功。その後は総士の下す命令に否応なく従いフェストゥムと戦うが、翔子の死と甲洋の離脱により総士へのわだかまりは日増しに強くなっていく。それが総士だけが知る真実に起因することだと気付き、総士の本当の考えを自分も知りたいという思いから、由紀恵に唆され竜宮島を離れる。 島の外の世界を目にし、一時は新国連軍の捕虜となるが、モルドバで再会した日野洋治からファフナー・マークザインを託され、迎えに来た真矢と溝口に助けられて竜宮島に帰還する。帰還後は総士と向き合い始め、総士もまた不器用ながらわだかまりを解消しようと努力したことで、歪だった2人の関係は健全化していく。 物語後半では同化現象の進行により視力が衰え、移動の際に杖が必要な状況になる。ミョルニア(真壁紅音)によってもたらされた最初のデータによって症状は改善したが、蒼穹作戦後に完全に失明する。 【RIGHT OF LEFT】 総士の幼馴染で僚の後輩。副司令の息子ながら、島の秘密は一切知らされておらず、自分の父親のもう一つの姿も当然知らない。総士とはかつて大変仲が良かったが、ある時期から急に傍から見ていて不自然なほど疎遠になっている。ごく普通の中学生として、他の同級生とも自分からはほとんど交わりを持たずに、ただひたすら近藤剣司からの決闘を受けて立つ日々を過ごす。 【劇場版】 溝口恭介と共に、喫茶店「楽園」でバイトコックをしている。看板メニューには「一騎カレー」「一騎ケーキ」がある。 同化現象の進行に伴い両目を失明していたが、北極で回収したメインのデータによって同化症状を回復させる薬が開発され、明るい場所では多少視える程度に回復している。 中盤でマークザインに搭乗し、操のマークニヒトと激突、機体ごとマークニヒトに閉じ込められてしまうが、甲洋の干渉により解放され、操がミールの支配から脱するきっかけを作る。作戦終了後、操の力で視力を完全に回復し、総士との再会を果たす。 【EXODUS】 喫茶「楽園」の調理人として、島の人々に憩いを提供する。料理の味は絶品らしく、カノンや剣司だけでなく保たちもそれを目当てに来店している。 最前線で激闘に身を投じ続け、心身に様々な犠牲を強いてきたこと(体に何かしらの異常があり、第1話時点では余命が3年ほどしかないと示唆されている)や、年齢的にファフナーパイロットであり続けるのが難しくなってきたこともあり、アルヴィス上層部からファフナーへの搭乗を禁じられていた。普段は周囲の配慮を気遣ってか穏やかに暮らしているが、ウォーカー襲来後は乗れないと知りつつもマークザインの元を訪れたり、父である史彦に「自分はまだ完全に(ファフナーに)乗れなくなった訳じゃない」、「いざとなったら自分を(捨て駒でもいいから)使って欲しい」と心情を吐露している。 人類軍兵士の間では、北極ミールを破壊した伝説のパイロット「D・アイランドのカズキ・マカベ」として英雄視され、自分たちにMAKABE因子を与えファフナーに乗れるようにしてくれたと感謝されている。しかし、因子による寿命の短縮という大きなリスクにさらされている彼らから逆に感謝されている事実は、一騎に戸惑いを与えている。 派遣部隊の出発から間もなく目覚めた織姫から、真矢たちの危機を知らされて、再びマークザインに乗る決意を固め、総士と共に派遣部隊に合流。戦線復帰後はリミッターを外したマークザインの力をもって他者を救う「万能感」「救済意識」の2つが、抑えられていたはずの変性意識として発現した。ロードランナー率いる群れを相手に圧倒的な力を見せつけた後、脱出行に同行する。 アビエイターの様子から宇宙に他の敵がいること、それが人類軍とフェストゥムの両方に自分たちの居場所を教えている可能性に気付く。また、第二次脱出行では自らの命をフェストゥムに返す決意を述べ、ナレインからも世界樹の祝福を受けて「命の果てを超えて生きる永遠の戦士」になる提案をされた。竜宮島への合流を図る脱出行の果て、アビエイターとの交戦中についに同化現象が末期まで進行、右腕が結晶化・崩壊してしまう。アビエイターの撃破には成功したものの、昏睡状態に陥る。 しかし、竜宮島ミールからカノンと翔子の姿で問いを投げかけられ、その答えから「存在と痛みを調和する存在」としての役割を受け、竜宮島ミールの祝福により、「生と死の循環を超えた存在」として覚醒(マスター型フェストゥムになったかは不明)。生命限界はなくなり再びマークザインに搭乗、第四次蒼穹作戦ではジョナサンの駆るマークレゾンとの決闘の果てに、マークザインによる同化を介した説得を選び、ジョナサンに正気を取り戻させた。その後マークレゾンとともにベイグラントのコアによって宇宙へ追放されかけるが、甲洋と操によって救い出され帰還。プランデルタ発令後は転生した総士を回収し、さらに2年後には総士とともに海神島で過ごしている姿が描写されている。 【THE BEYOND】 マークザインを美羽に譲渡、第五次蒼穹作戦時点でマークツヴァイ・グリムリーパーのパイロットとして参戦。マークザインと同じSDPで戦闘を行うものの、代償として力を酷使するたび休眠の必要がある(加えて、徐々に感情を失っていく)ウィークポイントをつかれ、空席となったグリムリーパーを奪われてしまう。 グリムリーパーを失った後はアキレスに乗り換え、アルヴィスの切り札としてパイロットを務めるほか、第二種任務として「楽園」の調理師を続けている。第二種任務ともに共通となった甲洋や操とともに、べノンからは「3人のエレメント」として恐れられる存在となっている。 偽竜宮島から総士を連れ出すも、そこでフロロを撃破したことで総士の激情を買い憎悪の対象となってしまうも、本人は変わらず優しさを持って接し続けている。総士がマークニヒトのパイロットとなったことで再びザルヴァートル・モデルを駆る決定に同意、改修されたアキレスをかつてのザイン初搭乗時の要領で、べノン軍のフェストゥムおよびファフナー群を吸収することでザルヴァートル化、マークアレスへと再構成してみせる。 皆城 総士(みなしろ そうし) 声 - 喜安浩平誕生日:2131年12月27日 / 星座:山羊座 / 血液型:A型 / 身長・体重:173cm・61kg/ 好きな物:コーヒー、チェス、クラシック音楽 / 家族構成:父・皆城公蔵、妹・皆城乙姫 【1期】 指揮管制システムであるジークフリードの搭乗者。一騎の幼馴染で乙姫の兄。責任感が強く寡黙な少年。成績優秀だが、愛想がないことと大人びた性格もあって、同世代の仲間に対しても上から目線の趣があり、周囲からは孤立しがち。言葉足らずで不器用な性格が災いして誤解を受けることが多いものの、実は仲間想いでナイーブ。幼少期に一騎から受けた傷で左目を失明している。 島の子供たちの中で唯一、島の外の世界の現実と惨状を知る。竜宮島のコアである乙姫の兄であることもあり、島を守ることに大きな責任を感じ、冷徹で頑なな態度を見せる。 自然受胎も可能だったが、瀬戸内ミールの因子そのものを移植させるため、人工子宮に移され誕生した。天才症候群の兆候により、複数の人間の思考や感情を並列に処理できる頭脳を持つ。他の子供と異なり、既に遺伝子の段階から免疫系レベルまで融合しているので、高いコード系成率と同時に強い同化耐性も持ち合わせており、分離統括型である現在のジークフリード・システムへの親和性・耐性も高い。 幼少時代に同化衝動に襲われ、一緒にいた一騎を同化しそうになるも、一騎の咄嗟の反撃で左目を負傷する。この出来事により、左目こそ見えなくなったものの自我を取り戻すことができた経験が、「皆城総士」という根源的なアイデンティティの獲得の絶対条件となっている。そのためファフナーとの一体化によって左目が見えてしまうことが、切り捨てたはずの「違う自分」=「フェストゥムとしての自分」の想起につながり、恐怖・拒絶を覚えてしまうという心理的ガーベッジによってノートゥングタイプのファフナーに搭乗できない。心の動きを見透かされ、同化現象の恐怖にさらされているパイロットたちに対しても申し訳ないと感じ、時としてパイロットに冷徹で過酷な命令を下している自分自身にも歯痒さを感じている。 終盤でジークフリード・システムごとフェストゥムによって北極に連れ去られる。蒼穹作戦でフェストゥムに痛みの祝福を与え、一騎たちに救出されるが、肉体は完全に同化されていたため、一騎と再会の約束を交わし消滅する。 【RIGHT OF LEFT】 僚の後輩で生徒会書記。ノートゥングモデルの起動実験を行うが、見えないはずの左目が見えることを受け入れられず、起動に失敗する。このためジークフリード・システムへの搭乗を公蔵に命じられ、前線で戦えないことに歯がゆさを感じている。 【劇場版】 コアとして残った精神だけが甲洋とミョルニアに保護され、操の庇護のもと目覚めを待っている。最終的には肉体を取り戻し一騎との再会を果たす。 【EXODUS】 アルヴィスのアルベリヒド機関に配属され、遠見千鶴と共に研究業に従事している。平時は眼鏡をかけるようになった。戦闘の際には、新設されたジークフリード・システムでの指揮を引き続き行っていたが、マークニヒトの戦線投入以降は指揮を剣司に委ね、マークニヒトのパイロットとして戦闘を行う。また、物語の語り部としてモノローグが流されるが、これはマークニヒト次期パイロットに向けて記録した遺言であった。 身体は普通のヒトから変容、「存在と無を調和する存在」たる、人間とフェストゥムの融合体に近しいものになっている。その影響で失明していた左目の視力は回復し、自らの在り方を受け容れたが故にファフナーへの搭乗も可能となっており、マークニヒトに唯一搭乗・操縦が可能なパイロットとして解体作業を引き受けている。同世代の仲間たちも大人びてきたことから対等な目線になっており、一騎だけでなく剣司たちとの関係も改善されており、以前ほどには孤立してはいないが、寡黙なところと不器用さは相変わらずである。料理や散髪といった家事にも意欲を見せるが、器具を持ち出して細かな数字にこだわるといった極端な行動に走るため、一騎に半ば呆れられている。1期では真矢に対して「気になる」という相関図の説明があったが、『EXODUS』では「恋愛感情?」になっており、なおも思慕の念があるのかは不明。ただし、真矢に自分だと泣かれ、一騎だと礼が言われるのは不公平だと言っており、また暉からは一騎に譲って身を引いたと思われている。 織姫から派遣部隊の危機を知らされ、マークニヒトを操り一騎と共に島の外へ出る。エリア・シュリーナガルでの戦闘がファフナーに乗っての初陣であるにもかかわらず、天才症候群に由来する並列処理能力や空間把握能力、そしてマークニヒトの性能もあって敵集団を自在に蹂躙する圧倒的な戦闘能力を見せつける。変性意識としては「獰猛かつ飽くなき支配欲」が発現、言動は苛烈かつ傲岸なものとなり、優れた頭脳と分析能力から戦況をゲームのように支配したいという欲求を覚えるものの、理性でそれを抑制し、速やかな敵の殲滅を優先している。脱出行の果てに、マークニヒトへの連続搭乗が身体の変質による耐性すら超えた同化現象を及ぼし、ついに結晶化症状を発症するに至ってしまうものの帰還に成功する。その後、拉致された真矢を救うべくヘスターとの交渉に臨む溝口に同行したため、第三アルヴィス上陸作戦には不参加、そこで救出された真矢の情報から敵の正体を悟る。その後、生命限界を悟りマークニヒトに前述の遺言を残した後、成人式を経て第四次蒼穹作戦に参戦、甲洋、操、剣司、一騎の援護を受けながらクローラー、ベイグラントを撃退する獅子奮迅の戦いを見せた後、同化現象により砕け散るが、消滅には至らずマークニヒトのコクピット内で赤子の状態で転生し、一騎によって回収される。2年後には成長し、一騎と共に海神島で時を過ごしている様子が確認できる。『THE BEYOND』以降の総士については#海神島パイロットとその候補(THE BEYOND以降)を参照。 遠見 真矢(とおみ まや) 声 - 松本まりか誕生日:2131年11月11日 / 星座:蠍座 / 血液型:AB型 / 身長・体重:163cm・48kg / スリーサイズ:B79・W57・H81 / 好きな物:フリークライミング、風の匂い / 家族構成:母・遠見千鶴、姉・日野(遠見)弓子 【1期】 本作のヒロイン。一騎とは対照的に女ばかりの3人家族で暮らす。 活発で優しい性格だが天然ボケな面もある。天才症候群の兆候により、異常ともいえる観察能力や洞察力を有する。周囲の人間が何を考えているのか、顔を見ただけで何となく分かってしまうため、多くの言葉を交わさずとも相手の心情を理解出来る。反面、その能力に加えて自己主張を要事以外はしないこともあり、周囲や特に同世代の者からうんざりされることもある。この力は趣味のロッククライミングの際にも発揮され、ろくな装備も無しに岩壁を難なく登っていく。父のカメラで写真を撮ることも趣味としている。医者の家庭で育つが、包帯もろくに巻けないほど医療関係の能力は低く、料理も苦手。 翔子とは特に仲が良く、身体の弱さであまり学校に通えない翔子の許をたびたび訪れては励ましていた。翔子同様に一騎に恋心を抱いていたものの、翔子への遠慮から自分の気持ちを押し殺していた。翔子の死後はその遺志を受け止め、一騎への好意を表に出すようになる。 最初のフェストゥム襲撃時、下校途中で屋外にいた。翔子と避難する途中で空が変わる様子(偽装境界が解除された)や、フェストゥムの攻撃でワームスフィアーに飲み込まれて周囲の建造物の一部もろとも切り取られるように人間が消滅するのを目撃してしまう。 適性検査の際、「身体的なハンデ」が発見されたためにCDCでオペレータを担当する。翔子の戦死、甲洋の廃人化と、自分の前から一人また一人と消えていくのを歯がゆい思いで見つめながら、少しでも皆の役に立ちたいと考え、溝口と共に危険な任務にも従事する。一騎のことを常に気にかけており、総士との関係の変化も、身体的な変化が起きていることにも真っ先に気づいている。 実は妹を思う姉の弓子により情報を改竄されており、一騎と同レベルの高いパイロット適性を持つ。その事実が発覚してからは、自らの意志でファフナー搭乗者となることを選び、マークジーベンに搭乗する。ファフナー搭乗時は変性意識によって、「機械的な冷静沈着さ」が発現、恐怖も焦燥も感じなくなり高い集中力・決断力を発揮するが、降りた後で泥酔状態になる。命中率90%オーバーという驚異的な狙撃能力を発揮し、初陣では他のパイロットたちの動揺と混乱をよそに遠距離射撃でフェストゥムに拘束されたマークドライを救援し、直後に自身めがけて飛来するもう一体のフェストゥムを一発で仕留める戦果を挙げる。蒼穹作戦ではマークザインと同化したライフルで敵のミールを撃ち抜く。総士と別離を経て、島への帰還を果たした一騎を出迎える。 次回予告での締めの言葉は「あなたはそこにいますか?」。 【劇場版】 喫茶「楽園」でアルバイトをしている。1期同様に一騎を気にかけており、一騎がマークザインに搭乗した時には動揺している。 第二次蒼穹作戦では防衛部隊として参加。マークニヒトによって機体は大破するが生き延びる。 【EXODUS】 かつての戦いで意気投合した溝口に師事するような形で、戦闘技術を伝授してもらっている。派遣部隊への参加までは、主に戦闘機に搭乗していた。一騎たちの世代ではパイロットになるのが遅かったことや同化耐性の高さもあり、同世代で最後の現役ファフナー・パイロットとなっている。第2種任務として平時は喫茶「楽園」の手伝いという役割が与えられているが、戦闘訓練のほうが忙しいらしく、あまり店には顔を出さない。また総士や剣司の前で半裸同然でいても気にしないなど、男ばかりの戦闘部隊の雰囲気に染まりつつある。溝口とは訓練中に冗談交じりで「お父さん」と呼んで「その呼び方は勘弁」と返されるなど、擬似親子のような信頼関係がある。 新国連のエスペラントとして島にやってきたジョナサンが異母弟と知ってからは、その存在に戸惑いながらもカノンの助言を受け、母や姉に代わり受け入れようとする。 派遣部隊では美羽を守るために同行を決め、総士からも撤退の判断を委ねられる。この派遣部隊への参加を最後にレギュラーパイロットを引退することが決まっている。高機動戦闘時でも正確極まる狙撃で敵を撃破するなど、その技量は健在である。また、耐久力の高さは特筆もので同化現象の兆候はほとんどみられないため、合流した一騎や総士たちを温存するため偵察任務など出撃を多くこなす。交戦規定アルファのもと追ってきたアルゴス小隊との交戦を経て、爆撃機を撃墜=人殺しをしたことを思い悩むも、仲間たちや一騎を守るため追っ手として現れる「人」の殺害に手を染める覚悟を決めていく。 20歳の誕生日と同日、竜宮島への合流を目前にアルゴス小隊の手で拘束され、新国連ダーウィン基地にてヘスターから免罪と引き替えに新たなザルヴァートル・モデル、マークレゾンのパイロットになることを要求される。溝口の手で救出された後は独断でアルゴス小隊との交戦に突入、基本兵装のみながら凄まじい技量でアルゴス小隊を圧倒し、自らの命をかけた説得でヘスターに交戦規定アルファを撤回させる。傷心ながらも総士とともに遅れた帰還を果たし、一騎たちともに成人式を迎える。 第四次蒼穹作戦ではエインヘリヤル・モデルに改修されたマークジーベンに搭乗、一度に多数の標的を視認する「多次元視界」のSDPを発現し、マークレゾンを除いた人類軍ファフナー隊を、ただ一人でパイロットを殺さないまま撃墜・無力化する成果を挙げる。作戦遂行後は精神が破綻寸前のビリーに銃を向けられ、それを受け入れようとするが、溝口がビリーを射殺したことにより救われる。その後、美羽との会話から弓子の死を悟ると共に、皆を守った感謝の言葉を受ける。 【THE BEYOND】 第五次蒼穹作戦に参加するが、自身のSDPに目をつけたセレノアのドミナント・クロッシングによって、右目の視力とSDPを奪われてしまう(SDPについては喪失まではしておらず、ファフナー搭乗時には多次元視界が発動する)。 3年後も拮抗薬の少量投与でパイロットを継続しており、パイロット・リーダーに就任したほか、第二種任務として図書館司書を勤めている。脱出行をきっかけにファフナー搭乗時の冷徹さを平時でも発揮する強靭な精神を獲得しており、総士の帰還後には過激な実力行使も問わない厳しい態度で彼を諌め、遠見家に身を寄せる総士の保護者を務める。一方で一騎の来訪時には穏やかな顔を見せており、互いを思いやる関係が続いている。 カノン・メンフィス → 羽佐間 カノン(はざま カノン) 声 - 小林沙苗誕生日:2132年5月27日 / 星座:双子座 / 血液型:AB型 / 165cm・49kg / スリーサイズ:B83・W60・H82 / 好きな物:あめ / 家族構成:養母・羽佐間容子 【1期】 新国連のファフナー搭乗者。アイルランド出身の少女。幼少時、フェストゥムによって家族や友達を奪われたところを道生に救われる。以降、自分を完全否定する性格になり、人類軍に参加後は「死に場所」を求めて転戦する。 人類軍による竜宮島占拠の際、日野道生とともに作戦に参加する。人類軍が撤退する際、バーンズの命令でフェンリルによる自爆を試みようとするも一騎の説得を受け、アルヴィスに投降する。以降は身柄を羽佐間容子に預けられ、一騎らと同じ学校にも通うこととなる。年齢的には一騎たちよりも1歳年下だが、乙姫の計らいで同じクラスに編入されている。それまで戦場に身を置いていたこともあって始めはぎこちない態度が目立ち、命令されることに慣れすぎたため物事を自分で決めることにしばしば戸惑う。しかし、子供たちとの友情や容子の暖かい愛情を受け、自分の存在と本当の居場所を島に見出す。 咲良が同化現象で倒れて間もなく、皆と同じでありたいという思いで半ば強引にフェストゥムの因子を自らに移植する。その後、蒼穹作戦直前に因子が定着したことでノートゥングモデルへの搭乗がかない、咲良のマークドライで蒼穹作戦に参加し、作戦中にはフェストゥムに「自分はここにいる」と叫ぶ。 当初は道生に憧れのような感情を抱いていた。後に一騎に好意を寄せるようになるものの、真矢の存在もあり一歩退く形になっている。蒼穹作戦前には容子に対して戦いが終わったら「母」と呼ぶことを誓い、見事その誓いを果たす。 【劇場版】 正式に羽佐間家の養女となり、高校では生徒会副会長を務め、咲良や保の世話で実務を行えない生徒会長の剣司の代わりをこなしている。序盤はマークドライに搭乗しているが、中盤から専用機の「マークドライツェン」に搭乗する。変性意識としては、獲得した居場所が脅かされる危機感から「熾烈な怒り」が発現する。島の生活に馴染んで物腰が柔らかくなり、容子を「母さん」と呼んでは「クルー兼教官」と窘められるなど良好な親子関係になっている。 第二次蒼穹作戦直前に同化現象の進行で苦しみ、フェンリルの起動が認証されるが自身がまだいることを主張して起動せず、結晶化するが寸前で一騎が肩代わりをしたことで消滅を免れる。 【EXODUS】 パイロットを引退し、容子や保から指導を受けメカニックの道に進んだ。第二種任務は不明であるが、新人たちが「先生」と呼んでいる。身に染み込んだ軍人気質は変わらないが、年相応に表情も柔らかくなり、里奈たちにも慕われている。 一騎への好意は変わらず、容子にからかわれることもある。真矢と同様にマークザインの強大な戦力より一騎の身を案じ、優先している。しかし、派遣部隊の危機を救うために一騎は、彼女の制止を振り切ってマークザインに乗ってしまうことになり、涙ながらに見送る。 SDP発現後の後輩パイロットたちを守るために、咲良と共にレギュラーパイロットへ復帰する。復帰に伴いSDP「予知」が発現。ファフナー搭乗による内蔵システムとの一体化により、起こり得るであろう複数の可能性を表示・観測、その中から選出した未来を擬似体験することで未来の選択肢が更新され、より多岐にわたる未来を観測するとともに、現在に何らかの影響を与えることが可能となる。 SDP発現に伴う新同化現象は質量(体重)の減少。未来において擬似戦闘を重ね、観測できなかった2151年12月18日以降のデータ取得に成功するも、その場に現れたマークザインから自分と一騎以外の生存者がいないと告げられ、これが自分が心の奥底で望んでしまった、選べない未来であることを悟る。未来をさらに書き換え、ファフナー・エインヘリヤルモデルのデータを完成させたのち、灯篭流しの夜に喫茶「楽園」のシートで一騎への想いを言い残して消滅する。彼女の消滅は剣司たちに深い傷を残し、特に剣司と咲良にとっては衛以来の仲間の死であり、見かねた里奈も彗にSDPで呼ぶことを願うほどであった。一騎もクロッシングで彼女が消滅する夢を見ていたが、島に戻るまで確証を持っていなかった。 しかし、彼女の意志はミールやゴルディアス結晶に強く残り続け、第三次蒼穹作戦ではミールが彼女の姿を借り、剣司と彗にクロッシングで新たな力を育てるよう呼びかけている。その後も翔子と共に一騎に祝福を与え、第四次蒼穹作戦では海神島のコアに取り込まれかけた一騎を守る。 彼女が「楽園」に残した帽子は、合流後もそのテーブルに置かれたままになっている。 羽佐間 翔子(はざま しょうこ) 声 - 松来未祐 【1期】 真矢の親友で病弱な少女。アルベリヒド機関の保管遺伝子より誕生し、容子の養子となる。肝臓に持病を持っており、長時間の運動が出来ないせいで臥せりがちの不自由な生活を強いられていた。思うように学校に通えない彼女のために、真矢をはじめとする友人たちが訪ねて来てくれることが唯一の楽しみであった。しかし肉体的ハンデとは裏腹に、実は一騎に次ぐ高いパイロット適性を持つ。おとなしい性格だが、芯は強い。一騎に恋心を抱いており、自身は甲洋から想いを寄せられている。 身体上のハンデから、ファフナーの正規搭乗者ではなくオペレーターを務めるが、一騎との約束を果たすため、整備が不完全な上にまともな武装もないままのマークゼクスで出撃し、フェストゥムに追い詰められる。苦闘の末、レイジングカッターをフェストゥムに巻き付け島から引き離そうとするが、同化されかけて脱出不能となり、フェンリルの使用を決意。総士の同意を得て、養母である容子への謝罪、一騎への想いを口にした後、フェストゥムを道連れにして自爆する。ファフナー搭乗時は一騎への思慕がさらに強くなり、同時に攻撃的な性格へと変貌している。 翔子の犠牲は「無断出撃して貴重な機体を破壊した愚か者」という悪評となり、墓碑に嫌がらせをされるなどの仕打ちを受けてしまう。翔子の死は甲洋と真矢にも大きな影響を与え、甲洋は翔子同様に自己犠牲に走り、真矢は翔子の死を受け止めて一騎の力になる決意をする。また、竜宮島に暮らすことになったカノンは容子の計らいで翔子の部屋や衣服を与えられており、当人同士に面識はないものの、カノンの心に深く意識される存在になる。 【RIGHT OF LEFT】 一騎同様、島の事情は知らない。僚と同じく肝臓病を煩い、遠見医院に通院しているため、彼とは顔なじみになっている。僚の持病が親ゆずりであるという会話から、薄々自分が母親と血のつながりがないことに感づいている。 【EXODUS】 真矢とカノンは彼女の墓参りを続け、帰還した甲洋もショコラと共に訪れている。海神島への上陸作戦中、ミールに残った彼女の記憶がカノンと共に眠り続ける一騎の前に現れる。その際に祝福を受ける決意をした一騎に真矢が海に浮かべた花を手渡しており、一騎の記憶を通してミールが祝福の証の一つとして花を理解したことを暗示している。第四次蒼穹作戦でも、ミールに記憶された彼女の意志がカノンと共に一騎を守る。 春日井 甲洋(かすがい こうよう) 声 - 入野自由、市川まゆ美(幼少時代)家族構成:父・春日井正浩、母・春日井諒子 【1期】 穏やかで心優しい少年。両親が経営している喫茶「楽園」が自宅で、非常に利己的な両親との折り合いは良くない。翔子のことを想っており、一騎との橋渡しになったこともあった。実は彼も翔子と同じで、アルベリヒド機関の保管遺伝子から生み出された子供であり、両親との血縁関係はない。また翔子と違って、両親からはあくまで自分たちの立場を高めるための道具としてしか見られておらず、全く愛情を受けずに育った。 当初は戦うことに否定的だったが、翔子の死後は自ら戦う決意をし、マークフィアーの搭乗者となる。一方、翔子の件で一騎と総士に憎しみを抱くようにもなる。真矢と溝口の救出に向かい、2人の救出に成功するが、その代償としてフェストゥムに中枢神経を同化されてしまい、昏睡状態に陥る。この事件によりパイロットの間に自己犠牲を厭わない意識が蔓延することを危惧した総士は、仲間に対する抑止を狙った煽りとして「自業自得」と言い放つが、仲間の命を軽んじているとの誤解を招くことになり、真矢の怒りを買い、一騎が島を出て行く原因の一つとなる。 昏睡状態になってからはアルヴィス内の一室に設置されたカプセルの中で眠り続けるが、千鶴が凍結・封印を決めると実行される前に乙姫により解放される。当初は心神喪失状態で、既にいない翔子を求めて彷徨い、大人たちの手で討たれそうになるが、一騎たちに守られ、感情を甦らせてスレイブ型のフェストゥムに変化し、再び眠りにつく。その後、一騎たちを送り出すためにフェストゥムの姿となり、ミョルニアと共に島を護り、蒼穹作戦において一騎と総士を助ける。 小説版では、周りの者を安心させる性格だが、ファフナー搭乗時は同化された味方を冷静に処理することから「味方殺しの甲洋」と呼ばれている。また、天才症候群のために驚異的な記憶力を持ち、他人の言動や仕草を思い出しては疑心暗鬼に囚われる様子も描かれている。 【劇場版】 島の危機に際し、自らを機体のコアにしてマークフィアーを動かし、暉や咲良を救う。パイロットIDが甲洋のままであったこともあり、春日井甲洋として島の防衛部隊に配備される。マークニヒトとの戦闘で機体を破壊されるが、コアは辛くも難を逃れ、その後の行方は不明。 【EXODUS】 長らく消息不明であったが、第三次蒼穹作戦にて彗の搭乗するアマテラスがウォーカーに同化されかけた際、島のミールの力でウルドの泉より復活する。失われたマークフィアーおよびヒトとしての姿をも単独再構成し、アマテラスを救う。そのまま機体とパイロットが再登録され、ワームスフィアのSDPを発現し、ウォーカーの撃破に大きく貢献する。 ヒト時代に果たせなかった「みんなを守る」という願いのもと、そのまま竜宮島に復帰、元の仲間とともに成人式も迎えている。フェストゥムになったために島のミールとも強くつながっており、たびたび記憶として島に残ったカノンと翔子に出会っている。さらに後から合流した操とは、起源は違いながらも同じヒトの心を持ったフェストゥムとして凸凹コンビぶりを見せ、第四次蒼穹作戦後にはベイグラントのコアに囚われた一騎を共に救い出す。 【THE BEYOND】 第五次蒼穹作戦で一騎や美羽と共に参加するが、レガートの足止めをくらい、マリスに逃げられてしまう。 海神島では第二種任務としてかつて両親が営んでいた「楽園」のマスターに就任し、一騎や操との3人組で店を切り盛りしている。戦闘時には変わらず操のフォロー役に回っている。 要 咲良(かなめ さくら) → 近藤 咲良(こんどう さくら) 声 - 新井里美誕生日:2132年3月22日 / 星座:牡羊座 / 血液型:AB型 / 164cm・52kg / スリーサイズ:B81・W60・H84 / 好きな物:絵本 / 家族構成:父・要誠一郎、母・要澄美 【1期】 ボーイッシュな少女。翔子の死後、マークドライの搭乗者となる。スポーツ万能、勝気で男勝りな性格だが面倒見が良く、剣司と衛からは「姉御」と慕われている。一方でファザコン気質なところがあり、父のような男性が理想のタイプである模様。父を殺したフェストゥムに対し強い敵意を持っており、一体でも多くのフェストゥムを倒そうと奮戦する。一騎の活躍に対して強い対抗意識を抱いたり、剣司に撃墜スコアで追い抜かれたことを嘆くなど、負けず嫌いな性格。 剣司の想いに答える形で次第に心を通わせ合うが、その矢先に同化症状が発症、一時は昏睡状態に陥るが、真壁紅音(ミョルニア)がもたらした治療法により回復の兆しを見せる。 ファフナー搭乗時はフェストゥムへの憎悪が強く表れているが、その内面にはフェストゥムに対する恐怖の感情も押し隠されている。 天才症候群の兆候として、物体のバランスや力の作用など、力学的効果の面で才能を持つ。プロの軍人で体格でも勝る人類軍兵士をも投げ倒すなど、格闘技で才能を見せるのはこのためである。 ドラマCDでは、本編では描かれなかった真矢との確執が明らかになる。 小説版では、名前こそ出てこないが「道場娘」として登場している。 【劇場版】 真壁紅音(ミョルニア)が教えた治療法により、後遺症はあるものの通常生活を送れるまでに回復している。普段は車椅子を用いているが、自力で歩くこともできる。未熟な後輩を支える重責を剣司と分かち合うため、再び「マークドライ」に搭乗する。身体的ハンデを経た経験からか、変性意識は自由に体を動かせる喜びを覚えるという、将陵僚のものに近い「享楽的な戦意」へと変化。戦闘時は亡き父同様に空戦を担当する。 【EXODUS】 四肢に軽い硬直が残るために歩行に杖を必要とするが、身体は回復しており、中学校の体育教師として島の子供たちを厳しくも暖かく指導するほか、後輩たちのパイロット教官もこなしている。また、「島の皆と同じ言葉を使いたい」というカノンに日本語の指導をしていたことが語られている。 後輩たちの指導を行いながらも、自らもまだ搭乗が可能と感じており、アザゼル型との戦闘ではマークドライが無人機開発のために出撃不能であるにもかかわらず出撃しようとする。 SDPに伴う未知の同化現象を引き起こしたパイロットたちを勇気づけ、臨床データを得るために、スレイプニールシステムの操作(無人機・トルーパーモデルの指揮)要員としてパイロットに復帰。それによりSDP「増殖」が発現、統括する無人機が撃破されるたび、その分身体が大量に発生するようになる。増殖した機体の感覚も知覚してしまうため、大きな負担を受ける。新同化現象は体温の低下。16話時点で30℃を切るほどに低下している反面、体感は強い熱を感じ「熱いけど寒い」感覚に襲われる。 ウォーカー群の本格的な島侵食に伴い、澄美が後遺症を発症し生命の危機に陥ったことを期に、彼女を喜ばせたいという思いから剣司と入籍、夫婦で生き残るという思いをあらたに、後輩を鼓舞しながら戦いに臨む。第四次蒼穹作戦では母に別れを告げられ、剣司たちと共に島の封印を見届ける。 【THE BEYOND】 パイロットを完全に引退しており、第五次蒼穹作戦では剣司との間に生まれた息子・衛一郎と共に海神島に残っている。貴志家とは両親の任務時にフェイを預かるなど家族ぐるみで良い関係を築いており、のち両親が戦死したフェイを引き取っている。 近藤 剣司(こんどう けんじ) 声 - 白石稔誕生日:2131年12月7日 / 星座:射手座 / 血液型:B型 / 168cm・60kg / 好きな物:貝殻 / 家族構成:母・近藤彩乃 【1期】 一騎や甲洋たちとは異なり自然受胎により出生した、仲間思いでお調子者の少年。自称イケメンの目立ちたがり屋。軽率な言動と不甲斐ない態度から母・彩乃や周囲から呆れられている。まだシミュレーションで訓練中の頃から、ファフナーのパイロットだと吹聴してナンパのネタに使っている。他に立候補者がいなかったため、中学校の生徒会長を務めるが、ほとんど認知されておらず、真矢や咲良、彩乃らは総士が生徒会長だと思っていたほどである。校内に立てこもった広登を生徒会長として説得する際も「近藤先生の馬鹿息子」と嘲られている。 一騎が島を離れた後、マークアハトの搭乗者となる。変性意識としては「挫折への恐れ」が発現することで臆病な性格に変化する。反面、戦闘能力は高く、フェストゥム撃破のスコアは先に搭乗していた咲良を追い抜いている。 咲良に好意を寄せており、「弱い男に興味はない」と公言する彼女に振り向いてもらうため、身体能力の高い一騎にたびたび決闘を申し込んでいる。一騎個人に悪い感情を抱いているわけではなく、むしろ一騎を孤立から救っていると将陵僚からは評されていた。 咲良の同化・衛の死を受けて引き籠ってしまい、母・彩乃がフェストゥムに同化されたことで追い詰められるが、カノンや澄美との対話を経て立ち直る。一騎、真矢、カノンと共に蒼穹作戦に参加し、彼らと心を一つにして戦う。最終局面では勇敢な面も見せ、一騎たちと分断されてしまうにもかかわらず、単独でイドゥンに同化されたマークニヒトに深手を負わせてフェストゥムに痛みを教えるきっかけを作り、竜宮島への帰還を果たす。 天才症候群の兆候として、直感的解答力に優れるが、そこまでの過程がわからない(数学の答えが直感で解るが、そこに至る数式が理解できないなど)ので、結果的に皆に馬鹿にされる。とはいえ、戦闘時においてそれは大きな武器となり得るものであり、弱点の分からない敵に対して直感で突破口を開く役回りを担うこともしばしばある。 【劇場版】 高校でも生徒会長を務めるが、実務はカノンに任せて、咲良の介護や、先の戦いで妻子を失った保の面倒を見ている。 母や衛の死、咲良の一件から強い責任感を持つようになり、後輩パイロットの教官役を務めるなど、変性意識を克服して積極的なリーダーシップを取るようになっている。演習で手加減していたことを理解できない後輩たちから侮られもするが、実戦では広登の単独行動を咎め、里奈の命を救うなど、後輩たちを守り抜いて一人の戦死者も出さずに終わる。 【EXODUS】 中学校の保健医として、咲良と共に日々を送る。多くの戦いを経験して少年時代のお調子者の顔は影を潜め、責任感にあふれた青年に成長している。大量の医学書を読み漁り、戦闘後のパイロットたちや一騎の身体のケアも行っている。 同世代の中では真矢に次いで長期間パイロットを続けていたが、これはパイロットの座を後輩たちに譲ることで、自分のような辛い想いをしてしまわないようにという想いからである。広登や里奈も彼の気持ちには気付いており、「互いに守りあって皆で生きて帰る」という彼の信念を受け継いでいる。 総士がマークニヒトに搭乗するようになってから、ジークフリード・システムによる戦闘指揮を引き継ぐ(システム適性があるという設定自体は小説版で示されていた)。戦略的観点から非情な決断をもやむを得ないとする総士や彗とは異なり、「全員で生き残る」ことを最優先として戦略を立てていく。操作自体は総士も認めるほどにこなすが、パイロットたちの負担を過剰に引き受け、自身の負担に配慮しない傾向を総士や咲良に指摘されており、咲良からは背中にビンタなどキツいお仕置きを受けることも。その後も指揮官、医師として新同化現象の正体を探る中、新同化現象の正体がファフナーに最も近いパイロットの指と脳に関係することを突き止める。 ウォーカー群の本格的な島侵食に伴い、澄美が後遺症を発症し生命の危機に陥ったことを期に、彼女を喜ばせたいという思いから咲良と入籍する。夫婦で生き残るという思いをあらたにパイロットに復帰、ジークフリードシステム内蔵型のマークアハトによって戦闘・指揮を同時に行うという、最も重要かつ危険な役回りを引き受ける。また第三次蒼穹作戦以降、島のミールからのカノンの姿をとったクロッシングを受ける役割を担うとともに、他者との接触によって損傷箇所修復や同化の肩代わりを行うSDPを発現した。新同化現象は感覚の消失であり、痛覚や温度感覚などを失っていく。ナレインや総士の合流後も、総指揮を引き続き担当し戦いに臨む。第四次蒼穹作戦では、ゼロファフナーの護衛や撃墜された仲間の回復に力を尽くした後、竜宮島のアルタイル封印を見届け、仲間たちとともに故郷への帰還を誓った。1期、劇場版、本作で行われた4度の蒼穹作戦全てにパイロットとして参加し、かつ生還している唯一の人物である。 【THE BEYOND】 2年の間にパイロットを完全に引退し、咲良との間に息子・衛一郎が生まれている。第五次蒼穹作戦では再びジークフリード・システムの搭乗者として参加するも、セレノアのクロッシングを経由した同化で自身も同化の危機に瀕し、拮抗薬とクロッシングの強制解除で同化の危機を逃れるが、イザナミがフェンリルで自爆してしまう。 3年後にはジークフリード・システム搭乗者の任務を彗に引き継ぎ、総士救出作戦の際にはブリッジで史彦の補佐に就いている。第二次L計画では引き続きジークフリード・システムに復帰している。 小楯 衛(こだて まもる) 声 - 斎賀みつき家族構成:父・小楯保、母・小楯千沙都 【1期】 大人しく引っ込み思案な少年。剣司の親友であり、咲良を含め3人でいつもつるんでいる。剣司と同時にマークフュンフの搭乗者となる。大の漫画好きで、大粒あんこ作の『機動侍ゴウバイン』は特にお気に入りだが、後に「大粒あんこ」の正体が自身の父親だと知る。犬が苦手であり、甲洋からショコラを引き取ってくれるように頼まれた際は断っている。 恐怖心を抑えるため、ファフナー搭乗時は自作したゴウバインのヘルメットを被り、「俺がゴウバインだ」と自己暗示をかけている。お陰で普通は日常時とファフナー搭乗時に起こる性格の変化が、衛に限ってはヘルメットを被らない時と被った時に生じる。被った時は非常に強気であり、咲良と剣司を驚かせるほどだが、ヘルメットを外すと元の性格に戻る。また、ヘルメットを被っている時の記憶はない。『ゴウバイン』の作者が父だと知ってからはゴウバインのヘルメットをかぶることをやめ、強くなることを決意する。戦闘に関しての総士の評価は高く、ファフナー7機体制の際は一騎と衛の2人が中心になっていると衛に告げている(一騎とのツインドックを総士に提案されるが、衛は剣司・咲良とのトリプルドックを希望する)。 スカラベ型フェストゥムが襲来した際、後輩の広登にゴウバインのヘルメットを託して出撃、仲間を守るために自ら敵と共にルガーランスに突き刺さり、スカラベ型が断末魔に放出した黒い力場によって脱出したコクピットごと絞るように全身をねじ切られ死亡する。変形して落下したコクピットを眼前で目撃した剣司の心に大きな傷を残す。 天才症候群の兆候として、構造理解力に優れる。衛の修理した通信機とそれを通して子供時代の一騎らが応答したことが、後のフェストゥム来襲の遠因となっている。 【EXODUS】 故人だが、島を守った英雄として後輩たちから尊敬され、遺品となったゴウバインのヘルメットはファフナーパイロットたちに勇気の証として受け継がれる。衛が託した広登を経て、美三香が3代目の所有者。ただ、織姫にオモチャにされるなど不憫な扱いを受けることも。 第三次蒼穹作戦の最中には、ミールが剣司と彗にクロッシングを行った際にカノンたちと共に現れる。会話こそ無かったものの、彼との再会により剣司は「強くなる」ことを改めて決意することになる。 蔵前 果林(くらまえ かりん) 声 - 白石涼子(本編) / 木村亜希子(RIGHT OF LEFT) 【1期】 フェストゥム襲来時の竜宮島で、ファフナーに唯一搭乗できたパイロット。しかしマークツヴァイに乗り込む直前、ヴァーンツベックでの移動中に攻撃を受け、戦うことなく日野恵とともにフェストゥムに同化される。5年前の事件以降、一騎と疎遠になっていた総士にとっては唯一秘密と本音を明かせていた人物で、数少ない理解者である。特に本編前半は一騎らパイロット間との現実認識の差も絶望的であり、予期せぬ彼女の早すぎる死亡は大きな痛手だった。 【RIGHT OF LEFT】 アルベリヒド機関により誕生した皆城家の養子で、総士の義姉。マークツヴァイの搭乗者。総士とは義姉弟の関係にあるため、彼女も初めから島の秘密を知っていた。犠牲を払ってまで存続しようとする島のやり方を認められないものの、それしか道がないことも理解している。眼鏡はファフナーの起動実験を幾度も行ったことに伴う同化現象によって眼が紅くなったことを友達に隠すためのものである。僚がL計画に参加している間、愛犬プクを預かることになる。 【EXODUS】 第三次蒼穹作戦の最中、ミールが剣司と彗にクロッシングを行った際にカノンや衛、翔子と共に現れる。
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